蕪栗-伊豆沼 2022/06/25
09:00-15:00 晴れ
この日の鳥見は定番の鳥だけだったので,チョウやトンボの観察に集中できた。
ヒョウモンチョウの仲間は,野原の緑に映えるオレンジ色に黒い斑が散らばるとてもきれいなチョウだ。
ただし,互いに似たような模様なので,翅の表側だけでは識別しづらい。
翅の裏を見ると,この子は白い丸い斑が散らばっている。
このように銀白色の斑が散らばってるのは,ギンボシヒョウモン,ウラギンヒョウモン,オオウラギンヒョウモンの3種。
このうち,ギンボシヒョウモンは後翅の前側にある斑が4つ。この子は5つあるので,ウラギンヒョウモンかオオウラギンヒョウモンのどちらか。オオウラギンヒョウモンは後翅の後ろ側にある斑の形が中がくぼんだ形なので,この子は違う。
なので,この子はウラギンヒョウモンということになる。
ウラギンヒョウモンは,♂の翅の表側にある2本の線が鮮明で目立つのも特徴。
この線は「性標」といって,♂が♀を刺激する匂いを出す鱗粉(発香鱗)が集まっているらしい。
ちなみに,アサギマダラは後翅に黒っぽい性標があり,この有無で♂♀の見分けができる。
正面顔も撮影していたので残しておこう。
こうして顔をしげしげ見ると,何を考えているのだろう,と思う。
でも,虫だし,考えていることは何もないんだろうなぁ,と思い直す。
すると,「何も考えていない」ということが想像しづらく,不思議になる。
こちらは,お馴染みのヒメウラナミジャノメとヒメジャノメ。
ヒメウラナミジャノメはどこにでも山ほどいるが,ヒメジャノメは最近あまり見ていなかった。
次はヒカゲチョウとイチモンジチョウ。
これはお馴染みのキアゲハ。
他人事のような言い方だが,最近,飛翔写真も撮ろうとしているようだ。
全体に薄黄色で黒い模様のチョウだが,青と赤の配色が効いている。
こちらはキチョウ。
ちっぽけな黄色いチョウで,寒い季節になっても飛んでいるチョウだ。
キチョウは,キタキチョウとミナミキチョウの2種に分かれたようだが,これはキタキチョウの方かな。
トンボではカワトンボ,鳥ではムシクイの仲間の分類が昔と変わってしまったが,チョウの世界でもこういうことがあった。
これは,専門家でも同定するのがむずかしい仲間がいる,ということ。
黄色いチョウの代表格はモンキチョウ。
子供の頃,チョウと言えば,モンシロチョウかこのチョウで,こちらの方が少なかったので,捕らえると嬉しくなるチョウだった。
翅の表にあるオレンジの斑がチャームポイント。
普通は翅をなかなか広げてくれないので,今回,見ることができ,さらに撮影することもでき,チョウ嬉しい。
こちらはキタテハ。
シータテハと似ているが,裏の色が黒褐色ではなく茶褐色であること,表に青い小さな斑があることで識別できる。
この青い斑がチャームポイント。
セセリチョウの仲間は,地味で,小さく,足元を素早く飛ぶので目立たないが,よく観察するとなかなか面白い。
この日出会ったこの子はオオチャバネセセリかな。
似ているセセリチョウに,イチモンジセセリ,ミヤマチャバネセセリ,チャバネセセリなどがいるが,白斑の並び方や大きさなどで識別する。
幸いなことに,まだチョウには詳しくないし,覚えても覚えたことをすぐ忘れるので,図鑑を頼りに種を特定するのもとても楽しい。
シジミチョウの仲間は,小さくって,誰もが可愛いと思えるのではないか。
ベニシジミは,他に似たチョウがいないので同定が容易。
白黒の世界の冬を抜けて,春先に出会うと,とても嬉しくなるチョウ。
ヤマトシジミもごくごく普通にいるチョウで一見地味だが,屈んで近くで観察すると,白くて清楚でとても可愛い。
この日,ツバメシジミとは出会えなかったが,次回はぜひとも再会したい。
シジミチョウの仲間は,翅をスリスリ動かすのも,超めんこ。
モンシロチョウとスジグロシロチョウの識別はちょっとむずかしい。
スジグロシロチョウ以外にも,ヤマトスジグロシロチョウ,エゾスジグロシロチョウの2種類がいるらしいので,さらにやっかいだ。
この子はどちらだろう。
翅脈が黒っぽいので,スジグロシロチョウで良いだろうか。
さて,トンボ。
この日はこのトンボと出会えた。
秋に赤くなるトンボではなく,最初っから赤いトンボ。
頭から尾っぽの先,さらに足まで全部赤い。真っ赤っか。
これで頭が金色だったらカズレーザーだ。
珍しいトンボではないが,今季初物だった。
胸が見える写真も置いておこう。
このトンボは識別に困ることはないが,胸はトンボの識別ポイントの大切なところ。
ショウジョウトンボの「ショウジョウ」は,春先に咲くショウジョウバカマにも付けられているとおり,赤い色を指しているようだ。
調べてみると「猩々緋」(しょうじょうひ)という鮮やかな赤を指す言葉があった。ネット上に色見本も置いてあったが,東北楽天ゴールデンイーグルスの臙脂色っぽいチームカラーとは別物の真に真っ赤な色。どちらかと言うと広島東洋カープのチームカラーにに近い色。中国由来の伝説の霊獣「猩々」の血の色が由来とされているという。
ちなみに,今「猩々」というと,オランウータンのこと。
こちらの赤くないトンボは♀だったのかな。
ショウジョウトンボがいた池の水面には細くて小さくって,気を付けないと見逃してしまいような小さなトンボもいた。
猩猩緋の補色のようなきれいな青。
この仲間も互いに似ていて,識別がむずかしいが,オオイトトンボということにしておこう。
つながって産卵している光景も見られた。
♀をずっぽしと水に浸けているのが面白い。
お馴染みのシオカラトンボは水路沿いに驚くほど多数いた。
どのトンボも肉食だが,シオカラトンボも結構凶暴で,老成して大きくなったシオカラトンボが他のトンボを捕らえて食べているのを見たことがある。
しかし,ここにたくさんいたシオカラトンボは,かなりの割合,鳥などの食糧となる運命かもしれない。
焼肉定食の世界だ。
ノシメトンボは季節が進むと,もうこれ以上見たくない,というくらい数が増えるが,まだ出始め。
この子も生まれたての新鮮な体。
ハグロトンボは水辺のいたるところで見られるが,ここにもいた。
アオハダトンボと似ているが,アオハダトンボははもっと光沢がある。
最後に,出会えた鳥の写真も残しておこう。
こちらは,蕪栗の定番の鳥たち。
ヨシ原の定番のオオヨシキリの定番の鳴き姿。
赤い口の中が写っているもの。
オオヨシキリが飛んだ後,同じヨシにシジュウカラが止まってさえずった。
この姿はややイレギュラー。
あまりにも身近な鳥なので,これまで口の中をよく見たことがなかったが,口の中は黒かった。
ノゴマなどと同じだった。
こちらもここの常連さん。
ダイサギはくちばしが黄色い子と黒い子がいた。
最近,ミサゴの魚を持っている姿は,出かけるたびにいたるところ撮影しているような気がする。
こちらは伊豆沼のミサゴ。
内沼の岸辺に16羽いたセイタカシギは,10羽に減っていたが,まだ同じようにしていた。
エレガントな姿。
こちらは♂。
この♀は魚を捕食していた。
この魚は何を考えているのだろう。
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