伊豆沼 2022/06/04
12:30-16:00 晴れ
午前中,蕪栗沼でツルシギを見ることができなかったので,午後から伊豆沼に行ってみた。
以前同じように動いて,幸運にも至近距離から黒くなったツルシギたちを見た経験があったからだが,柳の下にドジョウは2匹いなかった。
しかし,蕪栗沼同様,伊豆沼でも思いがけない出会いが続いた。
伊豆沼に到着して,伊豆崎のヨシ原の隙間から小さな湾になっている水面を覗き込んだ瞬間…,
目の前をふわりと大きな影が舞い降り,しばらく水の中にいた後,大きな魚を掴み,飛び去って行った。
持っていったのは,こんなに大きな魚。
重さがどのくらいかわからないが,すごい揚力と爪の力。
片足でぶら下げることになっても落とすことなく,掴みなおして飛んでいった。
軍用機(V-22)の愛称の「オスプレイ(Osprey)」は,ミサゴの英名だが,こういう姿をイメージして命名されたのかもしれない。
初っ端からすごい場面と出会ってしまった。
伊豆沼というフィールドの奥深さ。凄さ。
近くの電線ではツバメの巣立ち雛たちが親に餌をねだっていた。
巣立っても親に甘えるのは人間と一緒。
まずは,落ち着いて伊豆沼農産でハムやソーセージ,赤豚の肉,米,野菜などを購入し,持って行ったクーラーボックスに入れる。
欲しかった納豆を買い忘れてしまったのが残念。次は忘れないようにしないと。
買い物の後,伊豆沼北岸の土手を車で流していると,なんとクロハラアジサシたちの小さな群れが水上を舞っている。
すぐに遠ざかっていったが,飛んで行った方を確認し,当たりを付けて探してみると。
いた。
5/22の鳥の海,この日午前の蕪栗沼に続いて,今季3度目の出会い。
いたのは遊覧船の船着き場の杭の上。
山ほど写真を撮ってしまったので,そのほとんどをここに置けない状態になってしまったが,アジサシ類お得意の伸び伸びポーズは外せない。
気持ち良さそう。
杭の上では,こんなおちゃめな格好も見せてくれた。
おっとっと。バランスを崩してしまったかな。
ここがお気に入りの場所だったようで,魚を捕りに周辺に出かけても,すぐに戻ってきていた。
皆,杭は高い方が好みなのか,この杭をめぐって何度か攻防が見られた。
上に乗りそうな感じもしたので,恋の行動をするのかな,と,ちょっと期待してしまったが,何のことない,ただの諍い。
後に来た方が奪い取れず。
元々ここにいた子が再び定位置に戻る。
この瞬間,翼と尾羽を広げた。
1枚1枚の白い羽根の重なりがとてもきれい。
お腹の黒とのコントラストも美しい。
美しくカッコ良いアジサシ類だが,めんこさは脚にある。
よく見ると,小さな脚にしっかり水かきがある。
蕪栗沼では水上を低く巡回するように飛び,水上にある何かをついばんでいたが,ここでは普通にダイブしていた。
ヨシが邪魔をして飛び込む場面を撮れなかったのが残念だったが,飛翔の姿も堪能。
翼の先が尖った鳥は,W型になっている飛翔形も押さえておかないと。
ヨシの向こう側の水面を狙っている姿。
水面バックの飛翔。
群れは全部で7羽。
うち6羽はクロハラアジサシで,1羽はハジロクロハラアジサシだった。
ハジロクロハラアジサシは,気が付いたらそこにいた。
頭にヘッドホンをした冬羽とは会ったことがあったが,夏羽とは初対面。
これまでも来ていたのだろうが,少数が通過する鳥なので,出会いは運任せ。ここにこの時期に行けば会える,という鳥ではない。
黒い体に白い翼の美しい姿は,憧れの姿で,たぶん自分は一生会えないだろう,と思って諦めていた。
そういう鳥が,いた。
こういうときって,歓喜で興奮しまくると思いきや,人間って,あまりに思いがけないと,心が現実に追いつけなくなる。
会いたくて会いたくて,会いたい気持ちが募って,狙って,探して,見つけたときの爆発するような嬉しさ,興奮はなかった。
一途にじっと見るのみ。
恋していた女性に振られ,すっかり諦めた後,思いがけず逆告白されてしまったときのような感じか。
経験はないけど。
一度飛んだが,じっとしているとまた飛んできて,目の前の竹にふわりと止まった。
ユリカモメやズグロカモメは頭だけ黒くなるが,この子は体全体が黒くなる。
白い翼と黒い体の対照。
長年夢見ていた美しい姿が,現実に,目の前にあった。
こちらに向かってくる姿。
大サービスだ。
Wの悲劇ならぬ,Wの歓喜。
♪ もう 行かないで~ そぉばにいて~ ♬
夢のような時間だった。
アジサシたちを見ている間,またもや魚を持っているミサゴが現れ,悠然と飛び去って行った。
この日は,クロハラアジサシとハジロクロハラアジサシなどでお腹一杯になったので,もう帰っても良いかな,と思いつつ,一応は内沼の方も眺めながら一周してから帰ろう。
と,内沼に寄ったら,この光景。
なんと,ここに写っているのだけでも12羽のセイタカシギ。
ここに12羽いるとき,道路を挟んで反対側の田んぼにもいた。
上の画像には計3羽しか映っていないが,遠くの方にもう1羽いて,こちらには計4羽。
最初の12羽と合わせて,計16羽ものセイタカシギが入っていた。谷津並みの数だ。
12羽の集団の方では交尾も行われていたようだ。
田んぼの方にはケリもいた。
3工区を探してもおらず,がっかりしていたが,ここにいた。
現場で教えていただいた方に感謝。
その場では気づかなかったが,写真を見ると,幼鳥もいたのかな。
何といっても,ケリは,飛翔の姿が美しい。
これを見ずしてケリを見たことにはならない。
気が強く,トビにでも突っかかっていくので,飛ぶ姿を観察するチャンスは多い。
ただ,お願いだから,セイタカシギとは仲良くやってほしい。
セイタカシギは交尾していたようだが,ここでの繁殖の可能性はどうなんだろう。
【観察できた鳥】
ウグイス,ハシボソガラス,スズメ,オオヨシキリ,ミサゴ,ヒヨドリ,トビ,カンムリカイツブリ,キジバト,ツバメ,シジュウカラ,ムクドリ,キジ,ヒバリ,クロハラアジサシ,ハジロクロハラアジサシ,ハクセキレイ,アオサギ,ダイサギ,セイタカシギ,ケリ,カルガモ (22種)
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