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2022/06/21

蕪栗 2022/06/04

06:30-12:00 晴れ

 夏羽に換羽して黒くなったツルシギを見たくて蕪栗沼に行ったのだが,沼は水量が多く,シギチが入れる状態ではなかった。

 しかし,期待していなかったところで,思いがけず,充実した鳥見ができた。

 まずは,カッコウ。

 道に這っていた毛虫を捕らえ,樹上で苦労しながら飲み込む。
 ここは毛虫が多いので,カッコウにとっては餌に不自由することがない。

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 南側駐車場周辺に3羽おり,盛んに鳴きながら飛び交っていた。

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 ヨシ原にたくさんのオオヨシキリがギョギョシ,ギョギョシと賑やかにさえずっていたので,托卵の機会を窺がっていたのかもしれない。

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 カッコー,カッコー,と,のどかな声で鳴いていたが,やろうとしていたことは,決してのどかなことではない。

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 オオヨシキリなどの仮親に托卵されたカッコウの卵は,仮親の子たちより早く孵化し,生まれ出たカッコウのヒナは,仮親の孵っていない卵やヒナを巣の外に押し出して落として,その後,仮親がせっせと運んでくる餌を独り占めして,大きく育つ。

 つまり,カッコウは,我が子に他人(ヒト)の子を皆殺しさせ,自分の子を皆殺しにされた当の親に我が子を育てさせている。人間ならば,八つ裂きにしても足りないくらいの恨みを持っても良いような子を,我が子同然に育てさせている,ということ。

 そんなんだから,極悪非道の悪人と思いがちだが,カッコウにはカッコウの事情がある… ?

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 一番有名で誰もが知っている説は,カッコウは体温を一定に保てず,自ら抱卵してヒナを孵すことがむずかしいので,やむなく托卵している,という説。

 「やむなく」という部分は間違いないと思うのだが,托卵するということは,他の鳥に種の存続を委ねているわけだから,私には危ういとしか思えない。托卵されている方が100%見破るようになれば,また,托卵される鳥がいなくなってしまえば,繁殖できなくなってしまう。
 天秤が托卵に傾く理由としてはすんなりと納得できない。
 自分の力で育てるのではなく,他人の力に子育てを託してしまう,というのは,やっちゃいけない賭けのようなものではないか。

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 托卵される鳥の方も,ずっとそのままおとなしくしているわけではなく,果敢に攻撃して追い払うこともある。
 実際,北海道でノビタキたちがカッコウに激しく攻撃しているのを見たことがある。

 さらに,卵を産み付けられた後でも,カッコウの卵を識別して,壊して落としたり,つついて食べてしまったりすることもあるようだ。
 カッコウの方も,卵を識別しづらくなるよう,仮親の卵にさらに似せることもあるようだし,元々,ほとんどが失敗しても良いくらいの数の卵も托卵するようだが,いずれ托卵に依存しているのは危ういことには違いないと思う。

 ホント,どういう事情があるのか。
 托卵する理由については,変温性の説のほかにもいくつか説があるが,今のところ,どれもすんなりとは入ってこない。
 誰か納得できる説明をしてほしい。

 結局は,いろんな鳥がいてもいいんじゃない? 多様性が大事! てなことに落ち着くような気がするが…。

 また,この日,ここでは,カッコウと同じく托卵する鳥のホトトギスも,盛んに鳴きながら,飛びまわっていた。
 こちらはカッコウのような長閑な声ではなく,血を吐くような鳴き声。カッコウの仲間では,ツツドリとカッコウが長閑系,ホトトギスとジュウイチが啼血系の鳴き声だ。
 ここでのホトトギスの托卵相手は,たぶんウグイス。
 気のせいかもしれないが,以前よりウグイスが少なくなったような気がする。

 さて,カッコウとの濃ゆい出会いも予想外だったが,この子との出会いも思いがけなかった。
 白鳥地区の沼にクロハラアジサシが1羽入っていた。

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 画像ではうまく表現できなかったが,水面の上をゆっくり飛ぶ白い姿は,日常風景とは別もの。
 夢のように美しい光景だった。

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 水上を巡回するように,ゆっくりと,大きく,まあ~ぁるく,飛ぶ。
 何周も何周も延々と飛ぶ。

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 どこかに止まって休むことがない。
 あったのは,1~2度,高く舞い上がったくらい。

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 水に飛び込んで魚を捕ることもなく,その代わり,ときどき水面に口を付けていた。

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 下のくちばしでツーッと水面をなぞるようなことはせず,水面に軽くキスをするような感じ。

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 キスの後は,首が不自然なほど下後方に折れ曲がっている。
 ということは,水面上のポイントにキスしていたということ。

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 水を飲んでいたのでも,魚を捕っていたのでもないと思う。
 この日は天気が良く,水中にいた虫たちの水面での羽化が多かったと思うので,もしかすると,そういう虫を食べていたのかもしれない。

 クロハラアジサシが飛んでいる沼でツバメたちも飛んでいて,偶然ツーショット写真も撮れていた。

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 クロハラアジサシが水面を狙っていたのに対し,ツバメたちは,いつもどおり,飛びながら口を開けて,羽化して飛んでいる虫たちを捕らえている。考えるまでもなく,羽虫などを捕らえるのは,ツバメの方がうまい。

 もしもクロハラアジサシが水面上の虫を捕らえていたとすれば,ツバメに比べてとても効率が悪い方法をとっていた。
 羽虫100匹で小魚1匹に相当するとしても,小魚1匹分のカロリーと栄養を採るためには,100回も水面から採餌しないといけない。

 クロハラアジサシは,水面にキスする前にひらりと反転することも多く,そういう美しい姿も何度も見せてくれた。

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 このほか,ここでは定番のホオアカ。

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 白鳥地区の遊歩道沿いの4~5か所でさえずっていた。

 モズも目立つところに出ていて,狩りをしていた。

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 オオハクチョウやヨシガモ,オカヨシガモ,ヒドリガモなども残っていた。

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 丹念に見るともっと残っていたかもしれない。

 この日,鳥がアタリだったので,チョウはほとんど撮影できず。

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 それでもモンシロチョウの飛翔写真が撮れたので満足。

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【観察できた鳥】
ウグイス,オオヨシキリ,ホトトギス,ホオアカ,キジ,ツバメ,ハシブトガラス,スズメ,カルガモ,オオバン,ノスリ,アオジ,カッコウ,カイツブリ,キジバト,ハシボソガラス,モズ,シジュウカラ,ヒバリ,ダイサギ,アオサギ,ムクドリ,ササゴイ,トビ,ヨシガモ,オカヨシガモ,オオハクチョウ,セッカ,クロハラアジサシ,ヒドリガモ,カワラヒワ (31種)

(花たち)

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凶悪な獣!

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コメント

こんにちは~。
今の時期の蕪栗沼に行ったことありませんが、結構楽しめるんですねぇ。クロハラアジサシ、未だ見たことありませんが、かっこいい鳥さんですね。コアジサシは青空が似合いますが、クロハラアジサシも青空が似合いそうです。まぁ、アジサシ類はどれもでしょうが・・・。
暑くなってきました。昨日、今シーズン初の蔵王、行ってきました。イワヒバリは出ませんでしたが、ホシガラスと濃い出会いをしてきました。

投稿: NOBU | 2022/06/23 14:53

おばんでございます。
NOBUさん,コメントいただきありがとうございます。
蕪栗沼や伊豆沼は冬が有名ですが,今の時期も面白いですよ。この続きで,伊豆沼もアップしますので,ご覧いただけると幸いです。来週になってしまうかなぁ。
ここには掲載しなかったのですが,蔵王には6/1に行ってきました。カヤクグリがたくさんいて,群れとも出会いましたが,私もイワヒバリは外してしまいました。ただ,刈田岳の頂上にヒガラがいたのが面白かったです。
そろそろ高山植物も良い時期でしょうか。
ムズムズしてきました。

投稿: yamame | 2022/06/23 23:38

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