蒲生干潟 2022/05/08
曇り 14:00-15:15 (仙台港の干潮 14:38 小潮)
横浜から帰省していた娘を仙台駅で見送った後,蒲生干潟を覗いてみた。
今季はまだシギチドリを見に行っていなかったので,とても気になっていた。
蒲生干潟は周辺の復興工事が終わり,すっかりきれいに整備され,ここに遊びに来る家族も増えてきた。
しかし,しっかりと周辺整備が行われ,人工物で取り囲まれたので,元々あった広大なヨシ原や沼は復活するべくもなく,震災前の自然のままの干潟には戻りようがなくなった。
干潟が落ち着いてくるのにつれ,シギ・チドリの仲間も,種類こそ,そこそこ出るようになったが,往時の賑やかさは遠い昔。
それでも,この日は,メダイチドリ,キアシシギ,チュウシャクシギ,シロチドリ,ハマシギの5種と出会うことができた。
どれも,ごくごく普通にいる種類の鳥で,数もそれほど多くはなかったが,今季初めての出会いだったので,素直にうれしかった。
メダイチドリは2羽いた。
たった2羽と言うなかれ。
キアシシギもメダイチドリと同じ場所にいたのだが,ここ以外にも干潟の中に点在して数羽ずつ入っており,道流堤内側の南東端には最大13羽,固まって入っていた。全部で20羽はいたように思う。
上の写真はメダイチドリと一緒にいた個体だが,左の写真は,体色が石に溶け込んで,ぱっと見,どこにいるのかわからない。
右の写真は左の写真を拡大したものだ。
左の写真だけだと,奥にいるメダイチドリの方が,かえってわかりやすいかもしれない。
石だけではなく,背景が砂でも,溶け込む。
背中の色が背景色と一緒。
キアシシギとは長い付き合いだが,すごい奴だってこと再確認。
独断と偏見だが,鳥にどっぷり浸かっているいる鳥見人はほぼ変態で,中にはとんでもない,存在自体信じられないような大変態が実際いるのだが,皆,「見つけにくい鳥を探し出して見つけるのを喜びとする。」という変態性向は,共通して持っているように思う。
キアシシギはそこまで探しづらい鳥ではないが,鳥はほぼ全部そうだから,変態でないと鳥には付き合いきれない。
私もその域に到達したいのだが,なかなか...。
次は,誰もがキアシシギを好きになる瞬間をとらえた写真。
目をつぶっている表情が破壊的にめんこい。
特に右の写真は足の表情が素晴らしい。傑作,いや大傑作だと思う。
これを見ると思わずニコニコしてしまう。
狙って撮れるものではない。
これはどうだろう。
こちらは狙って撮れるめんこい写真。
シギの仲間は餌を探っているときに目をつむることが多い。
ところで,この子の胸には何が入っているのだろう。
胸がむちゃくちゃ膨らんでいる。
ゴカイのようなぐにゃぐにゃしたものを食べていたようなので,素嚢(そのう)にそうしたものを詰め込んでいるのか。
ほっぺ一杯にどんぐりを詰めているリスの姿は間違いなくめんこいが,こちらはどうだろう。
胸にぐにゃぐにゃのゴカイを詰め込んでいるキアシシギの姿。
やっぱ,けなげで,よしよししたくなるなぁ…。
口直しにカッコ良いところも。
チュウシャクシギは姿を見たのは3羽だったが,上空から声が聞こえてきたので,もっといたかもしれない。
シロチドリとハマシギは南東側の高台の上にいた。
シロチドリは毎年ここともっと北側の砂地で繁殖。
北側の方はずいぶん前から立ち入り禁止になっている。
ハマシギはもちろん通過。
風が強く,ハマシギは地面に伏せていたが,全部で100羽弱いたように思う。
80羽まで数えたが,飽きて数えるのをやめてしまった。
そして,嬉しいことに,今年もここにコアジサシが来てくれていた。
県南沿岸にはだいぶ復活してきたようだが,ここはまだまだ。
最初,上空を飛んでいるのを見つけたが,探すと,ハマシギの群れに交じって下に降りていた。
見つけたのは上の2羽。
数年前,ここで繁殖していたのを見つけたが,今回は繁殖行動のようなものは見られなかった。
これからなのかもしれない。
ここは以前の平場状態とは異なり,高台になっており,人が近づきにくい環境になっている。
だから,わざと妨害することがない限り,繁殖しやすい環境になったと思う。
観察したい人は,道流堤から続く防波堤の上から観察できるし,間違って近寄りすぎることもないだろう。
もう誰かが広く情報を広く流したのだろう。
私たちが引き上げるのとすれ違って,何人かの人たちが,双眼鏡や望遠鏡を持って訪れていた。
多くの人たちが見て,知ることにより,守ることにつながるかもしれない。
繁殖が成功し,また,より多くのコアジサシたちで賑わう蒲生になるよう,強く願う。
日和山の麓の近くの水面では,ダイサギが魚とりをしていた。
なかなか成功しなかったが,何度目かのチャレンジでちっぽけな魚を捕らえて飲み込んだ。
【観察できた鳥】
オオヨシキリ,セッカ,チュウシャクシギ,メダイチドリ,キアシシギ,トビ,ハシブトガラス,ミサゴ,ダイサギ,カワラヒワ,ウsp,ハクセキレイ,ヒバリ,ウミネコ,コアジサシ,シロチドリ,ハマシギ (17種)
(追記)
帰り道,大沼にも寄ったが,季節柄,農業用水用に水が満々と張られていた。
ハシビロガモが数羽残っていたほか,オオバンも。
カンムリカイツブリも2羽いたので,今年も繁殖が期待できるかも。
バンの姿も観察できた。
赤沼も水が満々だが,こちらにもカンムリカイツブリが2羽いた。
そういえば,去年,こちらでもカンムリカイツブリの親子を見たんだった。
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