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2018/09/29

羅臼 2018/07/16

19:00-01:30 晴れ
 
 この日は朝に,オムサロ原生花園で草原の鳥たちを楽しんだ後,羅臼峠に移動し,ここでギンザンマシコ待ちをしながら時間をつぶし,夜に,羅臼の「鷲の宿」でシマフクロウを観察する予定にしていた。羅臼峠までは,約230km。
 
 シマフクロウは,2008年2月に養老牛温泉の旅館「藤や」で観察したことがあるが,そのときの感動が忘れられず,もう一度,会いたかった。

 途中,ウトロに差し掛かったところで11時。

 やや時間が早いが,羅臼峠には何もないので,ウトロの食堂で昼食をとる。

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 毒も食らわば皿まで。
 苫小牧の人生初に続き,人生2度目のウニ丼。

 ウニ丼を注文すると,調理場の奥でウニを割っていた。新鮮なウニ。
 とてもおいしかったが,いつか,このくらいの量のウニをちびちび舐めながら,おいしい酒を飲みたいものだ。

 さて,この後,ほどなくして羅臼峠に着いたが,濃い霧がかかっており,全く何も見えない。鳥見は無理。こういうことも予想しておくべきだったが,代替の予定を全然考えていなかった。

 ウトロ港から出る船に乗って,ケイマフリなどの海鳥とヒグマを見ようと思いつき,一旦,ウトロに車を走らせたが,以前妻と一緒に乗って楽しい思い出がある船に一人で乗るのは何となく気乗りせず,再びUターンして,羅臼に向かう。

 羅臼の町をウロウロし,また,羅臼の道の駅でお土産を買って時間をつぶしたが,間が持たず,宿に着いたのが,午後2時頃。

 宿に誰かいるかと思ったら誰もおらず,その代わり…,ではないが,見たこともないくらい沢山のミヤマカラスアゲハが宿の前の水たまりで吸水していた。

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 写真では一部しか写せなかったが,この何倍ものチョウたちがいた。
 晴れていたので,翅を広げてくれる。

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 1頭だけでも出会うことができれば嬉しいチョウなのに,ここには20~30頭ほどいて,山ほど楽しませてくれた。

 ほかのチョウはいないかと探してみると,いた。

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 エゾシロチョウ。北海道にしかいないチョウだった。
 鱗粉が少なく,翅の質感がウスバシロチョウのような感じ。

 下は,エゾシロチョウと思って撮影したものだが,違っていたようだ。
 こちらはエゾスジグロシロチョウかな。

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 チョウたちと遊び,時間をつぶしたが,まだ時間があったので,温泉をはしごすることとした。
 
 お風呂なので,写真撮影はしなかったが,羅臼峠に登る途中にある「熊の湯」はすごく良かった。ここは,自然の中に,湯舟と着替え所があるだけのシンプルな温泉。
 熱めの湯に浸かりながら,自然の空気の中,林や渓流をゆったりと楽しめる。近くのホテルの日帰り温泉で体を洗ってから来たので,お湯に浸かるだけ。のんびり寛げた。
 無料で入浴できるが,着替え所には,寄付金箱が置いてあった。
 ここに来たら,ぜひまた訪れたい温泉。
  
 なお,男女別になっており,女性風呂は外から全く見えないが,奥にある男性風呂は開放的なので,女性が様子を見に行くときは,奥まで行かないよう,気を付けた方が良い。知らないで行くと,見たくないものまで見てしまうかもしれない。
 この日も,女性や夫婦連れが覗きに来ていた。
 
 さて,温泉でゆっくりして宿に帰ると,宿の人も戻ってきていた。
 この日はいつもいる人が留守で手薄のようだった。
 客も私と外国人夫婦の2組だけ。
 貸切のようなもの。
 
 さて,夕食を食べながら,宿の方のお話を聞く。

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 シマフクロウは,♂,♀の,夫婦2羽がいるが,今年は繁殖に成功したという。環境省の職員の調査により,巣の中の雛を確認済で,すでに個体識別用のリングも付けたという。
 
 親の♂・♀は,金色のリングを付けている足が右か左かで見分ける,と教えてもらった。
 
 観察所にはノートが備えてあって,毎日の観察記録が記載されていた。
 食堂と観察所が一棟になっていて,宿泊する部屋は別棟。
 部屋の方が比較的生け簀に近いが,観察小屋も遠くはない。

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 ここのシマフクロウは,生け簀に魚を離して,餌付けしているので,フクロウが飛来するのは,ここの生け簀。
 生け簀に入れている魚は,養殖物のヤマメがメインで,釣ったオショロコマも入れるときがあるという。見ていると,宿の方がどさどさとヤマメを補給していた。
 夜中に黒いミンクが来て,魚を盗んでいくので困っている,とのこと。
 
 生け簀は常に夕暮れ程度の照明で照らされており,かつ,1秒に80回,1/800秒発光して光を当てているので,撮影するときは,シャッタースピードを1/80秒に固定して撮影するときれいに撮影できる。

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 部屋にしても,観察小屋にしても,フクロウが飛来する生け簀までかなり近いので,500㎜以上の超望遠レンズは不向き。400㎜レンズが上限の距離。
 今回は,部屋からの撮影で,100-400㎜のズームレンズを使った。
 
 窓を開けているとフクロウが警戒してしまうと思ったが,飛来したときに外に出ることさえしなければ,大丈夫という。飛来したときに窓を開けて驚かすよりは,開けっぱなしの方が良いだろう。
 
 夕食後,すぐに部屋に引き上げ,部屋の中から飛来を待つ。
 
 この日は,結局,眠くなって布団に入るまでの間に来たのは6回だった。
  1. 19:30 ♀
  2. 19:40 ♂
  3. 20:00 ♂
  4. 22:10 ♀
  5. 22:50 ♀
  6. 01:15 ♂
 滞在時間はそれほど長くなかったが,宿の方によると,飛来回数6回は多かったそうだ。

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 上の写真では,足のリングが異なっていることで,違う個体であることがわかる。

 生け簀にいる魚を狙う。

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 獲る。

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 食べる。

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 飲み込むようにぺろりと食べる。
 テレビでよく見るギャル曽根さんの食べ方も見ていて気持ちよいが,この鳥の食べ方も見ていて気持ちよい。魚がとてもおいしそうに見える。

 どの回も,自分で魚を食べた後,最後に1匹くわえ,上流に向かって飛び去って行った。

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 お腹を空かせて待っている子どもに持っていっていたのだろう。食べ盛りで,頻繁に持っていく必要があったようだ。
 
 上に記したように,撮影ポイントが定まっており,また,撮影方法(シャッタースピードなど)も定まっているため,撮影自体面白いものではないが,逆にいうと,私のようなへたっぴぃでも撮影できる,ということ。

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 同宿の外国人の方はスマホで上手に撮影していたようだ。
 
 飛来を待っている間,ボー,ボー,と低い声が聞こえてくるのが,飛来の前触れ。この声が聞こえてくると,わくわくしてくる。
 音程が低い声は,かなり遠くまで届くようなので,広い森で自分の存在を遠くにいる仲間に知らせているのだろう。音質は,濃霧のときに鳴らす船の霧笛や同じく広い森で暮らすアジアゾウのような感じ。
 暗い中,一人でいて,こういう声が聞こえてくると,大昔にタイムスリップし,ナウマンゾウのような古代の象が,森林の中で鳴いているような感覚になる。(ナウマンゾウの声は「野尻湖ナウマンゾウ博物館」のホームページで聞くことができる。)

 宿の方にしてみれば,毎日の魚の補給や生け簀の管理など,通常の宿の仕事に加えての仕事が加わっているが,たぶん,シマフクロウのおかげで経営が成り立っている。
 一方の
シマフクロウも,この宿のおかげで,厳しい自然の中,生き延びていくことができ,さらに,繁殖もできている。
 シマフクロウと人間がウィンウィンの関係でうまく共存していた。
 


 希少になってしまったシマフクロウを堪能させていただき,関係の方々に感謝。
 
 なお,シマフクロウを含めた野鳥保護活動を行っている日本野鳥の会に一口5,000円寄付すると,シマフクロウの銀のブローチがもらえる。私は野鳥誌に付いていた振込用紙で手続きしたが,郵便局まで行かなくっても,オンラインでも寄付できるようだ。 




 
 

【シマフクロウ関連HP】
 
日本野鳥の会
環境省

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コメント

おはようございます。
羅臼記事、羨ましく拝見・拝読させていただいています。いつか自分も行きたいと思っていたので、注意点など詳細に書いていただき、とっても参考になります。ただ、行きたいところが山のようにあるので、いつ行けるかわかりませんが、今後も時々読ませていただいて、シミュレーションしておきたいと思います。

投稿: NOBU | 2018/10/06 11:52

NOBUさん,おばんです。
本文にも書きましたが,羅臼に行かれたときは,熊の湯がお勧めです。羅臼には何度も行っていますが,今回初めて入りました。
とても良かったので,ぜひ。

投稿: yamame | 2018/10/06 19:40

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