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2018/08/26

野付半島 2018/06/10

04:00-07:00  晴れ

 北海道に来てからずっと天気が悪かったが,この朝,ようやく青空が見えた。

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 今回の野付半島は,北海道に来て3回目。
 前回までの2回はさっぱりだったが,今回は,こんなにいたのか,とびっくりするほど鳥が出てきてくれた。
 同じフィールドでも,天気と時間によって,鳥の出現率がこんなにも変わる。
 
 「鳥がいなかった。」ではなく,「鳥が出てくれなかった。」,又は,「鳥をみつけられなかった。」が正解。
 ネイチャーセンター脇の遊歩道は,人が動く時間になると,大型観光バスでやってくる観光客で賑やかになるので,朝早い時間が勝負。

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 前日までの静けさとは打って変わって,そこら中で鳥がさえずり,にぎやかな場所となっていた。さえずっていたのは,コヨシキリ,シマセンニュウ,ノゴマの3種がメイン。

 このうち,最も多かったのがコヨシキリ。
 さえずることに一生懸命で,人が近づいても逃げようとしない。

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 一旦下の草むらに潜ってもすぐに上がってくる。

 淡い色の眉斑とその上の濃い色のコントラストがかわいい。

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 人で例えると,珍獣ハンターのイモト的なかわいらしさ。
 実はイモトさんもかわいくて好き。
 正面顔が格別だ。

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 オオヨシキリの口の中は赤いが,コヨシキリの口の中は黄色。

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 せっかくなので,ネイチャーセンターを背景にして記念撮影。

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 次はシマセンニュウ。
 センニュウの仲間でも,マキノセンニュウやエゾセンニュウは,草むらや藪の中でさえずり,全く姿を見せてくれないが,シマセンニュウは姿を見せてくれる。

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 センニュウは,藪の中にいてほとんど姿を見せない鳥なので,てっきり「潜入」と書くのかと思っていたら,「仙入」と書くようだ。
 「鳥名の由来辞典」(柏書房)によると,“せんゆう”が“せんにう”に変化したもので,“せんゆうとり”は“仙遊鳥”と書いたそうだ。

 自分の浅薄な考え方が恥ずかしい。元々は,ロマンがある素敵な名前だった。

 今,「仙遊」という言葉はあまり使われないが,「仙境に遊ぶこと。俗を離れて悠々と遊ぶこと。」という意味。太宰治の「富嶽百景」や小島烏水の「日本山水論」の中でも使われている美しい言葉だった。

 センニュウの仲間は声のみで,姿が見えないことが多いので,≪人の目には見えない仙境にいて,悠々と遊び,さえずっている鳥≫,という意味なのだろう。

 前述の本の解説によると,藩政時代(宝永7年[1710])に出版された「喚子鳥(よぶこどり)」(蘇生堂主人)に,「大きささざいに大ぶり 毛色すずめにうすし 背高く尾長し 尾の末に白き玉あり」と,シマセンニュウの記載がある,という。
 この最後の「尾の末に白き玉あり」というのが気になって,撮影した写真を点検したら,あった。

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 私がいつも使っている図鑑にも尾の先端の斑のことは書いてあったが,気に留めていなかった。
 それにしても「白き玉あり」という表現。すごく良い。

 コヨシキリの口の中の色のことを記載したので,シマセンニュウの口の中も記録しておこう。

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 黄色,と言っても良いのかな。
 
 正面顔も。

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 次はノゴマ。
 シマセンニュウは木のてっぺんに出て堂々とさえずることはあまりなく,藪の中や,低いところに出てくることが多かったが,ノゴマは高い所で堂々とさえずっていた。

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 遊歩道を歩いていると,ノゴマが地面に降りてエサ探しをしている光景にときどき出会う。地面を歩き回れるよう,足が太くて,長くできている鳥だ。ヒタキ類の貧弱な足とは対照的な足だ。

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 ノゴマが遊歩道にいて,私も遊歩道にいて,行く方向が同じで逃げ場がないものだがら,必然的に私を先導するように歩いていく。奥にいたのは♀だったかな。
 ノゴマと同じ空間にいて,同じ空気を吸っている。楽しい時間。

 この鳥は全体的に地味な分,喉が赤が際立って見え,鳥見人たちに人気がある鳥だ。
 私もみんなと同じ,大好きな鳥。

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 さえずっているときの喉が真ん丸の真っ赤で日の丸そのもの。

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 ニックネームは日の丸。
 喉の赤が真ん丸になるのは,さえずっているときだけ。
 喉が膨らんでいないと,赤が真ん丸にならない。

 「ノゴマ」という名前も深かった。
 これまでは,≪野にいるコマドリ≫,というイメージでおり,たぶん,今,このように呼ばれている理由はその通りで良いのだと思うが,この鳥をノゴマと呼ぶようになったのは藩政時代から。それ以前は,「のご」,又は,「のごとり」と呼ばれていたらしい。
 
 「のごとり」は「喉紅鳥」と書く。喉が紅(くれない)の小鳥を表す名前。

 また,「喚子鳥」からの引用。
 
 咽にくれなゐの毛あり 其いろ鳥類になき見事なる赤色なり

 咽が赤いノゴマの口の中の色は黒。

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 口の中が黒いことで,喉の赤が,より引き立つような気がする。
 この個体は,赤を際立たせるように,赤が黒い線で囲まれている。

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 他にも口の中の色が黒い鳥がいたと思うが,何だったかな。
 思い出せず。忘れてしまった。

 オオジュリンやベニマシコも期待したのだが,ここでは観察できず。

 ここには,観光客が来ないであろうと思われた朝4時に来て,歩いたのだが,なんと,早朝5時に大型観光バスが1台来て,大勢の人たちが降りてきた。正直,おいおい,勘弁してくれ,と思ったのだが,それは自分勝手な理屈。観光の方々も貴重な時間の有効活用。特に,海外の方であればなおさらだ。

 人が大勢来た時間帯のみ,他の場所に逃げたのだが,おかげさまで,ここの遊歩道にはいなかった鳥たちと出会うことができた。

 まず,オオジュリン。

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 そして,ノビタキ。

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 何となく,渡ってきたばかりのような雰囲気。
 ノビタキは,車の中から観察したのだが,複数羽が少しずつ移動しながら枝などにとまっていた。

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 ♂の,頭が黒くて喉がオレンジ色の組み合わせが何となくアトリと似ている。
 昔,「のびたき」という名前のほか,「あとりひたき」とも,呼ばれていたらしい。

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 ヒタキの仲間なので,ノゴマに比べると,足は細くて短い。

 ノビタキを撮影しているとき,上空では,オオジシギが,ズビャーク,ズビャーク,…,と独特の声で鳴きながら飛び,また,ドドドド…,と急降下して羽音を立てていた。


【観察できた鳥】
ハクセキレイ,カッコウ,シマセンニュウ,コヨシキリ,ノゴマ,マキノセンニュウ,オオセグロカモメ,オオジシギ,ノビタキ,オオジュリン


【その他写真】

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