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2018/08/04

佐渡 2018/05/03-06

 ニッポンという名前を持つ鳥なので,会いたい気持ちは以前からあったが,とても希少で,大切に保護されている鳥なので,会いに行くのも気が引けていて,情報はいただいていたものの,以前,宮城県に飛来したときも行かなかった。

 しかし,何年か経過し,だいぶ増えてきた,という情報を目にするたびに,思いがますます募り,我慢できなくなり,妻とともに佐渡に渡った。

 実は昨年の10月に行く予定だったが,突発的な出来事があって,行けなくなったため,より思いが強くなっていた。時期がずれて春になったので,黒くなっている姿も楽しみ。
 もしかすると出会えないかもしれないと思っていたのだが,島に到着して1時間もしない内に上空を飛ぶのが見え,双眼鏡で追いかけると,大きな木に止まった。

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 思いがけず,いとも簡単に出会えた。

 感激。

 1羽だけではなかった。

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 しばらく見ていると,こんなことも始めた。

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まさか,まさか,とびっくり。

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 感極まったとき,ハシブトガラスに似た声で,「あー」と鳴いていた。
 とても貴重な場面に遭遇して,またまた感激。

 この1回だけではなく,繰り返して同じ場面を見ることができ,また,滞在期間中,別の日に行っても同じ場面に遭遇した。ちょうどそういう時期だったのだろう。

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 近くでは巣材を集めている様子も観察できた。

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 新しい命につながっていくことを願う。
 
 田んぼを回って探してみると,ほどなく,こちらでも見つけることができた。
 山の方の棚田にもいたが,周囲を広く見渡せるような田んぼに多かった。
 ちょうど田植えの時期で,水を張っている田んぼがあったが,サギのように水に入ることはあまりなく,畔などにいることが多かった。

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 島内を結構広く回ったが,出会えたのは放鳥したと思われる地域の周辺だった。

 鳥見の経験のない人は探すのに苦労するかもしれないが,車での鳥見に慣れている人であれば,それほど苦労せずに見つけられるレベルの数になっている。
 サギ類より多かったかもしれない。

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 繁殖期に頭から上半身が黒くなっているのは,換羽や羽の擦り切れまどではなく,頸の皮膚から剥がれ落ちる黒い粉状のものを自分で塗りたくっているのだという。水浴びをするときに塗ることが多いらしい。
 黒い色が異性にアピールする色なのだろうとは思うが,自分の体から分泌しているのもを塗っているのだから,自分の匂いも発散させているのだろうか。この鳥の嗅覚ってどうなんだろう。
 かなり黒い個体もあり,また,あまり黒くなっていない個体もあった。

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 黒くないのは,繁殖にはまだ早い子どもなのかもしれない。

 黒い個体は,上右の写真のようにかなり黒かった。見る角度によっては真っ黒な鳥だ。
 自分としては,この時期にしか見ることができない黒くなった姿にとても感激し,気に入ってもいたが,帰りに寄った土産物屋の絵葉書に黒い姿の写真は見つけられなかった。

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 もしかすると一般受けしない姿なのかもしれない。

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 畔を歩きながら何かを食べているようだが,何を食べているのだろう。

 狙って撮影してみた。

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 バッタのようにも見えるが,佐渡の5月上旬に成虫のバッタがいるのか。
 何かの植物?

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 これはお馴染みのアマガエル。
 可愛く大好きなカエルだが,色んな生き物の食べ物になって,自分の命で多くの生き物たちの命を支えている。

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 これはミミズのようだ。
 下を向いた格好で,ひょいと口の中に放り込んだので,顔だけが被写体ブレになっている。

 採餌は畔で行っていることが多く,畔の草の中や畔から狙える水のなかのエサを探していた。写真は見つからなかったが,ドジョウも食べていた。

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 鳥は,食べ物の取り方が形態に現れるが,この鳥は,足がやや長く太いことから,歩き回る鳥であることが想像でき,また,顔の羽がないことから,泥などに顔を突っ込むこともあることが想像できる。 

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 田んぼにいる小さな生き物が主食のようだったが,どの田んぼも,餌となるような生き物がたくさん住んでいるようだった。

 一旦1羽もいなくなってしまったこの鳥を復活させようと,中国との交渉や繁殖に尽力されてきた方々の尽力・努力には頭が下がるが,それだけではなく,農家の方々の理解と協力なくして,この鳥の復活はあり得なかった。

 今これだけ増えてきているのは,地域に住む人ひとり一人が方向をひとつにして努力してきた成果。

 環境省が関わって保護されている鳥なので,放鳥トキは足環を付け,しっかり管理されており,今回は,このような個体とも出会った。

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 背負っているのは,たぶんGPS搭載の発信機。
 以前宮城県に渡ってきた個体も,この発信機を背負っていたので,所在がわかったのだろう。

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 このように羽に色が付いている個体もあった。
 足環のほか,遠くからでも個体識別ができるよう,アニマルマーカーで羽に着色している個体もあるようだ。ただ,これがそうかはわからない。
 個体識別表がネット上にあったが,見方自体よくわからない。

 今回観察した個体は足環が付いている個体が多かったが,足環がない個体も多かった。放鳥した個体ではなく,野生下で自然繁殖した個体と思われる。
 捕まえて足環を付けることなく,そのまま自然のままにしているようだ。

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 どんどん個体数が増えてきており,さらに増えそうなので,足環を付けて全数管理できるレベルは超えている思う。
 環境省のホームページ情報によると,平成30年8月1日現在で354羽になり,うち野生下で生まれた個体は197羽に及ぶということだ。
 佐渡トキファンクラブのホームページに掲載されている情報では,昨年は野生下の自然繁殖で77羽が巣立ち,今年も68羽が巣立ったらしい。68羽のうち8羽は野生下で誕生した個体同士のペアだということだ。
 比較するのは無意味ではあるが,北海道のシマフクロウが増えて160羽ということなので,個体数ベースでは,シマフクロウの2倍にまで増えていることになる。
 
 シマフクロウも,また,シジュウカラガンも,ハクガンも,関わる方々の並々ならぬ思いと行動により,羽数が回復してきているが,この鳥も良い方向に向かっているようだ。
 中国から新たに2羽提供いただくこととなったようなので,今後,新たな血も入ることになる。

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 佐渡に行く前までは何か特別な鳥のようなイメージでおり,実際そのとおりなのだが,佐渡に行って,実際にこの鳥を見ると,田んぼに普通にいる鳥,という印象だった。
 人里の田んぼの風景に溶け込み,また,農作業する人とも共生しており,以前からずうっと,ここで一緒に生活していたかのような印象を受ける。
 

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 しかし,一旦は日本には1羽もいなくなり,中国から同じ種を譲ってもらったり,貸してもらったりして人工繁殖で増やしていったのは事実だ。

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 農薬のせいで田んぼから生き物がいなくなったので,この鳥がいなくなった,と思い込んでいたが,農薬を使い始めた時点ですでに激減していたようなので,これが原因ではないようだ。

 なぜいなくなったのかは定かではないが,日本のどこの田んぼでも普通に見られてもおかしくない鳥だと思う。

 増えたとはいえ,本州にはまだ2羽しか渡ってきておらず,定着・繁殖しているところもない。佐渡に限らず,もっと普通に見られるようになることを願うばかりだ。

 繁殖できる大きな木がある里山があって,近くに生き物であふれた田んぼがあって,理解のある人たちが住んでいる土地であれば良い。まずは,佐渡に近い日本海側の富山,新潟から山形にかけてのどこかそういう場所に飛来して,繁殖してくれないだろうか。

 最後に,次回の訪問のため,関連のホームページを張っておく。

野生復帰ステーション
環境省トキ情報
トキのたより(トキの森公園)
放鳥トキ情報
佐渡トキファンクラブ
佐渡トキ保護センター
アクティブ・レンジャー日記
環境省佐渡自然保護官事務所ツイッター

 なお,ほかの野鳥と同様,この鳥も車から降りて姿をさらすと,生活に影響を与えるので,「車から降りないで観察する」ということが公式ルールになっている。

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【写真】

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