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2011/10/09

蒲生-大沼 2011/09/25

08:20 晴れ

 久しぶりの鳥見だった。いつ以来だろう。
 町内会の清掃作業に参加し,朝食を取ってから,ゆっくりと現地に向かった。

 途中,震災前は住宅が立ち並んでいた中野・蒲生地区を通る。
 久しぶりに来たが,がれきが片付けられ,とてもきれいになっていた。崩れたりひび割れたりしているが,一部通行止になっていた川沿いの道も通れるようになっていた。

 4日前に台風15号が通過したので,増水していることを心配していたが,干潟状の地面は見えていた。

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 以前は,サーファーや釣り人,貝掘りの人,家族で水遊びをする人などで,早朝からにぎわっていた場所なのだが,震災後は訪れる人がいなくなってしまった。

 下に降りて干潟を歩くと,すぐにキアシシギ幼鳥2羽が現れた。震災前,支部の方々がいつも標識調査をしていた付近だ。

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 三脚を短くしてしゃがみ込んでいると,どんどん近付いてきた。
 

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 久しぶりに鳥見に来て,すぐに,こういう人懐こい子どもに出会うことができた。
 じんわりと嬉しくなる。

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 いったん離れてもまたすぐに寄ってくる。

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 食べているのは何だろう。カニか。

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 大津波や台風で砂が掘り返されても,カニは棲息しており,この子が滞在できる環境はかろうじて残っているようだ。

 どんどん近付いてくると,レンズの焦点が合わなくなってしまう。

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 顔に焦点が合っていても下半身がボケている,ということはそれだけ近かったということ。種によって違うかもしれないが,普通,これだけ慣れっこいのは子どもの時期だけだ。

 この子は,生後数か月の子どもくせに,シベリア方面からがんばって飛んできて,2人で,ここ蒲生に降りてくれた。
 ホント,けなげで,めんこいったら,ない。
 がんばれ,って言いたくなる。

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 すぐ近くでも何やら餌を取っていたが,これもカニのようだ。

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 それにしても,臭いがするくらいのクローズアップ写真だ。
 

 キアシシギたちと遊んでいると,突然,干潟にいたサギ類やカモメ類が一斉に飛び立ち,この子たちも飛び立った。

 もしかして,と周囲を見ると,ハヤブサ …,

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 と,思ってよく見たら,オオタカだった。

 ここはハヤブサもくる所だが,オオタカも来る。どちらもいたのかもしれないが,レンズで追いかけ,写っていたのはオオタカの方だった。

 背景のがれきが何とも言えない。

 干潟を歩いて北側に移動していくと,飛んだキアシシギがもう降りていて,落ち着いて羽づくろいなどを始めていた。

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 さらに進むと,干潟が切れて,流れが変わった七北田川が海とつながっていた。

 地震による大津波で七北田川の河口がふさがっていたが,台風15号の影響で仙台港側(北側)に新たな河口ができ,川と海が再びつながったようだ。

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 できた水路にはボラの子どもと思われる小さな魚が大量に入ってきており,ピチピチと盛んに跳ねていた。

 そして,イソシジミの殻がたくさん打ち上げられている場所もあった。

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 台風の影響で打ち上げられたものだろう。

 イソシジミは,どこを掘っても山ほど出てくる貝で,昨季長期滞在していたミヤコドリの主食となっていたが,今どうなっているのかは不明だ。

 干潟は一見良い感じにも見えたが,残念ながら,シギチの姿は1羽もなかった。

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 良く見ると,以前,砂に無数に開いていた穴も見られないし,ちょろちょろしていたカニも見られなかった。川の流れが固定し,淡水と海水が安定して「呼吸」できるようになれば先も見えてくるのだろうが,まだどうなるのか見えない状態だ。

 上を見上げると,空にはここの常連の姿が観察できた。

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 お馴染みの姿を見ることができて,少しほっとした気持ちになる。餌となる大きな魚もいるのだろう。

 カニやゴカイなどはたぶん激減しており,ヨシ原復元の気配もない中,オオタカやミサゴなど食物連鎖の上の方にいる鳥たちの姿を見られたのは,光明を得たような感じだ。

 干潟北側の奥にはダイサギとアオサギの群れが入っており,ときおりダイサギが上空を飛んでいた。

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 震災前とは比べるべくもないが,以前来たときよりは,サギ類の数が多くなり,ずっと雰囲気が良くなってきている。

 以前河口があった南側の方に戻ってみる。

 しかし,導流堤が津波で破壊されているため,海側の砂地に行く通路が完全に寸断。
 向こう側に渡るすべがない。

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 見ていると,舟で渡って行った人がいて,何か掘っているようだったが,イソシジミやアサリはまだ生きているのだろうか。

 向こう側の岸辺には,ウミネコの群れが入っていて,1羽小さいのが混ざっていたが,スコープで確認すると,残念ながらユリカモメだった。

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 ここにはズグロカモメも姿を見せるが,カニが激減しているため,仮に飛来しても,カニの個体数が復元するまで,居付くことはないだろう。

 そろそろ車に戻ろうと,もう一度周囲を見回したら,下の写真の壊れた堤防の奥の奥にイソシギも2羽観察できた。 

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 環境は激変したが,鳥たちも徐々に増えてきており,先は見えないながら,きっといずれはシギチ天国の蒲生干潟は復活すると思う。

 それには,海と川がつながった安定した水の流れと,ヨシ原の再生が必要なのだろうが,きっと大丈夫。

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 大丈夫 にはあまり根拠がないが,悲観していても仕方ない。

 最近,七北田川に県の治水工事が入る,という報道もあったし,数年内にきっと復活すると信じている。
 

 天気が良かったので,この後,ガンがもう来ているという伊豆沼方面に行くこととした。

 その途中,近くの大沼に寄ってみたら,こんなのがいた。
 一瞬目を疑ってしまった。

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 なんと,なんと,ハジロカイツブリでないの。
 目の色が濁っているので,幼鳥のようだ。

 冬寒くなってからくるはずのこの鳥を9月中に見たのはたぶん初めてだ。
 台風に出会ってしまい,その後,迷って飛んできてしまったのだろうか。それとも今季は冬鳥の飛来がとんでもなく早くなる前兆なのだろうか。

 私の前を左から右に泳いで通過していったのだが,ふわふわのお尻が相変わらずチャーミングだ。
 きっと耳かきのふわふわのような触感にちがいない。

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 それにしても,この子,ひとりぼっちでこれからどこに行くのだろう。
 無事に仲間と合流できるだろうか。

 大沼周辺は,田んぼに流されて点々とあった車などのがれきが片付けられてきていたが,田んぼ自体は草ぼうぼう状態で,広大に広がる荒れ地と化していた。
 当然ながら人気(ひとけ)はない。

 釣り人が絶えなかった大沼にも誰もいなかった。
 沼を取り囲んでいたネットフェンスもなくなり,沼の形自体は元のままながら,震災前とは雰囲気が激変していた。

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 人がいないので,ダイサギが我が物顔に道路を渡っている。

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 沼の水面には渡りの途中と見られるコガモがどっさりと入っており,マガモやオナガガモの姿も確認することができた。

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 人の姿はないが,鳥たちで沼をにぎやかにしてくれている。
 こいつらは元気だ。

 大沼の西側にある赤沼もコガモがたくさん入る所なのだが,この日はカルガモの群れが目立つだけだった。

 で,せっかく来たので,アオサギにレンズを向けていたら,こんのユーモラスな行動を見せてくれた。

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 次,伊豆沼へ。

【出会えた鳥たち】

シジュウカラ,スズメ,ハクセキレイ,キアシシギ,アオサギ,ダイサギ,オオタカ,ハシブトガラス,オナガガモ,トビ,カルガモ,セッカ,ツバメ,ミサゴ,ウミネコ,ユリカモメ,イソシギ,マガモ,コガモ,ハジロカイツブリ

 

 

 

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