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2010/12/19

八戸-苫小牧航路 2010/10/10

08:45 曇り

 10月10日は 晴れ の特異日だったと思う。
 だからこの日に航路鳥見を設定したのだが,天気予報は最悪。どこもかしこも予報は雨だった。

 ところが,信じられないことに,雨雲の隙間を縫うように船が進み,航路では全く雨に当たらなかった。強風が荒波の波がしらを吹き飛ばし,その水煙で海面が霧のように霞(かす)むときもあったが,雨に当たるよりは良い。

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 信じられないくらいの幸運だった。

 そして,鳥運もとても良く,出航してからすぐに海鳥が出始め,退屈する時間帯はほとんどなかった。

 何度も海に通っているとこんなこともある。

 出会えた鳥の種類ごとにメモしていこう。

<ハジロミズナギドリ>

 何と言ってもこの日のメインはハジロミズナギドリだった。
 初めて出会った鳥だ。

 1週間前に船に乗ったというKさんから事前情報をいただいていたので,事前勉強もでき,また意識して探すこともできた。感謝である。
 この鳥は繰り返し現れてくれ,ときには北上する船に付いてきてくれた。

 最初に現れたのは,八戸港を08:45に出航してから1時間ほど経った09:55頃だった。

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 ハジロ(羽白)という名の由来は翼下面の白い斑なのだろう。大きめの白斑が翼先端に近い所にあり,その内側に細い白斑がある。
 とてもわかりやすい特徴だ。

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 上面には白斑がなく,良く見ると背中がやや灰色っぽく色が薄くなっている。

 このときは船に並行してひらひらと飛んでくれたので,表も裏もじっくりと観察できた。

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 くちばしに近い前面が白く,クロアシアホウドリを連想させる顔だ。
 また,くちばしがやや太いので,ハシボソミズナギドリやオオミズナギドリなどより,フルマカモメに近い印象だ。

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 フィールドノートにメモした出現時間は,09:55,10:15,10:35,10:50,11:00,11:12,11:25,11:27,11:35,11:40,12:20,12:36,13:40 の13回だったが,他の鳥にかかりっきりになっていることもあったので,たぶんもっと出ていたと思う。
 凄いことだ。

 1回につき1羽から5羽の出現だったが,2羽のペアが多かったような印象がある。

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 この日一番近くに寄ってくれたのが 10:15に出た個体だ。

 この個体は黒っぽい体に白い羽が散在し,目立っている。
 白斑は翼下面だけでなく翼上面にもあり,最初に出た個体とは明らかに異なっている。

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 翼下面にも白い部分が目立つ。

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 若鳥(幼鳥?)なのか,それともこのような姿になる換羽なのか。手元にある図鑑を数冊めくってみたが,このような姿の個体について解説があるものはなかった。

 このタイプの個体の割合は結構多かった。

 とりあえず同じタイプの個体の写真をいくつか置いておこう。
 いつかじっくり見てみよう。

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 さて,気分を変えて,荒れた海に飛ぶハジロミズナギドリを見てみよう。このときの海の雰囲気がわかる写真だ。

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 鳥も海もどちらも主役。

 晴れた日の青い海も良いが,灰色で荒れた海もすごく良い。
 こうした海を背景に,ここで暮らす鳥たちを見ていると,凄いなぁ,と素直に感動する。

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 レンズを拭くのが面倒だったが,波がしらから吹き飛ばされてくる霧のような海水に濡れるのも心地良かった。

 この個体はひらりと海に降りたが,魚を見つけたのだろうか。

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 当たり前だが,ただひらひら飛んでいるだけでなく,ここで,しっかりと生きている。

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 これは空中で羽づくろいをしていたんだったかな。

 きりがない。
 最後に1枚,後ろ姿を張って,次の鳥に行こう。

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 さよなら。また会えるかな。

 

<コアホウドリ>

 コアホウドリも大当たりだった。

 フィールドノートにメモした出現回数は16回だったが,続けざまに現れたときは数えきれてなかったと思う。
 出航してからすぐに現れ,以降コンスタントに姿を見せてくれた。そして,苫小牧に近くになってきてからはコアホウドリのフィーバー状態になることもあった。

 まずは,コアホウドリも荒海の中の姿を,掲載しよう。

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 そして,アホウドリの仲間は何と言ってもこの長大な翼だ。
 アホウドリの仲間との出会いを楽しみにしているのは,飛んでいるときのこの翼を見たいから,と言っても過言ではない。

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 素晴らしい。

 ミズナギドリの仲間のように,体をひるがえらせながら飛ぶことが多いので,できるだけ翼が長く見える瞬間を狙う。

 まずは翼上面の写真。

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 そして,翼下面だ。

 コアホウドリの翼の裏側の模様は,個体ごとに微妙に違うようなので,翼の裏側もきちんと撮影しておこうと思った。今回は個体数が多かったので撮影のチャンスだった。

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 これまでに撮影したものを含めて整理し,比較すると面白いと思う。いつかゆっくりと見てみたい。

 コアホウはこのアップ写真でシメにしよう。

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<クロアシアホウドリ>

 アホウドリの仲間でこの航路の常連と言えば,コアホウドリのほかにクロアシアホウドリ がいる。

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 クロアシアホウドリもコアホウドリと同じく,この長大な翼が素晴らしい。

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 最初にメモしたハジロミズナギドリと同じように顔のくちばし側が白っぽくなっている。

 クロアシアホウドリは,09:40,09:50,11:50,15:25,15:28 の5回現れた。ハジロミズナギドリやコアホウドリより出現回数が少ないが,これだけ現れてくれると御の字だ。

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<オオミズナギドリ>

 普通は,港を出てからしばらくはのんびりとしている時間があるのだが,今回に限っては,港を出る前から忙しくなった。

 オオミズナギドリは,出航後すぐに出始め,航路を通して,遠くに,近くに,ず~っと姿が見えた。

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 上の写真は08:50に撮影したものなので,出航してから5分後だ。まだ港を完全に出ていないような時間だ。
 こんなことは普通はない。

 そして,その5分後には,船が群れに突っ込み,こんな状態になる。

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 オオミズナギドリの大きな群れと遭遇することはよくあるが,ひとつのフレームにこんなに多くの個体が入ることはあまりない。すごい密度だ。

 その後もずっと姿が見えたが,海に出ると必ずと言って良いほど出会っているので,他の海鳥が出ないときのお相手,という感じだった。

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 素晴らしい「お相手」だった。

 何回出会っても,良いものは,良い。

 大きく撮影できたクリアな写真もあるが,一番のお気に入りは下の写真だ。

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 霞んで見える荒波の上をひらひらと舞っている。
 こういう写真を見ると,このときのことが,良く,良く,思い出される。

 下に続く写真は,苫小牧に近くなってから現れた大きな群れの一部だ。

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 これがこの航路で出会った最後の群れになった。

<トウゾクカモメ>

 トウゾクカモメも何度か現れたが,出現時間や出現回数をメモしていなかった。
 撮影した写真を見ると,5回程度は出たようだ。

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 観察&撮影チャンスはそこそこあったのだが,遠かったり,気付くのが遅かったりで,欲求不満が残ってしまった。

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 ハジロミズナギドリのように船に並行して飛び近くまで寄ってくれたら良かったのに。

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<ミツユビカモメ>

 9月の北海道で堪能したミツユビカモメも気にはなっていたが,見つけたのは苫小牧港のすぐ外側にいたこの1羽だけだった。
 くちばしが黒く,背中にM字マークが入っている幼鳥だ。

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 道北にいたあの大群はまだ南下して来ていなかったようだ。

<その他>

 上に掲載してきた鳥以外にも,ハシボソミズナギドリやフルマカモメも観察できた。

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 今回に限っては,ハジロミズナギドリやコアホウドリに付いてきた おまけ という感じだった。

 他にウトウやウミスズメなどもいたかもしれないが,この海の状態では見つけにくかったと思うし,それ以上に,他の海鳥がどんどん出てきたので,いたとしても気付かなかった。

 何度も海に通っているが,これほど充実した航路は記憶にないほどだった。

 時期と天候の恵みだったのか。

【出会えた海鳥】

ウミネコ,ウミウ,ヒメウ,オオセグロカモメ,オオミズナギドリ,コアホウドリ,クロアシアホウドリ,ハイイロミズナギドリ(?),ハジロミズナギドリ,トウゾクカモメ,ミツユビカモメ

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コメント

これは凄いですね!
鳥の数もですが、海況からその荒れ方が想像できます。
この前日に船に乗りましたが、津軽海峡では滅多に出ないコアホウやクロアシが見られました。
太平洋から飛ばされてきたのだと思います。

ハジロミズナギ凄いです!未見の鳥なので羨ましいです。
これだけの数が定期航路から見られることはそうそうないのではないでしょうか。
上面に白が出るのは換羽中の個体で、風切の内弁が白いのでこのような模様になるようです。
遠くで見ると上面にフラッシュがあるように見えるので、カワリシロハラ暗色型との誤認も稀にあるようですね。

投稿: kim | 2010/12/20 19:52

この前日に船に乗ったんですか。函館-青森間の航路でしょうか。どんな感じなんでしょう?
私がよく利用する八戸航路は,年間を通して乗ると時期によって出る鳥が異なり,面白いです。ハジロミズナギドリは9月末から10月中旬頃まででしょうか。来年また検証しに行ってみたいです。

投稿: yamame | 2010/12/21 08:04

船は函館-大間航路です。
大学のサークルで定期的に海鳥センサスを行っていて、月2回乗船しています。
外洋性の鳥は少ないですが、片道1時間半で一通り海鳥が見られるのでお手軽航路鳥見といった感じです。
http://hokuseiken.blog55.fc2.com/

ハジロは秋の記録が多いようですね。
逆にミナミオナガは春が多いように思いますが、どうでしょう?

投稿: kim | 2010/12/22 09:59

函館-大間航路をネットで調べてみました。
料金も時間もお手頃ですが,出航時間が函館と大間が反対だとなお嬉しいですよね。
また,研究会のホームページも拝見しました。皆さん,がんばってますね~。とても刺激になります。

秋,春の記録についてはどちらも初見の鳥なのでよくわかりません。八戸航路で出会う鳥見の人はとても少ない(というかほとんどいない)のですが,わかっている人はわかっているんでしょうね。

投稿: yamame | 2010/12/26 07:29

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