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2010/11/29

春国岱 2010/09/23

14:40 曇り

 今年2回目の道東行き。9/23から9/26までの3泊4日の日程だ。
 7月中旬に羅臼に行ってシャチを堪能したが,マッコウクジラが心残りだった。我ながら行動が無茶苦茶とは思ったが,行けるうちに行っておかないと絶対後悔する。

 道東は,はるか彼方,というイメージだが,仙台空港から中標津空港まで,乗り換え時間を含めても3時間で到着する。時間だけの比較だったら,竜飛岬や銚子などよりも,ずっと近い場所だ。

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 この日,仙台はしっかりと雨が降っていたが,中標津は曇り。

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 飛行機からレンタカーに乗り換え,まずは春国岱に向かう。

 春国岱については,とても良い探鳥地だと,さまざまな本で目にしていたが,「しゅんくにたい」と読むことは,今回初めて知った。今まで,「しゅんこくたい」とばかり思っていた。お恥ずかしい。大昔に国語で習った重箱読みというやつだった。

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 ここは初めてだったので,まずは近くのネイチャーセンターに行って,駐車場やら出ている鳥などの情報を得る。当然,春から初夏のにぎやかな時期はとうに過ぎ,また冬鳥もやってきていない。端境期のような時期だが,海沿いなのでシギチは見られるかもしれない。

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 春国岱につながる橋を渡った所が駐車スペースになっており,ここから先は遊歩道になっている。この遊歩道は,オホーツク海と風蓮湖にはさまれた細長い砂州に続き,また,左側に折れると,風蓮湖を渡って林のルートにも続いている。

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 到着した時間が午後2時半を回っており時間があまりなかったので,この日は海沿いを真っすぐに歩いてみることとした。

 まだ時間は3時になっていないというのに雲が厚く薄暗い雰囲気だ。

 天気が曇りがちだと気持ちも曇りがちになってくるが,気を奮い立たせて歩き始める。

 すると,さっそく木道の下から数羽のトウネンが飛び立った。

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 進んで風蓮湖の向こう岸を眺めると,いたのはタンチョウ。2羽だ。
 歩きはじめて5分も経たずして,早くも北海道らしい鳥と出会うことができた。

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 先に進み,海に近い所を歩きはじめるが,海と砂州の間にテトラポットが積み上げられており,海がテトラポットの隙間からしか見えない。

 テトラポットの外側は海になっていたので,シギチ探しができたのはテトラポットの内側の水がたまっている場所だけだった。

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 ここにいたのはトウネンにキアシシギ,イソシギのみ。

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 出だしなので多くは望むまい。

 このときはわからなかったが,どうも満潮に近い状態だったため,テトラポットの外側が水面下となっていたようだ。
 干潮になればテトラポットの外側に砂浜が現れて,波打ち際を歩けるようになる場所だったのかもしれない。

 行ってみないとわからないこともある。

 さて,先にどんどん進むも,薄暗い曇天の下,鳥がほとんどいない。

 さらに進むと海側にあったテトラポットが次第に低くなり,普通の砂浜風景になってきた。
 そこですぐに目に付いたのがカモメ類の群れだった。

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 冷静に考えれば海辺なのでカモメ類がいるのは予想できたはずなのだが,このときは全く頭に入っていなかったので,ものすごく嬉しかった。

 ウミネコやオオセグロカモメの群れではなく,背中の薄いカモメたちが混ざっている群れだったので,一気に興奮が高まる。

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 もちろん,なんぼ興奮したからといって突進したりするわけはなく,いつもどおり「だるまさんが転んだ」式にソーッと近づいたのだが,思いがけず一斉に飛んでしまった。
 思ったよりも警戒されていたようだった。

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 もっと時間をかけて寄って行けば良かったと反省するが後の祭り。何度繰り返しても懲りない私だ。

 しかし,飛んだ先をレンズ越しに追っていくと,分散したものの比較的近くに降りたようだ。

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 ヨシ。

 まずは,シロカモメにきちんとご挨拶せねば。

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 人に聞いた情報によると,秋田県北部から青森県にかけてはシロカモメ成鳥が普通に見られるようだが,宮城県内では,早春の移動時期以外に成鳥を見たことがない。
 だから,このようにきれいな大人の個体と出会えるととても嬉しくなる。

 ワシカモメの方は宮城でも普通に見られるが,数が多い方ではないので,やはりこちらも出会えると嬉しいカモメになっている。

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 そして,あろうことか,シロカモメとワシカモメのツーショットまで撮影できてしまった。
 北海道の地ではごく普通なのかもしれないが,地元でこのような光景を見たことはない。

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 また,この群れの中に,周りのセグロカモメよりも小さく,とてもめんこい顔をしたセグロカモメが混ざっていた。

 セグロカモメの♀タイプなのだろうか。

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 まさか9月中旬にカモメ類を楽しめるなんて思ってもいなかったので,思いがけないプレゼントをもらったような気分だった。

 仕事でも家庭でも,日常生活では思いがけない嬉しさなんて滅多にあるものではないが,フィールドに出ると,いつ何があるのかわからない楽しみがある。

 カモメ類を充分に楽しみ,引き返そうとしたところ,上空から聞きなれた声が聞こえてきて,姿を探すとチュウシャクシギが1羽飛んできたところだった。

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 帰りは海側ではなく風蓮湖に沿った道を歩きはじめると,今度はエゾシカの親子が目の前に現れた。

 しばらく佇んでこちらを見ていたが,駆けて向こう岸まで逃げていった。

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 最初は気付かなかったが,エゾシカは対岸に多数見られた。目に付いたシカだけで十数頭はいたので,かなりの数のエゾシカがここに棲息しているのだろう。

 7月に来たとき,野付半島や知床峠などでもエゾシカを見ていたが,今回は,まだ9月というのに冬に向かって毛替わりしてきている個体もふつうに見られた。

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 体に散らばっていた白い斑がなくなり,明るい栗色から暗い焦げ茶色に体色が変わってきている。

 さらに進むと,今度はキタキツネがすぐ近くに現れた。

 探して見つけ出したのではなく,普通に,そこにいた。

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 私の家の近くにもホンドギツネが棲息しているようで,車にひかれた死体を道路で見たことがあるが,本州のキツネは警戒心が強く,生きたキツネを見るのはかなりむずかしい

 それに比べると北海道のキツネは警戒心がとても薄い。
 野良犬のような感じでいる。

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 このキツネは,最初,海辺に座っていたのだが,とことこ小走りで私のすぐ目の前を通り過ぎ,遊歩道脇の草地に移動していった。

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 そして,一生懸命に何かをかじり始めた。

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 遊歩道に近い場所だったので,近くからその姿をじっくりと観察できた。

 普通のコンパクトデジタルカメラで撮影してもこんな感じだった。

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 最初はかじっている物よりもキツネの顔付きや牙の形などに目を引かれ,キツネの方ばかりに注目してしまったが,落ち着いてきたところでよく見ると,どうもかじっていたのはエゾシカの足の骨だったようだ。

 事故か病気で死んだエゾシカを餌にしたのだろうか。

 どうみても食べる所がないような骨を一生懸命にかじっている姿があまりにも気の毒で,かといって餌を与える訳にもいかず,そそくさとこの場を立ち去るのみだった。

 ところで,この近くに目立つ穴があったが,これはキタキツネと何か関係があるのだろうか。

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 キツネが使う穴にしてはあまりにも目立ち過ぎだが,キタキツネのやることだから,もしかすると巣穴なのかもしれない。

 以上でこの日の観察は終了。

 しかし,この後,素晴らしいオマケが付いていた。

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 言葉はいらない。

 厚い雲が地平線近くだけ切れていた。

 この景色を私が独り占め。

 こんな贅沢,こんな幸せはない,という気分だった。

 足元にいたトウネンも,ほら,このとおり。

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 この日の宿泊は,風蓮湖の湖岸に建つ,鳥好きのご主人が経営している民宿だった。

 鬱々とした曇り空を見上げながら始まった鳥見だったが,終わり良ければすべて良し。とても充実した気分で,おいしい料理をお酒を楽しむことができた。

 翌朝はルートを変えて林の方を覗いてみよう。

【出会えた鳥】

ハクセキレイ,ハシブトガラス,スズメ,トウネン,タンチョウ,ヒバリ,キアシシギ,イソシギ,タヒバリ,オオセグロカモメ,セグロカモメ,ワシカモメ,シロカモメ,チュウシャクシギ,アオサギ 

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