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2010/05/28

飛島 2010/05/01-04 【島ならではの鳥編】

(前の記事から続く)

 ここでは,島嶼(とうしょ)ならではの鳥についてメモしておこうと思う。飛島では出会えるが,地元ではなかなか出会えない鳥たちだ。

 この記事には次の鳥たちをメモすることとする。

  1. ヤツガシラ
  2. アリスイ
  3. ムネアカタヒバリ
  4. カラアカハラ
  5. ヒメコウテンシ
  6. コホオアカ
  7. ムジセッカ
  8. ムギマキ
  9. マミジロキビタキ

 記載順は鳥類目録のリスト順ではないし,微妙に出現順とも違う。
 テキトーだ。

【ヤツガシラ】

 島に渡って最初にいただいた情報がヤツガシラだった。港に着いてすぐ,帰りの船を待っていた知り合いの方に教えていただいたものだ。
 初めはなかなか見つけられなかったのだが,ゴドイモ畑にいるのをどなたかが見つけてくれた。その後左側の畑に飛び,最後に奥の畑に飛んで,そこに落ち着いた。

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 ヤツガシラとは島で何回か出会っているが,冠羽を開いた姿を見た記憶がない。
 ところが,この個体は,頭の構造がゆるい?のか,何度か冠羽を開いてみせてくれた。ただ,一瞬なので,開いたと思ってレンズを向けても,もう閉じていることの繰り返しだった。

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 ひどい写真だが証拠にはなるだろう。
 私が立ち去った後,砂浴びの光景を見せてくれたようなので,残って見ていた方々は,冠羽を広げた場面もきっと堪能できたことだろう。

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 ヤツガシラは数個体入っていたようだった。

【アリスイ】

 アリスイはゴドイモ畑とヘリポートで見た。
 繁殖しているようなので,初夏の北海道では普通の鳥だが,地元ではなかなか出会えない鳥だ。このユニークな姿形がうれしい。

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 いつかヘビのように首をくねらせてベロを出している姿を見たいものだ。

【ムネアカタヒバリ】

 今回のハイライトは何と言ってもコマミジロタヒバリとマミジロタヒバリだったが,この鳥たちがいたヘリポートの草地には,他にもさまざまな鳥が現れてくれた。

 ムネアカタヒバリもその1羽だった。

 別の鳥を見ていて最初は全然気付かなかったが,そこにいらした草加の鳥友が,ムネアカタヒバリもいる,と教えてくれた。

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 ムネアカタヒバリというと,頭から喉にかけてレンガ色,というイメージがあるが,この個体はちょっともそんなところはなかった。たまたま一昨年の10月に同じようなタイプと出会っていたからすぐにわかったが,そうでなかったらわからなかったかもしれない。

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 背中がくっきり縞状になっているタヒバリ類は,セジロタヒバリかムネアカタヒバリ。
 三列風切が覆っていて初列風切が見えないので,これはムネアカタヒバリだ。
 背中を見れば識別は容易だ。

 島に通っていると,普段見られないような色んな鳥を覚えられる。

【カラアカハラ】

 カラアカハラは♂も♀も入っていたようだった。島の各所での目撃情報があったが,私が見たのは2日の朝,ヘリポートだけだった。

 朝早くのまだ薄暗い中,ヘリポートに行くと,何種類かのツグミ類に混じってカラアカハラ♀も1羽いた。

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 カラアカハラは2007年5月以来の出会いだったので,内心かなり興奮したが,朝早かったせいか,周囲にいた方々は誰もが黙り込んでいた。
 喜びを分かち合えたら,もっと良かったのに…。

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 前回出会えたのも♂若鳥なので,♂成鳥のきれいな個体とは出会ったことがない。
 ここに通っていればいつか出会えるに違いない。

【ヒメコウテンシ】

 ヒメコウテンシとは毎年のように出会っている。
 渡りの時期の飛島では,もはや珍鳥ではない。

 今回は,この鳥もヘリポートの草地にいた。最初は1羽だけだったが,2日の午前中にヒバリと共にもう1羽入り,計2羽となった。

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 これまでは,草の陰や畑の畝に隠れて見づらいことが多かったが,今回は草刈りしたばかりのヘリポートに入ってくれたので,常に全身がさらされていた。

 採餌光景が丸見えだった。

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 上から押しつぶしたような平べったい姿勢で餌を探し,ときどき周囲を窺うように頭を持ち上げる。この平べったい採餌姿勢がとても興味深く,面白く観察できた。
 たまたま立ち上がった姿勢が得意のマミジロタヒバリが近くにいたので,なおさらだった。

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 以前から思っていたが,「ヒメコウテンシ」という名前は,語感がとても良い。名前でずいぶん得をしていると思う。以前呼ばれていたという「カラフトコヒバリ」という名前では味もそっけもない。

 漢字で表すと,「姫恋う天使」 というようなロマンチックなイメージがある。

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 実は,ヒメコウテンシは「姫告天子」と書く。「告天子」とは元々ヒバリを指していたようだ。「天に告げる者」だから「告天子」。ヒバリにぴったりの名前だ。雲の雀よりもずっと良い。
 それが,いつの間にかヒバリではなく,近種のコウテンシを指すようになり,コウテンシの小さなタイプなので「姫」が付いた,ということだ。

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 そういえば,今回は,ヒメコウテンシがヒバリのように冠羽を立てる場面を目にすることができた。写真に残すことはできなかったが,舞い降りた瞬間,確かに冠羽を立てた。
 やはりヒバリの仲間には違いない。

 ヒバリとのツーショットも張っておこう。

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 比較するとその大きさの違いが歴然だ。

 

【コホオアカ】

 コホオアカとこの島で最初に出会ったときは大感激だった。いまだにその時の興奮を覚えている。
 しかし,この鳥もほとんど毎回出会っている。春も秋もだ。
 すっかり常連さんになっており,出会えないと寂しい位になってしまった。

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 今回はヘリポートの草地に2羽がずっと入っており,至近距離まで寄って来てくれた。

 とても小さな鳥なので,他の鳥から攻撃されたり,餌を横取りされるより,他の鳥が寄って来ない人の近くが安心なのではないか,と思えるような近さだった。
 撮影していると近くに寄りすぎてピントが合わなくなってしまうこともあるくらいだった。

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 体長が13cmなので,スズメ(14cm)より小さい鳥だ。日本最小クラスのヒガラ(11cm)よりは大きいが,コガラと同大クラスだ。

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 コホオアカの魅力は,この小さな体と,目をくりっと見せる淡いアイリング,そして,夏羽になると赤褐色になる顔の色だ。

 特に夏羽の顔の色は,子どもが絵を描いていて,絵具がはみ出したようになるのが,何ともめんこい。

【ムジセッカ】

 ムジセッカは2日に二の畑で見かけたが,撮影したのは三の畑でマミジロキビタキを待っているときだった。足元の草むらにやってきたので撮影したのだが,草が邪魔でこんなのしか撮影できなかった。

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 意外に出会いが少ない鳥だ。

【ムギマキ】

 ムギマキは地元でも少数が通過しているようだが,私は飛島でしか見たことがない。よく見られる地方もあるかもしれないが,宮城県では渡りの時期でも稀な鳥だ。

 飛島でも,出会うのは出会えても,まだ若い個体だったり,きれいな成鳥♂と出会っても撮影できるようなシチュエーションでなかったり,と縁の薄い鳥だった。
 何度もふられて,私とは縁がないものとあきらめていた鳥だったが,今回は情報をいただいたおかげで,きれいな♂と出会うことができ,さらに撮影することまでできた。

 四谷(よだに)ダムの近くに成鳥と幼鳥の両方が出ている,という連絡をいただいて,おもむろに現地に向かうと,人だかりがすごい。人がたくさんいると,鳥の出具合など詳細な情報をいただけるのは良いが,シャイな東北人はどうも気後れしてしまう。

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 出を待っていて,1度,高木の上の方に出たが,狭い林道に人がたくさんいて,どうも居心地が良くない。撮影しようとすると周囲の人の邪魔になるかもしれない。
 煮詰まってきたので,私は遠慮することとして,立ち去ることとした。なんぼかでも人が減れば,出も良くなるかもしれない。

 とぼとぼと三脚を背負って林道を上って行くと,ポンと目の前に小さな鳥が止まった。
 ありゃ~,ムギマキでないの。こっちさ来てけだの~。破顔。

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 下にたくさんの人が待っているのに,こんな所に出てくれた。下の人たちに申し訳ない,な~んて気持ちはこれっぽっちも湧かず,嬉しさ一杯,笑顔満面だ。
 こういうときは人のことなど考えない。

 そ~っと三脚を広げて,レンズを向ける。
 その間,じっとして待っていてくれるのだから,とても良い奴だった。

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 もちろんひと所にず~っと止まっていることはなかったが,しばらくは私の周囲を動き回って,それから下の方に向かって移動して行った。

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 この間,偶然通りかかった庄内の方々と一緒にじっくり楽しめ,ムギマキが立ち去った後も,撮影できたのが嬉しくて,お互いの顔がくずれていた。

 後で聞いたところでは,この後,皆が待っている下の方にも現れ,大サービスだったようだ。自分だけ良い思いをした,と喜んでいたが,そうではなかった。正直ちょっと残念な気持ちもあるが,まずは,良かった,良かった。 

 この時期,島のあちらこちらに入っていたようで,四谷ダム以外の話もいくつか聞いたし,私自身,最終日にヘリポートの草地の下でも若い個体と出会った。

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 ムギマキという鳥は,これまで出会えそうでなかなか出会えず,出会えても意外に撮影チャンスがなかったが,これを機に,今後,縁が深まることを,切に,祈る。

【マミジロキビタキ】

 マミジロキビタキは,♂は黒い顔に白い眉斑が鮮やかで,お腹のレモン色がきれいなヒタキだ。キビタキもきれいな鳥だが,味わいが全く違う。

 出会えるなどとは思ってもいなかったが,昨年に続き,今年も出会うことができた。通算3回目の出会いだった。

 3日の午後だった。
 三の畑のトイレ脇で休憩している知り合いの方々に声をかけたら,マミジロキビタキが出た,という。畑の奥の木に一旦止まって,すぐに右手の方に飛んでいったらしい。
 もう出会えないだろうと思い,しばらく別の場所で探鳥をしてから戻ってくると,すぐに出た。

 三の畑の左手,菜の花畑に出て,その後,道路をはさんだ上の畑に移動して行った。
 そのときに撮影した写真がこれだ。証拠写真にしかならない。

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 この後,情報が回り,人が集まりかけたところで私は退散。
 このときは,マミジロキビタキよりも,今回当たっていたヘリポートの状況が気になりはじめていた。

 私が情報をお伝えし,現地で粘った方によると,この後何度か現れ,近くでもサービスしてくれたらしい。 そうか,ここに居ついたか。

 で,翌日。

 ヘリポートの顔触れは変わりないようだったので,最終日のこの日は,ここで粘ることとした。朝食後まもなく,小ぬか雨のような濃い霧になってきたので,機材を背負って移動するのは面倒だ。
 条件は悪いが,ぼんやり写った写真でもレタッチすれば何とかなるだろう。

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 しばらくいると,行動が見えてきた。三の畑に向かって左手の林を移動しながら採餌し,ときおり,開けた所に出て来て,地面の餌を探す。
 何度も見える所に出てくれた。

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 ギャラリーもそこそこいたが,ムギマキのときような狭い林道ではなかったし,人数もそれほどではなかった。マミジロキビタキが出るたびに,集団で,あっちに行ったり,こっちに来たりの繰り返しだった。

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 しばらくすると,撮影できた人から抜けていって,ギャラリーが少なくなってきた。
 やはり人が少ない方が出が良いようだった。なんぼかでもプレッシャーになっていたのだろう。

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 昨年の個体も初列が茶色っぽく幼鳥のようだったが,レモン色はお腹の下の方にまで広がっていた。しかし,この個体のレモン色は上半分だけだ。
 気付かなければ幸せだったのに,気付いてしまった。
 食べてみたらあんこが半分しか入っていなかったタイ焼きのような感じ。

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 でも,考えようによっては,このような色合いのマミジロキビタキは貴重かもしれない。過ぎ去れば懐かしく思い出せるだろう。

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 いつか,下腹部までレモン色で,羽も真っ黒な♂と出会えることを楽しみにしていよう。

 ここまでつらつらメモしてきた鳥たちだが,飛島に来れば必ず見られるという訳ではなく,このほとんどと出会えないときもある。
 そういう意味では,今回は大当たりだった。

 鳥仲間の情報連絡網のおかげで効率的に鳥を見ることができたし,島の方にヘリポートの草刈りをしていただき,見やすくしていただいたことも大きいと思っている。

(次の記事に続く。)

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