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2010/05/26

飛島 2010/05/01-04 【コマミジロタヒバリ・マミジロタヒバリ編】

 今年のゴールデンウィークはカレンダー上5連休となった。そのため,例年であれば2泊3日だったのだが,3泊4日とした。期間が延びたから,という訳ではないが,今回の飛島行は,1回には収まりきらないほど盛りだくさんだった。

 3回に分けて記録することとし,まず第1回は,今回の飛島のメインとなったコマミジロタヒバリとマミジロタヒバリを記事にまとめることとする。

 コマミジロタヒバリもマミジロタヒバリも,出たのはヘリポートだった。

 どちらも私にとっては初見の鳥で,最初はどこをどう見たら良いのかわからなかった。人との出会いも,初対面のときは顔がよくわからず掴みどころがないが,鳥も同じ。
 今回はこの鳥たちに集中しようと思い,ヘリポートに居ついて何百枚も写真を撮っている内にようやく顔を覚えてきた感じだった。

 出たのは3羽で,それぞれ右向きの写真と左向きの写真を張って,その間に,正面の胸が見える写真をはさんでみる。

【個体

 最初のこの個体はコマミジロタヒバリだ。
 5/1に現れて,5/3の午前中まで姿を見せてくれた。草刈りをしたばかりのヘリポートの草地を行ったり来たりして,ずっと餌を取っていた。

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 全身の淡い体色が印象的で,かわいらしい顔付きをしている。
 タヒバリやビンズイの仲間は胸の斑がくっきりはっきりしているものが多いが,この個体は細かい斑しかない。
 今回は,この胸の縦斑が,他の2羽と区別するための個体識別に役に立った。

【個体

 次が,とてもわかりやすかった「コ」なしのマミジロタヒバリだ。
 この個体は5/3に出たものだ。

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 個体Aと比較すると,嘴も,足も長く,何より立ち止まった姿勢が全く違っていた。
 個体A(= コマミジロタヒバリ)は立ち止まったとき,横,或いは斜めの姿勢なのに対し,この個体は,より立った(縦の)姿勢になった。このとき,長い足がとても目立ち,「背高のっぽ」というふうに見えた。
 体色は一見して濃く見えた。種の差ではなく個体差かもしれないが,個体Aと対照的な体色だ。

【個体

 次のは,自宅に帰ってからじっくりと撮影した写真を見ようと思っていた個体だ。
 5/2の朝,ヘリポートに行くと,個体Aのほかに,この個体も同じようにして餌を取っていた。5/3の朝までは,いた。

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 胸の斑が個体Aとは明確に異なり,現場では斑がないようにも見えた。
 また,写真で見ると個体Bよりも斑が少ないようだ。
 体色は,個体Aよりも濃く,個体Bと同じような濃さだ。

 顔付きや姿勢からくる全体の印象は,コマミジロタヒバリのようだ。
 しかし,部分部分を見るとマミジロタヒバリのようだ。ベテランバーダーは,一見してjizzでわかるようだが,私にはよくわからない。

 私にとっては微妙な個体だった。

【特徴】

 ここで,いくつかの図鑑の解説から拾って,コマミジロタヒバリとマミジロタヒバリの違いを表にまとめてみる。

       コマミジロタヒバリ       マミジロタヒバリ
 体長  15.5cm~17cm  17cm~20cm
 大きさ  より小さい  より大きい
 全身  それほどひょろっとしていない  ひょろっとしている(gangly)
 顔つき  かわいく見える  ツグミ類のような感じ
 眉斑  不明瞭  明瞭
 嘴  小ぶりで尖っている  長めでがっしり
 後趾の爪  やや湾曲し短め  直線的でやや長め
 跗蹠(足)  やや短い  長い
 肩羽  軸斑は不明瞭  軸斑は明瞭で先端が尖る
 背中  しばしば,より明瞭に縞状  縞状

【個体Aと個体Bの比較】

 上表のそれぞれの特徴は,個体A(= コマミジロタヒバリ)と個体B(= マミジロタヒバリ)には概ね当てはまる。
 特徴のひとつひとつを写真で検証して見よう。

 残念ながら2羽が並んだ写真の撮影はできなかったので,画像で大きさを比較することができないが,現場では,個体Aより個体Bの方が明らかに大きく見えた。
 立ち姿勢の印象もあったのかもしれない。

 全身の印象は,個体Aはひょろっとした感じがなく,跗蹠(ふしょ = 足の見える部分)の長さをそれほど感じなかった。
 一方,個体Bは背高のっぽでひょろっとしており,特に立ち止まったときに跗蹠の長さが目に付いた。踵や脛の一部が丸見えで,足がとても長い,という印象が強い。
 左が個体A,右が個体Bだ。

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 今度は顔付きに着目してみよう。
 個体Aと個体Bを左右に並べてみてすぐにわかるの,眉斑の違いだ。個体Aが不明瞭なのに対し,個体Bはくっきりと明瞭だ。

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 画像が粗くなってしまうが,別の写真をもっと拡大してみよう。

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 眉斑の違いのほか,個体Bの嘴の方がやや大きく,そのせいで顔の印象が異なっている。個体Bは目がくりっと大きく見えるが,たぶんこれは個体差なのだろう。

 識別に必要だろうと,背中も意識して撮影していた。 

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 どちらも背中の濃淡がに縦じまになっている。
 ある図鑑によると,コマミジロタヒバリの方がマミジロタヒバリより明瞭に見えることが多い,ということだったが,違いが判然としない。

 肩羽の黒い斑をチェックしてみよう。
 この部分は明確に異なっており,一番わかりやすかった。

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 右側の個体B(= マミジロタヒバリ)の斑の先がとがっているのに対し,左側の個体A(= コマミジロタヒバリ)の班は尖っていない。肩羽は近くから見ないとチェックできないが,見えれば明確に区別できるので,識別ポイントとしては有効だ。

 この部分で,100%,2種を分けられるのであれば,これが一番わかりやすい。

 当然ながら,後趾の爪の撮影もチャレンジしてみた。
 コレ,という1枚は撮影できなかったが,何枚か爪が写っているのはあった。
 上の段に個体Aを,下の段に個体Bを張っておく。

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 特に個体Aの方の写りが悪く,よくわからない写真となっているが,コマミジロタヒバリの方の爪が曲がりが大きく,短め,ということだ。
 個体Bの方は比較的わかりやすい写真が取れているので,マミジロタヒバリの爪はこんなだ,と覚えておこう。

【個体Cのチェック】

 個体Aと個体Bを比較しながらコマミジロタヒバリとマミジロタヒバリの特徴を勉強したところで,個体Cを改めて見てみよう。

 まず,全体の印象がわかる写真から見てみよう。

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 背高のっぽのひょろりとした印象はなく,立ち止まったときの姿勢が微妙だ。縦になっていないように見える。この写真のときだけでなく,大体はそうだった。
 また,顔付きは,個体Bと比較すると嘴が小さめで,かわいく感じる。
 全体の印象では,コマミジロタヒバリのようだ。

 今度は部分部分に着目してみよう。

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 肩羽の黒い部分は明確に尖っており,これは,「コ」なしのマミジロタヒバリの特徴だ。後趾の爪も直線的で長く,これもマミジロタヒバリの特徴だ。

 念のため,顔をもう一度見てみよう。

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 やはり嘴にがっしり感がなく,右を向いた顔の写真を見ると,眉斑が不明瞭にも見える。個体Bより個体Aの顔付きに近い印象だ。コマミジロタヒバリっぽい,ということだ。
 しかし,左を向いた写真を見ると,個体Bほどではないが眉斑が明瞭だ。嘴の問題は残るが,左顔はマミジロタヒバリの特徴が出ている,と言っても良いかもしれない。

 立ち姿勢でマミジロタヒバリっぽいのを探すと,あった。

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 ただ,どんな鳥でも,警戒するときはこんなふうに立ちあがるので,こういう姿勢があったからといってマミジロタヒバリとは断定できない。この個体に関しては,個体Bのような立ち姿勢になることはあまりなかったので,なおさらだ。

 さぁ,どっちだ。

 5/2は,個体Aと個体Cの両方が同じ場所にいて,2羽ともコマミジロタヒバリだ,と解説されている方がいたので,迷うところだが,細かな部分の特徴からすると,マミジロタヒバリの可能性が高いような気がする。

 それとも,3羽ではなく,4羽以上いたのか?

【写真】

 個体ごとに撮影した写真を適当に選んで残し,このメモをお終いとする。いちいちチェックするのが面倒なので,上に張った写真と重複するものもあるかもしれない。
 なお,コマミジロタヒバリ,マミジロタヒバリ以外の鳥は,次回以降,別途メモすることとする。

≪個体A≫

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≪個体B≫

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100503e_1273

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≪個体C≫

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100502e_1511

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(次の記事に続く。)

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