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2010/03/27

大潟村 2010/02/28 【後編】

12:30 曇り

 午前中にシジュウカラガンを堪能したので,午後からはハクガン探しだ。
 午前と同様,NHKアンテナ塔の北側エリアから探し始める。

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 車で巡回し始めてすぐ,田んぼに降りていたオジロワシと出会った。人間の子どもみたいに大きい。
 近づくまで全然気付かなかった。こちらもびっくりしたが,向こうはもっとびっくりしただろう。
 ふわりと浮かんで,向こうのあぜ道に降り立った。畳のような大きさで,降りるときに広げた白い尾がきれいだった。

 さて,ハクガン探しだ。

 もう少し苦労するかと思ったが,すぐに見つけることができた。雪が積もっていない状況だと,白い色はとても目立つ。午前中巡回した時にはいなかったので,その後ここに入ったのだろう。

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 このハクガンの群れは,間に田んぼが2枚入って,さらにその向こうにいた。大潟村の田んぼは,通常の30a区画よりさらに大きな90m×140mの125a区画が標準なので,田んぼ2枚と言ってもかなり遠い。

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 証拠写真でも良いと思って遠くでも撮影していたが,すぐに飛んでしまった。見つけてすぐ飛ぶのは午前のシジュウカラガンと同じだ。

 で,同じように数を確認するため,群れ全体をフレームに納める。

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 黒っぽい背景に白い影なので数えやすい。35羽のようだ。
 シジュウカラガンと同じく,1羽見られただけで感激する鳥が,これだけの数いる。
 現に,今,ここにいる。

 ファインダー越しにこの群れを追いかけていくと,同じエリアの田んぼに降りるのが見えた。

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 さっそく降りた場所に急行すると,私より早く,もう1台の車が到着していた。不思議に出会う確率が高い秋田の鳥友だった。
 鳥のいる所,鳥見人あり。

 ハクガンは西部承水路沿いの道路にほど近い田んぼに降りていた。さっきより近いし,道路から眺められる好条件だった。

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 たった今飛んで降りたばかりのはずだが,あまり緊張感なく,三々五々散らばって,餌を取るものあり,羽づくろいするものあり。

 すでに散らばっていた上,距離が中途半端だったので,一眼レフの長玉では35羽全部入れるのがつらい。コンパクトデジカメを取り出して撮影する。

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 くつろいだ姿を見せてくれるのは良いが,その内に寝てしまった。

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 動かないでいるときに幼鳥の数を数える。首を翼に突っ込んでいたので自信がないが,何度か数えても16羽で変わらず。だとすると半分近くが幼鳥だ。
 とすると,来年以降も期待大だ。

 午前中に見たシジュウカラガンの群れレベルまでなってほしいし,映画「WATARIDORI」の一場面のように,空一杯にハクガンが広がる光景を夢見る。

 この群れ,何かのきっかけでぱっと首を上げた。

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 と思ったら,また寝た。

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 その後,おもむろに起きだして活動を始めたが,遠ざかる方向だ。

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 北側の脇道に回り込んでみると,ぐんと近くなった。

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 ハクガンたちは,2枚の田んぼに散らばって,でんでばらばらに餌を取っている。

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 ハクガンがいる2枚の田んぼの間の畔がステージのようになっていた。

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 このステージを行ったり来たり。

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 ほかの個体は無邪気に行ったり来たりしていたが,真ん中の大きめの個体は常に頭をもたげて警戒していた。 こういう個体がいると,こちらもうんと気になってしまう。

 この2羽はステージの右側で水を飲んでいた。

 なんてことはない普通の生活風景なのだが,だからこそ,たまらなく愛おしくなる光景でもある。

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  ステージを振り返ってみると,やっぱりこの人は警戒している。
 まさに見張り人だ。

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 水を飲んでいた2羽と見張り人との位置関係はこんな感じ。

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 見張り人がこっちを向いた。

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 おっかね。ちょっとびびる。

 見張り人の後ろ(左側)は,こんな感じだ。和やかな光景だ。

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 目をステージに転じると,やはり見張っている。

 頭を下げることも,歩くこともなし。当然餌取りもしない。
 他の個体に餌を食べさせて,自分は見張りに専念している。アーノルド・シュワルツェネッガーのターミネーターのように見えてくる。とてもクールだ。

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 しかし,この人のおかげで,みんな安心して餌を食べることができる。

 これは家族かな。

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 親(成鳥)が首を立てて,子ども(幼鳥)が餌を食べている。そう思って見ると微笑ましい光景に見える。

 向こうの畔にも見張り人のような格好している個体がいたが,こちらはターミネーター見張り人ほど徹底はしていなかった。

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 ハクガン35羽というのは私の新記録だが,大潟村でもこれまでで最大の群れではないだろうか。

 鳥友人が立ち去ってしまったので,このハクガンたちは私の独り占めだった。午前のシジュウカラガンのときも独り占め状態で観察したが,東北の鳥見事情はこんな感じ。ひとりで見ていることがほとんどで,関東のように人だかりになることは滅多にない。

 そういえば,この日田んぼを回っている大型バスを見かけたが,バスに「○○野鳥の会○○」との表示があった。何しに来たのだろう。鳥見目的ではないのかな。

  長いことハクガンばかり見ていて,さすがに飽きてきたので,ヒシクイで箸休めだ。

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 ここのフィールドは警戒距離が長いため,ヒシクイをこれだけ近くで観察できるのは珍しい。移動中の群れで,しかもハクガンと一緒にいたためかもしれない。

 見ているうち大あくびのサービスもしてくれた。吹き出しを入れて,台詞を言わせたいような写真だ。

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 首を伸ばし,飛んだ個体がある。
 気がつくと,ぱらぱらと次第に飛んでいって,少しずつ数が少なくなってきているようだ。

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 ちょっと心配になって見張り人のハクガンに目を転じてみる。

 すると,前触れもなく,飛んだ。

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 見張り人のハクガンが最初に飛んだのかと思いきや,写真を見ると,右手のハクガンの方が先に宙に浮いていた。

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 普通,飛ぶ前には一斉に首を立てたりするなどするものだが,何の前触れもないまま,飛び立ってしまった。人や車が近づいた記憶はないし,私も何もしていない。

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 心の準備もないまま飛んでしまったは残念だったが,白い体に黒い風切羽がハッとするほど美しく,集団で飛び立つ迫力はすごいものだった。

 夢中でシャッターを切った。

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 とてもきれいだ。

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 宙に浮いてしまうと,横長のフォームでは上下が切れてしまうがやむなし。
 この写真の上下にもたくさんの個体が写っているのを想像して見よう。

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  次第に離れていく。

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 後ろに写っている人工物がNHKのアンテナ塔だ。

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 飛んでまもなくは2群に分かれていた群れがひとつに合体して飛んでいく。

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 どんどん離れていく。
 すぐにファインダーから目を離すと見えなくなるくらいの遠くになってしまった。

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 飛んでいった方向は北北西。ねぐらとしている沼の方向だ。
 しかし,この時点ではまだ午後2時40分。寝るには早い時間だった。

 もしかすると,ねぐら周辺の田んぼで休んでからねぐら入りするのかもしれないが,もう充分に見たので,後を追う気持ちにはならなかった。正直,もっと見ていたかったが,これ以上の贅沢は言わないようにしよう。

 もう仙台に帰ろう。
 この時間に帰れば夕食に間に合って,ゆっくり酒が飲める。

 この日は,午前中に70羽弱のシジュウカラガンの群れ,午後には35羽のハクガンの群れを観察できた。これ以上言うことなし。

 シジュウカラガンは毎年順調に増えてきているし,ハクガンも増えてきている。ここ大潟村では,このような大きな群れが標準となってきており,さらに来年も期待できる。

 数年後には,どちらもごくごく普通種になり,シジュウカラガンの中のヒメシジュウカラガン探しをしたり,ハクガンの中のアオハクガン探しをしたりして楽しめるよう,願っている。

 当たり外れが大きい鳥見だが,今回は納得の日帰り遠征となった。

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