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2010/03/22

三沢漁港-八戸漁港 2010/02/06-07 【ダイバー編】

 この両日の記録はすでにアップしているが,アビ,オオハム,シロエリオオハムのダイバー3種を観察できたので,ここにまとめて記録することとする。
 一緒に別記録とした方が種ごとの比較もしやすいだろう。

【三種の比較】 

 まずは全身がよくわかる写真を並べてみよう。
 日本鳥類目録に準じて,アビ,オオハム,シロエリオオハムの順で並べることとする。

 最初はアビ。

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次はオオハム。

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最後にシロエリオオハム。

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比較しやすいよう,同じ写真を小さくして横に並べてみる。

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 左端のアビは,頭が小さいプロポーションで,嘴が上にやや反っているように見える。また,顔全体が白っぽく見える。3種のなかでは,最も区別しやすい鳥だ。
 真ん中のオオハムは嘴ががっしりと大きく,体の脇後方に白い大きな斑が見える。肩羽の羽縁が白く見えるのは幼鳥なのだろう。
 右端のシロエリオオハムはオオハムほどがっしりとした顔ではなく,比較すると嘴がやや細く小さく見える。顔と首を分けるように黒い線が見えている。この個体は脇に白い斑があるように見えるが,汚れが付いて,羽が乱れているせいだ。

 別の写真でもう一度全身の特徴を確認して見よう。

 まずアビ。

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 次にオオハム。

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 最後はシロエリオオハムだ。

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 シロエリオオハムは左側の脇後方の羽が乱れて白く見えるが,汚れていない右脇には白い部分が見えないのがわかる。

 顔のアップも並べてみよう。

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 並べてみると,種ごとに顔付きが違うのがよくわかる。
 アビの嘴がやや上を向いているように見えるのは下嘴の形のせいのようだ。オオハムは大きながっしりした嘴も目立つが,頭頂が平らに見えるのも特徴的だ。シロエリオオハムは喉を取り巻く黒い線があるのが特徴だが,この個体はうっすらとした色だ。

 虹彩が赤いのは共通していた。

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 そういえばハシジロアビもそうだった。同じく潜水が得意なミミカイツブリ,ハジロカイツブリなども虹彩が赤かった。潜水と虹彩の色に,何か関係があるのだろうか。暗い海底に潜水するときに赤い目が役に立つのだろうか。
 在庫から赤い目の鳥たちを張ってみた。

 さて,ここまで3種を並べて比較してきたが,観察当日のことを個別にメモしておこう。

【アビ】

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 アビを観察したのは2/7午前中の八戸漁港でだった。大きな船が停泊していて,その脇の海面に浮いていた。
 羽づくろい中で,白いお腹をこちら側に向けて浮かんでいたので,最初は大きな白いゴミ袋でも浮いているのかと思った。

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 この個体は最初ずっと右側を下にして左脇の羽づくろいをしていたので,左側のどこかが油曝(ゆばく)しているのではないかと心配したが,油らしいものが見えなかった。しばらくすると左側を下にして羽づくろいを始めたので,杞憂で良かった,と一旦は安心した。
 しかし,しばらくしてお尻を見ると,油っぽいものが付いているように見える。

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 羽づくろいを終えると,徐々に遠ざかって行った。これで見納めかと諦めかけたが,そうではなくって,船を回り込んで反対側に移動しただけだった。
 アビが移動したのに合わせて船の反対側に移動すると,どんどんこちら側に寄って来て,目の前で潜水を繰り返し始めた。たぶん岸壁近くに魚の群れが入っていたのだろう。

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 顔を水に浸けて水中を観察し,獲物を見つけて潜る。魚を捕食する水鳥がよく見せる行動だ。潜水時間が長いし,魚を追いかけていると思われるので,一旦潜るとどこに出てくるのかわからなくなる。
 だから,急に目の前に出てくるとびっくりするし,とんでもない所に出て見失うこともある。

 一番近くに来たのは潜水を繰り返しているときだった。

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 餌取りに夢中で,こちらの方をあまり警戒していなかったのだと思う。近くなると,波のせいで上下にかなり動き,フレームの真ん中に納めるのに苦労するが,こんな苦労だったらなんぼしても良い。
 近くに来てくれたこと自体嬉しいが,ここまで心を許してくれたことがもっと嬉しい。仲間と認めてもらったような気分になる。

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 このアビ,羽づくろいをしながら,ときどき立ちあがって体を震わせた。
 ペンギンのように足が体の後端に付いているので,水を払うとき,体がすっかり立ち上がり,見栄えがする。
 真ん中の写真では体の周りに飛び散る細かな水滴が美しい。

 長い間見ているうち,独特の足も何度か見せてくれた。

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 この足で水中を思うように泳ぎまわっているのかと思うと興味深い。ペンギンやウミガラスは翼をヒレとして使い,水中を飛ぶようにして泳ぐが,たぶんダイバーたちは主にこの足を使って水中を行動しているのだろう。右端の写真では足が体の後端に付いているのがよくわかる。

 このアビはず~っとここにいて,潜水を繰り返すのを止めた後,また羽づくろいを始めていた。

【オオハム】

 オオハムは2/6の三沢漁港に入っていた。

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 最初に魚市場がある港の北岸壁(左側)にシロエリオオハムを見つけ,その後,南岸壁(右側)にこのオオハムを見つけた。比較的近い場所を行ったり来たりしていたので,観察しやすかった。
 左端の写真の奥にぽつんと小さな点が見えるのがそうだが,実際にはかなり近く感じられた。

 ダイバーは1羽入っていればそれだけで大喜びなのに,同時に2羽も観察できたというのは,この上ない幸せだった。

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 この個体は上にも書いたように幼鳥だったと思う。
 浮かんでいるときの黒っぽい背中に淡い色の羽縁が目立った。子どものときに羽縁が淡いのはこの鳥に限らず,結構多く見られる。
 足を上げたとき,ピンク色が見えたが,これも子どもの印なのだろうか。

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 シロエリオオハムとの区別には,がっしりした大きめの嘴と平らに見える頭頂による独特の顔付きがまず有効で,その次に脇に出る白い大きな斑だと思う。観察が可能な距離であれば,シロエリオオハムにある喉の黒い線がないのを確認できれば,区別がさらに明確になる。

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 南側岸壁の近くを行ったり来たりしており,西側岸壁との角の辺りで潜水を繰り返すことが多かった。
 上に記載したアビもそうだったが,潜水を始めると岸壁近くまでやってくることが多くなり,このオオハムも至近距離で観察できたのはそういうときだった。

 幸いこの個体は油曝の形跡は見られなかった。

【シロエリオオハム】

 シロエリオオハムも2/6の三沢漁港だった。

 魚市場がある港の北側岸壁に近い所で行動していたが,ここには漁船が10隻程度係留されていたため,撮影はしづらかった。前2種と同様,潜水を始めるとすぐ近くで観察できるのだが,一旦潜ると,どの船の隙間に現れるのか予想がつけにくかった。
 また,北側から見るので,どうしても逆光気味になってしまった。

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 オオハムと区別するとき,シロエリオオハムの識別点として有効なのは,顔付きのほか,首と顔の間にある細い黒っぽい線だ。この線の太さ濃さは,個体によって差異があるようで,この個体は薄く目立たなかった。
 この角度から見ると,胸にある細かな縦じまが美しかった。

 この縦じまはアビにもオオハムにも見られなかった。

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 シロエリオオハムが浮かんでいるときは脇の白い色が見えないのが普通のようだが,この個体が左を向いているときは,白い色が見えていた。
 ただ,これはこの鳥の個性ではなく,左わき腹を油曝していたためだ。しきりに気にしていたが,油は簡単には取れない。

 右向きの姿だと確かに白い部分は見えなかった。

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 この個体のように羽に乱れがあったり,また,波があって体が上下したりすると当てにはならないときもあるかもしれないが,遠くからでもわかる有効な識別ポイントだとは思う。
 名前に「シロ」が入っている方に白い部分が見えず,入っていない方に白い部分が見える,と覚えておこう。

 「白」が名前にあるか体(わき腹)にあるかだ。

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 この個体は,足を見せるサービスはしてくれなかったが,2回ほどはばたきをしてくれたのでお腹や翼の撮影を行うことができた。
 水面に浮かんでいるときは脇に白い色が見えないが,写真のとおり,お腹はちゃんと白かった。翼は下面が白く上面が黒く,特に目立ったパターンはないようだった。
 

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 この個体も,前2種と同様,岸壁に近い場所で潜水を繰り返す姿を見せてくれた。顔を水面に浸けて,魚に狙いを付けてから潜る。
 どこに浮上するのか私にはわからなかったが,カモメ類には見えたのだろう。浮上した瞬間に襲いかかり,せっかく捕えた魚を横取りしていた。

【その他】

 今回出会った3種3羽のダイバーは,たぶん2/6未明から海が荒れていたため,港に一時的に入ってきたものだと思う。しかし,大人の健康な鳥であれば,海が荒れていても外洋にいるのだろうと思う。

 そうでなければもっと港内に入って来ても良いと思う。

 そのことを念頭に今回の3羽を振り返ってみると,3羽のうち2羽は油曝しており,1羽は子どもだった。さもありなん。

 外洋にいるはずの鳥が港内に入ってきて近くで見られるのは嬉しいことではあるが,本来そこにいるはずのない鳥がいる,ということは,何か原因があるのかもしれない,ということも忘れてはいけない。

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