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2010/02/05

県北沿岸 2010/01/24

09:30  晴れ

 県南にばかり行っているので,たまには北の方にも行ってみよう。海沿いだったら県北にだってカモメ類はいる。
 自動車道を使うと,南三陸町まで正味1時間半ほどの距離だった。意外と近い。

 着いた志津川の町は,この日「寒鱈まつり」だったようで,港周辺は人であふれかえっていた。いつもは閑散としている町が活き活きしている。「白子の天ぷら」なんておいしそうだ。惹かれはしたが,目的が鳥見だ。

 港に入る。

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 港内はお祭りの駐車場になっていたようで,狭いスペースが車でびっしりだった。
 人はたくさんいたが,カモメ類は全く入っていない。やむなし。お祭りなので漁に出ていなかったのかもしれない。
 久しぶりに出会ったタヒバリに遊んでもらってから移動する。

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 先に進み,袖浜漁港まで行ったが,カモメ類はほとんどいない。
 荒島周辺にウミネコの群れがおり,袖浜漁港内にオオセグロカモメが2~3羽いただけだった。これまで何度か来たことがあるが,これほどカモメ類が少ないのは記憶にない。
 タイミングが悪かったのだろう。

 ここで撮影したオオセグロカモメの写真を見て,今更ながら気付いたことがある。

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 普段は鳥の足の裏なんて見ることがないのだが,写真では見ることができる。右端の写真は真ん中の写真を拡大したものだが,足裏に「肉球」があるように見える。
 カモメ類の足の裏って共通してこういう風になっているのだろうか。それともこの個体だけの特徴なのだろうか。

 この後,気仙沼方面に向かうか仙台方面に向かうか迷ったが,海沿いを仙台方面に南下することとした。

 海沿いの国道を走りながら,カモメ類が入っていそうなポイントを探す。

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 最初に立ち寄った港には,波伝谷漁港という看板が立っていた。「波伝谷」は「はでんや」と読むらしい。広々した立派な港で,港に接して小川が海に流れ込んでいる。
 漁港内にはそれほどカモメ類が入っていなかったが,河口付近に20~30羽のカモメ類が入って,水浴びをしていた。

 しばらくここでカモメ類の水浴び光景を楽しむ。

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 カモメ類は漁港にも多いが,海に川が注ぎ込む場所にも多い。広い浜辺の1か所にカモメ類が集まっていると思うと,そこに小川が流れ込んでいたりする。餌の関係もあるかもしれないが,たぶん,海水でべとべとした体を,川水で洗い流したいのだろうと思う。

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 首を水に突っ込みバシャバシャと翼を震わせて水を全身に行きわたらせて水浴びをする。ときには,こんな風に一旦空中に浮かんでから勢いをつけて,水に飛び込み水浴びをする。
 真ん中の写真は,オオセグロカモメが水にキスをしているかのようだ。
 この個体は第4回冬羽(4w)で,尾羽に黒い色がわずかに残っているのがわかる。

 オオセグロカモメに混ざってセグロカモメも水浴びをしていた。

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 オオセグロカモメよりも背中が淡いので普通はすぐにわかるのだが,この日はピーカンの天気だったので,オオセグロカモメも背中の色が薄く見え,わかりづらかった。こういう日は翼先端の黒が目立つのを頼りにセグロカモメを識別するのが良い。
 現場では区別できても,写真上では特にわかりづらかった。

 この川を少し遡ると,カルガモ,ヒドリガモ,コガモ,イソシギ,アオサギ,コサギなども見られた。良い鳥見ポイントだった。

 カモメ類の水浴びを堪能してから,次に向かう。

 国道を走っていると,防波堤にワシカモメが佇んでいるのが見えた。

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 何のメモもしていなかったので,場所がどこだったのかわからなくなってしまったが,海岸と国道が接している場所で,すぐ脇に漁港があった。今となっては地図を見てもわからない。
 この日初めてのワシカモメだったので,車を降りて撮影すると,めんどくさそうに飛んで,すぐ脇の港に移動した。

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 飛んだとき比較的近くを横切ってくれたので,飛ぶ姿をばっちり観察できた。
 ワシカモメの飛翔は何度見ても美しい。全体に淡い灰色で翼先端まで黒い部分がちょっともないのが良い。
 手持ちのマニュアル撮影だったが,何とかきれいに撮影できていた。

 この漁港はとても小さな漁港で,カモメ類はこのワシカモメ1羽だけだった。

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 寄って行くと遠ざかったりもしたが,まもなく馴染んでくれ,向こうから至近距離に寄ってきてくれたりもした。逆に後ろに下がらないと全身が入らない場面もあった。
 この写真はどれもコンパクトデジカメで撮影したもので,長玉を使わなくても,この程度には撮影できた。

 近くで撮影できたので,足の裏に「肉球」があるかどうか確認してみよう。

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 さっきのオオセグロカモメほど目立つものではないが,付け根あたりがふっくらしているように見える。これを「肉球」って言うのはたぶん間違っているのだろうが,猫や犬のような哺乳類だけではなく,鳥の仲間にも同じようなのがあった。指でツンツン突っついて柔らかさを確かめてみたい。
 もしかすると,カモメ類だけではなく,他の鳥にもあるのかもしれない。

 図鑑に掲載できるようなおとなしい写真を張っておく。

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 これがワシカモメ成鳥です,って感じの写真だ。この個体は,頭のもやもやした斑が薄くなってきており,また,嘴の赤い斑に少し黒い色が混ざっている。ワシカモメは成鳥でも嘴に黒い色が残っている個体が多いようだ。
 顔をアップにすると,嘴の先端が太く重そうだ。

 次に立ち寄った漁港は,地図で確認すると,石巻市北上町十三浜相川という場所にあった。

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 追波湾という大きな湾のなかに相川湾という小さな湾があって,その湾の奥に小川が流れ込み,漁港がある。漁港の名前は地図に載っていなかった。
 さっき寄った波伝谷漁港と同様,漁港と川がそろっているので,カモメ類が集まりやすい条件が整っている場所だ。

 この漁港では,カモメ類が水際に集まって佇んでおり,オオセグロカモメがほとんどだった。

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 上の4枚のオオセグロカモメは左から,1w,2w,3w,4wだ。…,と思う。
 2wになると肩羽に灰色の羽が見えてきて,3wになるとさらに上面全体が灰色になってくるが,三列風切や雨覆に褐色味が残っている。4wなると羽に褐色味がなくなり,成鳥とほぼ同じだが,嘴に黒い色が残っている。横の2枚は成鳥だ。

 オオセグロカモメ以外では,2羽のワシカモメのワシカモメが混じっており,第4回冬羽(4w)と成鳥だった。

 まず4wを見てみよう。

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 ワシカモメは成鳥でも嘴に黒い色が残る個体が多いが,4wでは,嘴の赤い斑が不明瞭で,黒い色が上嘴までしっかりとある。
 普通にしているとここ以外は全く成鳥と見分けがつかないが,羽づくろいしているのを後ろから見ると,尾羽にわずかに黒っぽい所があるようだ。

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 この個体,羽づくろい中にぶるぶるっとしたとき,こんなにめんこい表情を見せてくれた。目を細めてとても気持ち良さそうだ。
 嘴の周辺をよく見ると,水が飛び散っているが,これは「塩類腺」から排出された濃い塩水なのだと思う。「塩類腺」とは,海に住む鳥類,爬虫類,魚類が持っているもので,余分な塩分を排出するための器官だ。

 ところで,カモメ類を観察しているとき,よく下を向いてじっとするときがあるが,こういうときに塩分を排出しているかもしれない。どうなんだろう。

 ここにいたワシカモメ成鳥はこれ。
 最初に4wの個体を見つけて観察していたが,成鳥もすぐ近くにいた。

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 4wと比べると,嘴の赤い斑がよりくっきりとし,黒い部分が残っているものの,とても小さい。この個体は首から上がずいぶん白くなっている。
 この個体の足の裏も見てみたが,やはり同じように付け根あたりがぷっくらしている。やはり「肉球」はあるようだ。

 ここにはイカルチドリもいた。5~6羽の小さな群れだ。

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 以前,イカルチドリは中流域の河原の鳥というイメージがあったが,海辺の河口付近でも結構出会うことがある。ここでも港の水辺をちょこちょこ動いていた。
 チドリの仲間は互いに似ているので識別に迷うことがあるが,イカルチドリは長い足と長めの嘴が特徴だ。頭に黒い帯が出て,夏羽になっている個体もあった。

 この後も南下して行ったが,すぐに北上川にたどり着いてしまった。ここから先は牡鹿半島になってしまうので,巡回するのがややこしくなる。
 すっ飛ばして,奥松島に行くこととした。

 まずはコスズガモを探そう。

 最初に鳴瀬川を河口付近まで捜したが,キンクロハジロの群れがいたのみ。塩田跡も探したが,ここにもいない。

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 ダメ元で海岸まで出て海上を眺めると,何かそれっぽいのが浮いている。キンクロハジロの群れに混じって1羽だけ背中が灰色のがいる。去年コスズガモがいたパターンと同じだ。しかも寝てばかりいて顔を上げないのも同じだ。きっとこれだ。よし!
 と,思って,興奮気味にスコープを覗いていたが,何か違う。残念ながら,頭が紫光沢でなく緑光沢だった。がっかり。普通のスズガモだった。

 ややこしいことをしないでほしい。
 スズガモはスズガモらしくスズガモの群れにいること。

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 その後,さらっと巡回していると,道端の池にヨシガモ♂の群れが浮かんでいるのが見えた。ヨシガモはあまり多くないので,4~5羽の群れでも複数一緒にいるのを見つけると嬉しい。
 逆光側からヨシの向こうに見える群れをとりあえず2~3枚撮影し,順光側に回り込もうとしたら,その途中でいなくなってしまった。残念。

 さて,次に移動しようとしたら,周囲がにぎやかになってきた。

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 冬にお馴染みの混群に囲まれてしまっていた。いたのはエナガにキクイイタダキ,ヒガラ,シジュウカラ,コゲラのようだった。それぞれが好みの高さを動き回っていたが,高い所にいる鳥たちは,背中の色合いがきれいに見えた。
 眺めていると,群れとは関係のないジョウビタキまでやってきた。

 ここでエナガの面白い行動を目にすることができた。

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 エナガは林で見かけることが多いが,ここでは松林に水辺が接しており,ここのヨシ原にエナガの群れが入っていた。見ていると,オオジュリンのようにヨシに付いた虫を食べている。伊豆沼周辺などでも,水辺に群れが入っているのを見ることがあるが,こういうふうに採餌しているのだろう。

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 そういえば,エナガはホワホワの丸っこい体にひしゃくの「柄」(え)のように長い尾があるので「柄長」(えなが)というのだが,群れの中に「エミジ」も1羽混ざっていた。換羽の途中なのだろうか。それとも事故なのだろうか。尾が短い。面白い。
 ハクセキレイでも尾が短い個体を目にすることがある。

 時間があれば塩釜にも行ってみたかったが,もう夕方だ。帰り道の途中になる加瀬沼に寄ってから帰ることとした。

 ちょっと前までは午後4時にもなると周囲が薄暗くなり鳥見などできなかったが,だいぶ日が長くなってきたようだ。だんだんと鳥見時間も長く確保できる時期になってきた。

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 加瀬沼ではアメリカヒドリを探したが,見つけられず。残念だった。ユリカモメの群れも入っていなかった。
 新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ)が注目されるようになって以来,ハクチョウやカモへの餌やりを禁止する場所が多くなっている中,ここはまだ普通に餌を与えてふれあいを楽しんでいる。

 この日はこれでお終い。

 広範囲に動いてしまい,なんだかよくわからない1日となったが,フィールドノートにメモした鳥の種類は60を超えていた。

【観察できた鳥】

シジュウカラ,ハクセキレイ,タヒバリ,スズメ,ウミウ,オオセグロカモメ,オオバン,ハシブトガラス,イソシギ,ヒドリガモ,スズガモ,ウミネコ,ヒヨドリ,ベニマシコ,ジョウビタキ,カワラヒワ,トビ,コサギ,ダイサギ,カルガモ,オナガガモ,コガモ,ワシカモメ,セグロカモメ,ノスリ,セグロセキレイ,イカルチドリ,アオサギ,キンクロハジロ,ツグミ,ミサゴ,ウグイス,ホシハジロ,ミコアイサ,カワウ,チュウヒ,カンムリカイツブリ,ホオジロ,オオジュリン,カワアイサ,ホオジロガモ,ヨシガモ,カイツブリ,エナガ,キクイタダキ,コゲラ,ヒガラ,メジロ,アオジ,キジバト,オオハクチョウ,コハクチョウ,ハシボロガラス,ハシビロガモ,ユリカモメ (62種)

【写真】

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