« 船越-大潟村 2009/12/30 | トップページ | 椿漁港 【ハシブトウミガラス編】 2009/12/31 »

2010/01/16

椿漁港 2009/12/31

08:20 曇り

 大みそか。この日に秋田から仙台に帰ることとしていた。
 秋田では沿岸も内陸も暴風雪警報が出ており,早く仙台に向かわないと,途中で通行止めが生じるかもしれない。鳥見しないで仙台に直行するのが賢明だろう。
 …,と,理性の部分では思った。

 しかし,前日がスカだったので欲求不満だ。ちょっとだけ男鹿の方を覗いてから行こう。
 まだ天気は持っているようだ。

091231c_0005 091231e_0001 091231e_0012  まず最初に,昨日も行った船越水道の水門付近を覗く。すると,中央付近に浮いているカモ類の大きな群れの中にコオリガモを見つけた。昨日はいなかったわけではなく,見つけられなかっただけだ。雨で近くしか見られなかったので仕方ない。
 それにしても遠い。豆粒のようだ。

 豆粒のように小さく写っているのを最大限拡大してこの程度の大きさだ。

091231e_0025 091231e_0039 091231e_0040  写真を見ると,潜るとき,翼の先端が見えている。ウミガラスやウミスズメの仲間では普通だが,カモの仲間では珍しい。
 水中で足だけを使って泳ぐのであれば,潜るときに翼を広げる理由はないわけで,コオリガモはウミガラスたちと同様に翼を使って水中を泳いでいる可能性がある。

 2008.2に根室でコオリガモを観察したときは全然気付かなかった。
 今度近くで見る機会があれば,潜る瞬間をきっちりと撮影しなければならない。

091231e_0049_01 091231e_0088 091231e_0102  船越漁港付近にいたカイツブリは,キラキラした水面に,そのシルエットがとてもきれいだった。体色や表情が見えないのが,想像力をかきたてられる。
 順光で目に光が入るような鳥も良いが,逆光でシルエットになった鳥もなかなかだ。

 船川漁港ではカモメの群れが近くに入っていたので,年齢別に整理できるよう,個々の個体を撮影した。

00_091231e_0152 01_091231e_0143 02_091231e_0145 02_091231e_0165  左から,幼羽,第1回冬羽(1w),第2回冬羽(2w)×2だ。
 幼羽も1wも,この年の夏に生まれた同級生なのだが,換羽の進み方の違いが,このような見かけの差になる。幼羽は背中(肩羽)のうろこ模様が特徴だ。
 2wになると,背中がより灰色になり,足もピンクではなくなる。後ろに突き出した初列風切には,まだ白斑が見えない。左端の個体では尾羽に黒斑があるのが見える。

 カモメは4年で成鳥になるようで,第3回冬羽(3w)はほとんど成鳥と変わらない。

04_091231e_0137 04_091231e_0138 03_091231e_0161  だから,というと言い訳になるが,3wと成鳥の見分けがとてもむずかしい。
 3wが成鳥が違うところは,嘴に黒斑が見えることと,後ろに突き出した初列風切の白斑が成鳥よりも小さいことくらいだ。ややこしくしているのは,成鳥でも嘴に黒斑が残っているものがいること。この中で3wと思われるのは,右端の個体くらいだろうか。

 椿漁港に着いたのは10時を過ぎていた。

091231e_0202 091231e_0218 091231e_0222  椿漁港では防波堤内側の港をチェックして何もいないことを確認してから,外側をじっくり見るパターンが多いのだが,今回は内側の港でいきなりウトウと出会った。昨日と同じ個体かどうかわからないが,少なくとも昨日とは違う場所だ。
 しかし,出会ってすぐに潜ってしまった。潜るのが仕事の鳥なのでやむなし。

091231e_0229 091231e_0260091231e_0874  出てくるのを待っていると,すぐ近くに白黒のペンギン模様の鳥がポカリと浮きあがってきた。え,なに,何? 確認すると,嘴に白い線が入っており,お腹の白い部分がとがって喉に食い込んでいる。
 ハシブトウミガラスだ。

091231e_0288 091231e_0373091231e_0997  このハシブトウミガラスは,この後,私がいる岸壁近くを行ったり来たりしてずいぶん楽しませてくれた。おかげ様で,この1羽で数百枚の写真を撮ってしまった。
 なので,別途書き改めることとする。

 ハシブトウミガラスと遊んでもらっている間,ウミスズメも3羽現れた。

091231e_0932 091231e_0946  ハシブトウミガラスが近過ぎたのでエクステンダーを外してしまっていたのだが,そこそこ近かったので良かった。トリミングすれば,見られる画像になる。
 ウミスズメは,黒い体に白いお腹,と基本はペンギン配色だが,嘴の先が薄い桜色で,口紅を付けたようだ。ここがチャームポイントになっている。

091231e_0936 091231e_1026  3羽ともよく潜り,浮上するまでかなりの時間水中にいた。
 潜る前に顔を水につけて下を見る行動が見られたが,目で魚などを探していたのだろうか。明るい日ならまだしも,曇った日や雨の日などは暗くて見えないのではないかと心配してしまう。よほど目が良いのだろう。少なくともいわゆる「鳥目」ではないと思う。

 また,この日はよく鳴いた。

091231e_0949 091231e_0950  鳴き声はすぐに忘れてしまうので,フィールドノートにメモしておいた。「チュン チュルルルー チュルルルー」と書いてある。しかし,確かめようと思って図鑑を見ると,4種類見たどの図鑑にも,「チッ チッ」 と鳴く,としか書いていない。
 確かに,声を伸ばして鳴いていたのだが…。

 か細く高い声だったような気がする。

 ここでしばらくハシブトウミガラスを独り占めしていたのだが,時間が経つと最初のドキドキ感がなくなり,また,潜っては浮上する,という行動パターンも単調で飽きてきた。
 後ろに関東ナンバーの車が付いたのを機に外側の港に移動することとした。

091231c_023 091231c_026 091231c_021  海に突き出た防波堤には休日ともなると釣り人がずらっと並ぶのだが,この日は,大きな波が防波堤を越えてきていた。まだ雪は降っていなかったが暴風雪警報は伊達ではなかった。この荒天がハシブトウミガラスなどを港内に招いてくれたのかもしれない。
 真ん中の写真の防波堤がそれで,この外側は海が大荒れだ。

 ここでは前日もそうだったが,覗き込むとすぐに目の前にウトウが浮かんだ。
 さっきの個体がこちらに移動してきたのかもしれない。やはり,前日と同じ個体だったのだろうか。

091231e_1181 091231e_1187  ウトウは,見たばかりのハシブトウミガラスより小さく,ウミスズメより大きかった。他の2種はペンギンのような白黒模様が基本の体色だったが,ウトウの下面は白ではなく,ぼんやりとした黒っぽい灰色だ。お腹の下の方が白いようだが,海に浮かんでいるとお腹の白い部分が見えない。

091231e_1189 091231e_1196  ウトウを何より特徴付けているのが,嘴の根元にある突起と目の上下にある白い飾り羽だ。図鑑によると,冬羽では嘴の突出がなくなり,飾り羽もなくなる,というが,現に目の前にいる個体は12月末の冬真っ只中でもしっかりとある。
 冬羽でもこのようになっている個体なのかもしれないし,もしかすると,冬羽になるのが遅れているか,夏羽になるのが早い個体かもしれない。

 さっきのウミスズメの鳴き声と言い,このウトウの姿と言い,現実は図鑑の記述どおりでないことがある。

091231e_1197 091231e_1198 091231e_1199  これはウトウが潜るところだ。
 ウミガラス,ウミスズメの仲間が皆やるように翼を広げて潜るのがわかる。水中では,翼をヒレ代わりにし,空を飛ぶようにして泳いでいるに違いない。
 潜るときにはお腹から下尾筒が白いことがわかる。

 さて,この時点で11時半になってしまった。
 そろそろ行かないといつ天気が崩れるかわからない。

 引き上げようと,車で移動し始めると,すぐ近くにヒメウがぽっこりと浮かび上がった。
 カワウ,ウミウでは食指が動かないが,ヒメウとなると話は別。

091231e_1259 091231e_1302 091231e_1269  しかし,これはまだ若い個体で,全身が地味な黒褐色だった。緑や紫の金属光沢がある成鳥が良かったのだが,やむなし。
 そもそも,無邪気にすぐ近くに姿を見せてくれるのは若い個体が多く,きれいな成鳥を至近距離で見る機会はあまりない。

 今度は本当に帰ろう。

 と,思ったが,右に曲がるところを,つい左に曲がって,ウミアイサのポイントに向かってしまった。

 すると,椿のトンネルを抜けたところに,こんなシノリガモがいた。
 エクリプスから変化する途中かもしれないが,たぶん♂若鳥だ。

091231e_1371 091231e_1392_up 091231e_1386  今回の秋田ではシノリガモを山ほど見ているが,若鳥は初めてだ。
 不思議にこのタイプの若鳥と出会うことがあまりないので,嬉しい出会いだった。
 幼羽は全身が褐色で顔にだけ白斑がある。この個体は,幼羽ときれいな成鳥の中間的な羽色だ。顔の白い部分が汚れたようになっており,また,背中にあるべき白斑が見られない。

 このシノリガモのすぐ近くにウミアイサのペアがいた。

091231e_1358 091231e_1370 091231e_1420  見ていると羽づくろいをし始めてくれ,そのなかでこんなポーズも見せてくれた。
 真ん中の写真はお尻の白と尾羽を立てたところ,そして,赤い嘴と赤い目の表情も良いし,冠羽が炎のように上になびいているのも良い。
 右端の写真は久々のヒットだ。我ながら傑作だと思う。体はウミアイサだが,頭がまぁ~るい毛玉になっている。

 この年のカモメ納めは,ワシカモメだだった。

 1年前の私だったら見向きもしなかった若鳥だが,今はこれが面白くなってきた。

091231e_1483 091231e_1485_02 091231e_1485_01 091231e_1485_03  背中(肩羽)に灰色が入ってきているので第2回冬羽(2w)だが,大型カモメで背の色が淡い灰色なのはセグロカモメとワシカモメの2種。うち,初列風切の淡い羽先縁が明瞭なのはワシカモメだ。また,足のピンクが汚れたような色なのもワシカモメだ。
 下嘴の突起がワシカモメにしては小さいようだが,たぶんワシカモメで間違いないだろう。

 思い残すことなし。
 今度こそ仙台に向かおう。

 と,思ったが,また手が勝手にハンドルを切って,船越水道に向かってしまった。
 朝は遠かったコオリガモが岸辺に寄ってきているかもしれない。

 しかし,世の中そんなに甘くない。

091231e_1597 091231e_1570 091231e_1649  コオリガモは朝同様にはるか遠くに浮かんでいた。反対岸に行けばなんぼか近くなるかと思ったが,さらに遠くなり,しかも逆光になる。やむなし。
 コオリガモはちょうど羽づくろいの最中で,特にお腹の羽毛が気になっていたようで,立つような姿勢を繰り返していた。

 結局,コオリガモが,この年の鳥見納めとなった。
 最後の写真データを見ると,13:23 となっていた。

 仙台への道は,幸い,秋田県内は暴風雪警報が出ているとは思えないほど穏やかで雪もなかったが,岩手に入ってからは,上も中も下も真っ白だった。
 冬はやっぱりこれでなくってはいけない。

【観察できた鳥】

オオバン,カルガモ,マガモ,カモメ,オオセグロカモメ,キンクロハジロ,スズガモ,コガモ,ホシハジロ,ダイサギ,ホオジロガモ,コオリガモ,ツグミ,ハシブトガラス,ハシボソガラス,ハクセキレイ,カワラヒワ,スズメ,トビ,ノスリ,カワアイサ,ウミネコ,カイツブリ,ハジロカイツブリ,ウミアイサ,ワシカモメ,ウトウ,ハシブトウミガラス,ウミスズメ,イソヒヨドリ,シノリガモ,カンムリカイツブリ (32種)

【写真】

091231c_0002 091231c_0008 091231c_012 091231e_0093 091231e_0110 091231e_0115 091231e_0121 091231e_0179 091231e_0171 091231e_0168 091231e_0189 091231e_0149 091231e_0128 091231e_0170 091231c_017 091231e_1307 091231e_1364 091231e_1368 091231e_1408 091231e_1433 091231e_1435 091231e_1439 091231e_1465 091231e_1469 091231c_028 091231c_033

« 船越-大潟村 2009/12/30 | トップページ | 椿漁港 【ハシブトウミガラス編】 2009/12/31 »

0203 秋田県/男鹿南磯」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 船越-大潟村 2009/12/30 | トップページ | 椿漁港 【ハシブトウミガラス編】 2009/12/31 »