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2010/01/15

船越-大潟村 2009/12/30

09:10 雨

 前夜8時前に寝たのだが,起きたのは8時を過ぎていた。こんなことは何年もなかったことだ。早く寝過ぎて,深夜に目が覚めてしまったのが良くなかったようだ。
 で,現地に着いたのが9時過ぎ。

 この日は真冬のはずなのに雨。
 秋田なのに。

091230c_0004 091230e_0001 091230c_0003  時間が遅かったので直接船越水道に来たのだが,窓を開けると雨が車内に吹き込み,すぐにシートがビシャビシャになる。スコープもカメラも出しにくい。
 船越水道の北側から観察してこうなのだから,南の風だ。今の季節であれば北西の季節風が吹き荒れる時期なのだが,これも秋田の冬らしくない。
 積もった雪に雨が浸み込んで,道がぐちゃぐちゃになっている。

 海岸まで出る。

 カモメ類を探して少し走ると,いた。
 北側から見ると雨が吹き込むので,南側から観察する。

 前日に巡回した象潟や仁賀保に比較するととても少ないが,オオセグロカモメにカモメ,ワシカモメがいた。

091230e_0086 091230e_0105 091230e_0106  左から,オオセグロカモメ第2回冬羽(2w),成鳥,成鳥だ。
 2wは背中に灰色の羽が入ってきており,虹彩が黄色くなってきている。背中の灰色の羽がオオセグロカモメ特有の濃い灰色だ。
 ここには成鳥を2羽張ったが,1羽1羽の個性がわかる。左側のはちょい悪の感じ。右側の個体は,悪人顔が多いオオセグロカモメにあって,良いヒトの感じがする顔だ。

 この個体は悩ましかった。

091230e_0204 091230e_0205 091230e_0207  全身が茶褐色で肩羽に灰色が入っているので2wには間違いないが,その灰色がオオセグロカモメの濃い灰色ではなく,セグロカモメの淡い灰色だ。しかし,後ろに突き出た初列風切を見ると淡い羽先縁がくっきり明瞭なのでセグロカモメではない。とすると,残るはワシカモメとなる。
 そういう目で見ると,足の色がやや汚れており,顔付きもワシカモメに見えてきた。

 ワシカモメだからといって,若鳥に関しては初列が淡い色だとは限らないようだ。
 識別する上で大事なポイントだ。

 ここには大人のワシカモメも1羽入っていた。

091230e_0065 091230e_0093 091230e_0096  前日に象潟で見たワシカモメより頭の色が濃い個体だ。
 前日の記事にも書いたが,ワシカモメはすぐに夏羽になって頭が白くなってしまうので,頭がこのような色になっている個体は今の時期にしか観察できない。ありがたし。
 濃くってもオオセグロカモメやセグロカモメのような明瞭な斑になっていない。

 レンズを向けているとこんな格好も見せてくれた。

091230e_0061 091230e_0062 091230e_0063  何度も「後ろに突き出した初列風切」と書いてきているが,初列風切はこのように格納されていた。少しコマが飛んでいる感じがするが,翼の先がこのように折りたたまれて後ろに突き出してくる。
 完ぺきではないが,今のところの保存版だ。

 上に張った若鳥も食べていたが,成鳥もヒトデを食べていた。

091230e_0152 091230e_0156  カモメ類がヒトデを飲み込むところは良く目にするが,ヒトデを食べるという人にはまだ出会ったことがない。ゴツゴツ硬くて,煮ても焼いても食べられそうにない。どこかに栄養分があるのだろうか。
 カモメ類も,何とか飲み込んでもすぐに吐き出しているのではないのか。

091230e_0173 091230e_0176 091230e_0177  と,思って,ここまで書いてからネットで検索したら,外側ではなく中身(卵巣)を食べる地方があるらしい,ウニみたいな味でおいしいらしい。茹でたり焼いたりして食べるそうだ。酒の肴にも良い,という。同じ棘皮動物なのでウニと味も似ているかもしれない。
 ちなみに,ウニも食べている部分は卵巣・精巣なので,似たようなものだ。

 季節は春に限定されるようだが,味に興味が湧いてきた。

091230e_0179 091230e_0193 091230e_0196  でも,どの種類のヒトデがおいしいのだろう。カモメが好んで食っている種類は何なのだろう。岩手県種市海岸のカモメ類がウニを割って食べているのを見たことがあるし,こいつら意外にグルメかもしれない。
 機会があればぜひ食べてみたい。

 次,カモメ。

091230e_0131 091230e_0144 091230e_0124  この日のカモメは,前日に撮影した個体よりめんこい顔をしている個体が多かった。嘴がより細くて短いのがそのように見せてくれるのだろう。カモメ類は個性が出やすいので,顔付きを見てめんこいのや器量良しを探すのも面白い。
 左から順に,成鳥,3w で良いと思うが,右端のは2wか3wか微妙だ。背中に褐色の羽が全然見えないが,嘴と足が灰色だ。

 カモメは大人になるにつれ足がピンクから黄色に変わっていくが,その途中右端のような灰色になるのが面白い。白黒写真のように見える個体もある。

091230e_0070091230e_0085 091230e_0115 これらの個体は雨覆にまだ褐色が混ざっており,嘴も足も色が灰色っぽいので2wと思われる。上の個体より年下のはずだが,より大人っぽく見える。嘴がやや大きいせいで顔付きの印象が変わってくるのだろう。
 右端の個体は足の色が灰色っぽいが,足の裏がピンクなのがわかる。赤ちゃんの手のひらを見てしまったようで,何ともめんこい。

091230c_0010 091230c_0015 091230c_0013_2  この浜は個体数がそれほど多くなかったし,雨がなかなか止まない。
 雨が吹き込まないよう,車の窓を開けたり,閉めたり,また,濡れた車内や機材をその度にタオルで拭いたり,と,観察になかなか集中できない。
 落ち着いて観察できないので,すぐ移動することとした。

 コオリガモが来ていた,という水門の方に移動してみよう。

 水門の近くにはコオリガモが見当たらず,代わりに(?)シノリガモ♀が入っていた。

091230e_0262 091230e_0284 091230e_0287  シノリガモ自体は珍しいカモではないが,船越水道に入るのは珍しいのではないだろうか。何度も来ているが,ここでは初めて見た。
 ちょうど良い具合に溶けた雪の塊が流れてきたので,水に浮かんだ雪を背景にしたシノリガモを撮影できた。ちなみに,水面に無数の穴を穿(うが)っているのは季節外れの雨だ。

 この季節ここに来れば,十中八九カワアイサの群れは見られる。
 この日もそうだった。

091230e_0213 091230e_0245 091230e_0330  最初岸辺近くに群れがいたが,車を止めると,す~っと離れていった。土手道の反対車線からだったのだが,警戒心が強い。申し訳なくなってすぐに移動し,また戻ってくると,今度はほどよい距離に浮かんでいた。今度は警戒距離を確保していたようで,離れていくようなことはなかった。警戒距離は100m位か。
 このカワアイサも,雪を背景に撮影させてくれた。

 3か月前に居ついていたクロツラヘラサギはもういないようだった。

 次は,大潟村へ。
 シジュウカラガンの群れが入っているようだし,ハクガンも来ているかもしれない。

091230c_0018 091230c_0019 091230c_0021  ところが,雨がひどくなってとても観察しづらい。車の窓を開けると方向によっては雨の吹き込みがひどく,窓を閉めたままだと水滴が邪魔をして見づらい。農道は積もった雪に雨が浸み込んでシャーベット状になっている。ここは行き止まりの農道が多いのだが,行き止まりで切り返そうとするたびに埋まって動けなくなるので,延々とバックすることとなる。

 結果から書くと,午前中一杯と午後少し大潟村南部を巡回したが,この日は成果はなかった。

091230e_0359 091230e_0418 091230e_0522  冬の田んぼにいたガン類は,ヒシクイとマガンのみで,シジュウカラカンもハクガンも見つけられず。どこかにいたのかもしれないが,探し出せなかった。
 伊豆沼や蕪栗沼と異なり,ここのガン類はヒシクイが中心なのだが,どの群れを見てもヒシクイばかり。中に混じっている小さいのはマガンだった。

091230e_0401 091230e_0473 091230e_0486  ハクチョウはオオハクチョウもコハクチョウもいて,泥だらけになりながら餌を食べていた。雨の中でも活き活きと活動している。
 何の成果もなく,鬱々とした気持ちになってきたところで出会ったので,元気を分け与えられるような気持ちでハクチョウを撮影した。

091230e_0352 091230e_0560  猛禽では相変わらずノスリが多かったが,ハイイロチュウヒの♂♀も飛んでいた。白い鷹を久しぶりに見て感激だったが,雨のため撮影はできず。ゆっくりと飛びながら徐々に遠ざかっていく姿を窓越しに双眼鏡で見送った。
 腰だけ白い♀も2回出会い,そのうち1回は証拠写真を撮影してみた。

 雨が一番ひどかったのがお昼前後で,一時雷雨にもなったが,午後1時半過ぎから雨が弱くなってきた。2時頃にはようやく雨が上がった。

 しかし,この頃には大潟村内を巡回する元気がなくなってしまっていた。
 気持ちを切り替えて,船川方面に移動する。

091230e_0589 091230e_0594 091230e_0612  船川港にはカモメ類が入ってはいたが,このときは風が強く,カモメ観察は省略。港の奥の方にコクガンが1羽はいっていたので,これを撮影して次に進む。
 この周辺のコクガンは一時見かけなくなったが,ここ数年は毎年飛来している。この日この場所では1羽だけだったが,今季も大丈夫だろう。

 途中,男鹿海鮮市場に寄ったりして,椿漁港周辺に着いたのはもう夕方が近くなってからだった。

091230e_0669 091230e_0729 091230e_0735  まず,椿のトンネルを越えてウミアイサのポイントに行ってみると,いつものように群れが入っていた。約束の時期に約束の場所にいてくれるとそれなりに嬉しいものだ。
 最初はやや遠めに浮かんでいたが,私を歓迎するように,皆が近寄って来てくれた。
 ♂の派手な体色とぼさぼさ頭が嬉しい。

 さて,戻って椿の港だ。

091230e_0781 091230e_0798 091230e_0874  ここは不思議に海鳥が入る所で,最近もウトウの群れが入っていたらしい。
 海鳥が港内に入るのは,海が荒れたときの一時避難的なことが多いので,ウトウなどもうとうの昔に抜けたものと思っていた。何も期待しないで海面を眺めていたら,目の前にぽかりと浮かび上がってきた。

 周囲がだいぶ暗くなってきたので,ISO感度を上げてシャッタースピードを稼がなければならない。画質の劣化が心配なので,最大でISO800を上限に感度を上げる。

091230e_0818 091230e_0909 091230c_0031  ここで粘っていると,ウトウのほか,ウミスズメも姿を現してくれた。たぶんこの付近の海域にたくさん入っているのだとは思うが,観察できる機会はそれほど多くない。幸運だった。
 巡り合わせの悪い1日だったが,運が上向きになりかけたところで,シメとなった。

 帰り道,カーラジオを付けると,年末年始にかけて日本海側は暴風雪警報が出そうな感じだ。この日の雨に続き,翌日も荒天らしい。

 ところで,この日,秋田の実家周辺ではほとんど雨が降らなかったようだ。
 本当? と思い,気象庁のホームページでこの日の降水量を調べたら,男鹿市で49.0㎜,大潟村で47.5㎜だったが,秋田市ではわずか3.5㎜だった。

 日頃の行いの悪さが出たようだった。

【観察できた鳥】

オオセグロカモメ,カモメ,ワシカモメ,ハシボソガラス,トビ,カルガモ,カワアイサ,ホオジロガモ,シノリガモ,コガモ,ミヤマガラス,オジロワシ,ヒシクイ,マガン,チュウヒ,オオハクチョウ,コハクチョウ,シジュウカラ,ツグミ,ハイイロチュウヒ,ダイサギ,ウミアイサ,ウトウ,ウミスズメ (24種)

【写真】

091230e_0017 091230e_0026 091230e_0062 091230e_0062_up 091230e_0090 091230e_0065 091230e_0489 091230e_0532 091230e_0545 091230e_0367 091230e_0579 091230e_0341 091230e_0583 091230e_0608

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