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2009/12/23

蒲生 2009/11/15

(蒲生)  07:15  晴れ
(伊豆沼)  11:47 晴れ(強風)

 蒲生にミヤコドリが来ているらしい。教えていただいてからかなり期間が経ってしまったが,ダメ元で蒲生に行ってみた。

091115c_001 091115c_004  この日は久しぶりの鳥見だった。
 乗馬クラブ近くの空地に車を止めて日和山の脇まで出ると,じ~んと嬉しくなってきた。何も意識していなかったが,物凄く,鳥見に乾いていたようだった。朝の冷たい空気の中,ユリカモメが飛んでいる風景を見ているだけでもとても幸せだった。

 導流堤まで行き,しばらく佇んでいるといつの間にか目の前にミヤコドリが来ていた。

091115e_1246 091115e_1325 091115e_1794 シギ・チドリに近い鳥としては比較的大きな鳥で,白黒のシックな体に赤い嘴が良く目立つ。嘴の先が黒っぽいのは子どもの印だと思い込んでいたが,図鑑を見ると,成鳥でも冬羽になると黒っぽくなるらしい。成幼の別は,背中の色や羽縁,足の色をきちんと見なければいけなかったようだ。思い込みって恐い。これは成鳥だったかな。

091115e_0153 091115e_1349 091115e_1264  千葉県船橋市の三番瀬では,ここ数年,百羽以上の群れを観察できるようだが,こちらではまだほとんど出会うことができない。そういう状況なので,ミヤコドリが飛来すると珍鳥として情報が行き交うことになる。すぐに三番瀬に行ける関東圏とは事情が違う。
 地域によって鳥のありがたみも変わる,ということだ。

 情報をくださった鳥友に感謝だ。

091115e_0334 091115e_0352 091115e_1790  久しぶりのミヤコドリとの出会いで,しかも近くにいてくれたので,見つけてすぐに導流堤に座り込み,ずっと写真を撮り続けた。幸せ一杯で,夢中でシャッターを切った。たぶん,シャッターを切った数だけ感激していたのだと思う。
 散々撮影し,ふと我に帰ってカメラを見ると,いつの間にか撮影枚数が2000枚を超えていた。

 我ながら呆れたもんだ。
 写真整理がまた大変になった。

091115e_0566 091115e_0598 091115e_0602  撮影している間のほとんどの時間,餌を探しては,食べていた。砂に深く嘴を差し込んで二枚貝をつまみだすと,律儀にそれを砂州の上まで持って行ってから,開けて食べる。
 水中から直接貝の身を取り出して食べることもあったが,基本的には水の中と砂州を行き来する繰り返しだ。

091115e_2147 091115e_1787  貝を捕えて食べていた道具はこの嘴だ。
 横から見ると幅が太く,貝の隙間に嘴を入れるのが大変そうに見えるが,正面から見ると意外に平べったくなっている。この嘴を二枚貝の隙間に差し込み,閉殻筋(=貝柱のこと)を切って身だけを食べる。
 見ていると開けるのに苦労することもあるが,器用なものだ。

 食べていた貝は,撮影した写真で確認できたのはすべてイソシジミだった。それ以外の貝はなかった。

091115e_0537091115e_0973091115e_1813_top  イソシジミは,「シジミ」と言っても,普通みそ汁に入れるヤマトシジミよりずっと大きい4cmほどの平べったい貝だ。アサリより薄いものの,直径はアサリよりも大きいかもしれない。おいしくないようで,普通は食用にしないし,スーパーなどで売られることもない。
 人は食べないが,少なくともこのミヤコドリは好物のようだ。

 そういえば,昨季石巻で出会ったミヤコドリも,海岸に打ち上げられたイソシジミを主食にしていたようだった。

091115e_1444 091115e_1471 091115e_1482  三番瀬は春に潮干狩りでかなりにぎわう場所なので,アサリが大量に撒かれていると思われ,それがミヤコドリの生息を支えているのだろうと想像しているが,実は,蒲生にはイソシジミが大量にある。以前息子(娘だったかな?)の夏休みの研究で蒲生の貝を調べたことがあるが,ちょっと掘るとイソシジミがざっくざっく出てきた。
 そこら中イソシジミだらけといって良い。

091115e_1813 091115e_1829 091115e_1832  蒲生は,カニやゴカイの仲間も多い場所で,シギチが春秋の渡りでここに寄って栄養補給していくポイントだが,二枚貝の宝庫でもある。ミヤコドリが多数居ついても大丈夫なほどの貝があると思う。
 千葉の群れがかなり大きくなってきたようなので,そろそろ分散して,ここまで北上してくれないかと内心期待しているのだが,…,どうだろう。

091115e_1882 091115e_1903 091115e_1907  そういえば,ここにはアサリもいるはずなのだが,アサリを食べる姿は観察できなかった。好みなのか,それとも時期的に捕りにくいのだろうか。もしかすると,しょっちゅう人が入って貝掘りしているので,捕りやすい場所は捕りつくされたのかもしれない。
 それにしても,干潟に入って貝掘りやハゼ釣りをする人をよく見かけるが,ここで捕ったものを口に入れて大丈夫なんだろうか。

 さて,嘴を砂や水に差し込んでいる写真を見ていて気付いたことがある。

091115e_1688_up 091115e_1722_up 091115e_1843_up 091115e_1552_up シギの仲間でも砂や水に嘴を差し込んで餌を探す鳥が多いが,どの鳥もこの瞬間はまぶたを閉じることが多い。「瞬膜」でなく「まぶた」だ。実は,こうしたときに,まぶたを閉じためんこい顔になるので,観察&撮影の絶好の瞬間になっている。
 しかし,何枚も何枚もこうした瞬間を撮影したのだが,このミヤコドリではまぶたを閉じた写真は1枚もなかった。

 1羽を見ただけで断定はできないが,ミヤコドリの癖を1個見つけた気分だ。

091115e_1227 091115e_0451 091115e_1166  このミヤコドリはユリカモメの群れと共にいたが,よく考えてみるとユリカモメも「都鳥」だった。「名にしおわば いざ事問はむ 都鳥 わが想う人は 在りや亡しやと」(在原業平,伊勢物語)の「都鳥」は,ユリカモメのことだという説が有力らしい。
 現地では気付かなかったが,都鳥の群れにミヤコドリのツーショットだった。

 写真の撮影データを見ると,ミヤコドリを見ていた時間は7時25分頃から8時50分頃までの1時間半弱だった。計算すると2.5秒に1枚写真を撮っていた。

091115e_1964 091115e_2500 091115e_2529 091115e_2412  ミヤコドリばかり見ていたが,一緒にいたユリカモメの群れのほか,遠くにはマガモの群れが入っており,また,上空にはミサゴ,後ろの干潟にはコサギなどの姿もあった。朝早くはハクチョウspも浮いていた。
 また,引き上げ際には,キアシシギが姿を見せてくれ,カニを捕えて食べていた。そういえば遠くからアオアシシギの声も聞こえてきていた。

091115c_020 091115e_2576 091115e_2559  防波堤工事が終わった後どうなったのかと養魚場の方まで行ってみると,今まで雰囲気のあった自然の土手道がすっかり舗装された広い道になっており,歩きやすくなっていた。ちょっとさびしいが安全のためだ。仕方ない。
 途中のヨシ原にはベニマシコなどが入っており,奥の養魚場には,カワウやオオバンがおり,コガモやハシビロガモのカモ類も入っていた。

 この後,近くの大沼・赤沼に行くが,赤沼に初ミコアイサを見つけただけで,他に何もなし。伊豆沼まで移動することとした。

091115c_025091115c_027091115c_034 伊豆沼に着くと,ここは車の外に出ていられないほどの凄い強風だった。
 来て失敗したなぁ,と思ってしまったので,車で循環するも,何の成果もあるわけなし。オオハクチョウやマガンでお茶を濁した鳥見になってしまった。
 この写真で風の強さがわかるだろうか。水面は波立ち,旗は横になびき,ハスの実は川の方に吹き寄せられている。

091115c_053_2 091115e_115 091115e_099  マガンは,この日も三工区にはほとんど姿が見られず。今季,三工区は良くないようだ。何かあったのだろうか。それともガンたちの気まぐれか。
 二工区に移動するといくつか群れが観察できたが,合わせてもたぶん数千単位だ。こんなものではないはずだ。広範囲に散ってしまったのだろう。とりあえず二工区にいる群れを何か所かチェックしたが,カリガネもシジュウカラガンも混ざっていなかった。

091115e_008 091115c_066 091115e_140  オオハクチョウは,二工区の田んぼのあちらこちらで,泥だらけになって餌を食べている姿が見られた。伊豆沼周辺では,昨季からハクチョウ・カモへの餌付けを自粛し始めたので,人が提供する餌に依存していた鳥たちが飢えないのか心配していたが,杞憂だったようだ。私が思うより自然に生きている鳥たちはたくましかった。

 この日はあきらめ,家に帰ることとしたが,遠回りしてちょこっと寄った沼にシギチが結構入っていた。

091115e_222 091115e_238 091115e_286 091115e_306  最初目に付いたのがツルシギの群れ。そして,その中に混ざっていたエリマキシギを1羽見つけ,向こう側の草むらに,クサシギとタシギの小群を見つけた。ここの常連さんのコチドリもいる。
 残念なことに,着いてまもなく,時間の関係で山の影がかかってしまい暗くなってしまったが,久しぶりにこれだけのシギチと出会え,寒い中,ほっこりと暖かくなった。

091115e_356 091115e_353 091115e_362  良い気分になったところで,さぁ,家に帰ろうとすると,私を引き止めるようにクサシギが目の前に飛んできた。クサシギも大好きなシギなので,素直に引きとめられてしまった。
 タカブシギやイソシギと並ぶ美形のシギで,タカブシギよりも濃いめでくっきりしている体色が嬉しく,また,イソシギのような白い食い込みがないのも嬉しい。尾をピコピコ上下に振って愛想を振りまいてくれた。

 この日は後半県北にも行ったが,振り返ってみると,やはりミヤコドリの日だったかな。
 出会えて良かった。

【観察できた鳥】

(蒲生)
ベニマシコ,モズ,ホオジロ,スズメ,トビ,ハシブトガラス,ハクセキレイ,マガモ,ユリカモメ,ウミネコ,ハクチョウsp,ミヤコドリ,シジュウカラ,キジバト,カワアイサ,アオアシシギ,カイツブリ,コサギ,キアシシギ,カワラヒワ,ジョウビタキ,ヒヨドリ,ハシビロガモ,コガモ,カルガモ,ダイサギ,オオバン (28種)

(伊豆沼)
オナガガモ,マガモ,オオハクチョウ,マガン,トビ,カワアイサ,ハイタカ,ハシビロガモ,オオバン,キンクロハジロ,ホシハジロ,ヒシクイ,ヒバリ,チュウヒ,ノスリ (15種)

(蕪栗周辺の沼)
コチドリ,ツルシギ,エリマキシギ,クサシギ,タシギ (5種)

【写真】(すべて蒲生で撮影)

091115e_1977 091115e_2555 091115e_2491 091115e_2426 091115e_2544 091115e_1111 091115e_2586 091115e_1955 091115c_009 091115e_0013 091115e_0069 091115e_0105 091115e_0153_2 091115e_0174 091115e_1283 091115e_1316 091115e_0374 091115e_0479 091115e_0516 091115e_0521 091115e_0899 091115e_1169 091115e_1408 091115e_1540 091115e_1552 091115e_1672 091115e_1685 091115e_1688 091115e_1722 091115e_1739 091115e_1749 091115e_1903_2 091115c_006 091115c_005

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コメント

yamameさん、今晩は~。ミヤコドリ、ずいぶん長く滞在してくれたんですねぇ。自分も見たかったです。来年、また出てくれたら、来年こそ会いに行きます。今日は、福島に青い鳥を探しに行ってきました。

投稿: NOBU | 2009/12/23 21:02

NOBUさん,おはようございます。
ミヤコドリ,もういなくなったんでしょうか。行っていないのでわかりませんが,まだいるかもしれませんよ。
福島は青い鳥でしたか。
ブログのアップを楽しみにしています。

投稿: yamame | 2009/12/24 06:55

yamameさん

拙ブログにもアップしましたが、12月13日にはミヤコドリいました。

その日は曇空のため写真の出来がイマイチだったので再チャレンジしたいのですが、行ける日に限って天気が悪いんですよね~(泣)

今週の日曜日に再チャレンジ予定です!

投稿: むー | 2009/12/24 20:27

むーさん,ミヤコドリ情報ありがとうございます。
通過でなく,すっかり居付いたようですね。餌が豊富だし,このまま越冬して来季は仲間をつれて来てくれるとうれしいです。

日曜日,晴れると良いですね。

投稿: yamame | 2009/12/25 07:13

NOBUさん,ブログを拝見しました。
青い鳥と出会えていたんですね。あそこのヌルデの木では,私もトラツグミで良い思いをしたことがあります。でも阿武隈川のハクチョウは,餌付けをやめたので散逸してしまっているんでしょうね。

投稿: yamame | 2009/12/25 07:18

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