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2009/12/10

伊豆沼 2009/10/04-05

(2009/10/04)  11:30  晴れ
(2009/10/05) 07:00 晴れ

 家で溜まりに溜まったデータを整理していると,今目の前にムラサキサギがいる,という連絡があった。以前からムラサキサギが伊豆沼にいるという情報はあったが,生情報とあれば行かねばならない。即,家を飛び出した。

 家から現地までちょうど1時間くらい。

091004c_015  現地に着くと人がいたが,ご連絡をくださった方の姿はない。用事があって引き上げたようだ。ムラサキサギの姿もない。どうしたんだ。
 そこにいた方に尋ねてみると,大きな魚を捕まえて飲み込んだ後,飛んでしまったらしい。
 あ゛~っ,「さっきまでそこにいたのに。」という,いつものパターンだ。これまで何度も経験していることだ。

 これで挫けてはだめ。あきらめない。
 ヨシの向こう側の池も覗いてみよう。

091004e_216 091004e_221  すると,いた。
 まさか見える所にいるとは期待していなかったが,いてくれた。久しぶりだ。
 しかし,見えるのは頭だけだ。隠れて見えなくなることはなかったが,逆に全身を見せてくれることもない。じっと動かず,だ。
 これでは埒が明かない。

091004e_235 091004e_236 091004e_237  どうしようかと思っていると,突然飛んだ。
 見える方の池に降りてくれそうだ。と,思ったら,降りかけた姿勢から,踊るように方向転換をして土手を越え,沼の方に消えてしまった。何たること。
 待つだけ待たせて,ちらっとしか姿を見せてくれなかった。

091004c_018 091004c_020  後からやってきたAさんと一緒に沼方面を探しても見つけられず。
 時間を空ければ戻ってくるかと,三工区などでガンを観察し時間をつぶして戻っても,この場所には姿を見せず。
 挑戦する前までは何とも思わなかったが,おかげ様で欲求不満の塊になってしまった。

 翌日は10時から会議があるが,その前の時間帯に休暇をもらおう。
 8時半頃までここにいられるだろう。

 翌朝,現地には7時頃に到着した。

 いない。

091005c_001Sp_091005c_003  たまたまムラサキサギを狙って来ている人がいたので聞いてみると,ムラサキサギはここをねぐらにして住んでいるのではなく,朝に沼の方から飛んでくるらしい。
 そうか。まだ来ていなかっただけだ。
 良し。待つしかない。

 ムラサキサギが沼の方から飛んできたのは何時頃だったろう。

 沼の方から飛んできて,くるりと旋回して向こうの池に降りてしまった。飛んでくる場面を撮影する気持ちは全然なかったので,ただ見ていただけだった。
 また待つしかなくなった。

 しかし,いつまで経ってもこちらにやって来ない。

 業を煮やして,向こうの池を覗きに行ったが見当たらない。
 どうしたんだろう。
 いずれにせよ,また待つしかない。

091005e_019 091005e_032  そろそろ諦め,もう引き上げようかと思った頃,いつの間にか,目の前の池の奥に姿を現していた。どうも向こうの池からヨシの間を歩いてこちら側にやってきたようだ。撮影した写真のデータを見ると,8時18分のことだった。
 前日から今朝まで散々気を持たせられたが,ようやく全身を拝めた。
 まずは姿を見せてくれて感謝だ。

 あまり行動的ではなく,じっとしていたが,まもなく翼を広げて,こちら側に飛んできた。遠いことは変わりないが,若干は近くなる。

091005e_158_up091005e_173 091005e_080_up  ムラサキサギはダイサギ・アオサギクラスの大きな鳥で,首が細く長いのが印象的だ。首の太さに比較して嘴が太いのだろう。首から嘴の先端までシルエットがなだらかだ。
 首から下の体は地味な黒っぽい色だが,首の付け根から頭にかけて黒い紫っぽい縦線が走っており,この縦線に沿うように茶色が入っている。細く長い首のシルエットと相まって,この縦線が蛇のような独特の印象を強めている。

091005e_145 091005e_142091005e_082_2   この体色を見て,「紫色の鳥だ」,と言いきるのはためらわれるが,アオサギを「青」と言ってしまう「いずさ」より,ムラサキサギを「紫」と言う方が,なんぼかしっくりくる。アオサギは,英名で Grey Heron,「ハイイロサギ」だが,ムラサキサギは英名でも Purple Heron,そのまま「ムラサキサギ」だ。学名の Argea purpurea も紫に由来しているのだろう。

091005e_072 091005e_073  特に飛ぶ姿を撮影すると,大きく広げた翼が紫色っぽく見える。
 アオサギの翼は,黒い風切と薄い灰色の雨覆のコントラストがはっきりしているが,ムラサキサギは,このように翼全体に色が付いており,コントラストが高くない。コントラストが高くない分,色調が豊かに見える。
 とてもきれいだ。

091005e_065 091005e_035 091005e_036  足の先端まで写っている全身写真はなかったが,長い首や体に比べ,足はそれほど長くないようだ。足が短いのには親近感を感じるものの,ダイサギやアオサギに比べると深い所を移動するのは得意でないかもしれない。
 近くでも飛んで移動するのはそのせいなのだろうか。

091005e_089 091005e_090 091005e_096 091005e_100  観察時間は長くなかったが,1回だけ魚を捕る姿も見せてくれた。
 じっと動かずにいた後,ばねを弾くように首を水面に突き刺して魚を捕った。前日は大きな鯉をゲットして飲み込んだようだが,今回のは情けないほどちっぽけな獲物だった。
 こういう姿を見ると,この細くて長い首~嘴は,ばね仕込みの銛(もり)のようにも見える。エリア限定の飛び物の武器だ。

091005e_115 091005e_178091005e_207_2  もっとず~っと見ていたかったが,もう仕事に行かなければいけない時間になっている。後ろ髪を引かれる思いでこの場を離れた。
 撮影データによると,最初の写真を8時18分に撮影し,最後の写真を8時49分に撮影したので,観察できた時間は30分程度だったようだ。

 短い時間だったが,これだけ観察できれば所期の目的は達成した,として良いだろう。
 これで良しとしなけらばならない。

<追記>

091004e_268 091004e_281 091004e_257  4日の時間調整のとき,Smさんに教えていただき,とても希少なシジュウカラガンを観察させていただいた。シジュウカラガンにしては頬が白くなく,嘴が大きい。嘴の付け根の色が薄いような気もする。マガンとのハイブリッドかもしれないが,何年間も継続して渡って来ていたマガンとのハイブリッドと思われる個体とは全然姿形が異なる個体だ。

091004e_311 091004e_312  以前から定期的に来ていた個体が黒っぽい顔に白い色がくっきり入っていたのに対し,この個体は全体が黒っぽく,白い色が全くない。ハイブリッドだとしても,タイプが全く異なるハイブリッドのようだ。
 ライオンとトラのハイブリッドが,母親と父親が入れ替わっただけで,「タイゴン」と「ライガー」という全然違う姿形になるのと同様なのか。

 とても興味深い個体だった。今も県内のどこかにいるのだろうか。

【観察できた鳥】

ムラサキサギ,マガン,シジュウカラガン,ダイサギ (4種)

【写真】(10/5の写真から抽出)

091005c_006 091005e_011 091005e_005 091005e_007 091005e_037 091005e_038 091005e_039 091005e_040 091005e_065_2 091005e_071 091005e_072_2 091005e_073_2 091005e_074 091005e_075 091005e_142_2 091005e_145_2 091005e_158_up_2 091005e_194 091005e_196 091005e_200 091005c_013

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コメント

空高く恐竜のような鳥が飛んでいたのですが、とてもムラサキサギににていました。大阪に住んでいるのですが、これって本当にムラサキサギなのでしょうか?

投稿: 阿部ゆり | 2014/06/08 17:40

私も大阪でムラサキサギに似たとりを見ました。

投稿: | 2014/06/08 17:43

大阪でムラサキサギですか。
「恐竜のような」というのがワクワクします。
ホントにそうだと楽しいですね~。

投稿: yamame | 2014/06/08 19:03

最初は、まさか伊豆沼にいるムラサキサギが大阪にまで来るはずないと思っていたのですが、やはり飛ぶ姿も、特徴も似ているので、ムラサキサギだと確信しました。でも、本当にムラサキサギかどうかは分かりません。

投稿: 阿部ゆり | 2014/06/09 19:39

このときのムラサキサギはたぶん大陸(中国方面)から迷ってきた個体で,今はもう伊豆沼にはいません。…というか,見たのはこのときだけでした。
普通,日本では石垣島などず~っと南にしかいない鳥ですが,鳥は翼があるので,まれにとんでもない場所に現れることがあります。大阪で見たとしても不思議ではありません。

投稿: yamame | 2014/06/09 20:26

そうなんですか?じゃぁ、少しだけ、「ムラサキサギじゃないかも。」と思っていましたが、信じても良いですね。良かったです。(本当に恐竜が飛んでいたら、大変ですからね。)

投稿: | 2014/06/10 19:44

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