« 龍飛崎 2009/09/21-23 | トップページ | 伊豆沼 2009/10/04-05 »

2009/12/08

蕪栗沼 2009/09/26

(蕪栗沼) 09:00 晴れ
(伊豆沼)  12:30 晴れ

 もうマガンが結構来ているというので,県北の方に向かった。北海道から帰省している息子も一緒だ。この日はマガンさえ見られればそれで良い。

090926e_0031090926e_0103 最初に行ったのは蕪栗沼だ。
 白鳥(しらとり)地区北側の駐車場に車を止め,息子と連れ立って歩き始めると,まもなく上空からマガンの声が聞こえてきた。上を見るとマガンたちが飛んでいる。あっけなくこの日の目的達成だ。いつもの年のように今年も来てくれていた。良かった,良かった。

 ヨシ原の上をチュウヒが舞っているのを横目に見ながら,遊歩道を先に進む。

090926c_0003 090926c_0013 090926c_0030  ほどなく白鳥地区の上空をかなりの数のマガンが舞っているのが見えてきた。とても嬉しい,宝物のような風景だ。鳥そのものより,風景自体が嬉しい。思わずポケットからコンデジを取りだして撮影してしまった。
 それにしても,9月のこの時期にこんな群れを見るとはビックリ。例年より出足が早いようだ。

090926e_0235 090926e_0244 090926e_0281  西側に回り込んでヨシの隙間から覗き込むと,水面に群れが入っており,上空を舞っていたマガンたちがどんどん降りて来ていた。渡り初期なので,数羽で見られれば良いと思っていたが,予想以上だった。
 渡ってきて今到着した群れかもしれない,と思うと感慨深く感じられる。

090926e_0211 090926e_0189 090926e_0190  見ていると,きりもみしながら急降下する「落雁」のパフォーマンスを見せてくれる群れもあった。ねぐら入りのときの「落雁」パフォーマンスは,ここ蕪栗沼よりも伊豆沼の方がよく見られるが,この日,このときは特別の大サービスだった。
 思いっきりきりもみするものだから,逆さになって写っているものもあった。これは明らかに回転しすぎ。

 ず~っと見ていたい光景だったが,飽きやすい連れがいたので,先に進む。

 歩く足元には,久しぶりのゴイシシジミが何頭も飛んでいた。
 しゃがんで観察する。

090926c_00017 090926c_00019  翅を広げると地味なチョウだが,翅を閉じていると白い地に黒い碁石のような斑紋が沢山並んでいる。表より裏の方がきれいなチョウだ。おばさんたちが持つバッグにこんな柄のものがありような感じだ。
 薄暗い場所では,この白い色がとても目立つ。

090926c_00018 090926c_00020  飛んでいるとき,翅の裏の白いのと表の黒っぽいのとが交互に残像となり,黒い翅を広げた1頭のチョウの上に,翅を閉じたもう1頭のチョウが乗っかっているように見えた。チョウ版のオンブバッタのような感じ。
 本気で,「2頭いる。珍しい飛び方をしている。」と発言してしまったほどだった。

 ゴイシシジミは,幼虫のときはアブラムシを食べ,成虫になるとアブラムシの体液を吸う,というユニークな食性のチョウだった。生涯,植物系の食べ物は全く食べないらしい。

090926c_0041 090926c_00045 090926c_0033  遊歩道にはこんなものもあった。
 猛禽類の食痕だ。食べられたのはサギの仲間だろう。この周辺で多い白いサギはダイサギか。前週の龍飛で南下するタカ類を見ているので,もうオオタカなどが来ているのかもしれない。
 右端の写真は秋にいつもたくさん見られる草の実だ。色どり豊かなきれいな実だ。以前教えていただいたことがあるが名前は忘れてしまった。

090926c_0035 090926c_0040 090926e_0366  遊歩道をさらに進み蕪栗沼が見えてくると,ここにもマガンの群れが入っていた。
 私たちの姿が気になったのか,最初,首を伸ばした警戒態勢を取られてしまったが,すぐにくつろぎ態勢に戻ってくれた。首を伸ばして威嚇するように歩くマガンたちもいた。
 ちなみに,白鳥地区も蕪栗沼も,盛期,明るいこの時間帯にマガンが入ることはほとんどない。渡ってきたばかりで,また,田んぼの稲刈りがまだ始まっていないおかげだろう。

 さらに進んで蕪栗沼の南側に差しかかると,シギの群れが入っていた。
 マガンを見るために来たのだが,大きな付録が付いていた。

___090926e_0622 090926e_0579 090926e_0722  いたのは,タカブシギ,アオアシシギ,コアオアシシギ,ツルシギ,エリマキシギ,ウズラシギの6種だった。こういう光景を見ると,即,スイッチが入り,シギチモードに突入してしまう。1か所に6種類もいるので,目移りしてしまうほどの楽しさだ。
 シギまでの距離が遠いものの,この時期はこういうことがあるので油断できないフィールドだ。

090926e_0664 090926e_0404 090926e_0411 090926e_0480  しばらくして私たちの姿に慣れてくると,こちら側に寄ってくるシギたちもある。
 しかし,あまり寄りすぎると手前に生えている草や灌木が邪魔になって見えなくなってしまう。近くなって嬉しい反面,困った状況になるが,見え隠れしながら動き回っているシギたちを撮影するのもまた楽しい。

090926e_0426 090926e_0429 090926e_0430  そうして近くまで寄ってきたシギたちを撮影している内,一度ぱ~っと飛んでしまったので,上空を見ると,飛び去っていくオオタカ幼鳥の後ろ姿が見えた。もしかすると,さっきのサギの残骸を作った犯人かもしれない。
 このときはお腹が空いていなかったのか,す~っと通り過ぎただけだった。

090926e_0552 090926e_0554 090926e_0559  これはエリマキシギとマガンのツーショットだ。
 繁殖する地域は重なっているが,越冬地は全然違う2種類の鳥だ。国内でこのツーショットを見られるフィールドはほとんどないのではないだろうか。この時期,この場所限定の貴重な光景かもしれない。
 エリマキシギが寄っていくと,「何だコイツ!」といった目つきでマガンがにらんだ。

 しばらく撮影しながらシギを楽しんだが,連れの息子に,「飽きたか。」,と聞くと,「飽きた。」という。仕方ない。移動だ。

 往路はマガンを見たくって上の方を中心に見ていたが,駐車場への帰り道は,遊歩道周辺も注意してみると,いろんな昆虫がいた。

090926c_0061 090926c_0073 090926c_0077  左側のオレンジが鮮やかなチョウはキタテハ。蕪栗沼周辺は,キタテハ以外にもアカタテハなどのタテハチョウの仲間をよく見かける。ここは,鳥のフィールドではあるが,虫のフィールドでもある。
 真ん中のは,翅に銀紋が一文字に並んだイチモンジセセリ。
 翅がかなりくたびれいたが,ツバメシジミもいた。糸のような細い尻尾(?)がツバメのようでめんこい。

 トンボの仲間では,ノシメトンボとマイコアカネが目に付いた。

090926c_0140 090926c_0141  ここはノシメトンボがとても多い所で,そこら中ノシメトンボだらけと言ってもいいほど沢山いる。この数のトンボが生きていけるくらい,餌になる小さな虫もいるってことだ。こうした豊かな環境が鳥をも支えている。
 あちらこちらで交尾している姿が見られたが,ノシメトンボは卵で越冬し,来春孵化してヤゴになるようだ。♂が尾の先端でがっしりと♀の首をつかみ,♀の方は尾を折り曲げて♂から精子を受け取っている。

090926c_0103 090926c_0049 090926c_0048  マイコアカネは小さくって真っ赤になる赤トンボだ。
 ノシメトンボほど多くはなかったが,これも至る所にいた。一見してマユタテアカネと良く似ているが,成熟した♂は,お化粧した舞妓さんのように顔が青白いので,顔を見れば識別は簡単だ。青白い顔と真っ赤なお腹の対比がとてもきれいなトンボだ。
 右側2枚の写真は,目の前にあった望遠レンズに止まったところだ。

090926c_0098 090926c_0094 090926c_0084 090926c_0090  バッタの仲間ではこんなのがいた。
 探せば沢山いたと思うが,遊歩道を歩いていて目に付いたものだけを撮影した。こういうバッタを見ると,トノサマバッタか,クルマバッタか,はたまたクルマバッタモドキか迷ってしまうが,たぶんこれはクルマバッタモドキだろう。胸の背中側の模様に特徴がある。
 褐色型がほとんどと思うが,今回は緑色っぽいタイプとも出会えた。

090926c_0088 090926c_0096 090926c_0147  バッタの顔は仮面ライダーだ。
 今の仮面ライダーはずいぶん変化し,すっかり垢抜けてしまったが,元祖仮面ライダーはバッタがモデルの改造人間だった。ラーダージャンプやライダーキックはバッタが持っている身体能力だ。仮面ライダーが最初に対決した怪人がクモ男だったので,記念すべき第1回は「バッタvsクモ」だったことになる。
 別の場所でだが,のんき顔のオンブバッタの顔も撮影してみた。指に肘をついている感じがなかなか良い。癒される1枚だと思う。

090926c_0109 090926c_0112 これは息子が見つけたカマキリだ。
 「これコカマキリじゃないの。」と言っていたので,家に帰ってから調べてみると,当たり。コカマキリだった。茶色の体で,「カマ」の裏側に黒い斑紋があるのが特徴のようだ。
 ちなみに,「怪人かまきり男」は仮面ライダーの第5話だった。意外だが,カマキリも怖がられる上位にいた,ってことか。

 車に戻って周辺を回っていると,よくハヤブサやノスリが止まる電線に,この日はチョウゲンボウが止まっているのを見つけた。

090926e_0780 090926e_0793 090926e_0928  見ていると電線から飛び立ってしまったので,思わず「飛ばしてしまったかぁ」と思ったが,そうではなく,すぐ近くでホバリングを始め,まもなく急降下した。ネズミか何かを見つけて捕まえたようだ。幸運にもチョウゲンボウの狩りの様子を最初っから最後まで観察することができた。
 隣の電柱の上に運んで獲物を引きちぎり始めたが,邪魔にならぬよう,すぐに退却した。

090926e_0959 090926e_0973  小鳥類は冬鳥を観察することはできなかったが,ノビタキがあちらこちらにとまっていた。ノビタキはこのように目立つ所に出てくれるので,いれば見つけやすい鳥だ。
 ノビタキは繁殖個体はほとんどいないはずで,また越冬するのも聞いたことがない。たぶん今いるほとんどが渡りの途中の通過個体だろう。1週間前に秋田でも多数見ていたので,ちょうどこの時期に東北を通過している所だったのだろう。

090926c_0117 090926c_0153 090926c_0116  マガンを数羽見られればそれで良い,と思って来た蕪栗沼だが,思いがけず色んな鳥に出会え,また,色んな虫にも出会え,とても楽しい時間を過ごさせてもらった。
 侮るなかれ蕪栗沼,だ。
 稲が黄金色になった周辺風景も最高だった。

 お昼前には蕪栗沼を出て,伊豆沼のマガンもチェックしてから仙台の自宅に帰ることとした。

090926c_0158 090926e_1190 090926e_1199  着いてみると,伊豆沼周辺もまだ稲刈りが始まっていない状態で,ガンたちが降りる場所がない。マガンたちは,三工区の唐木崎側と獅子ケ鼻周辺に分散して,沼の中にどっさりと入っていた。
 特に三工区側は,見ている間にどんどん飛来し,どんどん増えてくる嬉しい状態だった。

 この日は,我が東北楽天ゴールデンイーグルスの試合が午後2時からあり,久しぶりに息子とテレビ観戦する予定だったので,早めに切り上げたが,短い時間でも充実した1日となった。
 満足感一杯で帰路につくことができた。

【観察できた鳥】

(蕪栗沼)
ハシブトガラス,モズ,カルガモ,ウグイス,マガン,ダイサギ,アオサギ,キジ,チュウヒ,スズメ,オオバン,キンクロハジロ,カイツブリ,オナガガモ,ハクセキレイ,シジュウカラ,ヤマガラ,タカブシギ,ヒヨドリ,アオアシシギ,ツルシギ,エリマキシギ,コアオアシシギ,ウズラシギ,ツバメ,カワセミ,チョウゲンボウ,ノビタキ,カワラヒワ,ニュウナイスズメ,キジバト (30種)

(伊豆沼)
マガン,オナガガモ,マガモ,ダイサギ,ハシブトガラス,ホオジロ,スズメ,アカゲラ,モズ (9種)

【写真】(昼食は「くんぺる」で。)

090926e_0424 090926e_0503 090926e_0525 090926e_0637 090926e_0714 090926e_0719 090926e_0582_2 090926e_0615 090926e_0410 090926e_0482 090926e_0564 090926e_0069 090926e_0686 090926e_0807 090926e_0808 090926e_0873 090926e_0114 090926e_0132 090926e_0222 090926e_0235 090926e_0316 090926e_0383 090926e_0732 090926c_0150 090926c_0100 090926c_0171 090926c_0172 090926c_0155 090926e_1282 090926c_0159 090926c_0160 090926c_0166 090926e_0993 090926e_1043 090926e_1052 090926e_1067 090926e_1092 090926e_1123 090926e_1178 090926e_1218 090926e_1225 090926e_1256 090926e_1261_2 090926e_1336 090926c_0167 090926c_0179 090926c_0181 090926e_1380 090926e_1394 090926e_1411 090926e_1430 090926e_1452 090926e_1480 090926e_1482 090926e_1508

« 龍飛崎 2009/09/21-23 | トップページ | 伊豆沼 2009/10/04-05 »

0501 宮城県/伊豆沼」カテゴリの記事

0502 宮城県/蕪栗」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 龍飛崎 2009/09/21-23 | トップページ | 伊豆沼 2009/10/04-05 »