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2009/11/08

県内沿岸 2009/09/02

(石巻)  06:30 晴れ
(岩沼)  12:30 曇り
(鳥の海)  13:20 曇り
(蒲生)  15:20 曇り

 水曜日だったが仕事の振替でお休み。シギチ探しに宮城県の沿岸地域を巡回することとした。

090902c_0001 090902c_0010 090902c_0005  最初は石巻。
 最初に出会ったハクセキレイを記録しようとしてフィールドノートを出そうと思ったら,…,ない。しまった。家に忘れてきてしまった。仕方ない。
 晴れて気持ちの良い天気だ。
 メモから解放されてのんびりと鳥見しよう。

 散歩気分でゆっくりと歩き,干潟の東側から遠くを眺めてみる。すると,水際に餌を取りながら歩く1羽のシギチを見つけた。双眼鏡で確認するとツルシギだ。「ヨシッ!」,と,三脚をセットして撮影しようとすると,飛んでしまった。残念。

 ところが,このツルシギ,私の方を目がけて飛んでくる。まさか,まさか目の前に降りることはないだろう,と飛ぶ姿を目で追っていたが,まさに目の前に降り立った。
 何なんだ,こいつは。

 首筋に私を警戒している様子を見せているが,飛んで寄ってきたのはそっちだろって。

090902e_0053 090902e_0063090902e_0049  朝の澄んだ光の中,鏡のような水面に降り立ったツルシギは感動的に美しかった。緊張感を漂わせながら私のすぐ前をゆっくりと歩き出す。
 スマートなプロポーション,そして,シックな灰色の体に赤い足。その姿が鏡のような水面に映っている。嘴の微妙な曲線も何とも言えない。

090902e_0007 090902e_0101 090902e_0111  しかし,近くで鑑賞できたのもわずかな時間。すぐに飛んでしまった。やはり私の近くに降りてしまったのは間違いだったようだ。まだ子どものようなので,こんな間違いはままあるのだろう。子どもらしい間違いはめんこくも感じるが,私が捕食者だったら危ないところだった。
 経験を積んで,元気に大人に育ってほしいものだ。

 このツルシギは,干潟上空を飛んで,一旦南側の水際に降り立ったが,すぐに再び飛び立ち,東の海上に消えていった。

090902e_0188 090902e_0223 090902e_0360  いつもシギチを観察する干潟南側の一辺には,トウネンたちがいた。
 トウネンたちも朝の光の中ではとても新鮮に見える。いつものように1羽ずつ確認するが,足が黄色いのも,嘴が細いのも,また,嘴が長いのも見つけられない。
 顔に夏羽のレンガ色が残っている個体がいたのがちょっぴり嬉しかった。

090902e_0176 090902e_0428  南下して別のフィールドにも行きたかったので,さっさとここを引き上げることにしたが,途中,メダイチドリとコチドリもいた。どちらも通過だと思うが,コチドリは中の沼地が埋め立てられてからほとんど見ることがなくなってしまった。ここでは久しぶりだ。
 このメダイチドリ,ずいぶん足が長く見える。メダイチドリは足が長く見える個体が多く,ときに困ってしまう。

 結局,石巻は最初のツルシギだけに終わったが,これだけでも十分。
 清々しい気持ちで次のフィールドに向かった。

 次は,岩沼方面へ。

090902c_0013 090902c_0057  岩沼では休耕田をさらっと巡回したが,さしたる成果なし。ただ,困ったことにジシギを2羽見つけてしまった。
 出会えて嬉しいのは嬉しいのだが,正直ジシギの識別ができないので,私にとっては「出会いたいけれど出会いたくない」という鳥になっている。

 嬉しいけれど,困った。

 これは何だろう。
Sp_090902e_0869 Sp_090902e_0876  タシギ,ハリオシギ,オオジシギ,チュウジシギの4種からの択一問題だ。
 この個体は,白っぽい眉斑が目の前で幅広くなっており,体側面にタシギ特有のくっきりしたクリーム色の斜線が見えない。嘴もそれほど長く感じない。目の前方の黒い過眼線がしっかりしているのが気にかかるが,草地にいることを考え合わせて,タシギは選択肢から外しておこう。

Sp_090902e_0887 Sp_090902e_0866  頭の前方がなだらかなので,選択肢からハリオシギも外し,残るはオオジシギかチュウジシギ。なんとな~く,チュウジシギ,ってことにしてみたいが,チュウジシギは図鑑の写真などを見ると顔の淡色部に色が付いている感じだ。とすると,残るはオオジシギか。
 でも,何か違う感じがするな~。オオジシギって,体のボリュウム感がもっとなかったかなぁ。やっぱりチュウジシギかなぁ。もしかするとタシギで良かったかなぁ。

Sp2_090902e_0932 Sp2_090902e_0944 Sp2_090902e_0916  こっちは何だろう。また悩んでしまう。こういうのはあまり得意でない。今思うと,見つけなきゃ良かった。こっちはあいにく横からの写真もない。
 全体の雰囲気からすると,チュウジシギかなぁ。全く自信なし。
 私からすると,草地にいるだけでタシギに見えないし,体のボリュウム感だけでチュウジシギに見える。とても乱暴な識別方法で,間違っている可能性大だ。
 もっと勉強と経験が必要だ。

 次は鳥の海。

090902e_0493 090902c_0017 090902c_0039  この日,鳥の海の中は干潟が出ていたものの何もなし。
 海岸まで出てようやくシギチと出会えた。ここで良く出会うミユビシギとトウネンたちだ。相変わらず波打ち際で波と追いかけっこをしていた。以前ヘラシギを見つけたことがあるので,こういう群れと出会うと常に探しているのだが,この日もミユビシギとトウネンだけだった。

090902e_0617 090902e_0679 090902e_0514  波打ち際を走り回るミユビシギたちは,どの個体も背中の黒がきつく,体の白とのコントラストが強く見える。これは幼鳥の特徴。この夏に生まれたばかりの子どもたちだ。ミユビシギの繁殖地は北極圏なので,ここまでかなりの距離を南下してきたことになる。
 どこまで南下していくのかわからないが,生まれて間もなくの大移動だ。よくぞここまでたどり着いたものだ。

090902e_0704 090902e_0728  群れからやや離れてぽつんと1羽,こんなのも佇んでいた。
 全身にまだらで,背中も一様ではない。成鳥夏羽のレンガ色がどこにも見られないが,成鳥の夏羽から冬羽に変わっていく途中なのだろうか。
 「だるまさんが転んだ」式ににじり寄っていって撮影したが,かなり近くまで寄ることができた。

090902c_0033 090902c_0037 090902c_0038  ところで,ここの浜辺は,いつ行ってもサーファーたちがいる場所で,シギチのことなど意に介さないで行動している。浜辺にシギチがいようがいまいが,関係なく普通に歩いて行く。たぶんこういう繰り返しがシギチたちを慣れさせるのだろう。
 ミユビシギやトウネンは元々警戒心の薄いシギなのだが,ここのはさらに人慣れしているように感じる。サーファー効果だ。

 予定はここまでだったが,あまり出が良くなかったので,切り上げるにはまだ早い時間だった。そこで,岩沼から名取にかけての田んぼを回り,大沼・赤沼周辺もチェックすることとした。

 結果,何もいない。

 これが最後と,チドリ類でもいないかと南蒲生に行くと,七北田川を隔てた蒲生干潟にオオハシシギなどが動いているのが見えた。

 お,これは!

090902e_0972 090902e_0973  ぐるっと回って蒲生干潟に到着すると,日和山正面の干潟奥のヨシ原にホウロクシギが佇んでいた。久しぶりだ。かなり遠かったが,三脚を広げてカメラをセットすると,飛んでしまった。距離があったし,念のためうずくまっていたのだが,私に驚いたのだろうか。
 朝のツルシギといい,このホウロクシギといい,何ともタイミングが悪い。

 このとき,いたのに気づいていなかったが,ひと回り小さい3羽のシギチも飛び立っていた。オオソリハシシギ2羽とチュウシャクシギ1羽だった。この4羽のシギたちは私の頭上を被って飛んで行ったが,つい見とれてしまい,下から見たお腹の撮影はできず。

 シギたちを目で追いかけて降りる場所を確認すると,さっき川の南側対岸からオオソリハシシギなどを観察した場所に降りたようだ。導流堤近くの川側だ。

 いた,いた。
 ウミネコの群れに混じって,ほど近い所にいた。

090902e_1107 090902e_1133 090902e_1243  やはりホウロクシギの嘴は立派だ。シギ類ナンバー1の長大な嘴だ。 
 じっとしていると思いのほか近くまでやってきたので,その姿をじっくり堪能することができた。波が足元にやってきて,それもなかなか格好良い。
 嘴だけではなく,体自体大きいので,近くから見ると迫力がある。

090902e_1260 090902e_1251 090902e_1266 090902e_1286  それにしても,この嘴はどう考えても長すぎと思う。
 嘴の形や長さで餌の競合を避け,「棲み分け」しているのだと思うが,こんな長い嘴を選択したホウロクシギは絶対に損していると思う。見栄えは良いものの,嘴を使っての羽づくろいもしずらそうだし,餌を嘴の先端ではさんでも,口まで持っていくのが大変そうだ。何より,餌があるかどうかわからない泥や砂に何度も長い嘴を差しこむのは難儀だと思う。

 ホウロクシギは嘴が伸びた立派な成鳥だったが,チュウシャクシギはまだ嘴が短い幼鳥だった。

090902e_1619090902e_1756090902e_1955 この個体は,「えっ!」と思うくらい嘴が短いが,体も顔もチュウシャクシギそのものなので,コシャクシギとの識別に迷うことはない。こういう個体を見かけるのは秋だけで,春の渡りでは,このような個体を見た記憶がない。冬を越して春になるまでに嘴が伸びるのだろうか。とすると,このタイプは,秋のこの時期だけ観察できるのかもしれない。
 ごくごく普通種なのだが,そのような考えると面白く思えてくる。

090902e_1338 090902e_1343  見ていると,このチュウシャクシギは周囲に佇んでいたウミネコたちに何度も突っかかっていた。恐いもの知らずのきかん坊だ。突っかかられたウミネコは,面倒くさそうに避けたりしていたが,チュウシャクシギの方は,たまに反撃されると,ひどく驚いて,飛び立っていた。
 ウミネコが本気になればチュウシャクシギなど屁でもない。弱っていれば捕食さえするかもしれない。そう考えると,このチュウシャクシギはホント恐いもの知らず。

090902e_1546_01 090902e_1549 090902e_1593  このチュウシャクシギは,基本的に落ち着きがない子どもで,狭いエリアを意味なく行ったり来たりするほか,何度も飛び立っては戻って来ていた。おかげで,飛翔写真を撮るチャンスが何度もあった。
 この写真のとおり,背中から腰にかけての三角もばっちり撮影できたし,翼の裏も撮影できた。

 オオソリハシシギは2羽いて,これもチュウシャクシギ同様子どものようだった。

090902e_1384 090902e_1778 090902e_1453  この2羽は常に一緒に行動しており,何度も繰り返し,砂に嘴を差し込んで餌を探していた。ウミネコに喧嘩を売ったりして無駄に動いていたチュウシャクシギが勉強もせずに遊んでばかりいる不良だすれば,こちらの2羽は,日々の勉強に真面目に取り組む優等生のようだった。
 生き延びる可能性が高いのはこっちの方だろう。

090902c_0063 090902e_1408 090902e_1871 090902e_1906  シギたちは,左端の写真のように,ウミネコの群れの中に混じっていた。
 ここには,夏羽のオオセグロカモメ成鳥が1羽入っており,また,夏羽から冬羽に換わりつつあるユリカモメ成鳥も数羽入っていた。
 ユリカモメは冬羽に換わるとき,黒い縁が最後に残るように白くなっていくようだ。冬羽から夏羽に換わるとき,必ずしも縁から黒くならないことを考えると面白い。中途半端に顔が黒い個体でも,春と秋ではその姿が異なる,ということだ。

 蒲生ではカモメ類やシギがずっと目の前にいたので,帰るきっかけがつかみづらかったが,潮が満ちてきて,目の前から鳥がすっかりいなくなってくれたので,帰宅するきっかけができた。

 最後の蒲生では近くから大型シギ類を満喫でき,満足感一杯で家路につくことができた。

【観察できた鳥】(シギチのみを抽出)

ツルシギ,トウネン,メダイチドリ,コチドリ,ジシギsp,ミユビシギ,ホウロクシギ,オオソリハシシギ,チュウシャクシギ (9種)

【写真】

090902c_0009 090902e_0263 090902e_0015 090902e_0062 Sp_090902e_0839 090902e_00819 090902e_0905 090902c_0055 090902e_0434 090902e_0432 090902e_0803 090902c_0014 090902e_0720 090902e_0753 090902c_0016 090902c_0018 090902c_0022 090902c_0027 090902c_0044 090902c_0045 090902e_0546 090902e_0561 090902e_1067 090902e_1388 090902e_1419 090902e_1702 090902e_1825 090902e_1848 090902e_1192 090902e_1429 090902e_1435 090902e_1477 090902e_1535 090902e_1537 090902e_1539 090902e_1544 090902e_1546 090902e_1548 090902e_1549_2 090902e_1589 090902e_1592 090902e_1593_2 090902e_1055 090902e_1107_2 090902e_1122 090902e_1133_2 090902e_1148 090902e_1153 090902e_1159 090902e_1162 090902e_1242 090902e_1290 090902e_1292 090902e_1998 090902e_2008 090902e_2052 090902c_0064 090902c_0066 090902c_0068 090902c_0060 090902c_0069

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