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2009/11/23

船越-若美 2009/09/20

07:50 晴れ

 秋田のババにしばらく顔を見せていないのが気にかかっていた。里帰りついでの鳥見だ。と言っても,たぶん鳥見時間の方がほとんど。

090920c_0003  仙台の家を早めに出て,秋田の男鹿半島付け根,船越水道に着いたのが朝8時前。もっと早く着く予定だったが,連休のため予想以上に車が混雑しており,ガソリン補給にずいぶん時間をとられてしまっていた。
 遅れて着いてしまったものの,現地は晴れて,気持ちの良い天気だった。

 まずは船越水道を北岸・南岸とチェックしたが,何もいない。しばらく前からいるらしいクロツラヘラサギも見当たらない。
 もうどこかに移動したのかもしれない。

 次は船越海岸に行ってみた。
 シギチが期待できるポイントだ。

090920c_0018090920c_0009  ここは砂浜だが,砂が引き締まって,舗装したように下が固い。だから,車で入っても埋まることはない。鳥見の人たちも,ここは車が標準のようだ。直に姿をさらすことなく,車の中から観察できるので,落ち着いて観察できる。貴重なシギチ観察ポイントだと思う。
 とは言っても,海岸に入るまでの道がひどいので,普通車では覚悟が必要だと思う。

090920e_0059 090920e_0160 090920e_0217 090920e_0041  この日の朝は,20羽弱のトウネンの群れが入っており,中にキョウジョシギも1羽入っていた。どちらも人を恐れないところがあるので,移動方向に先回りして待っていると至近距離まで寄って来てくれた。トウネンの群れには何も見つけられず。
 朝の光の中,海の上をミサゴが飛んでいた。

 さくっと海岸を見て,次へ。
 特に行く場所を考えていなかったが,この時期はそろそろニュウナイスズメも来ているかもしれない。八郎潟の残存湖脇を通って,田んぼが見える道を選んだ。

090920c_0022 090920c_0024  八郎潟を埋め立てて干拓地にした大潟村は,言わずと知れた穀倉地。
 冬はガン類や猛禽などさまざまな冬鳥の飛来地になったが,稲の穂が重くなる頃は,ニュウナイスズメの大群が通過する所にもなった。
 米作り農家の方々にしてみればとんでもないことなのだが,盛期でたぶん数十万羽にもなる群れは見ごたえがある。

 そのニュウナイスズメには,干拓地に着く前に出会えた。

090920e_0252 090920e_0290 090920e_0297  道を走っていてスズメの群れがいたので見ると,ニュウナイスズメの群れだった。
 風に吹き飛ばされるようにしてすぐにいなくなったので,そのまま先に進むとあちらにもこちらにもニュウナイスズメが多数入っていた。100~200の小さな群れがたくさん入っている感じで,大きな群れにはなっていない感じだった。

090920e_0308 090920e_0311 090920e_0312  黄金色の田んぼの中にも入っているが姿が隠れて見えないので,電線にとまっている個体を証拠写真風に撮影する。運良く♂♀が並んでいるところも撮影できた。スズメは雌雄同じ羽色だが,ニュウナイスズメは雌雄の羽色が全く違う。
 ♂の赤っぽい色も嬉しいが,♀の白い眉斑もとてもチャーミングだ。

 ニュウナイスズメの群れを道端に見ながら,水路沿いの道をさらに進む。

090920e_0365 090920e_0367  すると,道端の電線にこんなハトが止まっていた。
 キジバトなのだろうが,何か違和感がある。そうだ。首の横のキジバト特有の模様がなかった。日頃しげしげと観察することがないせいか,こういうタイプのキジバトに気付いたことがなかった。
 幼鳥ってこんなんだっけ。目の色も何か違うようだ。

 さらに先に進むうちにタンチョウのことを思い出した。
 わざわざ行かなくっちゃ行けない場所だが,行ってみよう。

090920c_0025 090920c_0030  去年の夏に飛来してきた個体だ。その後,ナベヅルに一時連れていかれたようだが,また戻ってきて,ここに居ついているらしい。
 大きな鳥なのでいればわかるだろうと思い,以前観察できた周辺を車を流していると,前回いたのと同じ場所にいた。しかも,今回は人と一緒だ。

 前回来たときも慣れっこい鳥だなぁと思っていたが,今回は人と一緒。

090920e_0407 090920e_0418  手前に車を置いて,寄っていくと,近くにいた方々は普通の人ではなく,鳥見人たちだった。しかも内1人は以前からお世話になっている秋田の鳥友だった。お久しぶりだ。
 ご挨拶してから,カメラのレンズを短いのに替えて,再び寄っていく。短いのは17㎜-40㎜の広角ズームしかなかったが,すぐ近くからの撮影になるのでこれで充分だ。

090920e_0442 090920e_0448 090920e_0454 090920e_0456  他の方々はもう撮影したのかのんびりしていたが,まずは写真を撮っておこうと,しゃがんで撮影を始めた。
 すると,あろうことか,このタンチョウ,寄ってくる。
 どんどん,寄ってくる。
 寄ってくる。寄ってくる。
 なおも寄ってくる。

 おぉぉぉ。

090920e_0461 090920e_0465 090920e_0473  ファインダーを通して見ていたのだが,終いにはタンチョウの顔がフレームの中でこんな状態になった。広角レンズなのにこんなのありえない。
 すぐ近くに気配を感じる。どうなっているんだ,と,ファインダーから目を離してみると,目の前にタンチョウの嘴があった。これは凄い。感激。こんなの初めてだ。

 日本最大の鳥類の顔が目の前。
 レンズの最短撮影距離が0.28mだが,それを切ったかもしれない。

090920e_0475 090920e_0476 090920e_0480  近くから「こわい。」との声が聞こえてきたが,このときはその意味がよくわからなかった。嬉しくて,嬉しくてたまらなかった。
 この瞬間は,この嘴でつつかれて怪我をさせられても本望だ,と本気で思っていた。いや,ぜひつついて,跡が残るような怪我をさせてほしい,とまで願った。
 おバカ鳥見人の極致だ。

 このとき,私とタンチョウのツーショットを撮ってほしくて,「撮って,撮って」,と騒いだが,撮ってくれただろうか。

090920e_0486 090920e_0490 090920e_0495  まもなくして,このタンチョウ,私をつつくこともなく,歩み去ってしまった。
 自分のテリトリーに入ってきた闖入者を威嚇しに来たものの,相手は怯える気配も逃げる気配もないので,無駄と思ったのかもしれない。
 短かすぎる時間だったが,最高に興奮した時間だった。

090920e_0500_web 090920e_0509_web 090920e_0521_web  このタンチョウ,私の後は遠方からいらしたというこのご夫婦の方に向かった。
 奥さんの方は,さっさか逃げて行ったので,ご主人の方がターゲットになった。申し訳なかったが,面白くって,楽しくって,ケラケラ笑ってしまった。こんな光景,見たくても見れない。ご本人の了解を得ていないので,表情を掲載できないのが残念。
 奥さんの方は,安全距離まで逃げると,しっかりこの様子を撮影していた。

 このご夫婦は,絶対に,この夜この話題で盛り上がったことと思う。

090920e_0527  このタンチョウ,この後,残りのもう1人にも突っかかって行って,今度は翼を広げて蹴っぽろうとする勢いだった。これは笑う,というより,お気の毒としか言いようがない。何も悪いことしてないのにね。
 そういえば,北海道で見たとき,タンチョウって,オジロワシと喧嘩するときなど足を使っていた。食べ物摂取に必要不可欠な嘴を,武器に兼用するようなことは,あまりしないかもしれない。折れてしまったら大変だ。

 人を蹴っぽってやっつけるのは良いが,服などに足をひっかけて怪我などしないようにしてほしい。

090920e_0542 090920e_0540 090920e_0567  闖入者一同にひと通り威嚇の儀式をした後,道の真ん中に佇んで,羽づくろいを始めた。恐いもの知らずの若者とは言え,本当に神経が太い奴だ。これまで人のせいで恐い目にあったことがないのだろう。
 青い空に白い雲がきれいだったので,空を背景にして,タンチョウを小さく撮影したかった。地面に這うようにぎりぎり低くなって撮影したのがこの写真。
 なかなか良いポーズをとってくれなかったのが残念だった。

090920e_0572 090920e_0578 090920e_0596 090920e_0602  ここまで広角ズームで撮影していたが,小さく撮ると余計なものが色々入ってくるし,かといって,近づいて驚かすのも具合が悪い。近過ぎるのは承知だが,慣れた長いレンズを出してきた。
 いつもなら鳥に寄るのに苦労するが,この日は下がらないと撮影できなかった。
 いや~,楽しい,楽しい。

 他の鳥見人たちとはこの辺でお別れ。アオバトを撮りにいったようだ。
 これで私とこのタンチョウの二人っきりになった。もうあなたは私のもの。

 さて,このタンチョウ,何を食べていたのか。

090920e_0649 090920e_0657_up 090920e_0662 090920e_0666  鳥友が,「おい,おい,見つかったら嫌われるぞ~」と心配していたが,こいつ,米,を食っていた。重くたわわに実った稲穂をしごくように食っていた。
 少しずつ食べてはいたが,こいつが食べたのを全部合わせてご飯を炊いたら,人間でもお腹いっぱいになるだろうなぁ,という位食っていた。結構な大食漢だ。

 これじゃあ誰でも心配になる。
 田んぼの持ち主に蹴飛ばされても仕方ないぞ~。

090920e_0853 090920e_0889 090920e_0901  ご飯を食べた後,今度は,水路に入っておかずを食べ始めた。
 おかずはドジョウだった。これもどんどん食べる。こんなにいたのか,と思うくらい,次々に捕えて食べていた。
 泥と一緒に飲み込むのが嫌らしく,嘴で泥の中からつまみ出すと,一旦草の上に置いて,泥を払ってから食べていた。

090920e_0693 090920e_0745 090920e_0902  毎日このようにドジョウご飯を食べていれば精が付くこと間違いなし。
 こんな豊饒なフィールドは滅多にないかもしれない。これでは,闖入者を何としてでも排除して独り占めしたいし,誰かに誘われて遠くに行っても,また戻って来たくなるだろう。
 たぶん,今,この時期だけでなく,稲刈りが終わっても稲穂拾いできるだろうし,ドジョウやタニシは冬だっている。冬は,北海道の餌付けタンチョウより,自然な姿を見せてくれるにちがいない。

 せっかく近くから撮影できるので,アップ写真も何枚か撮っておいた。

090920e_0815 090920e_0819  まず頭。
 実物を見たことがなかった頃,赤い部分はつるんとしているイメージがあったが,本物は赤い粒々の集まりだった。北海道でこの頭を最初に見たときは,とてもショックだった。幻滅した,というような悪い意味ではなく,生き物の体の構造の奥深さに衝撃を受けた,という感じだ。気持ち良~く,固定概念を壊された。

090920e_0818 北海道の冬の餌付け場はどこも過密状態で,あちらこちらで喧嘩するやら求愛するやら様々なことが起きているので,頭頂の「表情」がとても観察しやすかった。タンチョウが興奮するとき,この赤いぶつぶつに血が流れて,ブワァっと膨らみ,頭頂の赤い色が鮮やかに変わる。
 タンチョウの頭の赤は,興奮するとき,こんなもんじゃない。

 目や嘴の写真もしっかり撮っていた。

090920e_0822_up_2090920e_0928 090920e_0832  目をよく見ると,瞬膜が見える。まぶたは上下に閉じるが,瞬膜は嘴側の方から水平方向に閉まる。瞬膜で目が覆われるときは目全体が濁って見える。
 傷つきやすい目に近接して採餌の道具(= 嘴)があるので,稲の葉や泥から目をしっかり保護するため,瞬膜は必須アイテムだ。

090920e_0952 090920e_0821 090920e_0931  嘴は,掘削道具の「鶴嘴(ツルハシ)」のように,長くてがっしりしている。
 この大きな嘴で大きな餌を取るのかと思えば,上に書いたように小さな餌も器用に食べている。大きいは大きいが,意外に繊細な感覚も持ち合わせているようだ。
 ツルの鼻孔は嘴の真ん中付近にある。
 嘴の裏っ側はこういう風になっていた。

 このときの気まぐれだが,足の写真も意識して撮影していた。

090920e_0942 090920e_0781  普通は何とも思わず見ているが,足の中間の関節で膝と見えるこの部分は,踵(かかと)だ。人間の足は中間部(膝)で前に曲がってるが,鳥の足は中間部(踵)のところで後ろに曲がっている。だから,脛(すね)はこの関節の上の方で,下は跗蹠(ふしょ)という。人の足の部分名称とは若干イメージが異なる。
 まれに踵部分が膝のように前に曲がっているツルの絵を見ることがあるが,ほのぼのとして良いなぁ,とは思うものの,あれは間違い。

 しばらくこのタンチョウと遊んでもらったが,そろそろお昼どき。
 お腹がすいてきた。
 付き合ってくれて,ありがとう。

 せっかくここまで来たので,船川港に近い「男鹿海鮮市場」に隣接した「海鮮屋」に行ってみたが,店の外まで人が並んでいた。そうだ。シルバーウィークの只中だった。イメージしていたクロダイかヒラメの刺身定食はパー。

090920c_0043090920c_0036 090920c_0038  仕方なく隣の市場に入ってみると,「男鹿焼きそば」というのが目に入った。注文して出されたものは,海鮮系の焼きそばで,新たなご当地グルメだったようだ。秋田では「横手焼きそば」がB級グルメとして有名だが,さて,こちらはどこまで健闘し,定着できるか。
 「ハタハタしょっつる」と「粉末ワカメと昆布だしを練りこんだ麺」を使うことがルールで,40軒以上の飲食店でオリジナル焼きそばを出しているようだ。今回食べたのは塩味だが,店によっては醤油味もあるらしい。

 これまで食べたことがない味で,こういう焼きそばも「あり」かな,と思った。

090920c_0041 090920c_0040  市場では殻付きウニが1個350円,3個で千円なので,私が焼きそばを食べている横のテーブルでは,スナック感覚でウニを食べる人たちもいた。
 男鹿に来るたびに,この海鮮市場に寄るが,魚などを眺めるだけでも結構楽しい。普通のスーパーでは売っていないような魚もある。この日はニシガイとイガイがあったので,夜の酒の肴用に買っておいた。

 鳥見でどこかに行くときは,できるだけその土地でお金を落とすようにしている。
 その土地にお邪魔して何もしないのでは申し訳ない。

 さて,お昼を食べ,買い物をすると,鳥見気分ではなくなってきたが,クロツラヘラサギがまだいる,と聞いたので,それを見てから実家に帰ることとしよう。

 クロツラヘラサギは,よく来ているようだし,今年も来てからずいぶんなるようだ。
 地域によって珍鳥感覚が違うと思うが,たぶん,この辺りではクロツラヘラサギは騒ぐほどのことは全然なくって,普通にスルーしている鳥だと思う。

 朝は港の防波堤の先端にいてカモメ類にまぎれていたようだが,出直した午後は,河口に近い浅瀬であっさり見つかった。

090920e_1010090920e_1074090920e_1067 こいつだ。首を翼に突っ込んで寝ている。
 クロツラヘラサギは,ほとんどの時間寝ている鳥で,九州で十数羽の群れと出会ったとき,ず~っと寝っぱなしで夕方飛び去る直前まで散々じらされた経験がある。
 こりゃぁ長期戦になるかなぁ,と覚悟したが,ほどなく起きて,羽づくろいを始め,行動を開始してくれた。

 幸運だった。

090920e_1316 090920e_1081_0 090920e_1083  しゃもじのような形の嘴が特徴で,目先まで黒いのがヘラサギとの違いだ。
 「サギ」という名前が付いているが,サギよりトキに近い仲間らしい。立つ姿勢や飛ぶ姿勢がサギとは異なる。
 羽ばたいたとき,初列風切の先端が黒くなっていたので,まだ若い個体なのかもしれない。

090920e_1363 090920e_1366 090920e_1404  歩きながらしゃもじのような嘴を水に突っ込んで,首を左右に振りながら餌となる魚を探す。こんな派手なアクションで捕まるような鈍い魚なんているのか,と,初めて見たとき思ったが,これで結構捕まえられるようだ。
 今回は小さな魚を1匹捕まえるところしか見られなかったが,蕪栗沼にヘラサギが来たときは,この方法で大きなブラックバスを捕えて食べていた。

090920e_1458 090920e_1471 090920e_1481  こんな行動を見ているうち,突然,水から出て陸(おか)に上がってきた。
 何の用? と思ったが,ご覧のとおり,うん○だった。うん○をするときに,わざわざ水から上がって,陸でことを及ぶ水鳥は,この鳥だけではない。この行動は,一体どういう意味があるのだろう。
 食べ物がある所に自分のうん○をするのは嫌だ,という人間臭い理由ではないと思う。

 いずれ,結果として,水中に流れ出たリンを地上に循環させることにはなっている。

090920e_1582 090920e_1583 090920e_1584 090920e_1585  用を足すと水に戻り,餌さがしを再開したが,まもなく,飛び立って移動してしまった。飛び立つ前にうん○をする鳥は多いが,あのうん○はそういう意味だったのだろうか。
 飛び立つ前に,ググッと姿勢を低くしたので,すかさずにシャッターを押しっぱなしにし,こういう写真を残すことができた。スキーのジャンプをイメージさせる飛び立ちだった。

090920c_0047 090920e_1620_2 090920e_1637_2   飛び上がった後,レンズを通して姿を追いかけると,ふわりと男鹿大橋を越え,朝いたという港に降りたようだった。
 飛んでいる姿は,サギ類のように首を折りたたむことはなく,伸ばしたままだった。首が長い鳥では,ハクチョウやツル,コウノトリなども首を伸ばしたまま飛ぶが,首が疲れないかといつも思ってしまう。渡りのときなど大変だ。

 港の方に移動してみると,いた。

090920e_1732 090920e_1749 090920e_1831  こちらの方は,観察する場所からクロツラヘラサギまでの距離がうんと近かったので,アップ写真の撮り放題だった。撮り過ぎるくらい撮ったので,レタッチ済の写真でも,ごく一部しか掲載できない。
 部分に着目して,写真をピックアップしてみよう。

 まずは何と言っても嘴だ。

090920e_1977_up 090920e_1947 090920e_1964_up  わたしもこれまで書いてきたし,いろんな記事で「しゃもじのような」と形容されているが,もちろん,単純なしゃもじ型ではない。へらべったい黒い嘴の付け根から先付近まで,しわしわが多数あり,つるんとしているのは先端の一部だけになっている。
 しわしわの棒状の嘴の先端部にだけアイロンをかけて伸ばしたかのようだ。
 上嘴の先端付近は,良く見ると,わずかに下に曲がっている。

 タンチョウの鼻孔は嘴の中ほどにあったが,こちらは嘴の付け根側にある。

090920e_2042 090920e_1997090920e_1938  色は全体が黒くなっており,ヘラサギの上嘴先端が黄色いのとは異なっている。だから,ヘラサギとは嘴だけを見ても識別できる。ただし,幼鳥はヘラサギもクロツラヘラサギも同じようにピンク味かかった色のようだ。
 運良く,裏(下嘴)の写真も撮影できたが,やはり黒だった。

090920e_1955 090920e_2002 090920e_2014_up  口を開けると,しゃもじという印象は消え,パン屋の店頭に置いてある「パンつかみ」(トング)のような感じになる。ただし,これでつかむのは,パンではなく,魚だ。
 口の中は真黒ではなく,黒い色が褪色したような感じで黄色っぽくなっている。
 舌は撮影した写真では見えなかったが,少なくともしゃもじ型の舌ではなかったようだ。舌もしゃもじ型だったら面白かったのに,そうはうまくいかない。

 今度は「クロ」い「ツラ」に着目してみよう。

090920e_1969_up 090920e_1976  顔の黒い色は嘴からつながっているので,嘴の付け根に目が付いているような顔に見える。遠くから見ると,ヘラサギは目の存在が明瞭だが,こちらの方は嘴~顔の色に溶け込んでしまう。
 この個体は,目先に黄色い斑があるが,黄色がなく真っ黒の個体もいるようだ。
 目の虹彩は濃い赤で,瞳孔が黒く見える。

 移動するときやバランスを崩したときに翼を広げることがあり,そういうときに翼全体を撮影することができた。

090920e_1855 090920e_1879 090920e_1899  タンチョウやコウノトリは翼の一部が黒いのに対し,こちらの方は真っ白が基本だ。初列風切の外側4枚の先端部だけ黒いのは幼鳥か若鳥の特徴ということだが,嘴がピンクがかっていないので,若鳥なのだろう。何年くらいで黒い色が消えるのかはよくわからない。
 蕪栗に3年連続して来ていたヘラサギは,確か,(同じ個体だとして)3年経っても初列先端が黒いままだった。

 足にもふれておこう。

090920e_2027 090920e_2038 090920e_1827  足は付け根から先端まで真っ黒。ちょっとも黒以外の部分はない。
 後趾が長いので,このようにブロックに立つだけではなく,木の枝などにつかまってとまることもできるだろう。
 蹼(みずかき)はよくわからないが,わずかにあるようにも見える。泳ぐ機会があるとは思えないが,どうなんだろう。ぬかるんでいる所で足指を広げることにより,体を沈めない,という効果はあるのかな。

 見ている内に,またお休みモードに入ってしまったので,これでこの鳥とはさよなら。

090920e_2188 090920c_0053 090920c_0055  この後,朝行った船越海岸戻ってみると,キョウジョシギがいなくなって,メダイチドリが入っていた。1日と言わず鳥が入れ替わって通過していく時期だ。
 船越水道対岸の天王海岸にも久しぶりに行ってみたが,こちらは何もおらず。 
 海側をチェックした後,船越水道を振り返ると,クロツラヘラサギが元いた場所に戻って歩いているのを目撃したが,もういい。

 お世話様。

 さて,実家に帰ることにしよう。

 ただ,せっかくここまで来て,まだ日が落ちていないので,雄物川河口周辺を覗いてみよう。ここから実家まで5分で行ける。

090920c_0063 090920c_0062 090920c_0057  まず最初に海の方に行ってみたが何もいない。昔はシギの群れを見たこともあるが,たまに帰ってくるときには何とも出会ったことはない。昔は,夏にはオオヨシキリ(コヨシキリも)が沢山入って,それに見合った数のカッコウも飛び交っていた。家の前の電線にとまって鳴いていたこともある。そう,そう,コアジサシのコロニーもあった。
 ず~っと,夏に来たことがないが,どうなったんだろう。

 次に,昨季の冬,コヒバリが入ったという場所に行ってみた。
 雄物川の河岸で,冬にハクチョウの餌付け場となっている所だ。

 まさか何かいると思っていなかったので,フロントガラスの向こうに突然巨大なチドリが現れてびっくり。何,コレ? ムナグロでもダイゼンでもない。

 あ…,ケリじゃないの。
 こんなところにいた。撮影しようにも,正面にいたのでは無理。ゆっくりと車の角度を変えたが,私同様緊張しまくりのケリは,向こう岸まで飛び去ってしまった。
 結局,証拠写真も撮れず。

 いるはずのないケリがいたってことは,この周辺は渡り鳥の中継地になっているかもしれない。

090920e_2305 090920f_0019 090920f_0084 090920f_0079  撮れなかったケリのおかげで落ち込んでしまったが,気を取り直して周囲を見ると,そこいら中,ノビタキだらけだった。ノビタキもちょうど今が通過の時期だったのだろう。
 なかなかうまく撮影できなかったが,そこそこ離れた場所のススキに止まってくれた個体がいた。これは撮影ばっちり。ススキの穂がもっと開いてくれていれば最高だったが,仕方ない。

 乾いた草地からジシギが1羽,ゲッと鳴いて飛び立った。

 この日はそろそろこれでお終いにしよう。
 タンチョウとクロツラヘラサギしか見ていないような気がするが,この2羽だけでお腹いっぱい。満足だった。

 あとは男鹿海鮮市場で買った貝が楽しみだ。
 

【観察できた鳥】

ウミネコ,トビ,アオサギ,ダイサギ,ハシボソガラス,カルガモ,ハクセキレイ,シジュウカラ,ミサゴ,トウネン,キョウジョシギ,コサギ,カワアイサ,カンムリカイツブリ,ニュウナイスズメ,スズメ,ムクドリ,オオバン,コガモ,キジバト,ツバメ,モズ,ハシブトガラス,ヒヨドリ,タンチョウ,クロツラヘラサギ,イソシギ,イソヒヨドリ,メダイチドリ,ヒバリ,ホオジロ,ケリ,オオセグロカモメ,セグロカモメ,ノビタキ,ジシギsp,カワラヒワ

【写真】(最後の看板写真に注目!~ 誰がこんな所で!?)

090920e_0070 090920e_0176 090920e_0214_up 090920e_0106 090920e_0318 090920e_0322 090920e_0339 090920e_0353 090920e_0384 090920e_1569 090920e_1581 090920e_1582 090920e_1583 090920e_1584 090920e_1585 090920e_1586 090920e_1587 090920e_1588 090920e_1589 090920e_1590 090920e_0994 090920e_0998 090920c_0060 090920c_0071 090920c_0073 090920c_0067 090920e_2264 090920e_2237 090920c_0034

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0202 秋田県/天王-船越」カテゴリの記事

コメント

yamameさん、こんばんは。

タンチョウがご夫婦を襲っている写真、思わず笑ってしまいました。生で見たかった・・・(笑)

タンチョウのどアップの写真はビックリしました。タンチョウって人を恐れないんでしたっけ???

投稿: むー | 2009/11/24 22:15

このブログには久しぶりのコメントでした。
ありがとうございます。
ちょっとさびしかったです。

このタンチョウは無邪気で人に対して攻撃的でしたが,痛い目に会わないことを祈っています。
タンチョウは大きいので人の恐れを感じる度合いは少ないかもしれませんが,残念ながら,人を恐れない動物っていないと思います。若鳥で,かつ,土地の人が良い人たちばかりなので,人の恐ろしさをまだ学習していないだけだと思います。残念ですが,長生きするためには人の恐さを知ってほしいとも思います。

投稿: yamame | 2009/11/24 22:45

こんばんは。

タンチョウ君のところでお会いいたしました。

みなさんが流血するやもしない危機(?)を、遠巻きに怖がって逃げてた者です(^^;

びびってる自分の様子とyamameさんの語りの調子が面白すぎです(^^)

"もうあなたはわたしのもの"なんて思っていたのですね!

タンチョウ君は、相変わらず元気に過ごしています。
その気の強さと好奇心から、この先も危ない目に遭うことがなければよいのですが。

…ちなみに、
夫婦ではないのです。そして私は男鹿の人間なのでした(^_^)

大潟村にもガンたちがやってきました。
男鹿ではハタハタ漁も始まりました。

yamameさんが大潟村・男鹿へ寄られた際は、
またお会いすることができたら嬉しいです。

これからも更新を楽しみにしております(^^)


投稿: わみ | 2009/11/25 23:56

わみさん,コメントいただきありがとうございます。
現地では楽しい時間をありがとうございました。
すっかりご夫婦だと思っていましたが,違ったのですね。大変失礼しました。ごめんなさい。

私の実家は秋田市ですが,生まれたのは男鹿で,親戚もほとんどが男鹿なんです。できるだけ頻繁に里帰りしたいところなのですがなかなかそうもいかなくって…。
次は年末に帰省する予定です。

人の心配に関わらず,タンチョウ本人は相も変わらず元気のようですね。悪さをしても地元の人たちに大切にされているんでしょうね。

投稿: yamame | 2009/11/26 07:30

yamameさん、いつもお世話になっています。
タンちゃんは人を見ると寄ってきて、私も息を吹きかけられて威嚇されました。
最近は県立大の農場にいることが多いようです。
大潟村にまとまった数のシジュウカラガンが入りました。
年末、またお里帰りの時にでもお会いできるといいですね。

投稿: sasaki | 2009/11/28 11:45

ほう,すごいですねぇ。息を吹きかけられたんですか。うらやましいです。臭いのおすそ分けしてほしいです。

ちなみに,年末の大潟村では100羽のシジュウカラガンと,100羽のハクガンと出会いたいです。そういえば,友達100人できるかなっ,って歌ありましたよね。

投稿: yamame | 2009/11/28 22:24

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