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2009/11/11

八戸-苫小牧 2009/09/11

(八戸-苫小牧) 08:45 曇り後晴れ

 今年になって目ざめた航路にまたもや乗ってしまった。
 ただし,今回は,鳥に関してはハズレ。この続きを読んでも,鳥のことはあまり出てこない。

 仙台から金曜日の夜に八戸まで行き,八戸から土曜日の朝に苫小牧行の船に乗る。苫小牧に夕方に着くので,夜に出る仙台行の船に乗る。このパターンは前回と同じだ。

090911e_0057 090911e_0131 090911e_0139_up  さて,まず初日。
 八戸を出航してから間もなくオオミズナギドリが現れた。これまでにあまりないことだ。期待が高まる。しばらくすると,オオミズナギドリの大きな群れが海上に浮かんでいるのを見つけた。黒ゴマをゴチャッと海上に落としたように浮いていた。
 おぉ,これは凄い。

090911e_0183 090911e_0190 090911e_0243  船が近づいていくと,ゴマがばらけて,端からどんどん飛んでいく。中には,船の方に飛んできて,船首を横切るように通過していく個体もある。幸福感に満たされる瞬間だが,まだまだ先があると思い,撮影は控え目にする。
 オオミズナギドリは海鳥の原点で,いつ見てもとてもうれしくなるが,これからまだまだいろんな海鳥が出てくれるだろう。

 ところが,何と,これだけでパタッと止まってしまった。
 いまだかつてないほど何も出なくなってしまった。9月も中旬になると北から南に帰ってくる鳥たちもいるだろうと期待していたが,外してしまったようだ。
 コアホウドリやクロアシアホウドリさえ見られない。

 代わりに楽しませてくれたのがこの子たち。

 コビレゴンドウ(タッパナガ)たちだ。

090911e_0275 090911e_0283 090911e_0297  下北半島沖の海域だった。
 最初は左舷前方のはるか遠くに白いしぶきが見えたが,船が進むにつれ,あちらにもこちらにも海面上に黒い体が多数現れた。1つの群れは片手でも収まるような数だが,その群れがいくつもあるので,全体では70~80頭,もしかするとそれ以上の個体数だった。

090911e_0621 090911e_0626 090911e_0630  ひとつの丸っこい頭がゆっくり現れると,それを追いかけるように次々に同じような丸っこい頭が現れる。
 そして,1頭1頭が,大きな背びれを,次に,背びれの後ろの淡い斑を見せながら,海中に消えていく。
 それが,遠くに,近くに,何度も繰り返される。

 至福感と興奮に満たされた時間が続く。

090911e_0679 090911e_0684 090911e_0687  今年何度も出会ったカマイルカやイシイルカに比べると動きが非常にゆったりだ。
 そのためか,活発なカマイルカたちとの出会いの嬉しさがウキウキ・ドキドキ湧き立つようなものに対し,タッパナガとの出会いの嬉しさは,興奮がゆったりこみ上げてくるような感じだ。
 動きがゆっくりなので撮影も落ち着いてできる。

090911e_0312 090911e_0737 090911e_0738  コビレゴンドウの「ゴンドウ」は「巨頭」と書く。この仲間の丸くて大きな頭を「巨頭」と表現したようだ。この頭が海面に出たとき,丸っこく日の光を反射した。
 この大きな頭の中には,脂肪分からなる「メロン器官」が詰まっている。この器官を通して出した音の反響で地形や餌の場所を知るらしい。これはハクジラの仲間(マッコウクジラ,イルカなど)共通の特徴だ。

 ところで,コビレゴンドウって,イルカなのか。それともクジラなのか。
 どっちなんだろう。

090911e_0708 090911e_0712  そもそも「クジラ」と「イルカ」の正式な区別はなくて,クジラの仲間のうち比較的小さなものを「イルカ」,大きなものを「クジラ」と呼んでいるようだ。
 それに照らして考えてみると,体長2~6m程度のものを「クジラ」と呼んでいいのだろうか。以前から「ゴンドウクジラ」という呼び名が耳に馴染んでいるが,体の大きさのせいか,「ゴンドウイルカ」という呼び方もあるらしい。

090911e_0591 090911e_0592 090911e_0594 また,分類上,コビレゴンドウは,「ハクジラ亜目・マイルカ科・ゴンドウクジラ属」,となっている。クジラは大きく分けてヒゲクジラとハクジラで,コビレゴンドウは,その内の ハクジラの仲間。そして,ハクジラの仲間の内,「マイルカ科」に属している。
 わからないのは,せっかく,イルカの仲間だよ,って「マイルカ科」に分類したのに,またその中に「クジラ」って付く名前のグループを作ったことだ。

 どうもよくわからないが,エイヤッと,ここでは「クジラ」と呼ぶことにする。

090911e_0633  ちなみに,コビレゴンドウの「コビレ」というのは胸びれのことで,胸びれが長大な「ヒレナガゴンドウ」に対して付けられた名称のようだ。コビレゴンドウとヒレナガゴンドウは同じゴンドウクジラ属で,胸びれの大きさ以外はとてもよく似ているらしい。
 最初,こんなに大きな背びれのクジラなのに,なんで「コビレ」なんだろうと不思議だったが,胸ビレのことだった。

090911e_0726 090911e_0741  コビレゴンドウは,房総以南に分布し,やや小さめの「マゴンドウ」と,銚子以北に分布し,やや大きめの「タッパナガ」(シオゴンドウともいう。)の2つのタイプ(亜種?)に分けられている。
 海では大きさがわかりづらいが,マゴンドウの背びれ後ろの斑が不明瞭で判然としないのに対し,タッパナガの斑は明瞭であることから,ここを見れば識別できる。

090911e_0564 090911e_0577090911e_0699  コビレゴンドウはイカを食べるクジラのようなので,ここにこれだけの個体数が集まっていたということは,この個体数を維持できるだけのイカがこの海域にいるのだろう。
 八戸漁港はイカの水揚げ量日本一だというし,この海域に近い青森や函館にはイカの食文化がある。
 このクジラ風景はそういう豊かな海を象徴するものかもしれない。

 このクジラの群れをいつまでも見ていたかったが,残念ながら,尻屋崎灯台が近くに見えるようになってきた頃には,姿が見えなくなってしまった。

 その後,また何も出ない暇な時間が続く。

 ず~っと続く。

 さらに,ず~っと続く。

 もっと,ず~っと続く。

 で,苫小牧到着。

 今回はタッパナガで運を使い果たしたようだ。
 しかし,それで悔いなし。

 いや~,凄かった~。

 一応,以下に暇な時間帯にパラパラ出た海鳥もメモしておこう。

 タッパナガの刺激が強すぎて,どれもただ「眺めただけ」になってしまっていた。

090911e_0814 090911e_1681 090911e_1696 090911e_0838  これはアカエリヒレアシシギだ。
 北から南に帰る途中の群れが何度か現れた。数千単位の大きな群れを期待していたのだが,このようにパラパラと現れただけ。
 また,20cm未満の小さな鳥なので,撮影もままならなかった。

090911e_0881 090911e_0918  アジサシは小さな群れが2回現れた。南に帰るはずの時期なのだが,なぜか船の進行方向である北に向かって飛んでいた。
 このときは気付かなかったが,赤い嘴の個体を撮影していた。アジサシの嘴は通常黒いので,赤い嘴のアジサシと出会うと得をしたような気分だ。頭の前が白っぽく見え,また,翼の前方が黒っぽい,ということは幼鳥なのか。この嘴も大人になると黒くなるのかな。

090911e_1556 090911e_1569 090911e_1584 トウゾクカモメは,またもやうまく撮影できなかった。
 やや遠く,後ろからの撮影だったのに加え,マニュアル撮影と思いながら興奮してAFボタンを押しながら撮影してしまったらしい。ほとんどが背景の海面にピントが合っていた。お恥ずかしい。

090911e_1180 090911e_1182 090911e_1232  苫小牧が近くなってから,毎度おなじみのカマイルカたちとも出会うことができた。こちらもやや遠かったが,相変わらず元気一杯,広い海を躍動する姿を見せてくれた。
 今回は,タッパナガに主役を奪われてしまったが,海上にジャンプしながら元気よく泳ぐ光景はカマイルカならではのものだった。

 以上。

 あ,そう,そう。

 大事なことを書き忘れた。

 12:45頃のことだった。

 なんと,船のすぐ下にでかいマンボウが浮いていた。
 横になって,海面に浮かべた座布団のように,プカプカしていた。

 中学生の頃,父の本を勝手に借りて読んだ北杜夫さんの「どくとるマンボウ航海記」のおかげで,長年のマンボウファンになっていたが,実際に広い海にプカプカ浮いているのを見たのは初めてだった。

 とても感動した。

 あわててしまい撮影はできなかったのでここには写真を張れないが,心にはしっかりとマンボウの姿が焼きついている。

 これは大・大収穫。

【観察できた鳥】

ウミウ,ウミネコ,オオセグロカモメ,オオミズナギドリ,ハシボソミズナギドリ,アジサシ,トウゾクカモメ,アカエリヒレアシシギ,ハイイロミズナギドリ (9種)

【写真】(風景写真のみ)

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