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2009/08/20

名取 2009/06/28

12:00  曇り

 仙台港に着いた後,一旦家に帰って荷物を置き,マイカーに乗り換えて出撃した。狙いはクロハラアジサシ1本だ。

090628e_003_2 090628e_007  現地に着いて,携帯でポイントをお聞きすると,教えられたとおりの場所にいた。忙しいところ何度も電話して申し訳なかった。いたのは名取市内の田んぼのはずれの電線だった。数日前には5羽いた,と聞いていたが,この日は3羽になっていた。
 3羽ともクロハラアジサシだった。久しぶりだ。

 宮城県では,この時期にわずかに出会えるだけの鳥だ。今年は情報をいただいたので出会うことができたが,出会えない年の方が多い。しかも今回は成鳥夏羽だ。
 とても,とても貴重な機会だった。

 見つけた後,まずは証拠写真を数枚撮影。さらに落ち着いて撮影を続けようと思ったら,電線の真下を軽トラが土ぼこりを舞い上げながら通過していった。ちょうどお昼時だったので,農作業を休憩し,昼食に向かうところだったのだろう。

 驚いた鳥たちは3羽とも西の方に飛んで行って,見えなくなってしまった。やむなし。

090628e_016 090628e_049  しばらく待っても戻ってこないので,餌場と思われる西側田んぼを探したが,見つけられない。南側の田んぼや電線を探してもいない。時間を空けてからまた来ようと,一旦このエリアを離れ,前日にきれいなカラシラサギがいたというポイントに行って時間をつぶし,その後また戻ったら,ちゃんと最初にいた場所に戻っていた。

 よし。

090628e_081 090628e_090 090628e_092  車で順光側に回り込み,様子を伺いながらそうっと寄っていったら,結構近くまで寄ることができた。ゆっくりと車を降りて姿をさらしても大丈夫だった。私を意に介さないようだ。止まっているのが電線,てのが色気なしだがやむを得ない。しばし撮り放題。
 この連続写真は,見たとおり「オエッ」としているところだ。大っきなペリットを期待したのだが,右端の写真のように細かな食べかすを戻していた。

 それにしても,止まっている鳥を撮るのはつまらない。ポーズが変わらないので同じような写真の量産だ。角度を変えてみても面白くない。

090628e_116 090628e_140 090628e_170  飽きてきた頃,向こうから人が歩いてきた。このまま来ると鳥たちの真下を通る。飛ぶかな。と思いファインダーに鳥を入れて見ていると,やっぱり飛んだ。しかし,さっきのように遠くには行かず,くるりんと旋回して近くの電線に再び止まってくれた。
 驚かされて気の毒ではあったが,おかげさまで飛び立ちから戻ってくるまでの飛翔写真の撮影成功。

090628e_259 090628e_336 090628e_444 090628e_684  その後も,人や車が通るたびに飛んでは戻ってくることを繰り返していた。この農道は人通りが意外に多いようだった。
 ここには電線にとまる瞬間の写真を集めて張っておこう。左から2番目の写真では小翼羽(しょうよくう)まで広げてブレーキをかけようとしているのが見えて面白い。尾羽を丸く広げているのも面白く,羽の数を数えられる。

 また,人や車が通らなくっても,思いついたように西側田んぼに飛んで行っては戻ってき090628c_0111 ていた。やはり西側の田んぼで餌を取っているようだった。田んぼで飛んでいるところも撮影すれば良かったが,このときはそこまで思いつかず,田んぼ風景のみ撮影した。
 クロハラアジサシがいた電線は,この写真の奥にこんもりと雑草が茂っているさらに向こう側だ。水が張られている休耕田が何枚かあったので,たぶん,そこで餌を捕っていたのだろう。低空で飛んでいる様子だけは観察できた。

 せっかくのチャンスなので,もう少し詳しく見てみよう。

 名前からして,やっぱり「腹」からだろう。

090628e_778 090628e_652 090628e_600  クロハラアジサシの腹は,その名前どおり黒かった。
 幼鳥や冬羽のときは白いお腹なのだが,成鳥夏羽になると黒くなる。白いお腹に黒いスプレーを吹き付けたようなぼんやりとした黒だ。元々白かった羽が擦り切れて,黒い部分が現れてくる換羽なのだろう。真黒ではなく,まだらになっている。
 個体ごとに「まだら」の状態が異なっているようなので,この部分を手掛かりにすると個体識別もできそうだ。

 上の3枚の写真の真ん中の個体はまだらの白い部分がほとんどなく均一に黒くなっているお腹だ。この個体はお腹がかなり膨らんで見える。お腹の中に何が入っているんだろう。

090628e_207_up090628e_443_up 090628e_271up  顔の白黒パターンはアジサシに似ている。図鑑をペラペラめくるとアジサシ仲間は目の付近まですっぽりと黒いマスクを被ったタイプが多いようだ。アジサシ全体では普通タイプか。
 一方,ハジロクロハラアジサシの夏羽は,(実際に見たことがないが) 頭からお腹にかけて真っ黒になっている。写真では黒い体と明るいグレーの翼の対比がとても美しい。ハジロクロハラアジサシも宮城県を通過しているので,いつか夏羽個体と出会ってみたい。憧れの鳥のひとつだ。

090628e_900_up 090628e_711 090628e_510  尾は,一応,凹尾と言っても良いのだろう。
 アジサシやコアジサシよりもずっと切れ込みが浅く,尾をすぼめているときだけ,浅いV字型に尾が切れ込んでいるのがわかる。しかし,尾羽を広げているときは,手でトランプを広げたように,まぁるくなる。
 広げたときに尾羽の数を指折り数えると12枚だった。

090628e_310 090628e_710 090628e_347  翼は幅が広く見える。
 アジサシ類は,長くて細い翼をカギ型に曲げて速いスピード飛ぶイメージだが,この鳥の翼はそのイメージとは違う。実感はないが,クロハラアジサシは,他の沼アジサシよりもさらに幅広く見えるということだ。
 しかし,それでもアジサシはアジサシ。カッコ良く撮れた写真もあった。

090628e_117_up090628e_726_up  足はこんなだ。
 色は黒っぽい赤で,一応水かきもあるようだ。アジサシの仲間は歩いて餌を探したりすることがなく,ほとんど止まることにしか足を使わないので,短く貧弱な足だ。クロハラアジサシの足はそんな仲間にあって,しっかりしている方かもしれない。左側の写真はちょうど飛び立つところで,運良く足がしっかり写っていた。

 鳥は,いるとわかって,狙って行ってもなかなか思い通りに会えるものではない。
 この鳥と出会えたのは心優しい鳥仲間のおかげだ。いつも,いつも,申し訳なく思う。感謝するのみだ。

【観察できた鳥】

クロハラアジサシ

【写真】(違う種類がひとつ混ざっている。)

090628e_055 090628e_056 090628e_079 090628e_103 090628e_115 090628e_116 090628e_117 090628e_118 090628e_134 090628e_170 090628e_184 090628e_207 090628e_220 090628e_256 090628e_257 090628e_259 090628e_304 090628e_310 090628e_335 090628e_336 090628e_337 090628e_338 090628e_340 090628e_343 090628e_345 090628e_347 090628e_348 090628e_363 090628e_382 090628e_400 090628e_404 090628e_417 090628e_426 090628e_432 090628e_438 090628e_443 090628e_444 090628e_485 090628e_501 090628e_507 090628e_508 090628e_509 090628e_510 090628e_538 090628e_583 090628e_602 090628e_617 090628e_622 090628e_652 090628e_653 090628e_666 090628e_677 090628e_684 090628e_694 090628e_710 090628e_711 090628e_712 090628e_720 090628e_722 090628e_726 090628e_729 090628e_733 090628e_775 090628e_777 090628e_778 090628e_816 090628e_817 090628e_894 090628e_900 090628e_911 090628e_923 090628e_578

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