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2009/06/20

仙台‐苫小牧航路 2009/06/06

04:15 雨時々曇り

 南半球で繁殖したハシボソミズナギドリの大群がこの周辺を通過するのが,たぶん,ちょうど今頃の時期。当初は八戸港から朝発つ便で行く予定だったが,船舶の定期検査のため朝の便がなくなっていた。やむなく仙台港から出る船に乗ることとした。

090605c_0008090605c_0011 090605c_0016  19:40仙台港発,苫小牧港行きの太平洋フェリーだ。八戸港から朝出る船は午前9時~午後4時とたっぷり鳥見できるが,仙台港からの船だと午前11時に苫小牧に着くので,午前中だけの鳥見になってしまう。ただ,よく考えると,4時から10時半までとして正味6時間半なので,時間的には大差がない。ま,いっか。
 前夜は船内の展望大浴場にゆっくり浸かり,レストランでビールやワインをたっぷり飲む。船の旅はぜいたく気分を味わえる。ベッドで揺られながら眠るのもたまらなく良い。幸せ。

 翌朝,まだ薄暗い中,デッキに出ると,雨が降っていた。

090606c_0018 090606c_0021  足下には少し水が溜まっている。天気予報どおりとは言え,天気が悪いと,やはり暗~い気持ちになる。しかし,この位なら何とかなるだろう。気を取り直して,航路鳥見用の18倍の双眼鏡を出して首にぶら下げる。ただ,レンズやカメラが濡れると始末が面倒なので,鳥が出るかどうかわからないうちはまだ出さないでおこう。

 と,思ったが,もうすでに船のすぐ近くをウミツバメ類が飛んでいた。

090606_0006 090606_0032 090606_0036  しばらく双眼鏡で眺めていたが,ずっと並走してくるので,我慢しきれず,カメラを出すこととした。暗い条件での飛翔写真なので,感度をISO1000程度まで上げて,かつ,マイナス補正も加えることによりシャッタースピードを稼ぐ。画像が暗くてざらざらになるが,それは仕方ない。ぶれて「幽霊写真」になるよりはマシ。

090606c_0020  以降,レンズにカバーを着せた上で,濡れたレンズやボディーを拭き拭き,また,雨がひどくなったときは濡れない場所に三脚ごと避難させながらの撮影となった。八戸発のシルバーフェリーでは屋根のある場所からも観察できるが,この船はデッキに天井がないため,どうしても濡れてしまう。窓があるので,船内からも観察はできるが,窓越しだと良く見えない。

 以降,出た鳥ごとに簡単に記録していく。

090606_0109 090606_0336 090606_0410 090606_1254  これはコシジロウミツバメだ。体が黒っぽくて腰が白いウミツバメは,コシジロウミツバメとクロコシジロウミツバメ,そして,アシナガウミツバメの3種だが,コシジロウミツバメは尾の切れ込みが深く,腰の白い部分の中央付近に黒っぽい縦斑があるので,他の2種と区別できる。また,翼上面の淡色斑についても翼角まで達しているのはこの種類だけだ。

090606_0438090606_508 090606_1114  上に体上面が見える似たような写真を張ったので,裏側の写真も押さえておこう。腰の白い部分が体の側面まで回り込んでいるのが見えるが,クロコシジロウミツバメとアシナガウミツバメはさらに下尾筒付近まで白い部分が回り込んで見えるらしい。
 同じ個体かどうかわからないが,朝4時過ぎに見つけてから,6時頃までの2時間以上,ず~っと船に並走するように水面ぎりぎりを飛んでいた。

090606_2_0489 090606_2_0488 090606_2_0487  ウミツバメの仲間ではハイイロウミツバメも1度だけ現われた。
 灰色のウミツバメはこれだけのようなので,識別に困ることはない。ただ,遠かったのと,すぐに見えなくなったのとで,十分に楽しめなかったのが残念だった。
 右端の写真で後ろに見えるのはフルマカモメだ。フルマカモメとはこんなにも大きさが違う。

 フルマカモメは大きな群れこそなかったものの,ぱらぱらと現われ,航路鳥見中ず~っと楽しませてくれた。比較的近くも飛んでくれ,また,船に並走もしてくれるので,一番撮影しやすかった鳥だ。

090606_0888 090606_0889 090606_0901 090606_0913  フルマカモメは,黒っぽい方から「暗色型」,「淡色型」(中間型),「白色型」の3タイプがあり,日本では暗色型が大部分だということだが,今回最初に出たフルマカモメは,頭や体下面が真っ白の「白色型」だった。条件が悪く,ざらざらの写真になってしまったのが残念だったが,すぐ近くを飛んでくれたので十分にその姿を楽しむことができた。

090606_0952 090606_0954 090606_0956  この白いフルマカモメを追いかけていると,ファインダーの中に「暗色型」のフルマカモメも現れた。何という幸運。しばらく,この2羽のツーショットを狙って楽しむことができた。
 「白色型」と「暗色型」は体の色が違うだけではなく,「白色型」は「暗色型」に比べると翼の幅が広くやや短いという。…,よくわからない。

 「白色型」は最初に見たこの個体だけで,この後出てきたフルマカモメはすべて「暗色型」だった。

090606_2_0406 090606_2_0325 090606_2_0334  フルマカモメは,「カモメ」と名前が付いているが,ミズナギドリの仲間だ。飛び方もカモメ類の飛び方ではなく,ミズナギドリ特有のひらひらした飛び方だ。ただ,ミズナギドリのイメージからするとずんぐり体型をしており,他のミズナギドリとは一線を画している。体型だけ見ればミズナギドリではなく,まさにカモメだ。

090606_2_0404 090606_2_0352 090606_2_0027 090606_2_0330  フルマカモメを特徴づけているのは,ずんぐりした体型と共に,くちばしの特異な形状だ。太いくちばしの上にさらに管が乗っかっている。「菅鼻」(かんび)というものらしい。アホウドリやミズナギドリ,ウミツバメなどの海鳥に特有の器官だという。
 これに関する資料がなく,何のためのものなのかよくわからないが,嗅覚に関係するものには違いないとは思う。臭いがキツイ(臭い)海鳥に特有のものか。何に役立つのだろう。

 普通であれば,トリミングし,拡大してよく見たいところだが,ISO感度を上げていたため画像が粗く,拡大できなかった。なんとももどかしい。

090606_2_0570 090606_2_0600 090606_2_0724  コアホウドリは何度も出てくれた。
 あいにくどれも遠かったが,上面が黒くて下面が白い長い翼を駆使して海上を飛ぶ姿を十分に堪能できた。ウミツバメやミズナギドリの仲間を見ていて,この鳥が現れると,鳥見のアクセントになり,ホッとする。
 大きな鳥は迫力があって,やはり良い。

090606_2_0083 090606_2_0104 090606_2_0120 090606_2_0126  クロアシアホウドリもコアホウドリほどではないが出てくれた。
 大きさはコアホウドリに匹敵する海鳥で,図鑑の数値を見ると,体長はやや小さいものの翼開長はコアホウドリよりも大きいようだ。ということは,長い翼のコアホウドリよりも,さらに翼が長く見えるということだ。
 大きい鳥なので,条件が悪いながらも,「らしい」写真を撮影できた。

090606_2_0934 090606_2_0943 090606_2_0956  ウミズズメ,ウミガラスの中で撮影できたのは,苫小牧近くになってからのハシブトウミガラスの群れだけだった。「だけだった」せいだけではなく,静かな水面に白黒のこの鳥たちが浮いているのを見つけたときは,とても嬉しかった。
 画像が悪く,ウミガラスとの識別に悩んだが,お腹の白い色がとんがって喉の方に食い込んでいるようだ。

 苫小牧に近くなってからはアビ類もいくつか小群になって浮いていた。

Sp_090606_2_0313 Sp_090606_2_0314  アビ類を航路鳥見で見るときは,遠くを飛ぶ姿を見るか,近くに浮いているのが飛んでしまうのを見るかになってしまう。飛ぶときははるか遠くを飛んで行くことが多いので,飛翔写真もむずかしい。かと言って,浮いている個体も,そのままに浮いていることはなく,船が近づくと背中を見せて飛んでしまう。だから,その場での識別も,また,撮影もむずかしい。航路に限ってはむずかしい鳥だ。

090606_2_1038 090606_2_1057 090606_2_1092 090606_2_1102  これはたぶんシロエリオオハムだろう。
 これまでの失敗経験から,浮いていた群れを早めから狙って撮影した結果,何枚か顔が見える写真が撮影できていた。また,1回ではなく,何度もチャンスがあったので,数打ちゃ当たる方式で撮影することもできた。
 顔ではわかりづらかったが,くちばしが真っ直ぐでやや短めなのでシロエリオオハムと判断。

090606_2_1116 090606_2_1121 090606_2_1123  正直に言おう。
 これはシャッターを切りまくっている中に混じっていたもので,わかって撮影したものではない。わかっていたら手が震えたかもしれない。AIさんに教えられて仙台近郊では至近距離で撮影したこともあったが,このような夏羽は初めてだった。ハシジロアビだ。写真整理をしている中で見つけたのだが,本音を言うと,実際に目で見て喜びたかった。ただ,目で見てしまったら,このように画像で残すことはできなかっただろう。

 海に付き物のカモメ類ではウミネコのほか,ミツユビカモメも観察することができた。

090606_1479 090606_2_0620090606_1512 090606_2_1015  観察できたのは成鳥ではなく,幼鳥だけだった。まだ寒い時期には成鳥しか見られなかったが,今回は幼鳥だけだった。カモメ類に限らず,幼鳥は成鳥とは別の群れになって行動することが多いが,ミツユビカモメもそうだったようだ。
 何度か幼鳥と出会ってはいたが,背中のM字を初めて撮影できた。それなりに嬉しい。

090606_2_0420 090606_2_0428 090606_2_0410 090606_2_0423  鳥以外では,キタオットセイが多数観察できた。
 たいていは小さな群れでいて,中にはイルカが泳ぐように,元気に海上をはねていた奴らもいた。こういう場面にはめったに出会うことはないので,大興奮だ。鳥好き人間もこういう場面では,鳥よりもオットセイの方に焦点を合わせてしまう。
 ピントがイマイチの写真だったが,しっかりフルマカモメとのツーショットも撮影できたし,尾(後脚)がしっかり分かれているところも撮影できた。

090606_2_0840 090606_2_0854 090606_2_0859  不思議だったのが,こういうポーズ。
 どういうことなのかよくわからないが,大きな前足(ヒレ)を海上に突きだして漂っている個体がかなりの数見られた。これまでキタオットセイと出会ったときは,頭を海上に突きだしているところか,泳ぐところで,このような場面と出会ったことはなかった。
 一体何をしていたんだろう。

 哺乳類では,他にイルカとも何度か出会った。

090606_2_0798090606_2_0799 090606_2_0809  何イルカかは断定できないが,海面にわずかしか姿を現さず,かつ,派手に水飛沫を上げるのはイシイルカの可能性が高いらしい。この数日後(6/9),室蘭でイシイルカを堪能することになるのだが,やはり同じようにして水飛沫を上げていたし,帰路(6/10)では,しっかりイシイルカであることを確認できた。
 もちろん,これがイシイルカであったかどうかは定かではない。

 あ。肝心な鳥を書くのを忘れてお終いにするところだった。

 もちろんハシボソミズナギドリも多数観察できた。数百羽の群れと何度か出会い,羽を休めていた大群を船が突っ切って飛ばしたときもあった。

 総じて当たりだったかな。

 ハシボソミズナギドリは下に写真を張っておく。

【観察できた鳥】

シロエリオオハム,ハシジロアビ,コアホウドリ,クロアシアホウドリ,フルマカモメ,オオミズナギドリ,ハシボソミズナギドリ,ハイイロウミツバメ,コシジロウミツバメ,ハシブトウミガラス,ウミスズメsp,ウミネコ,ミツユビカモメ,(13種)

【写真】(ハシボソミズナギドリ,最後のは今回の旅で最初で最後の大ご馳走)

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