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2009/06/12

飛島 2009/05/02-04

(2日) 10:30 晴れ
(3日) 05:00 曇り
(4日) 05:00 曇り

 2009年,春の飛島だ。
 鳥自体は連休を外した方が面白いかもしれないが,連休中の方が色んな人と出会えるだろう。

090502_046 090502_048 090502_053  乗船手続きのため酒田港の船着き場の待合室に入ると,期待どおり,宮城のKdさん,Smさん,Ysさん,地元のNmさん,関東のTfさんなど,顔見知りの面々がいらっしゃった。山形のYgさんや女傑のAさんなどは先に渡っているらしい。船に乗ったら,Igさんもいた。待ち合わせした訳ではないが,みんないる。楽しい鳥見行になりそうだ。

 という調子で3日間の行動を書き連ねていくと,長くなりそう。
 書く方も大変だが,読む方はもっと大変だろう。

 出会えた鳥をピックアップして,種類ごとに淡々とメモしていくこととする。

<ヨーロッパビンズイ>

 今回の飛島はヨーロッパビンズイだった。

090502e_1459090502e_1875 090502e_1920  あまり鳥が入っていない中,初日の夕方,ゴドイモ畑にこの鳥が出てくれた。そして,少なくとも私が帰るまではここにいて,考えられないほどフレンドリーに付き合ってくれた。遠くにいたとしても,しばらく待っていると,餌を取りながらすぐ近くまで寄ってきて,ときには5mを切るほどの至近距離まで来てくれた。

090502e_1881  島に到着したばかりで疲れ切った鳥が至近距離にいるのは良くあることだが,この鳥は初日だけでなく,2日目も,また,栄養が体に行きわたったはずの3日目も同じ。常に警戒心が薄かった。
 至近距離からいつでも普通に観察でき,また,地味な鳥のせいもあるのだろう。3日目にはほとんどの鳥見人が見向きもしなくなっていた。
 もったいないことこの上ない。せっかくのチャンスなのに。

090503e_0227 090503e_0324 090503e_0508  実は,ヨーロッパビンズイと言われる個体は2007年の春にも出ていて,そのときは学校裏のグラウンドに居ついていた。ただ,そのときは初めて見る鳥だったで,写真も撮らずにず~っとスコープで観察してしまっていた。当時はデジスコだったので,スコープにカメラを付ける間がもったいなかった。その内に飛んでしまったため,写真は1枚も残っていない。
 そのときの教訓から,今回は写真記録もしっかり残そうと,3日とも大量に撮影した。

090504e_0734 090504e_0792 090504e_0867  この個体については,「ヨーロッパビンズイにしては腹の黒斑が太い」とか「普通のビンズイではないか」とか,いろんな声が聞こえてきたが,パッと見て,普通のビンズイには見えなかった。顔がビンズイと違う。よく見ると後姿も全然違う。顔には白い眉斑がなく,背中は縦じまがはっきりしている。

090502e_1991 090503e_0404 090504e_0625  まずはわかりやすいところで,背中から見てみよう。
 ビンズイの背中は,斑があるものの一様に見えるが,この個体は,濃淡がはっきりしており,太い「縞」となっている。こういう背中のビンズイは見たことがない。「シマビンズイ」とか「トラビンズイ」,或いは「阪神タイガーズビンズイ」とかニックネームを付けたくなるような背中だ。

 顔もビンズイとは異なる。

090502e_1846090502e_1946090503e_0360 人を見分けるとき顔を見て判断することが多いと思うが,お付き合いのある鳥であれば顔で識別するのがわかりやすい。普段し慣れている「顔識別」なので,理屈なく識別できると思う。人を見分ける場合は各部分をひとつずつチェックすることなく,パッと見て「○○さんだ」,と判断するが,鳥も同じと思う。
 理論的でない方法だが,そういう見方をすると,この鳥はビンズイさんとちょっと違う。

090503e_0476090504e_0857_up090503e_0528_up なぜそのように見えるのか。
 帰納的に理屈を付けてみると,まず,白っぽい眉斑がビンズイのように明瞭でない。また,目の後にあるはずの淡い色の斑もはっきりせず,光の状態によっては,淡い斑がないようにも見える。
 特に眉斑が不明瞭なせいで,顔の色合いが均一に見え,顔全体の印象を変えている。

090503e_0417 090503e_0420090504e_0842   顔をアップにしたついでにくちばしもチェックしておこう。
 くちばしは,上くちばしの上側から下くちばしの先端にかけて黒っぽく,くちばしの合わせ目から下側がピンクがかった色合いとなっている。図鑑に照らして,その解説どおりだ。心なしかビンズイよりくちばしが小さいような気がする。
 頭頂部は,右端の写真のとおり,一様にゴマダラ模様になっている。

 次,お腹の黒斑を見てみよう。

090504e_0693090503e_0349090502e_1733  胸の中央付近の黒斑は,確かに,太くて大きいように見える。ここの部分だけを取り上げて見ると,普通のビンズイ風に見えないこともない。ただし,脇や下腹の方の黒斑は,薄墨を使って面相筆で刷いたようだ。ここはビンズイとは違うようだ。
 1個体だけを見て言うのは乱暴だが,もしかすると胸の中心部の黒斑がこのように太い個体は結構いるかもしれない。

090504e_0821090503e_0384090503e_0363090503e_0592_01_2  ちなみに,これまで撮りためたビンズイの写真で黒斑を確認すると,脇では色が薄くなったり,若干細くなったりする傾向があるようだが,このように明らかに細くなっている個体はなかった。
 とはいえ,ビンズイでも脇の黒斑が細くなっている個体がいないとは限らない。お腹~脇の黒斑だけを見て判断するのは危険かもしれない。

 足もチェックしておこう。

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090504e_0775 ビンズイやタヒバリ,セキレイの仲間なので,歩きが得意な足だ。
 畝(うね)に沿って縦に歩けば楽なのに,登ったり降りたり,畑の畝を横断してぐんぐんと歩いていた。畑の表面が乾いて砂状になっていたので,登るときには,砂を崩してずり落ちたりもしていたが,気にも留めずに歩き続けていた。しかも,3日間とも「歩き」専門で,飛ぶところを見たことがなかった。そういう丈夫な足だ。
 ややピンクがかった色で,タヒバリなどに比べると後趾の爪が短めだ。

090502e_2028090503e_0529090503e_0034 この足で盛んに歩きまわって,小さな芋虫を探し出し,食べていた。よくぞこんなにいるもんだ,と感心するくらい虫っているもんだ。少なくとも3日間は同じ畑に滞在していて,ほとんど休むことなく餌を探し,食べ続けていたが,その間,切らすことがないくらいの虫がここにいた,ということだ。
 そう考えると,畑に除虫剤などを撒いてしまったら,居ついてくれなかったに違いない。
 畑の管理者にも感謝しなければならない。

 上にも書いたように,今回,この鳥の写真を山ほど撮影したので,ここに掲載できたのはごくごく一部となってしまった。

 もっと張りたいがこの辺でやめておこう。

<マミジロキビタキ>

 ヨーロッパビンズイが今回のハイライトだとすれば,次点がマミジロキビタキだった。

 マミジロキビタキ出現の情報をいただいたのが,最終日の午後,ヘリポートにいたときだった。はぁはぁ言いながら,自転車で現場に急行する。出た場所はゴドイモ畑の裏で,以前カラアカハラやコウライウグイスなどが出た場所だ。
 すぐに現場に着いたが,帰りの船の時間も気にかかる。

 居ても立ってもいられない。
 祈るような気持だ。

 待つことしばし。

 出た。

090504e_0894 090504e_0923090504e_0887  奥の藪から木の枝を伝って飛んできて,それほど遠くない木の枝に,ぽん,と止まってくれた。感激だ。お腹のレモンイエローが目に沁み入る。黒い顔に白い眉斑も美しい。言うことなし。体が震える。
 こんなきれいな鳥が現実にいるのか,って思うくらいきれいだ。
 何も考えられない至福の時が来た。

 この枝でしばらくポーズを取ってくれた後,サーッと飛んで,再び藪の方に消えたが,この間,興奮のあまり死にそうだった。

090504e_1095 090504e_0944 090504e_0996 090504e_1014  待っていると,今度は遠くの木々の間に出てくれた。遠くではあったけれど,鮮やかな色で十分に楽しませてくれた。遠くにいてもよく目立つ黄色だ。
 遠くにいてもきれいだし,枝の陰で体の一部しか見えなくってもきれいだし,後ろを向いていても,飛んでいても,何をしていてもきれいな鳥だ。

 文字どおりべた褒め。言うことなし。

090504e_1021 090504e_1111 090504e_0983  「マミジロ」と冠が付いているように,黒い顔に眉斑の白がよく目立つ。体の横の大きな白斑も同様だ。この白い部分はキビタキより大きいように見えた。
 実物に対しているときは冷静さを欠いていて気付かなかったが,写真を良く見ると,風切が茶色がかっている。この個体は若鳥のようだ。昨年の夏生まれの個体か。

090504e_0908_2090504e_0902 090504e_0893  喉から胸,お腹にかけての黄色は,一様にレモンのような色だ。そして,しっかりとお腹の下の方まで色が付いている。キビタキも喉のオレンジ系で黄色がとてもきれいな鳥なのだが,マミジロキビタキの色配合には負けると思う。
 白いお腹に黄色い色を塗るとき,キビタキは喉から始めてまだ下半分まで色を伸ばしていないのに対し,マミジロキビタキは全体にきれいな黄色に仕上げている,という感じだ。

090504e_1080 090504e_1085  ここの場所にはマミジロキビタキのほかにキビタキ(写真)もいたが,レンズを向ける人はほとんどいなかった。マミジロキビタキの前にはキビタキも霞(かす)んでしまう,ということだ。
 キビタキとマミジロキビタキはテリトリーの競合関係にあるようで,近付くと互いに争っていた。一般にどうかはわからないが,ここにいた2個体ではキビタキの方が強いようで,マミジロキビタキが追い払われていた。

090504e_0959 090504e_1129  もっと,もっと見ていたかったが時間切れ。立ち去りがたかった。とても残念。隠れてしまったり,いなくなってしまったりしていれば,ふんぎりが付けやすかったのだが,私が立ち去るときも,この魅力的な姿を見せてくれていた。
 ぜひとも,また,会いたい。

<カラフトムシクイ&キマユムシクイ>  ~”?”付き~

 2日目の午後だった。

 法木の畑の方をうろついた後,自転車を流していたら,Igさんと出会った。
 今,ちょうどこの場所にカラフトムシクイが出ていたという。キマユムシクイとは何度か出会っているが,カラフトムシクイとは今まで縁がなかった。まだその辺にいるかもしれない。
 よし,ここでしばらく粘ってみよう。教えていただきありがとう。

 徐々に人が増えてきて,さらに時間が経過した頃,ムシクイ類の群れがやってきた。センダイムシクイのようだが,1羽,ちゃっこくて素早く動くのがいて,明らかに黄色っぽい。これか。しかし,一旦双眼鏡を外すと,どれがどれだかよくわからないくなる。しかも動きが速すぎ。あせってあたふたしている間に見失い,群れも抜けてしまった。
 この日はこのまま戻ることなし。

 翌朝また挑戦。

 今度は待って10分程度で,すぐにムシクイの群れがやってきた。

 いないか。

 いた。

 高木の上の方だ。遠いし,空抜け。しかし,それでも良い。まずは証拠写真を撮っておこう。すぐにいなくなっても,写真に残しておけば後で見られる。

090504e_0029_02 090504e_0029_01  ということで撮影した写真がこれ。
 案の定,来たかと思うとすぐにいなくなってしまい,撮影できたのは空抜けの真っ黒な写真数枚だった。かなり修正しないとシルエットしか見えない写真だった。
 横向きの写真はこの1枚だけ。しかし,幸運なことに2本の翼帯がしっかりと見える。また,頭部が大きめのプロポーションから体の小ささが想像できると思う。日本最小と言われるキクイタダキ大の鳥だ。

090504e_0032 090504e_0030  2本の太い翼帯があって,体が小さいムシクイは,カラフトムシクイかキマユムシクイだ。このうち,カラフトムシクイは体が黄色っぽいほかにもさまざまな特徴があるようだが,わかりやすいところでは,頭央線が明瞭にあるはず。
 頭頂が写っている写真が2枚かあったので確認してみる。う~ん微妙。欲目のせいか,薄い頭央線があるようにも見えるが,カラフトムシクイであればもっと明瞭かもしれない。

090504e_0026 090504e_0027 090504e_0028  カラフトムシクイだと思い込んで撮影したのだが,どうもキマユムシクイの可能性の方が高いように思えてきた。前日に見たのは,たぶんカラフトムシクイで間違いないと思うのだが,これはキマユムシクイだったか。両方いたのだろうか。順光で撮影できていれば良かったのだが,これでは判別がむずかしい。
 なので,確信は持てないが,とりあえずキマユムシクイとしておこう。

 カラフトムシクイの撮影はまた先延ばしになってしまったが,それはそれで良い。
 私は好きなオカズを後に取っておくタイプなので,出会いの楽しみが残り,かえって嬉しいくらいだ。

 負け惜しみではない。

<ヤツガシラ>

 ヤツガシラの情報は,Ysさんからいただいた。
 荒崎にいる,という。

 もっと早い時期(3~4月)に渡るのだと思っていたが,5月の連休でもまだ観察できるようだ。だらだらと長い期間にわたって渡るのだろうか。
 いずれ縁起物(?)なので,荒崎まで足を延ばすこととした。

090503e_1107 090503e_1110  荒崎に降りて行く途中,松の木に集まっているイスカの群れを見ている方々に出会った。ここで寄り道していると,KdさんやSmもやってきた。お聞きするとヤツガシラは遠くに飛んでしまったらしい。他のめぼしい鳥もいないらしい。
 そっか。でも,せっかくここまで来たので,ダメ元で荒崎を覗いていこう。

090503e_1119 090503e_1127  海岸まで降りて行くと,最初に教えられた場所にいなくて,右手の奥の方に人が溜まっているのが見えた。Ysさんもいる。お聞きするとヤツガシラはこちらの方に移動してきて,いる,という。良かったぁ。まだいたのか。
 角度が悪く,最初は見えなかったが,場所を移動すると,いた,いた。見えた。でも体の大部分が石の陰。
 しばらく待つと石の陰から出てきたが,さらに離れてはるか遠くに行ってしまった。

 人も大勢いたので近づく訳にもいかない。これじゃダメだ。

 諦めて,Ysさんと一緒にベンチのところでお昼をとって,戻ることとした。

090503e_1145 090503e_1161  で,荒崎から戻る途中,なんと,後方からヤツガシラが飛んできて,ぽん,と私たちの前方の木の枝にとまった。まさか,また会えるとは…。幸運この上なし。Ysさんの「引き」の強さが呼び寄せてくれたのだろう。
 ヤツガシラがふわふわと飛んでくる姿は,翼の白黒の縞模様が円を描き,見惚れてしまうくらいきれいだった。

090503e_1174 090503e_1202 090503e_1223  ヤツガシラは,しばらく枝に止まっていたが,まもなく下に降り,餌を取り始めた。
 あまり人を恐れない鳥なので,無茶さえしなければ比較的近くまで寄れるのだが,独特の風貌のせいか人気のある鳥なので,すぐにギャラリーで溢れてしまった。こんな大勢では近づけない。またもや少しずつ遠くに歩み去っていった。

 5月の連休中なので仕方ない。

 私もこのなかの1人なので,何をか言わんや,だ。

<コホオアカ>

090502e_1160 090502e_1188  コホオアカって不思議な鳥だ。
 飛島では,春でも秋でも,来れば出会える確率がとても高いのだが,ここ以外では見たことがない。図鑑によると,冬鳥として全国で記録がある,というから,私が見つけられないだけなのかもしれない。
 宮城県内でも記録はあるようだ。

 今回は草を刈ったばかりのヘリポートに1羽が居ついていて,初日と2日目はここに来れば必ず出会うことができた。

090503e_1547 090503e_1573  とてもちっちゃなホオジロで,くりくりっとしたとてもめんこい顔をしている。
 特に,春の飛島で観察できる夏羽は,にじんだような茶褐色の顔と,淡いアイリングに囲まれた目の組み合わせが,なんとも言えずめんこく感じる。
 日本産ホオジロ類の中で最も小さい鳥だということだが,めんこさも,シベリアジュリンと1・2位を争っていると思う。

 初日2日目は大勢の鳥見人たちを楽しませてくれたが,3日目にはいなくなっていた。

<ノジコ>

 ホオジロ類と言えばノジコも忘れられない。

 ノジコは地元の宮城県内でも普通に出会うことができるが,ここで見たノジコは全く印象が異なっていた。

090502e_0221 090502e_0272 090502e_0289  地元では,林や湿原の枝に止まって,上を向いてさえずっている印象が強いが,ここでは学校裏のグラウンドにいて,他のホオジロ類たちと一緒に餌を探してず~っと地面を歩いていた。ホオジロ類が混ざりあって,群れで餌を取っているなんて,飛島ならではの光景だ。

090502e_0325 090502e_0310  いつも地元で見るノジコは,枝の上にいて,勇ましくさえずっているので,大きさをあまり感じたことがなかったが,地面にいると,今まで受けていた印象よりも,ずっと,ず~っと,小さかった。ツーショットは撮影できなかったが,近くにいたホオジロとの体の大きさの違いにビックリだった。図鑑を見ると,ホオジロより3cm小さく,上にメモしたコホオアカより1㎝大きいだけだった。

 私以外の誰もが認識していたかもしれないが,こんなにちっぽけな鳥だったとは全く気付かなかった。「小さい」と気付いただけで,何かとてもいじらしく感じるようになった。
 今回の飛島でノジコを見る目が変ったと思う。

<ベニヒワ>

 ノジコがいた学校のグラウンドにはベニヒワも入っていた。

090502e_0156 090502e_0165 090502e_0169  飛島に着いて最初に寄った場所で出会えた鳥で,頭の赤い色がとても嬉しかった。全身が黒っぽい個体で,あまりきれいではなかったが,それでもベニヒワはベニヒワ。
 北海道で出会う雪景色の中のベニヒワの群れも良いが,地元でマヒワの群れの中にベニヒワを見つけると,もの凄くうれしくなる。そんな鳥だ。

 今回はこの1羽しか見つけられなかったのが残念。

<マミチャジナイ>

 ここにはマミチャジナイもいた。

090502e_0406 090502e_0423 090502e_0508  双眼鏡で見つけたときは,クラウンド(草地)と林の境目付近の枝を渡り歩いていたが,見ている内に八重桜の木の枝に落ち着いてくれた。チャンス到来。相手の緊張度合を見ながら「ダルマさんが転んだ」風に近づいた。何とか飛ばさずに撮影距離にまで近付くことができた。

090502e_0508_up 090502e_0538 090502e_0537  近付くときは,隠れたり,「石化け木化け」しようとするよりも,相手にきちんと認識させて,馴染ませることが大事だ。そして緊張する気配があったら無理は厳禁。何度も繰り返し失敗しているが,まだまだだ。鳥の種類などによって警戒距離がずいぶん違うので,これを知っていることも肝心だ。

 このときは誰もいなかったので,至近距離まで寄らせてもらい,この鳥を独り占め。幸運だった。桜の花を背景に撮影できたのも幸運だったが,唯一,まだ咲いていなかったのが残念だった。ポーズがひと通りだったのは仕方ない。

090503e_1337 090503e_1291  マミチャジナイは,2日目,3日目はヘリポートにも2羽入っており,上にメモしたコホオアカ同様,沢山のお客さんたちを楽しませてくれた。2羽は一見同じように見えたが,頭の色の「濃さ」が微妙に違っていた。濃い方が♂でやや薄く見える方が♀なのだろう。
 実物を見ると一目瞭然なのだが,写真では悩んでしまう。

<ツグミ>

 マミチャジナイがいたヘリポートにはツグミも多数はいっていたが,中にこんなツグミも混ざっていた。

090503e_1456 090503e_1467  この個体は,亜種ツグミと亜種ハチジョウツグミの中間型らしい。顔は普通のツグミっぽいが,胸からお腹にかけての斑が茶色っぽい。
 今回のヘリポートは「観光鳥見」の方々も混じり,常ににぎやかだったが,引率していらしたNさんが解説していたのを耳にして,いるのに気が付いた。

 こういう方に案内されると,楽ちん鳥見できるし,勉強にもなっていいだろうなぁ,と思う。一方,案内する方はとても大変だと思う。ご苦労様だ。

<オオルリ>

 ここできれいどころを並べてみよう。

 飛島に通うのは,珍鳥・迷鳥と出会える可能性があるから,という理由もあるが,オオルリやキビタキなどの普通種でも,ごくごく近い距離から観察できるというのも大きい。

090502e_0958 090502e_0358  通常,このオオルリなどは,林道の渓流沿いなどでさえずりを聞いて,姿を探すと,はるか遠くの高木の天辺でさえずっている,というのが良くあるパターンだ。しかし,ここ飛島では人が歩く道端や畑の木などにもとまっている。ときには♂が群れになって,木々に青い実が生るようにとまっていることもある。
 地元(繁殖地)では考えられないことだ。

090504e_0110 090503e_0617 090503e_0607_up  今回もいたる所でオオルリとは出会うことができた。
 最も多いときほどではなかったが,十分に堪能できるだけの個体数は入っていた。♀よりも♂の方が圧倒的に多く,至近距離でも観察できた。手前の木に1羽,その向こうに1羽,さらにもう1羽,なんていうシチュエーションも楽しむことができた。全島に入っていたと言っても良いほどの個体数だった。
 これぞ飛島の楽しみ。

090502e_0380_2 090502e_0386 090502e_0389  正直,飛島に初めて来たとき,いつも遠くから「憧れ目線」で見ていた鳥がそこら中にいたのに大きなショックを受け,その後,丸々2か月,7月中旬までは鳥見に行けなくなったほどだった。「これまでの私の鳥見人生って一体何だったの!?」と思うくらいのショックだった。この当時は「あんなところ≪鳥類生態園≫みたいじゃないか。二度と行くもんか。」とまで思いつめてしまった。

 それが今やすっかり飛島ファンだ。現金なものだ。

090503e_0626 090503e_0673 090503e_0678  オオルリは姿も声も素晴らしい鳥で,鳥の世界に入ったばかりの人たちにも,大人気の鳥だ。人によっては,鳥見経験を積むにつれ感じ方が大人になって,「な~んだオオルリかぁ。」,などと感じるようになる人もあるだろうが,私にとっては,何年経ってもオオルリはオオルリ。褪せることがない憧れめいた気持で見てしまう。
 初めてオオルリを見たときの感動は忘れてはならないと思う。

090503e_0719 090503e_0840_00 090503e_0869  今回,一番親しくしてくれたオオルリは白瀬沢ダムにいた個体だった。
 このちっぽけな砂防ダムは止水のため虫が多く発生するのだろう。そうした虫を狙って,オオルリやキビタキ,コサメビタキなどが入ってくれ,フライキャッチャー(ヒタキ)観察の好ポイントになっている。ここにはムシクイ類も集まり,数年前はキマユムシクイもここで観察したことがある。

 また,木蔭にベンチがあり,人があまり来ない所なので,歩き疲れたときや二日酔い(!)で体がだるいときなど,休憩しているにも良い場所だ。今回も初日にちょっと飲みすぎて2日目の午前中はここで休憩させてもらった。

090503e_0967 090503e_0747 090503e_0819 090503e_0967_00  ところで,右端の写真のように,ここにいたオオルリは汚れていた。
 理由は明白。中2枚の写真のようなことをして虫を捕えているからだ。白いお腹が泥で汚れてしまっているし,頭だって同じようなものだ。撮影にはピッカピカのきれいな個体を選びたいのだが,見ようによっては,この個体も生活感があってなかなか良い。
 悪いことかもしれないが,デジタル撮影なので,汚れを取ろうと思えばレタッチして取ることだってできる。右端の写真は,左端の写真をいたずらしたものだ。

<キビタキ>

 オオルリを書いたので,次はキビタキ。

090502e_0079 090502e_0107 090502e_0138 090502e_0073  不思議だが,飛島で最初に出会う鳥はキビタキのことが多い。
 今回も最初に学校グラウンドに行ったとき,自転車を降りると目の前の茂みに止まっていた。しかも「飛島距離」だ。至近距離から観察できた。本来真っ黒であるはずの頭部や風切が黒くなっていない部分があるので若鳥のようだ。成鳥も良いが若鳥も初々しくって好ましい。
 右端の写真は「中身」が見えているところ。キビタキも黒い下着を着ていた。

090502e_1236_up 090502e_1254 090502e_1271  この個体はヘリポートの道路を挟んで反対側の藪に入っていた。
 多くの人たちはヘリポートに入っている様々な鳥を見ていたが,後ろにいるこの個体に興味を示す人はほとんどいなかった。この島では「な~んだキビタキかぁ」レベルになってしまうのか。
 この個体も非常に慣れっこく,また,こんなにきれいだった。

090503e_1225 090503e_1230 090503e_1235  初日は上に記したような若い個体しか見ることができなかったが,2日目の途中から成鳥を見ることができるようになってきた。この背中が真っ黒なのは,法木の畑で出会った最初の成鳥だ。すぐ目の前にぽんと降りてきて,私をびっくりさせてくれた良い奴だ。
 近くには,たぶん到着したばかりなのだろう,疲れ切った♀が佇んでいた。落鳥寸前のような疲労感を漂わせていた。

090503e_1381 090503e_1428 090503e_1401  ♀と言えば,2日目の夕方にこんな個体とも出会った。
 上の♀と出会った場所の斜面を隔てて下の道路脇にいたので,同じ個体かと思ったが,明らかに違っていた。違いがわかったのは,こんな黒い物体のせいだった。左喉に黒い丸いものが食い込んでいる。一体何だろう。病気? それとも,もしかして,…,散弾?
 こういう異物があるにも関わらず,元気に虫を食べていたのが,けなげでいじらしい。

090504e_0103 090504e_0387 090504e_0195  私のなかでキビタキとの出会いの確率が高い場所は,汚れたオオルリがいた砂防ダムだ。ここに集まる≪虫好き仲間≫にキビタキも混ざっている。数年前のある時は,ここに複数のキビタキが入っており,忘れられない幸福の時間を提供してくれた。
 今回もお約束のとおり,きれいな成鳥♂が居ついていたが,残念ながら1羽だけだった。

<コサメビタキ>

 ≪虫好き仲間≫にはコサメビタキも入っている。

090503e_0822 090503e_1063090503e_1093  オオルリやキビタキが「美し系」を代表するヒタキだとすれば,「めんこ系」では何と言っても,このコサメビタキだろう。オオルリなどよりも体が小さい上に,頭が大きめのプロポーションで,まっ黒な大きな目がくりっとしている。小さくって頭が大きいプロポーションで円(つぶ)らな目なのは,人間に当てはめると,小さな子どもだ。

090503e_0806090503e_1066 090503e_1072  根っから子どもを「めんこい」と思わない人は,たぶんいないだろう。ヒトはこういうタイプの鳥や動物を「めんこい」と思うようにできているんだと思う。リスやモモンガなどもこの系だ。
 こういう容姿に加え,首を傾げるなど子どもらしい仕草をされてしまったらイチコロだ。

090503e_1097  で,素顔も見て,バランスを取っておこう。
 この写真は,私の真上の枝に止まったところを手持ちで撮影したものだ。これを見て「わ~,めんこ~い。」という人はたぶんいないだろう。くちばしは平べったくって,口元にはヒゲがピンピンと出ている。飛ぶ虫をフライングキャッチするヒタキの仲間に共通の特徴だ。
 ヒトの子どもは「めんこい」だけで親の保護を受け,生きていけるが,鳥はそうはいかない。

 ちなみに,コサメビタキはここだけでなく,畑の脇の木々などでも観察できた。

<センダイムシクイ>

090502e_0783 090502e_0798 090502e_0922  センダイムシクイは,初日,鼻戸崎で出会った個体がとても印象深い。以前も飛島で至近距離で出会ったことがあるが,今回はそれ以上の状況だった。撮影限界距離(5m)ぎりぎりまで寄ってきて,色んなポーズを取ってくれた。
 これだけ近いといつか離れていくときが切り上げ時になるのだが,ず~っと近くにいたので,離れがたかった。

090502e_0645_up 090502e_0649_up 090502e_0708_up  ムシクイ類の「似た者3兄弟」(メボソ,センダイ,エゾ)の見分け方は体の色やくちばしの色,足の色などさまざまあるのだろうが,センダイムシクイの一番わかりやすいのはココ,頭頂部だ。3種のうちで頭がハゲている(ように見える)のはセンダイムシクイだけだ。わかりやすい特徴なので,昔っからこれを頼りに識別していた記憶がある。

090502e_0776 090502e_0786 090502e_0915  こんなに至近距離で見ることはほとんどなく,願ってもないチャンスだったので,思った以上に頭頂部を撮影していた。自宅で整理していると,これでもかってくらいにハゲ頭の写真があった。撮りたくても撮れなかった貯金を引き出させてもらった感じだ。
 左端の写真は緑っぽい上面の色もよく出ていると思う。3種のうちでは一番緑色が強い種だ。

090502e_0904090502e_0728 090502e_0729  センダイムシクイの喉の魅力に気付いたのは,ウトナイ湖に遠征したときだった。ウトナイ湖サンクチュアリセンター周辺はセンダイムシクイがとても多い場所で,今回ほどではないにしろ,かなり近くで観察する機会が多くあった。ただ,林の中なので,枝が邪魔になったり,暗かったりと撮影まではなかなかできなかった。
 この喉のふわふわ感と白さがたまらなく良い。動き回っているとき,上を向いたときが観察チャンスだ。念願かなって,ようやく思うような写真が撮れた。ドーデスカ!

090502e_0584 090502e_0607 090502e_0644 090502e_0901  また,今回は花の中を動き回っていたので,雰囲気のある画も狙って撮影してみた。
 花と○○(鳥,チョウ,人,…)の組み合わせはよくあるパターンで,中には陳腐に思う人もいるだろうが,自然写真の王道だと思う。
 いつも何も考えないでシャッターを切って楽しんでいるだけだが,余裕があるときは「写真」を撮ろうと思うときもある。・・・。慣れないことはするもんじゃなかったな。

090504e_0149 090504e_0163 090504e_0275  白瀬沢ダムにもセンダイムシクイはいて,こちらはエゾムシクイと混ざって出てきたので,識別の勉強にもなった。パッと出てきたときにすぐにわかるのは体の色で,頭の天辺ではない。出ては移動するので,頭頂を確認する間なんて,ない。普通の現場で光の加減が良いときは体の色で判断した方が良いようだ。
 エゾムシクイは,パッと見,ツートンカラーに見える。

090504e_0192 090504e_0264 090504e_0323  それにしてもムシクイ類ってめんこいな~。
 ヒタキ系が「洋風」のめんこさだとすれば,ムシクイ系は「和風」かもしれない。ヒタキのようなパッチリした目ではないが,地味な姿形の中にも楚々とした美しさがある。どちらがよりめんこいか,ということではなく,違う種類のめんこさだ,ということだ。
 ただ,私が結婚するとしたら,ヒタキではなく,ムシクイの方かなぁ。

<エゾムシクイ>

 センダイムシクイを取り上げたので,エゾムシクイを無視する訳にはいかない。

090504e_0126 090504e_0209 090504e_0213  エゾムシクイは島内あちらこちらで声を聞くことができた。ヒーツーキー,ヒーツーキーと高い声で鳴くので,内心,サンコウチョウならぬ「ニコウチョウ」(日月=二光)と呼んでいる。「似た者3兄弟」であっても,さえずりは個性豊かだ。
 地元では声は聞こえても姿を見ることはとても大変だし,写真を撮るなんて考え付きもしない鳥なのだが,この島ではこのようにじっくりと観察できる。

090504e_0220 090504e_0225 090504e_0416  エゾムシクイは,センダイムシクイに比べると全体に緑色味に欠け,より地味な感じがする。頭央線がなく,また,頭が灰色っぽく背中が茶緑色っぽいツートンカラーに見える。この「ツートンカラー」が私のチェックポイントだ。
 「似た者3兄弟」のうち,足が明るいピンクっぽい色なのはこのエゾムシクイだけのようだが,フィールドで足の色まで確認するのはとてもむずかしい。

<ウグイス>

 ここまで書いたので,ウグイスについても記事にしておこう。

090504e_0243 090504e_0497 090504e_0418 090504e_0315  ウグイスは,春の盛期,棒のような体になりながら全身を使ってさえずる姿をよく目にするし,また,冬には茂みの隙間に「チャ,チャ」鳴いている姿を見ることも多い。特に珍しい鳥ではないのだが,今回は,センダイムシクイやエゾムシクイを撮影している合間に目の前に何度も出てくれたので,山ほど撮影させてもらった。

090504e_0360 090504e_0419090504e_0513   声はともかく姿については,「ウグイスって本当はウグイス色でないんだよね~。」で片付けられてしまうことが多いが,私は結構カッコ良いと思っている。ウグイス色でない渋めの色合いも良いし,尾が長いプロポーションも良い。横向きで尾をちょっと上げたポーズは「決まった!」という感じだ。
 こういう格好のウグイスを見ると,子どもの頃遊んだウグイス型の「水笛」を思い出す。

<海鳥>

 最後に,酒田‐飛島間の航路で観察した海鳥も記録しておこう。

090504_013 090504_022 090504_025  今回の航路は,往路もそこそこ楽しめたが,復路は大当たりだった。通常は飛島で疲れきって途中から席で寝てしまうことも多いのだが,酒田港に到着するまでアドレナン出っぱなし。船室に入る暇なんてなかった。海は,鏡がたゆたうような凪(なぎ)で,海鳥がいればすぐにわかる好条件だった。この写真は3枚とも帰りの航路の海だ。

 まずはこの鳥から記録しよう。

090502e_0001 090502e_0016 090502e_0034  これは往路で出会ったアビ類だ。
 この仲間はこれまで観察経験に乏しいこともあり,正直,識別できない。「○○でない」という消去法で考えてみると,くちばしががっしりしていないので,これはハシジロアビではない。また,顔もプロポーションも違うのでアビでもない。残るのは,オオハムとシロエリオオハムだが,くちばしが短く細く見えるので,ハシジロアビか。

 往路だけでなく,ちょうどこの海域で,復路も複数のアビ類が現れたが,現場で識別することは叶わなかった。

 オオミズナギドリは往路でも出てくれたが,どの個体も遠かった。やはり楽しませてくれたのは復路だった。

090504e_1523 090504e_1521 090504e_1668  出発してまもなく現われると,ほとんどの時間帯絶えることなく現われ,楽しませてくれた。天候が悪く海が荒れてているときは,きりもみしながら進む十字架のように飛ぶのだが,この日は,鏡のような水面に姿を映して優雅に飛んでいた。長い翼がとても美しい。
 こういう姿を見られるのは,たぶん,滅多にないことだと思う。

090504e_1522 090504e_1534 090504e_1677 090504e_1680  オオミズナギドリは,この航路では必ずと言っても良いほど観察できる鳥で,また,太平洋側でもお馴染みの鳥だ。私にとっては数少ない顔見知りの海鳥だ。
 ただ,繰り返して言うがこういう条件で観察できる機会は希少で,本当に運が良かったと思う。飛島行の大きなプレゼントのひとつだった。

090504e_1620 090504e_1670 090504e_1667  驚いたことに,また,嬉しいことに酒田港が間近に迫ってきても,途切れることなく姿を見せてくれ,終いには釣り人を背景に飛び交う姿も見せてくれた。酒田港が海に突き出している,ということもあるのだろうが,こんなにも岸に近い場所にいるとは嬉しい驚きだった。この鳥のおかげで,最後の最後まで「おいしい」航路だった。

 ヒレアシシギの群れと出会ったのは,出航後20数分の海域だった。

Sp_090504e_1154 Sp_090504e_1165  鏡のような水面にゴマを散らしたように群れが浮いていた。
 さざ波が立っていたり荒れたりしていれば気付かなかったかもしれないが,こういう海では気付かない方がむずかしい。何年か前,この航路で数千羽(数万羽?)の群れと出会ったことがあるが,海上では,それ以来の出会いだ。久しぶり,嬉しいことこの上ない。

 アカエリヒレアシシギだけかと思って撮影していたが,隣りで撮影していたKdさんがモニターで確認・拡大すると,ハイイロヒレアシシギも混ざっている,という。見せていただいたら,確かにそうだ。

Sp_090504e_1169_up090504e_1413  このときはそんな余裕がなかったが,家に帰ってから撮れた写真を確認すると,いた,いた。確かにハイイロヒレアシシギがいた。しかも2羽。♂1羽はきれいな夏羽だ。レンガ色の体に,顔の白い「マスク」が美しい。写真は汚いが,本当にきれいな鳥だ。
 肉眼で,また,双眼鏡でも見て楽しむには遠すぎる距離だったのが残念だったが,いつか至近距離で堪能したいものだ。
 なお,右側の写真は酒田が近くなってきた海域に浮いていたペアだ。

Sp_090504e_1170 Sp_090504e_1173 Sp_090504e_1182 Sp_090504e_1218  さて,ヒレアシシギたちは,船が近づいて行くとぱらぱらと飛び始め,まもなく全部が飛び立った。海上の低い所を方向転換しながら少しずつ遠ざかって行く。ヒレアシシギのマスゲームだった。
 背景が一様なので,カメラのオートフォーカス任せが可能で,楽ちん撮影ができた。

 ウトウは飛島に近い方の海域にぽつらぽつらと浮いていた。

090504e_1253 090504e_1262  やや重量感のある小さな黒い鳥が浮いていたらウトウである確率が高い。重みのある体を浮かすためにパタパタ小さな翼で飛んでいる黒い鳥もたぶんウトウだ。いつか誰からか聞いたことがあるが,どうもこの周辺のどこかの島で繁殖しているらしい。
 ウトウは天売島の専売特許ではなく,結構あちらこちらで繁殖しているようだ。

 鳥ではないがイルカのことも触れねばならない。

090504e_1359_2 090504e_1373090504e_1427  この航路ではイルカと出会うこともあるが,今回も幸運なことに出会うことができた。
 うんと運が良ければ,船に興味を示して船の周辺や船の下を高速で泳ぎ回ることもあるが,今回はやや遠い所でばしゃばしゃと水飛沫を立てていた。オオミズナギドリも集まっていたので,魚の群れを追いかけていたのかもしれない。
 カマイルカの群れで,これまでに出会った群れでは最大級の規模だった。

 凄い。

 感動だ。

090504e_1312090504e_1383_01_2 090504e_1383_00_2  海面下の動きがわからないので,姿を現わすタイミングと場所がわからず,撮影には難儀した。しかし,神様(がいるとすれば)の贈物のように,オオミズナギドリとカマイルカのツーショットを撮影することができていた。もちろん狙ったものではなく,偶然の産物だが,撮った自分自身,凄い,と思う。

 魚の大きな群れがいれば,イルカの海鳥もそこに集まるはずで,イルカと海鳥の組み合わせは珍しいものではないだろう。今回でお終いにしたくない。こういう写真にぜひとも再チャレンジしてみたい。

090504e_1315 090504e_1364  そう,そう。そういえば,イルカの向こうにイルカよりずっと大きな黒い背中がゆっくりと見えたり隠れたりしていた。証拠写真だけでも撮影しようと思ったが,海面下の見えない時間の方が多く,出現のタイミングが全くつかめず撮影はできなかった。
 クジラで間違いはないだろうが,種類がわかるほどのクジラ体験はまだない。

 この復路の船上では,宮城のKdさんのほか,地元のIkさんにも大変お世話になった。感謝申し上げたい。

 上に「最後に」と書いたのでこの辺で止めておこう。
 さらりとメモしようと思って書き始めたのだが,とんだ長編になってしまった。ここまでお付き合いできた方は少ないと思う。お疲れ様です。そして,ごめんなさい。

 いつものことながら,今回の飛島行ではたくさんの方々にお世話になった。
 心から感謝申し上げる。

 おしまい。

【観察できた鳥】(赤字が記事に掲載した鳥)

シロエリオオハム(?),オオミズナギドリ,ウミウ,ヒメウ,アマサギ,ダイサギ,アオサギ,カルガモ,ヒドリガモ,トビ,ハイタカ(ツミ?),ノスリ,ハヤブサ,ハイイロヒレアシシギアカエリヒレアシシギ,オオセグロカモメ,ウミネコ,コアジサシ,ウトウ,カラスバト,キジバト,ツツドリ,アマツバメ,ヤツガシラ,ツバメ,キセキレイ,ハクセキレイ,ヨーロッパビンズイ,ビンズイ,サンショウクイ,ヒヨドリ,モズ,キレンジャクヒレンジャク,コマドリ,ノゴマ,コルリ,ジョウビタキ,ノビタキ,イソヒヨドリ,トラツグミ,クロツグミ,アカハラ,シロハラ,マミチャジナイ,ツグミ,ウグイスキマユムシクイカラフトムシクイエゾムシクイセンダイムシクイマミジロキビタキキビタキオオルリコサメビタキ,ヒガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,ホオアカ,コホオアカ,カシラダカ,ノジコ,アオジ,アトリ,カワラヒワ,マヒワ,ベニヒワイスカ,ベニマシコ,ウソ,イカル,シメ,ニュウナイスズメ,スズメ,コムクドリ,ハシブトガラス (76種)

※ この他,オジロビタキ,カラフトムジセッカ,カンムリウミスズメ等の情報があった。ハシボソガラスと出会わなかったのは不思議だ。

【写真】(付録です。)

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0401 山形県/飛島」カテゴリの記事

コメント

こんにちは~。飛島記事、お待ちしてました~。内陸地方ではなかなか見られない鳥さんをずいぶん堪能されたようで、羨ましいです。また、その節は、大変お世話になりまして有難うございました。yamameさんの画像を拝見しながら、あの感動がふつふつと沸いてくるのを心地よく感じているところです。秋もステキな出会いを期待したいと思います。

投稿: NOBU | 2009/06/16 16:26

NOBUさん,いつもありがとうございます。
飛島ではお世話様でした。今年は大当たりはなかったものの,飛島ならではの鳥たちを満喫できました。ハズレってないです。
おっしゃるとおり,秋もぜひ行きたいところですが,行けない可能性が高くなってきました。仕事あっての鳥見ですから仕方ないです。秋は長いと言っても,9月では早すぎますし,11月中旬になると遅すぎですよね~。

投稿: yamame | 2009/06/16 22:35

yamameさんいつ出るのかと待ってましたがやっと出ましたね。それも超大作なのでびっくりしました。これだけの大作となると時間がかかるのも納得です。楽しい飛島でしたね。またご一緒できれば幸いです。

投稿: yas | 2009/06/19 22:02

yasさん,飛島ではお世話になり,ありがとうございました。またご一緒したいですね。
大作(?)にするつもりはこれっぽちもなかったのですが,忙しくって心に余裕がなく,まとめられなかったので,かえって長くなってしまいました。自分の首をしています。

投稿: yamame | 2009/06/20 19:18

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