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2009/05/08

龍飛岬 2009/04/04-05

(4日) 12:45 曇り
(5日) 05:00 曇り(&強風)のち晴れ

 恒例となった竜飛でのタカの渡りウォッチングだ。
  今年の春は,日程の都合もあり,4月第1週にかけることとした。静岡のTさんと現地合流する予定だ。

090404e_2110 090405e_1942  1日目はお昼過ぎから観察したが,曇りがちで近くの山も良く見えない状態。北海道なんぞ全く見えない。タカは数多く見えたが,はるか上空や遠くの山の上を飛んでいた。渡るのをためらって行ったり来たりしているような感じだった。
 2日目は,強風と寒さでお昼前の2~3時間はきつかったが,近くを飛んでくれるタカが多く,とても充実した時間を過ごすことができた。
 2日目が最高だったので,全体としては,正に「当たり」の春だった。

 上の写真は,1枚目が1日目,2枚目が2日目午後だ。こんなにも違う。

 いつものように時系列に記録すると長くなりそうなので,以下,出た鳥の種類ごとに記していくこととする。

<ノスリ>

090404e_2061 090404e_2063 090404e_2071  タカの渡りの中で,何といっても一番個体数が多かったのが,ノスリだった。
 1日目は上空や山の方に数多くのノスリが見えたものの,近くを飛ぶ個体は皆無。しかし,初めてトビ以外の「タカ柱」なるものを観察できた。これは感動ものだった。遠くが見えない状況で海を越えるのが怖く,岬周辺に溜まっていたタカ類が,このように集まっていたのだろうか。
 撮影した写真をよく見ると,ノスリのほかにトビやハイタカなども混ざっていたようだ。

 2日目はノスリを含め,多くのタカたちが近くを飛んでくれた。

090405e_0607 090405e_0592 090405e_0596  このノスリはずいぶん黒っぽかった。
 海水浴で日焼けして海パンを脱いだときのようだ。腰周辺だけ白く,あとはまっ黒だ。
 白かったり,黒かったりと,ノスリはずいぶん個体差があるようだが,こんな個体は初めて見た。竜飛では次から次にいろんな個体が通過するので,中にはこんなのも混ざっている。

090405e_1636090405e_1656 090405e_1860 090405e_1734  これは,今回比較的近くを飛んだノスリたちだ。
 ノスリは地元の宮城県でも普通に見られる鳥だが,ここで見るノスリは,どういうんだろう。「決意」っていうんだろうか。渡りに対する覚悟が感じられ,ピシっと背筋が通った感じがする。もちろん,こちら側の思い込みに違いないのだが,近くを通って行くタカたちからは,そうした気持ちをひしひしと感じてしまう。

<オオタカ/ハイタカ>

090405e_1072_00_2 090405e_1088 090405e_1129  オオタカもハイタカも,地元の仙台市内にいるし,宮城県内の各地でも観察できる。食物連鎖の上の方にいるので,それなりに数が少ない鳥ではあるが,決して希少な鳥ではない。そんな鳥なのだが,なぜか,ここで出会うと,すごく,もの凄く,嬉しくなる。
 近くを舞うように通過していくときなどは,心臓がはちきれそうになる。

 2日目は,近くを飛ぶことが何回もあったので,死にそうになった。

090405e_1148 090405e_1149  こんな写真は,たぶん龍飛でないと撮れないと思う。いや,龍飛でもよっぽど運が良くなければ撮れないと思う。今回で5回目の龍飛だが,こういう恵まれた条件に出会ったのは初めてだ。これからもこんなことがあるかわからない。
 今回はとても運が良かったと思う。大感激だ。

090405e_1241 090405e_1248 090405e_1271  このオオタカは喉(そのう)にお弁当を詰め込んで渡って行くところだ。龍飛岬は猛禽だけでなく小鳥類も通過して行く所なので,そうした小鳥がお弁当になってしまったのだろうか。
 この直前,用を足しに駐車場に降りて行ったら,低く,2羽のオオタカが飛びまわっていた。ここのすぐ近くでお弁当を調達したのかもしれない。

090405e_0845 090405e_1072_00 090405e_1141  こういう書き方をすると叱られそうだが,ハイタカはオオタカの相似形の鳥だ。オオタカよりひと回り小さいのがハイタカ。
 大きさの違いだけではなく,ハイタカは,オオタカに比べてスマートで尾が長く,頭が大きめに見えるという。また,尾の先端が角張るとか,風切の横斑が明瞭など,色々と特徴があるらしい。言葉に書くと,識別は簡単に思える。
 しかし,この2種を識別するのは私にとってはとってもむずかしい。というか,無理。
 
 現場で明確に識別しても,後で撮影した写真を見て悩むことも多い。このとき撮影したのはどっちだっけ? もちろん覚えているわけがない。

 もっとたくさん見て慣れるしかないのだろう。

<ハイイロチュウヒ>

 ハイイロチュウヒは2日目の午前11時前に現れた。

090405e_1351 090405e_1386_00 090405e_1393  私はボーっとしていて,言われても最初気付かなかったが,周囲の人たちが急に真剣モードに切り替わり,皆,無言で真剣に撮影を始めたので,それとわかった。皆がレンズを向けている方を見ると,岬の先端近くの中空に浮いていた。凄い。
 体をひねると,腰が,くっきり,はっきり,白いのが見えた。

090405e_1427 090405e_1433  最初は岬先端の中空に浮いていたが,風に流される形で徐々にこちら側に寄ってきて,最後には私たちの真上に浮かんだ。岬先端に浮いているときは,私たちの目線の高さと同じかやや高いくらいだっただろうか。真横から見るような感じだった。真上になったときは「停翔」という呼び方がぴったりな位,ぴたりと中空の1点に止まった。

 ♂タイプでなかったのが残念だったが,これほど近くからじっくりと観察できたのは初めてで,かつ,真下からじっくりと撮影したのも初めてだった。
 幸せこの上ないひとときだった。

<ハヤブサ>

090405e_0070 090405e_0263 090405e_0307  ハヤブサは,自分が渡るためにここにいるのではなく,渡る小鳥などを狙って,ここに居ついている。ここに来るたびに会えるお馴染みの鳥だ。調査に入っていたKさんに教えていただいたところでは,♂は10数年(具体的年数は忘れた。)居ついているもので,♀は何度か入れ替わっているらしい。ここに来るたびに楽しませてくれる良い奴だ。

090405e_0498 090405e_0503 090405e_1178  最初の頃は近くを飛んでくれるだけで感激し,むやみやたらにシャッターを切っていたが,今回は格好良い瞬間を狙うようになってしまった。中には良いのもないではないが,後で見てつまらない写真が多くなってしまった。何事にも感激する心が何より大切。原点回帰しなくっちゃ。

<ミヤマガラス>

090404s_049 090405e_0049  龍飛岬はタカの渡りの中継点になっているだけではなく,他の鳥たちもここを中継点として渡って行く。
 ミヤマガラスは,1日目,岬先端の駐車場に到着した瞬間,上空を群れが舞っていた。その後も何度も大きな群れが岬周辺を飛びまわり,渡って行った。
 左側が1日目のミヤマガラスで,右側が2日目のミヤマガラスだが,変わり映えない。工夫のない写真だった。せめて背景が写るように撮りたいが,ピント合わせがむずかしいなぁ。

<ハクチョウ>

Sp_090405e_0566 Sp_090405e_0899  ハクチョウたちが飛んで来るときは,姿を見つける前に,声でわかった。
 コウ,コウ,とハクチョウ独特の声がまずしてきて,姿が現れるのを待つと,そのうち,姿がケシ粒のような大きさで見えてくる。ハクチョウは,タカたちと異なり,ためらうことなく,真っ直ぐに頭上を越え,渡って行った。

Sp_090405s_023 水鳥なので海を越えるのがそれほど怖くないのか,とも思ったが,であれば普通に海の上を渡っていけば良いのに,とも思う。カモ類はどうなんだろう。ここで見たことがないので,もしかして海上を渡って行くのだろうか。たぶん,そうだな。
 ならば,ハクチョウはなぜここを通るのか。偶然通り道になっているだけなのか。

<カモメ類>

 渡って行くと思われるオオセグロカモメたちも観察できたが,カモメ類をじっくり観察できたのは,下の漁港周辺だった。ウミネコ,オオセグロカモメのほか,セグロカモメ,ワシカモメ,シロカモメが観察できた。

090404e_2150 090404e_2197 090404e_2217 090404e_2235 左端の写真はすっかり夏羽に変わったワシカモメだ。あまりにも近くにいたので全身が入らず,後ろに下がって撮影した。  
 残りの3枚はシロカモメ成鳥の写真だ。
 1日目,岬の上から下の港を見て,飛んでいるのを見つけ,夕方,下に降りて探したらちゃんと私を待っていてくれた。久しぶりの成鳥個体で,美しさに感動だった。

 後で,Nさんに「シロカモメいましたよ。」と,うきうきしながらいうと,十三湖方面では普通に見ることができるらしい。ふ~ん。 

<シノリガモ>

090404e_2188 090404e_2147  下の漁港にはシノリガモも居ついていた。
 ♂♀のほか,まだおとなに成りきっていない♂も観察できた。成鳥と一緒にいたので,体色や模様の比較ができ,面白かった。顔の白斑は成鳥♂と同じパターンが出ているが,体の方はまだ地味で成鳥♀と同じようだ。
 人間ならジャニーズ系の美しい年頃なのだろうが,ちょっと,こ汚い。

<コクガン>

090404e_1974 090404e_1971 090404e_1988  コクガンは,1日目,龍飛岬に到着する前の漁港で出会うことができた。
 今季は何度も八戸や種市に行き,その度に山ほど見ているので,いい加減コクガンは見飽きても良い頃だ。客観的に考えると,そう思う。しかし,コクガンを求めても得られず飢えていた期間が長かったので,飽きるなんてことは,たぶん,絶対にない。
 左端の写真は,黒い「トトロ」だ。

<雑感>

 それにしても,何故,遠路はるばる龍飛まで来て,タカを見るのだろう。

 自分自身,不思議に思う。

 今回見たタカは,どれも本州で越冬しているので,越冬地に行けばじっくり見られるものばかりだ。秋も同じことが言える。写真撮影するのだったら,地元でじっくり撮れば良い。特にノスリなんぞ,宮城県内になんぼでもいる。オオタカだっているし,ハイイロチュウヒだって観察ポイントはある。

 龍飛は,様々なタカがひと所にいて見られ,しかも,至近距離からじっくり観察できる機会も多い。ここはタカの紅白歌合戦,或いは,見本市の会場に等しい。「タカメッセ」とも呼べそうだ。タカ好きには堪らないポイントには違いない。

 しかし,それだけではない魅力もあると思う。一体,何なんだろう。

090405e_1952

 北海道と青森の間には,水の塊である「海峡」が厳然とあって,渡って行くタカたちは,そこを飛び越えていく。試練を前に,ためらったり,戻ったりもするが,いつかは覚悟を決めて渡って行く。命がけだ。

090405e_1951_2

 人間社会でも,人生の節目に,受験とか,就職とか,自分を賭けて,挑戦し,乗り越えて行かなければならないことがある。

 重ねてしまうってのは思い込みが強すぎるか。

 よくはわからないが,いずれ,龍飛には取りつかれてしまったようだ。

090405s_007

 ETC割引が始まって,龍飛はとても近くなった。気軽に来れるようにはなったが,日帰りでは片道5時間はややきつい。やはり今度は秋になるかな。
 ハチクマの渡りが5月中旬だと聞いたので迷っている。

 今回は,多くの方々にお世話になってしまった。何より,皆,目がとても良いので,自分で探さなくても周囲の人の動きで鳥の存在がわかる,てのが楽ちんだった。
 いつものことながら楽しい時間を共有でき,心から感謝申し上げたい。

090405e_1947

 龍飛崎 鷹を放って 峙(そばだ)てり (大久保橙青)

【観察できた鳥】

ミヤマガラス,カワラヒワ,オオジュリン,ハクセキレイ,トビ,ウミネコ,オオセグロカモメ,ハシブトガラス,ノスリ,コハクチョウ,オオハクチョウ,シジュウカラ,ミサゴ,エナガ,セグロカモメ,ツバメ,ハシボソガラス,シロカモメ,オオタカ,ツグミ,ウミウ,ワシカモメ,シノリガモ,イソヒヨドリ,ウミアイサ,ホオジロ,ムクドリ,ハイタカ,スズメ,ベニマシコ,ハイイロチュウヒ (31種)

【写真】(最後のは海上保安庁の船。この日北朝鮮がロケットを発射した。)

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コメント

こんにちは!
私も先月、龍飛に行ってみましたが、天候が良すぎて期待通りにはいきませんでした・・・。
遥か高空を渡っていくワシタカばかり。
いつかまたチャレンジしようと思います^^;
ETC割引はありがたいです!
車がハイブリッドならなおさら低コストで移動できますね~。

投稿: りもふ | 2009/05/11 17:06

龍飛は当たり外れがありますからね~。残念でした。
春の連休は小鳥類もここに集結してすごいそうです。以前から聞いてはいましたが,先日,今年行かれた方から直接お聞きしました。1か所で粘っていると,同じ木にどんどん色んな鳥が来たそうです。
ETC割引で近くなったので,来年は連休中も選択肢に加えたいな,と思っています。

投稿: yamame | 2009/05/12 07:05

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