« 種市 2009/03/01 | トップページ | 蕪栗沼-伊豆沼 2009/03/28 »

2009/04/03

苫小牧航路 2009/03/21-22

(八戸~) 08:45 晴れ
(~仙台) 05:30 曇り

 1か月前のリベンジだ。
 今回は,08:45に八戸港から出る便で苫小牧まで行き,苫小牧港から19:00に出る便に乗って仙台港に帰るルートとした。初日は八戸港出航から16:00の苫小牧港到着まで丸1日,翌日は洋上で夜が明けてから10:00の仙台港到着まで鳥見ができる。

 八戸に前泊し,まずは八戸港フェリーターミナルへ。

090321s_024 090321e_0012 090321e_0003090321e_0017  風があるものの,前回に比べたらそよ風のようなものだ。天気もまずまずだった。期待が高まる。頭の中に様々な海鳥が飛び交うイメージが広がる。
 季節風を考え,今回は最初っから船の右舷デッキに陣取った。最初は逆光気味でもお昼を過ぎれば順光になるだろう。

Sp_090321e_0357 Sp_090321e_0339 Sp_090321e_0149  前回は遅めに出たので,最初はのんびりと海を眺めていたが,鳥が出たのは思ったより早く,09:15頃からだった。
 出始めてからの20分くらいは休まる間がないほど次々に現れた。出たのはウミガラスがほとんどで,ウミスズメなども観察できた。
 船がウミガラスやウミズスメが集結している海域に突っ込んだ感じだ。

Sp_090321e_0215 Sp_090321e_0256 Sp_090321e_0442  ウミガラス類は,ほとんどがハシブトウミガラスのようだった。
 中にはウミガラスも混ざっていたかもしれないが,逆光だったので,顔付近が陰になっていて,写真を拡大してみてもよくわからない。ウミガラス2種は,くちばしに入る白い線だけが私の識別ポイントなので,これではお手上げだ。
 見慣れている人はシルエットだけでもわかると思うのだが,私にはむずかしすぎる。

Sp_090321e_0459 Sp_090321e_0462 Sp_090321e_0464  繰り返し何度も現われたが,どれも遠かったので,写真撮影はむずかしかった。
 いわゆる「飛びモノ」なので,シャッタースピードを速くするのが最優先なのだろうが,ピント合わせに自信がないので被写界深度を確保するため絞り込みたい。どちらも確保するとなると,今度はISO感度を我慢する必要がある。しかし,ISO感度を上げすぎると,今度は画がざらつき,トリミングしにくくなる。なんだかんだ考えて,結局はいつもと同じ設定となる。

090321e_0111 090321e_0029 090321e_0033 ウミスズメの群れもいくつかあった。
 ウミガラスよりひと回り小さくって,全体に灰色っぽい鳥だ。「スズメ」と名が付いているが,大きさはスズメよりずっと大きい。図鑑の数値を見ると,体長はムクドリよりやや大きい程度だ。ただし,ムクドリよりずっと太っている。

090321e_0051 090321e_0054 090321e_0127  海面に白ゴマを散らしたようにパラパラ浮かんでおり,船が近づくと飛び,また,水面に降り立っていた。
 船から逃げるように飛ぶのだが,船と並行して進行方向に飛ぶので,なかなか逃げ切れない。あきらめたように海に降りるのだが,降りたときに姿が見えなくなるものもいる。波間に隠れてしまうのか,潜ってしまうのかよくわからなかったが,右端の写真の個体のように,勢い余って水面に逆立ちするようになった格好のものもあった。どうしようもなくめんこい。

Sp_090321e_0549 Sp_090321e_0539  アビ類は,上空すぐ近くを通過して行ったこともあったが,識別できず。通過中ずっと見ていたので,写真も撮れず。その場で識別しようと頑張るより,写真を撮っておけばよかったと反省だ。
 その後まもなく,遠くを飛ぶ4羽の群れを撮影したが,今度は遠すぎて,写真を見ても何だか識別できない。

 この20分間は,どんどん海鳥が出てきて,とても忙しかった。

090321e_0490 090321e_0636090321e_1060  しかし,ウミガラスたちの喧騒が終わると,遠くにちらほら見えるだけになり,やがて,パタッと何も見えなくなる時間帯が出てきた。その後,こういう時間がず~っと長く続く。前回は海が大荒れで,観察自体が厳しかったが,今回は海が見えても鳥が何も見えない。
 寒さが身に沁みる。

 最初にウミガラスなどの群れと遭遇したとき,今回は凄いことになるぞ,と身構えたのだが,すっかり当てが外れてしまった。

 再び鳥影が見えてきたのは苫小牧が見えてきた頃からだった。最初の喧騒から5時間も経過していた。

090321e_0504 090321e_0640 090321e_0664  これはコアホウドリ。
 遠くにいても,翼がとても長く,翼上面が一様に黒いので,現われればすぐにそれとわかる。大型の鳥なので,航路で出会うと嬉しくなる鳥のひとつだ。今まで経験した仙台-苫小牧航路では常連の鳥だ。
 今回の航路では4回出てくれたが,4回目が一番近かった。翼開長が2mにもなる大きい鳥なので,近くなるととても迫力がある。

090321e_0689 090321e_0692 090321e_0710  顔付も独特だ。
 いかにも「アホウドリ」というような太いくちばしも特徴的だが,子どもがアイシャドウをいたずらしたように,目の周りが黒くなっている。
 この黒はパンダのようなめんこい黒ではなく,ゾンビやキョンシーをイメージさせるような翳った色合いだ。

090321e_0918 090321e_0943 090321e_0980  コウミスズメが現われたのは,前回同様,苫小牧港が近くなってからだった。この周辺の海域を航行しているときは,多くの個体を観察することができた。
 しかし,観察も,撮影も,遠くって大変。この鳥は,本当に「スズメ」くらいの大きさである上,観察している船が大きいので,ビルの屋上から地面のスズメを観察しているようなものだった。
 翼の付け根の白線や白い目が撮れただけで上出来だと思おう。

090321e_1014 090321e_1015 090321e_1017 090321e_1045  これはシロカモメ成鳥だ。
 何もここで撮影しなくても良かったかもしれないが,成鳥は今季初だったので,ついレンズを向けていた。やはり幼鳥とは比較にならないくらいきれいだ。
 ただ,写真は白が飛んでしまって残念だった。一応はマイナス補正をしたのだが,海ではもっと思いきって補正しなければならないようだ。

090321e_1057 090321e_0617 090321e_1052  苫小牧までの往路では,最初にウミガラスなどの群れと出会ったものの,苫小牧港に着く頃になって,ようやくコウミスズメなどが現れた状態だった。「中抜け」そのものだ。
 また,前回は航路を通して観察できたミツユビカモメが,今回はほとんど観察できず。さらに,前回沢山いたフルマカモメは1羽も観察できなかった。1か月前とは鳥の状況がずいぶん変わっていた。
 鳥以外では,イルカを2回観察したが,撮影はできなかった。

 苫小牧港到着は定刻だった。

090321s_050 090321s_054 090321s_073 090321s_072  港内には,仙台行きの「きそ」が既に入港して待機していた。
 八戸からのってきた「シルバークイーン」も大きい船だと思っていたが,「きそ」はさらに大きい。見上げるような巨船だった。このデッキから観察するのだと思ってワクワクする気持ちと,観察場所がこんな高い所なのかと不安になる気持ちとが交錯した。
 右側2枚は降船してからの写真だが,右から2番目には「シルバークイーン」と「きそ」の両方が写っている。こんなにも大きさが違っていた。

090321s_077 090321s_086 090321s_083090321s_079  苫小牧港に16:00に着いて,仙台に向けての出航が19:00。間に3時間あるが,乗船できるのが17:30なので,出航手続きをし,少し休憩して,まもなく,また船に乗り込めることとなる。早く乗ると船の展望大浴場やレストランをゆっくりと楽しめる。
 仙台の鳥見人のために用意されたような運行時間だ。

090321s_008 090322e_1067 090322e_1085090322e_1086  船でゆっくりくつろぎ,翌朝,起きたのが05:00頃。静かに準備をし,船のデッキに出てみると,だいぶ明るくなってきていた。双眼鏡で海面を探すと,遠くをオオミズナギドリが飛んでいる。船に驚いて飛び立つ小さな海鳥も見える。ウトウたちのようだ。
 鳥見は,仙台港に着くまでの5時間弱の時間に限られるが,この後の期待が膨らむ。

090322e_1088 090322e_1091 090322e_1101 090322e_1123  この日の日の出は05:30過ぎだっただろうか。後部甲板を通って東側に面する左舷に回ると,空が染まって来ていた。残念ながら水平線に雲がかかっていたが,薄紫がかった雲の合間から,日の出を見ることができた。毎度のことながら心が洗われるような時間だ。
 そう何度も来ることはできないが,いつか水平線から昇る朝日を見たいと強く思った。

 さて,鳥だ。

090322e_1169 090322e_1177 090322e_1181  少し明るくなってきた頃,比較的近くに浮いているハシブトウミガラスを見つけた。船が脇を通っても逃げることなく,じっと浮いていた。
 ハシブトウミガラスは,上にも書いたようにくちばしに白い線が入るのが特徴だが,胸の白い部分がとんがって,喉の方に食い込んでいるのも特徴だ。ウミガラスは喉の方に食い込まないようだ。運良く,この特徴がしっかりと確認できた。これも明確な識別点となる。

090322e_1147 090322e_1310  ウトウやウミスズメの小さな群れとも何度か出会った。ただし,たいていは遠くだったので,撮影はむずかしかった。
 右側の写真がウトウだが,ウミガラスに比べてずんぐりむっくりしている感じだ。ウトウが集団繁殖している天売島に何度か行ったおかげで,至近距離で観察したこともあるが,こうして外洋で出会うのも味がある。

090322e_1283 090322e_1284 090322e_1423 090322e_1424  今回の八戸航路では,ミツユビカモメをほとんど見かけなかったが,この仙台航路では,ウミネコの群れに混ざって普通に観察できた。また,今回は若鳥を観察することもできた。翼にこういうパターンが出るのは昨年生まれたばかりの子どもらしい。
 翼の先端だけ黒い成鳥の翼も良いが,こちらは,ハッとするような翼模様だ。

090322e_1439090322e_1440090322e_1441 090322e_1442  これは成鳥だが,こういう場面も運良く撮影できた。決定的瞬間だ。
 海に爆撃しているところで,最後に白いものが海に溶け込んでいる。よく,鳥が「リン」を海から陸に運んで循環させる役割を果たしている,というが,このように海から得た栄養をそのまま海に返す鳥だって普通にいる。

090322e_1255 090322e_1359 090322e_1394  こうして振り返ってみると,ハシブトウミガラスの浮かんでいるのとミツユビカモメ以外は近くで観察した鳥がなかったのだが,仙台港に到着するまで退屈しなかった。海が凪いでおり,船の近くにカモメ類がひっきりなしに現われたおかげだろう。
 ウミネコが多かったが,ミツユビカモメも頻繁に現われてくれた。

 鳥以外では小型クジラ類とキタオットセイと出会うことができた。

Sp_090322e_1329  小型クジラ類は2回,キタオットセイは4回出会えた。小型クジラ類(イルカ?)は背中をほとんど見せない泳ぎ方で,体を見ることはできなかった。浮上する場所とタイミングを合わせられず,撮影できなかったので,何なのか特定できず。
 この写真は証拠写真にもならないものだが,海上に何かがいるのだけはわかると思う。

090322e_1371 090322e_1376 090322e_1378  キタオットセイは海上に首を出しているのですぐにそれとわかったが,いずれも遠く,きちんと撮影できたのはこの個体だけだった。船が近くを通っても,遠くに逃げたり,深くに潜ったりしなかった。
 よく見ると顔付きが犬に似ている。親戚なのだろうか。後だと耳が目立って見える。

090322e_1373 090322e_1342  なお,「キタオットセイ」と種を特定して書いたのは,何種類かいるオットセイの中から,この個体の特徴をとらえて同定したのではなく,北半球にいるオットセイが「キタオットセイ」だけだから,という単純な理由からだ。
 突っ込まれると,他のオットセイとの区別を説明することができないのが辛い。

 航路鳥見のメモはこれでお終い。

 期待が大きかっただけに,「外した」という印象だけが残ってしまったが,こうして記録してみると,コアホウドリも見れたし,キタオットセイとも出会えたし,全くの「ハズレ」ではなかった。

 季節を変えて,同じルートにまた再挑戦してみよう。

【観察できた鳥】

スズガモ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ウミウ,ヒメウ,ハシブトガラス,ウミアイサ,クロガモ,カンムリカイツブリ,アビsp,ハシブトウミガラス(&ウミガラス?),ウミスズメ,ミツユビカモメ,コアホウドリ,カモメ,オオミズナギドリ,コウミスズメ,セグロカモメ,シロカモメ (19種)

【写真】(海の様子など~鳥写真はなし)

090321e_0003 090321s_023 090321s_024 090321e_0016 090321s_032 090321e_0599 090321e_1057 090321s_043 090321s_044 090321s_062 090322e_1130 090321s_017 090321s_018 090322e_1364 090322e_1466 090322e_1486 090321s_020

« 種市 2009/03/01 | トップページ | 蕪栗沼-伊豆沼 2009/03/28 »

0000 航路」カテゴリの記事

コメント

昨日仙台港あたりをうろうろして船と観察に向いている場所探しをしてきました。
フェリーは高さがあるようですが観察には支障ないでしょうか?
上から見下ろす感じかな? 屋根がついてる場所がなさそうに感じましたが。 こちらにいる間に航路を挑戦したいです。
仙台港の右側(蒲生の左側)にいい高台がありそうですね サーファーがいっぱいいましたがこれからの時期からだと寒さも気にならずいいかもしれませんね
まずはバイクか自転車を用意しなければ。

投稿: かとぺー@仙台 | 2009/04/06 06:05

かとぺーさん,おはようございます。

フェリーの高さがあるので,どうしても見下ろす形になりますが仕方ありません。欲を言うともう少し低ければ良いですが,そうすると波しぶきなどで逆に鳥見にならないかもしれません。船が大きいおかげで,多少の波ではほとんど揺れませんし,デッキで三脚も使えます。屋根については,仙台航路に三隻の船が就航していますが,あまり記憶にありません。なかったかもしれないです。八戸航路のシルバークイーンには屋根がある場所がありました。
鳥が遠いときが多いので,高倍率の双眼鏡があると便利ですよ。

投稿: yamame | 2009/04/09 06:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 種市 2009/03/01 | トップページ | 蕪栗沼-伊豆沼 2009/03/28 »