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2009/03/18

八戸-種市 2009/02/15

08:30 晴れ後雪

 八戸3日目。最終日になった。
 この日は仏沼方面も考えたが,やっぱり南下してしまった。2日前に行ったばかりなので,観察できる種類には変わりないだろうが,最後にコクガンをもう1度見たかった。

 一応,港方面もさらっと覗いてみたが,2日前と変わりなし。写真も撮らないで,この日はすぐに蕪島に向かう。

090215s_005090215s_011 090215s_055 090215s_027  蕪島は,2日前とは見違えるほどにぎやかになっていた。ウミネコで一杯だ。本当に2日前はいなかったのか,と自分を疑ってしまうような光景だった。天気のせいでこんなにも変わるものだろうか。
 蕪嶋神社の階段を登って頂上に行くと,そこら中にウミネコがいる。近付いても逃げない。眼下には,飛島や天売島で見たような光景が広がっていた。ウミネコとは言え,これだけ集まると見事だ。

 天然記念物のウミネコ繁殖地は健在だった。
 感動ものの光景だった。

090215e_0031 090215e_0040  恵比寿浜漁港では2日前と比べてコクガンの数がずいぶん減っていたが,2~3羽は上陸して餌を取っていた。たぶん他のコクガンは近くの海岸に出かけていたのだろう。シノリガモもこの日は港内に入っていなかった。
 蕪島でもそうだったが,同じ場所でも日々鳥の状態は変わっている。

 2日前と同じように種市方面に向かったが,この日は階上の漁港にも寄ってみた。大蛇(おおじゃ)漁港付近はカモメ類が期待できるし,小舟渡漁港付近ではシノリガモが近くで観察できる。

090215e_0172 090215e_0062 090215e_0114  大蛇漁港周辺の浜には,シロカモメが入っていた。
 この周辺で成鳥と出会った年もあるが,今回観察できたのは幼鳥だけだった。オオセグロカモメやワシカモメなどの小さな群れに,少なくとも3羽は混ざっていた。曇りがちだと汚らしく見える幼鳥も,陽が射すと白が勝って,きれいに見えてくる。

090215e_0128 090215e_0130 090215e_0133  何かのきっかけでカモメ類が一斉に飛んで散った後,1羽のシロカモメがこちらの方に真っ直ぐ飛んできて,一瞬ホバリングした後,海にダイビングした。水面下にいた何かに反応したのだろう。連続して撮影していたら,運良く,くちばしが水面に突き刺さる瞬間が撮影できていた。我ながら凄い。

090215e_0135 090215e_0138 090215e_0148  このとき何を捕まえたのか,又は捕まえなかったのかは確認できなかったが,もう1羽のカモメ類がすぐさま飛んできて,このシロカモメと争っていた。もう1羽の方も写真で見る限り,シロカモメだったようだ。
 飛び立つとき,広げた翼がとてもきれいだった。白はやっぱり良い。

090215e_0102 090215e_0119 090215e_0103  ワシカモメは2日前に山ほど撮影したのだが,近くにいるとレンズを向けてしまう。
 幼鳥でも突き出した初列風切羽でワシカモメとわかりやすいが,加えてこの個体は第2回冬羽なのか背中にもワシカモメの色が出ている。また,足のピンク色が黒みがかっているのもよくわかる。

090215e_0196 090215e_0223 090215e_0244  小舟渡漁港では予定どおりシノリガモと出会えた。不思議にこの漁港にはよく入るし,近い所から観察できる。2日前もあちらこちらで出会っているカモだが,天気が良くなかったので,色があまり良く出ていなかった。
 若干雨がぱらついたりもしていたが,この日の方がずっと良い。

090215e_0205 090215e_0201 090215e_0201_eye  岩の上で羽づくろいをしている個体がいたので,面白写真を狙ってみた。
 シノリガモ♂は下を向いたとき,顔にある白い丸斑が目に,白く長細い班が眉に見える。悩み事のない平和な表情だ。
 右端の写真では,真ん中の写真に瞳を入れてみた。ここにいらした方は,写真をクリックして,ぜひぜひ拡大して見てほしい。幸せな気持ちになること請け合いだ。

 羽づくろいしているときは誰でも撮れる写真なので,機会があったら,他の人にも挑戦してみてほしいと思う。こういう写真がシノリガモ写真の定番になって出回れば,こんな嬉しいことはない。

090215e_0253 090215e_0259 090215e_0260  防波堤の向こうでは,2羽の♂が,1羽の♀をめぐって競うようなパフォーマンスを繰り広げていた。首をピンと立ててカッコつけてみせたり,♀に向かって突進したりしている。私は特にこの突進する光景が好きだ。好きな女の子の前でいつも以上にがんばる男の子って感じだ。
 あまり張り切りすぎて,驚いた♀が飛んで遠ざかっていたのがおかしかった。

 さらに南下し,県境を越えるとすぐに,角ノ浜漁港がある。

090215e_0284 090215e_0293 090215e_0296  一応チェックのために覗いてみたら,クロガモ♂が1羽入っていた。
 前日海が大荒れだったので,ここに避難してきていた個体かもしれない。潜って何かを取ってきたようだが,写真を見てもよくわからない。黒っぽい貝のようなもののようだ。海上で丸呑みにしていた。

 さて,種市だ。

 種市のカモメ類は,ここの名物である「ウニ」を食べている。
 このこと自体トピックスだと思うのだが,さらに驚く光景と出会うことができた。

090215e_0303 090215e_0309 090215e_0313  ちょうどワシカモメがウニをつついている場面に遭遇したので,見ていると,ウニをくわえて上空まで持って行き,下に落とした。固いコンクリートの上に落ちたウニはパッカリと割れて,中の黄色い実(卵巣・精巣)がむき出しになった。ワシカモメは,割れたウニの中身を早速ついばみ始めた。

090215e_0314 090215e_0328 090215e_0330  ハシボソガラスなどはよくこういうことを行うが,カモメ類でこういうことをしているのを見たのは初めてだ。ちょろちょろ動き回らないでじっくり観察していればもっと早くに気付いたかもしれない。後でY氏にお話しすると,カラスの真似をして学習したということだ。
 いずれワシカモメは学習能力もある知性のあるカモメだということがわかった。
 これまで外見しか見ていなかったが,見直さなくてはいけない。

090215e_0355 090215e_0361 090215e_0366 090215e_0373  最初に割ったときは,ただ見ていただけで,撮影できなかったが,中身をほとんど食べ終わったウニを再び上空に持って行ったときは,レンズを向けてシャッターを押すことができた。ただ,タイミングが合わなかったのと近すぎたのとで,写真はこんな感じになってしまった。くわえたウニを落とす瞬間が撮影できていなかったのが残念だ。

090215e_0378 090215e_0379 090215e_0381 090215e_0388  このワシカモメは落としてさらに砕けたウニを突いていたが,最後には,何と飲み込んでしまった。殻まで食べてしまうなんて,よほどおいしくて,殻にまで未練があったのだろうか。しかし,考えてみると,ヒトデを飲み込むカモメ類もいるので,性質自体が貪欲なだけなのかもしれない。

090215s_066 090215s_064  そういえば,種市海岸の道路沿いの防波堤には,このようにウニの殻が点々と置かれている。置いた犯人は,ウニの中身が大好きで,殻を食べない鳥だと思われる。そう考えると,カラスのような気もするが,カモメ類だってこのような食べ方をするかもしれない。
 いずれにせよ,種市には,ウニが好きな舌の肥えた鳥が棲んでいる,ってことだ。

090215e_0405 090215e_0417 090215e_0429  ワシカモメがウニを食べているのを見終わって,へぇ~凄いなぁ,と感心しながら佇んでいたちょうどそのとき,コクガンの群れが私の目の前を通過して行った。このときは油断していて,当然,カメラを構える余裕もなし。
 コクガンたちが目の前を通過しかけたときに,我に返って撮影したのがこの写真だ。もうすでに後ろ姿になっていたのが残念。

090215e_0439 090215e_0446_01 090215e_0473_01 090215e_0483  来た方を双眼鏡で覗いてみると,まだ残っていたので,また同じく目の前を通過して行くに違いない。しばらく待っていたら,期待どおり飛んで来てくれた。最初のより小さい群れだったが,すぐ近くを通過して行ったので,大きい群れだとしても群れ全体は写せなかっただろう。フレームの中に1~2羽しか入らない距離だった。

090215e_0518 090215e_0523 090215e_0529  空抜けの写真になってしまったので,もう少し待っていると,今度は目より下の高さを飛んでくれた。背景が海になったのは良いが,こういうときはピントを合わせるのが大変。AFだと油断をすると背景にピントが合ってしまう。かといってマニュアルにすると,強度乱視の私にはピントがつかめない。困ってしまうが,いつもテキトーにいじっていると,不思議に何とかなっている。カメラ様々だ。

090215e_0620090215e_0624 090215e_0632090215e_0657   これは,上の写真を撮影した後,モニターでチェックしている間に飛んできた群れだ。急いで撮影モードに切り替えたが,慌ててしまい,良いのは撮れなかった。上手な人やプロの方々はこういうときでも冷静に撮影できるのだろうが,常に冷静さを保っているのはむずかしい。あまりに良いチャンスに動揺してしまい,うまく撮影できなかった。いつもこんなだ。

090215e_0571 090215e_0596 090215e_0722  2日前は雲が厚く雨も降るような天気だったので,黒い体が文字どおり黒くつぶれて見えたが,この日は,天気が良かったので,黒い体が光で照らされ,また,目にも光が入った。黒くつぶされた写真が悪いという訳ではないが,やはりちゃんと目も見える方が良い。
 飛翔写真は撮影したので,今度は光を浴びた姿を撮影しようと思ったが,あ,と思う間もなく雲が広がり,暗くなってきた。

 お昼が近くなってきた時間だったので,近くのラーメン屋にお昼休憩に行き,天気の回復を待つこととした。

090215e_0887 090215e_0796 090215e_0817  しかし,時間を空けても回復の兆しなし。それどころかどんどん悪くなっていくようだ。しばらくハギマシコなどを探してみるが,こちらも見つけられず。そのうちに雪模様になってきた。右端の写真には雪の粒が写っている。
 この日は早い時間帯に仙台に着きたかったので,ここで切り上げ,八戸に戻ることとした。仙台へは八戸からの新幹線だ。

090215e_0902 090215e_0929 090215e_0935  名残を惜しみながら帰ろうと思い,帰り道も蕪島方面に寄ってみたが,雪の降り方が激しくなってきた。恵比寿浜漁港にはコクガンが2羽しかいなかったが,黒い体の前景に白い雪があって,きれいな絵になっている。静かに餌を取っているコクガンの前に,雪が静かに激しく降っている光景は感動ものだと思う。写真では伝えられない。

090215e_0988 090215e_0979  ゆっくりもできないので,すぐに蕪島方面に移動すると,マリエント前の海にコクガンの群れが見えた。いつも恵比寿浜漁港にいる群れがこのときはここに来ていたのだろう。おりしも雪が強くなってきたところで,濃い雪のカーテンの向こう側にコクガンが見える状態になっていた。雪は,どさどさと空をひっくり返したように降ってきた。
 撮影するには絶好のコンディションだ。

090215e_1006 090215e_1011 090215e_1035  車を降りて撮影を始めるが,コクガンたちから距離を置いたつもりでも近すぎて,全体が見えない。ず~っと歩いて離れて,ようやく雰囲気が伝わるような画になってきた。しかし,離れるってことは,間に白い雪がたくさんはさまることになる。元画像はもっと白っぽいがレタッチしてこのような画にしている。レタッチの可否も含めて,その程度に迷うところだ。

090215e_1059 090215e_1068  この類の鳥はどれもそうなんだと思うが,こいつらも雪をものともせず,普通に行動していた。気持ちよさそうにも見える。凄いもんだと思う。こういう環境に適応した体の構造や入念な羽づくろいなどがあって,こういう環境でも気持ち良く生きていけるのだろう。
 「大変だろうなぁ」と擬人化して考えるのは筋違いとは思うが,厳しい環境には変わりないと思う。

090215e_1077 090215e_1084 090215e_1093  こいつらは,あともう少しすると,北の地に帰ることになる。鳥にとって渡りは,生死をかけた旅ではあるが,たどり着く場所は,短い夏に一斉に生命が復活する天国だ。この厳しさはそれまでの辛抱だ。
 …,と思いたいが,向こうでも大変なんだろうなぁ,とは思うし,季節が巡って,まだ生き延びていれば,また厳しい冬を乗り切ることになる。

090215s_085 090215s_084  蕪島は朝と一変して,ウミネコ天国ではなくなっていた。上まで登って確認した訳ではないが,朝にあれだけいたウミネコの姿はほとんどないように見えた。コクガンがいたあたりからこのときの蕪島を見ると,このようになる。
 この記事の冒頭の蕪島とは,同じ日とは思えないような風景だ。

 この後,漁港に寄ってワシカモメたちと名残を惜しんでから,仙台への帰途に付いた。

 種市方面にはこの2年くらい行っていなかったが,今回は,それを埋めるくらいコクガンでお腹一杯になった。もうしばらくはコクガンを見なくても良い。満腹。
 心残りは2日目の航路の方だった。

【観察できた鳥】

2/13と同様,…と思う。(この日はメモせず)

【写真】(連続写真)

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