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2009/03/12

八戸-種市 2009/02/13

09:30 曇りのち雨

 JR東日本の≪大人の休日倶楽部会員パス≫を利用して,八戸・種市方面のコクガンを見に行くこととした。カモメ類やハギマシコなども期待できるフィールドだ。

 朝一番の東北新幹線に乗って,終点の八戸駅には9時前に到着。レンタカーを借りて,最初の目的地,蕪島に向かう。

 蕪島に行く途中,八戸港~鮫漁港などにちょこっと寄り道。

090213e_0003 090213e_0008 080213e_0093 車を停め,双眼鏡で見回すと,まずは港の定番スズガモの群れが見えた。しかし,何も混ざっていないようだ。カモメ類もいるにはいるが,オオセグロカモメにウミネコ,カモメ程度だ。
 で,すぐに別の場所に移動しようと思ったら,10数羽のウミアイサの群れを見つけた。

080213e_0082 080213e_0058 080213e_0028  ウミアイサは,派手な姿形も良いが,その姿に負けないくらいド派手なパフォーマンスが楽しい。このときも,期待にたがわず,求愛ディスプレーを盛んに行ってくれ,楽しませてくれた。
 胸を水面に沈めるようにして首を曲げたかと思うと,次にぐっと天を突きさすように首を上げる。このときの口を開けた表情が何とも言えない。
 ♀に向かって突進する姿もサービスしてくれた。

 移動して行くと,カモメ類も増えてきた。

080213e_0108 080213e_0382 080213e_0383  シロカモメは幼鳥を3羽確認できた。
 大型カモメ類の幼鳥は,あまり美しくないが,このシロカモメもだ。成鳥は目が金色で背中の色が淡くてとても美しいが,幼鳥(第1回冬羽)は全身が薄汚れた感じだ。成鳥は観察できる機会がとても少なく,東北地方で出会うのは大抵このタイプなのが残念。大人になっても継続して来てくれると良いのに。

080213e_0129 080213e_0156 080213e_0375  ワシカモメは港内のあちらこちらに沢山いた。
 幼鳥もいたが,やはり目が行ってしまうのはきれいな成鳥だ。体自体は大きくてがっしり系だが,ウミネコやオオセグロカモメなどよりもずっと体の色が淡く,尾のように突き出している初列風切羽まで淡い。

 至近距離から観察できたので,アップ用の写真も撮り放題。

080213e_0197_01 080213e_0218_01090213e_0932_00 090213e_0940_00   まずはワシカモメの特徴のひとつであるくちばしから。
 ワシカモメの「ワシ」は,このがっしりと太いくちばしから命名されたのだと思うが,私の場合,くちばしだけではよくわからない。太いのは太いのだが,名前ほど極端に太い訳ではないように思う。
 ここの張った写真はどれもワシカモメだが,見たとおり別個体だ。くちばしの形も違うし,斑の色も違っている。どれも成鳥だ。

080213e_0174 080213e_0171_01 080213e_0180_01 080213e_0181_01  これは運良く撮影できた決定的瞬間だ。
 カモメ類は大きく口を開けることが多いが,至近距離から,しかもこの角度から撮影できたのは幸運だった。日頃見られない舌の形状がよくわかる。
 先端から3分の2くらいまでは,「普通」にてろんとした形だが,奥の方はでこぼこしている。軽々に断定はできないが,一旦くちばしでくわえた獲物を逃げないよう,喉の奥に送りこみやすい形のように見える。

080213e_0193 080213e_0227 080213e_0197_02 080213e_0196  お尻から突き出した初列風切羽や目,足も押さえておいた。
 左側2枚の写真のとおり,初列風切の先端も灰色だ。ワシカモメの識別は,くちばしなどよりここがわかりやすい。私でもわかる容易な識別ポイントだ。よく見ると背中の色より若干濃い灰色になっていた。
 目(虹彩)は暗色タイプが多いというが,拡大して見るとこんな感じだ。

080213e_0212 080213e_0420 080213e_0412 080213e_0127 ワシカモメを撮影した「ノリ」で,他のカモメのアップも撮影していた。
 幼鳥~成鳥,冬羽~夏羽,それぞれの段階ごとの写真を撮ろうとすれば1日がかりになってしまうので,とりあえずその辺にいた個体の写真を撮影した。左から,ウミネコ,オオセグロカモメ,セグロカモメ,シロカモメだ。左から2番目のオオセグロカモメはすっかり夏羽になって頭が白いが,セグロカモメはまだ冬羽で黒っぽい斑が残っている。本来オオセグロカモメの「人相」の方が悪いのだが,この写真ではセグロカモメの方の方の「人相」が悪い。
 セグロカモメはこの1羽しか見つけられなかった。この日,ここの場所では,シロカモメやワシカモメより希少なカモメだった。

 カモメ以外の海鳥では,スズガモやウミアイサのほか,シノリガモとヒメウも入っていた。

080213e_0348 080213e_0307 080213e_0454  シノリガモは,岸壁近くに♂♀のペアが浮かんでおり,じっと待っているとすぐ近くまで寄って来てくれた。あちらこちらで出会うカモだが,いると必ず撮影してしまうカモだ。雲が厚かったため色が出なかったものの,鏡のような水面に浮かぶ姿がきれいだった。
 ヒメウは岸からやや遠い場所に浮かんでおり,黒くてほっそりした姿を,キラキラした水面を背景にして楽しむことができた。

 蕪島に到着。

 蕪島はウミネコの繁殖地として天然記念物に指定されているが,いるのはウミネコだけではない。数百羽のハギマシコの群れが飛び交うこともあるし,近くの海にはシノリガモやコクガンなども入る。

080213e_0471 080213e_0476 080213e_0488080213e_0488_01  蕪嶋神社の駐車場に車を止めようと隣接する漁港を何気なく見ると,ワシカモメが面白いことをしていた。水面に浮かんでいるが,飛び上がっては頭から水に突っ込んでいく。水面下に何かいたのだろう。
 チャンスだったので,翼を狙って撮影させてもらった。翼を広げると,先端はこのようになっている。

 蕪島自体は何もいなかった。ハギマシコの群れはおろか,ウミネコの群れさえ見えない。仕方ない。また今度に期待しよう。

080213e_0501 080213e_0513 080213e_0528  海沿いに南側に移動し,マリエント(八戸市水産科学館)周辺を覗くと,シノリガモの群れが入っていた。しかし,同時に雨が降って来て,あっと言う間に土砂降りになってきた。すぐに止むような雨ではない。
 レンズにコートを着せて車の外に出ると,皆後ろを向いて遠ざかって行ったが,すぐに振り向いて戻って来てくれた。写真を見ると,雨粒が水面に細かい穴を穿っているのがわかる。

 次に,すぐ近くの恵比寿浜漁港に移動。
 ここはコクガンのポイントになっており,前回来たときもここで観察できている。

080213e_0557 080213e_0627 080213e_0670  若干の不安を抱きながら漁港を覗き込んだが,ひと安心。こちらは期待どおり,10羽程度のコクガンが入っていた。ここに来るコクガンは大体こんなもんだろう。
 車の中から,雨の吹き込みと闘いながらの撮影だった。これもまた楽し。
 車の中もずいぶん濡れたが,コクガンたちもびしょ濡れだ。

080213e_0731 080213e_0747 080213e_0763_01  本当はどうなのかは,本人たちに聞いてみないとわからないが,こういう光景を見ていると,雨が好きなように見える。雨に打たれながら,溝に溜まった雨水をおいしそうに飲んでいる。右端の写真の表情がとても良い。背中に溜まった水玉も何とも言えない。
 人だって,たまには直接雨に打たれるのは気持ち良いものだ。

 次は,種差海岸や階上の海沿いを南下して,種市へ。

 種市には,大きな群れのコクガンを期待して来たのだが,まずは港の中を覗いてみる。
 ここにもいたのはワシカモメやシノリガモたち。

090213e_0932 090213e_0940 090213e_0958 この周辺はワシカモメがとても多く,どこに行ってもワシカモメと出会える。八戸で沢山写真を撮ったのに,目の前にいるとついレンズを向けてしまう。シノリガモも同じだ。
 長い間鳥見をしていても,いつまでも同じような鳥で喜んでいるから,初心者の域を出ない。わかってはいるが,たぶん,どの鳥に関しても「卒業」てのはあり得ない。飽きることはない。ず~っとこのままだろう。やむなし。

 コクガンはたくさんいた。

 種市海岸のあちらこちらにいた。

 集団で飛び交っていた。

 そして,最後には,どっさり1か所に集まった。

 さすが種市だ。

 たくさんのコクガンを見たし,また,写真を撮りすぎてしまったので,どの写真をどのような気持で撮影したのかも,思い出すのが大変だ。
 今回は,山ほどの写真からピックアップして記録しておくこととする。

090213e_0995 090213e_1034 090213e_1026 090213e_1022  これは,ここで最初に出会ったコクガンだ。浜に上がって,入念に羽づくろいをしていた。
 鳥は尾の付け根の背中側に尾脂線(びしせん)という器官があって,ここから分泌される油を塗って羽の手入れをするようだ。特にガンなどは水に常に接する鳥なので,とても大事な手入れなのだろう。
 コクガンの体の上で水玉が踊るのは,こういうこまめな手入れがあってのことだ。

090213e_1100_00 090213e_1100 090213e_1095  これは「トトロ」。
 水面下の海藻を採るために逆立ちしている姿は,宮崎駿さんの「となりのトトロ」のようだ。アニメの世界の生き物が,現実化して,沢山出現している。
 もしかすると,コクガン以外のガンカモ類でもトトロに変身する種類はいるかもしれないが,他のガンカモはどうなのだろう。

090213e_1165 090213e_1937 角度を変えるとこのように見える。
 ガンの仲間は警戒心が物凄く強く,近くで隙を見せてくれないイメージなのだが,このコクガンだけは別だ。隙だらけだ。
 変な生き物が変なものを持ってじーっと見ているのに,頭を隠して,こんなあられもない姿を見せている。無防備なことこの上ない。
 気付かれないように,ツン,ツン,突っついて見たくなる。

 1か所に集まったコクガンは最大で75羽の群れとなった。

090213e_1854 090213e_1805 090213s_214  最初は飛ばさないように遠くから見ていたが,同じレベルから見たくなり,思い切って浜まで降りてみた。警戒して遠ざかってしまうのを心配したが,全然大丈夫。目の高さで見られる上,とても近い。
 私とコクガンたちの間を地元のばあちゃんが普通に歩いて横切って行ったが,コクガンたちは,何も気にしていないようだった。のどかな光景だ。

090213e_1909 090213e_2019 090213e_2164090213e_2237  とはいえ,気が小さいので,しゃがんだままじっとしていると,私の目の前の波打ち際をコクガンたちが行ったり来たりする。
 距離にして20~30mだったろうか。凄く近い。コクガンが1羽1羽目の前を横切る様は,レッドカーペットの上をゆっくり歩く映画俳優のようだ。1羽1羽の体つきや顔付が異なるのもよくわかる。至福の時間が続いた。
 すっかり満足して,立ち上がろうとしたときは,すっかり足が痺れていた。

090213e_1648 090213e_1667 090213e_1687  コンデジがポケットにあったものの,眼デジのレンズは長玉しか持って行かなかったので,群れ全体を撮影するには,かなり離れなければならない。驚かさないよう近づくために苦労することが多いが,せっかく近くまで寄った場所からわざわざ離れることはあまりない。
 これもまたとても嬉しいことだ。

 小鳥類では,ハギマシコが登場してくれた。

090213e_1301 090213e_1325 090213e_2361  4羽の小さな群れが,北側の小さな港からお墓のあたりにかけて移動しながら餌を取っていた。赤い鳥ではあるのだが,オオマシコやベニマシコの鮮やかさはなく,地味な色合いの鳥だ。こういう色も渋くてなかなか良い。目の前にいるとひいき目になるのだろう。これが一番味わい深く,好きな色に思えてくる。
 ひと所にじっと落ち着くことなく,すぐに飛んでしまったのが残念だった。

 ハギマシコを観察しているとき,オナガガモが飛ぶような大きな集団で飛んでいくガンカモ類がいた。何かと思って双眼鏡で確認すると,コクガンだった。これだけの大きな群れが飛ぶ姿は「見事」のひと言だ。見とれてしまい,撮影はできなかったが,脳裏にしっかり焼きついた。

 この日は,種市でハギマシコが帰ってくるのを暗くなるまで待っていたが,再び現れることはなかった。

 この日はカモメ類,シノリガモ,コクガンの日となった。
 収穫はコクガンの大きな群れが飛ぶ姿を見られたこと。いゃ~凄かった。

【観察できた鳥】

オオセグロカモメ,カモメ,ウミウ,スズガモ,ウミネコ,ウミアイサ,シロカモメ,オオバン,ホシハジロ,ワシカモメ,ハシブトガラス,セグロカモメ,ヒメウ,カルガモ,シノリガモ,コクガン,ハシボソガラス,ツグミ,ヒドリガモ,スズメ,シジュウカラ,アオジ,ベニマシコ,イソヒヨドリ,ヒヨドリ,ハクセキレイ,マガモ,アオサギ,ハギマシコ,ビンズイ,キジ,ホオジロ,クロガモ,エナガ,ミソサザイ,コゲラ,アカハラ (37種)

【写真】(種市のコクガンはコンパクトデジカメでも撮影できる。)

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コメント

yamameさん,こんばんは。
すごい数のコクガンですね。いるところにはいるんですねぇ。ビックリです。
ワシカモメの舌って面白い形状ですね。初めて見せてもらいました。勉強になります。
ウミアイサのディスプレーは面白いですよね。
♂同士で1羽の雌に気に入られようと競争して,大変だと思います。
♂は♀ならどの個体でも良いわけではないようですね。私が観察したときには,近くに別個体の雌がいて,雄のそばにそれとなく寄っていくのですが,まったく無視して♂同士で別の雌を追いかけていました。
鳥の世界にも美人?不美人?があるのかなと思っています。(笑)

投稿: konpas | 2009/03/13 21:17

konpasさん,おばんです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

ウミアイサは本当に面白いですよね~。♂の中には♀なんかどうでも良くって,ただ単に騒ぎたい輩もいるような気がしています。

投稿: yamame | 2009/03/13 21:53

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