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2009/02/26

小金井公園 2009/02/11

10:30 曇り

 東久留米でヒクイナを見た後,バスで小金井公園に移動した。
 小金井公園には,アトリやシメ,イカルの群れが入っているということだった。イカルの群れにはコイカルも混ざっているらしい。できればコイカルと出会いたかったが,イカルの「群れ」を見たことがないので,これに出会えればそれだけでも良い。

090211s_017 090211s_021 090211s_054 090211s_020 バスを降りて公園西口から入るが,ポイントは東口に近い方だ。かなり広い公園なので,散策気分でのんびりと歩いて行く。
 歩いていく途中,咲きほころんできた梅と出会った。もうこんなになっていた。まもなく梅まつりも始まるようだ。今年は春が早いようで,仙台でも梅が開花したようだが,まだこんなではない。ひと足早い春に出会えて気持ち良い。

 鳥見のポイントに着いてからは,のんびりと気持のよい鳥見することができた。以下,出会った鳥ごとに書いていこう。

090211e_0008 090211e_0045 090211e_0173  最初に出会ったのはアトリの群れだった。
 アトリは,最初ソリゲレンデの斜面で群れと出会い,その後もドッグラン東側方面で何度か群れと出会った。人が通るたびに,数十羽の群れが一体となって,地面に降りたり,木に止まったりを繰り返していた。飛びながら,キョ,キョ,…,と鳴く声が,何ともいえずめんこい。
 群れの中には頭が黒っぽくなってきたものも何羽か混じって来ていた。

090211e_0205 090211e_0149  大きな群れにはなっていなかったが,シメは園内のいたる所にいた。
 この鳥は,仙台でも,街中の公園で越冬するなど,ごくごく普通の冬鳥なのだが,この冬,シメがいるような場所にあまり行っていなかったので,とても懐かしい感じがした。久しぶりの友人に出会ったような感じ。左が♀で,右が♂かな。

 地面で餌を取っており,アトリと同じように,人が通るたびに木に止まったり降りたりを繰り返していたが,アトリほどの集団性はなかった。

 シメは,元々「寄れる」鳥だが,この日も至近距離から撮影する機会があった。せっかくなので,「な~んだシメかぁ」などと言わずに,しゃぶるようにしてシメを味わってみよう。

090211e_0496_02 090211e_0501  シメの特徴は何といっても,このがっしりしたくちばしだ。
 冬には赤ちゃんの肌のようなピンク色だが,夏にはターミネーター2に出てくるT‐1000のようなメタリックな色になる。メタリックに変身したシメのくちばしを初めて見たのは昨年の飛島だったが,そのときは,大,大感激だった。どういう仕組みで金属色に変わるのかとても不思議。

090211e_0532 090211e_0534  この日は,まだメタリックにはなっていなかったが,冬のピンクともまた違う色だった。写真ではそうとは見えないが,実際はもっとメタリックっぽく見えた。少しラメが入ってきた感じだ。少なくとも,赤ちゃんのようにうぶできれいなピンクのくちばしはなかった。そういう時期になってきているということだ。

090211e_0462 090211e_0465  シメのずんぐりむっくりした体型をめんこく見せているのは,灰色のマフラーをしているところだと思う。
 前向きや横向きの姿だと,顔の印象が強すぎて目立たないが,首の周りのマフラーもなかなかだと思う。中尾彬のねじねじに匹敵すると思う。中尾彬がマフラーを外すことがあっても,こいつはたぶん外さない。

090211e_0496_01  見どころ一杯のシメだが,ここんとこもとても面白い形をしている。
 何でこんな形になっているのか,その必然性が見当も付かない。ギザギザと表現したら良いのだろうか。銀杏の葉のような,また,手裏剣のような特徴ある形の羽根になっている。ここは次列風切の部分なのだろうか。図鑑には「次列風切外弁」と表現していた。羽根の羽軸を挟んで,広くて体側に来るのが内弁,狭くて体から見て外側の方が外弁というらしい。羽根図鑑を見れば掲載されているのだろうが,あいにくまだ入手していない。
 羽根収集家にとっては,オシドリの銀杏羽とともに欲しい羽根の1枚に違いない。

090211e_0496 090211e_0490 090211e_0487  シメは,この他にも,虹彩の色やくちばしの周りの色,ギャング風の顔立ち,ずんぐりしたプロポーション,尾の先の白,♂♀の違い,等々,味わい深い所がたくさんある。今回は,思っていたより写真を撮っていなかったので,この程度しか記載できなかったが,機会があればいつかこの続きを撮影して書きたいものだ。

090211e_0213 090211e_0282 090211e_0283  予定していなかったのに出会えたのがこの鳥。トラツグミだ。山形方面では結構今年は当たっているようで,向こうの鳥友がブログ等に掲載していたのを見ていたが,思わぬ所で出会ってしまった。遊歩道を歩いていたら,枯葉が敷き詰められた地面の窪みに黄色っぽい背中が見え,回り込んで確認したら,やっぱりこいつだった。

 近くに寄って行くと,先客が3人いて,互いに無言で黙々と撮影していた。

090211e_0236 090211e_0253  三脚を立てたまま寄ると飛ばしてしまうかと思って,脚を縮め,姿勢を低くしながらそ~っと寄って行ったが,他の人は普通に立って三脚を伸ばしたまま,スタスタと普通に近づいて行く。どんどん寄って行く。「おい,おい」とは思ったが,公園の人慣れした鳥って,意外と飛ばない。追いかけては遠ざかり,さらにまた追いかける。東北とは鳥見文化が違うようだ。
 見ていて面白くはあったが,身につまされる光景でもあった。

 唖然として見ている内に,鳥も人もドンドコ遠ざかって,はるか向こうに行ってしまった。そのうち何回か飛ばして,最後には見失ってしまったようで,さっきの人たちは別の場所に移動してしまった。

090211e_0360 090211e_0438  トラツグミが戻ってくるのを強く期待していた訳ではないが,動くのも面倒なので,雰囲気を楽しみながらしばらく同じ所にうずくまっていたら,運良く,私のすぐ近くに戻って来てくれた。餌取りの途中で追い出されてしまったので,心残りがあったのだろう。
 幸運だった。公園内に鳥見人が沢山いる中で,このひとときはトラツグミを独り占めだった。何たる幸せ。

090211e_0382 090211e_0383 090211e_0299  見ていると,土を掘り返して餌を探している。大好きなミミズでも期待しているのだろうか。盛大に土をはじいているのが面白い。最初は顔を上げたところを狙ったが,やはり土を跳ね上げたところも押さえておかなくてはいけない。
 良く見ると,土をほじくるときに瞬膜をしっかり閉じている。

 ところで,トラツグミって他の鳥にはない魅力がある。

090211e_0413 090211e_0322  トラツグミは,夏の夜,深い森で笛のような物悲しい声で鳴く鳥で,「鵺」(ぬえ)とも呼ばれている。ある年代以上の人にとっては,≪鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい≫ という角川映画(のキャッチコピーで「ぬえ」という呼び名は耳に馴染んでいることと思う。
 たどっていくと,万葉の時代から「ぬえ」は鳥の名前だったようだが,平家物語の中で初めて妖怪・怪物の類(たぐい)としての「ぬえ」が語られるようになったという。

 以来,夜に物悲しい(ときには不気味な)声で鳴く鳥と,恐ろしい姿の怪物のイメージが重ねられるようになったようだ。

090211e_0358 090211e_0292 090211e_0413_01  このように,トラツグミは,単に鳥類の一種ということに留まらず,歴史や文化,そして,いろんな物語を背負っている。
 そういうことを踏まえて改めて見ると,今,目前にあって,さかんに餌を取っているこの鳥から,目に見えない,奥深い,大きなものが感じられてくる。

 そんな生き物が,今,目の前にいる。

090211e_0407 090211e_0413_02 090211e_0438_01  さて,姿形の魅力はどうだろう。
 ムナグロのような金色の背中の魅力は言うまでもないが,お腹の模様も味わい深い。よくよく見ると,お腹に黒く並ぶ三日月型の斑は,鳥が飛ぶ姿そのもの。この体に無数の鳥を封じ込めたようだ。そういう目で見ると,ここから新しい物語ができそうだ

 「トラツグミの体には鳥がたくさん棲んでいる。」

 いつか,どこか人の目が届かない場所でこの鳥が死んだとき,その体から無数の小さな鳥が飛び出すイメージ。そして,またその鳥たちが集まって,新しい命を作るイメージ。
 何だかいけそうな気がする。

 さて,本命のイカルだ。

090211e_0580 090211e_0587 090211e_0564  ドッグラン周辺を午前中一杯使ってうろうろしたが,イカルは1羽も見つからない。あぁ,また外してしまったかぁと思いつつ,念のため公園東口の方まで歩いて行くと,東口に近接した林を取り囲むように人が集まっている。そうか,この日のポイントはあそこだったんだ。
 慌てず騒がず,まずは目の前にいるシジュウカラやツグミを撮影し,心を落ち着かせる。

090211s_035 090211e_0600 090211s_032  寄って行くと,いた,いた。
 イカルの大きな群れが,大きなケヤキの下に入っている。後で人の会話を漏れ聞いたところでは300羽もいたそうだ。これだけの群れになると見ごたえがある。こんな大きな群れと出会ったのは初めてだ。大感激。黄色い大きなくちばしがとても目立ち,肉眼でも十分楽しめる。通りすがりの「普通人」も足を止めて感激している。

090211e_0619 090211e_0654 090211e_0674  食べていたのは多分ケヤキの実と思うが,食べる音がまた凄い。パチ,パチ,パチ,パチ,と,音が二重三重に重なり,群れ全体からわき上がってくる。実を割るときに実から出る音か,それとも,実を割るときにくちばし同士がぶつかって立てる音なのかわからないが,聞きごたえ十分。こうした音と動き回るカソコソいう音と相まって,現場にいないと味わえない独特の雰囲気を醸し出していた。

 のっけから数や音に圧倒されてしまったが,コイカル探しもせねば。

090211e_0761090211e_0758 ということで,てっとり早く,近くにいた人に聞くと,この日はまだ見ていない,という。人頼みにしないで自分でも時間をかけて探すがやはり見つからない。
 重ねてお聞きすると,前日は♂♀各1羽入っていて,♂はオレンジのお腹がとてもきれいだったという。木の枝にとまったりもし,大サービスだったようだ。「昨日まではいたのにね~。残念でしたね~。」というよくあるパターンとなってしまった。

 しかし,コイカルがいなくってもこれだけの群れと出会えたのだから,これはこれで良い。

090211e_0789 090211e_0770 090211e_0778  遊歩道で囲まれたこの場所を取り囲むように鳥見人たちがいたが,イカルたちは人をあまり気にすることなく一心に餌を食べていた。ときおりシメの声などに驚いて枝に上がるが,すぐにまた降りて餌取りを始める。何事もないと,かなり近くまで寄って来てくれる。
 初夏に山の木々でイカルを見かけることはあるが,そういうときは,遠い上に下から見上げるようになることが多い。また,1か所に落ち着かず動きまわってさえずるので,満足な写真を撮ったことがない。そういうことを考えると,この状況は物凄いことだ。

 至近距離から撮影できる。

 シメと同じようにアップで見てみよう。

090211e_0674_02 090211e_0704 090211e_0722  まずは,くちばし。
 イカルの体で一番目立つのは,大きく黄色いくちばしだ。このくちばしで,パチ,パチを音を立てていたわけだ。指をかまれたら痛そうだ。シメのくちばしも強そうだが,こちらの方がさらに強そうだ。固い木の実でも割れそうだ。何かで読んだ記憶があるのだが,このくちばしに見合った筋肉も顔面にあるそうだ。
 くちばしにケヤキの実の「渋」が滲み込んだ様が何ともめんこい。

 ところで,イカルが人間だとしたら,歯が丈夫で顎ががっしりした,四角い顔になるのだろうか。サブングルの加藤かスマップの草彅のような顔か。「ツルの恩返し」ではきれいな娘さんに変身するが,「イカルの恩返し」では,…,具体的な想像はしないでおこう。

090211e_0843_01 090211e_0862090211e_0751  上と同じような写真だが,今度は頭の模様に着目してみよう。
 くちばしの黄色と体の灰色の間に濃紺が挟まっており,この色が効いている。すっぽりと濃紺の覆面を被ったような顔付だ。このマスクがなければ,マスクをとったデストロイヤーのようでしまりがない。
 ちなみに,マスクマンは,このイカルのほか,ウソ,アトリ,ノビタキ,コジュリンなど,考えてみると意外に多かった。ハヤブサだってそうだった。
 どこかの野鳥誌で「マスクマン特集」なんて組むと面白いと思う。

090211e_0859_01 090211e_0637 090211e_0958  翼は,シメほどのユニークな形の羽はないものの,やはり特徴的なのでキチっと押さえておきたい。
 地上でポーズを取っていると,グレーの体にはっきりした黒・青・白の色がとてもきれいだ。灰色の体にアクセントを与えてくれている。
 翼の表裏をきちんと撮影するには通わなくってはいけないだろうが,運良く何とかわかる写真が撮影できていた。翼の両面の先端近くに白い帯が写っているのがうれしい。

090211s_037  イカルたちはず~っとここで落ち着いて餌を取っていたが,大胆にも,イカルの群れのど真ん中を突っ切ってくれたカップルがあった。これには,人慣れした公園のイカルでも,逃げざるを得ない。飛んだ後はすっかり閑散として,再びここに戻ってくることはなかった。
 以前,仙台の公園で珍しいヒタキを見ていたとき,ずらりと並んだ三脚ととそのヒタキの間をのんびり歩いていた人がいたが,同じようなもんだ。一般の人には,人が集まって何をしているのかわからないのだろう。やむなし。

090211e_0897 090211e_0941 090211e_0957  飛んでしまったイカルたちを探すとほどなく見つかったが,散らばってしまい,最初の群れよりもずいぶん少なくなっていた。皮肉なことに,ここも公園の出入口で,自転車や歩行者が出入りするたび,近くの木に飛び上っていた。
 そのうち,何かのきっかけでまた飛んでしまい,別の場所に移動したが,ここも遊歩道に面した場所で,人が通るとさらにまた移動してしまった。

090211e_1052 090211e_1060 090211e_1069_01  この間,林の中で面白い光景を見ることができた。
 小枝をくわえているイカルだ。見たまんま,木枯らし紋次郎のようにくちばしを掃除しているのであれば面白いのだが,巣作りの練習を兼ねて遊んでいた,というところか。
 このとき,運良く足の写真も撮影できていた。幸運だった。

 この辺でそろそろ時間。ワールドカップアジア予選(日豪戦)が午後7時から放送されるので,その前に風呂に入ってビールを飲めるよう,早めに家に到着したい。

 帰り道は,イカルの群れやシメ,アトリ,トラツグミなどが見送ってくれ,最後まで気持ち良く公園内を歩けた。

 この日,コイカルには出会えなかったが,思っていた以上にゆっくりと楽しめ,久しぶりに良い鳥見ができた。お陰様だった。誘っていただいたKさんには重ねて感謝申し上げたい。

【観察できた鳥】

ハシブトガラス,ハシボソガラス,コゲラ,シジュウカラ,カワラヒワ,キジバト,シメ,アトリ,ハクセキレイ,サギsp,トラツグミ,ヒヨドリ,ムクドリ,モズ,エナガ,イカル (16種)

【写真】(イカルばっかし)

090211e_0616 090211e_0619 090211e_0630 090211e_0633 090211e_0637 090211e_0644 090211e_0651 090211e_0654 090211e_0668 090211e_0674_01 090211e_0681 090211e_0694 090211e_0705 090211e_0710 090211e_0744 090211e_0751 090211e_0760 090211e_0761 090211e_0778 090211e_0801 090211e_0829 090211e_0843 090211e_0859 090211e_0866090211e_0876 090211e_0893 090211e_0894 090211e_0941 090211e_0947 090211e_0958 090211e_1012 090211e_1023 090211e_1058 090211e_1062090211e_1069 090211e_1076 090211e_1078 090211s_042

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コメント

 yamameさん、関東にいらしていたんですね。私は7日に黒目川へヒクイナを見に行って、14日にも黒目川と小金井公園の両方に行ってきました。
 ヒクイナは両日とも見られましたが、コイカルは外しました。朝早くに♀だけいたという話でしたが……。7日はコイカルのことを知らなかったので、小金井公園までは行きませんでした。知っていれば行ったんですが、こんなもんですね。
 ヒクイナを見たのは20年ぶり位で、その頃は前橋の休耕田でも見られたのですが、最近は全く見あたりません。久しぶりの再会で感激でした。
 この黒目川はいい環境で他の鳥も沢山いてのんびりしながら鳥見をできる素晴らしい場所だと思いました。ところが、近いうちに護岸工事が予定されていて、両脇の草地等がなくなってコンクリート?の水路のようになってしまうと地元の人に話を聞きました。何とも言えず残念です。私の自宅近くにはそのような用水路が多いのですが、そうなってしまうとカルガモ位しかいなくなってしまいます。

投稿: ペン | 2009/02/28 07:23

ベンさん,おばんです。
コメントありがとうごさいます。

黒目川のあそこは,街中だし,両岸がしっかり施工されていますので,これ以上護岸工事は必要ないと思います。大丈夫でないでしょうか。ダイサギやカワウなども生活しているので,魚も多く,奥深いところなんでしょうね~。万が一工事すろのであれば,その予算,別の場所に欲しいです。

投稿: yamame | 2009/02/28 21:24

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