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2009/01/24

県南沿岸 2009/01/17

(松川浦) 12:00 晴れ
(釣師浜) 12:50 晴れ
(磯浜) 13:50 晴れ
(鳥の海) 15:25 晴れ

 青い空がとてもきれいだった。青空にカモメが飛ぶイメージが頭に浮かんだ。海に行くことにしよう。

 外に出ると朝方降った雪がかなり積もっている。家の前の雪かきをし,車に積もった雪を降ろしてから出発した。ところが,岩沼~亘理の方までに行くと,雪が降った形跡なんて全くない。同じ県内でもずいぶん違うものだ。

 最初に福島の松川浦まで行って,そこから沿岸を北上することとした。

 まずは松川浦漁港。
090117s_001 090117e_0232 090117e_0237  ここにはカモメ類を期待して来たのだが,何もいなかった。
 というか,ほとんどいなかった。いたのは,オオセグロカモメとユリカモメ,そしてカモメが数羽だけだった。青空を背景に,光に透けた白い翼が無数に行き交っているイメージが頭にあったが,すっかり幻に終わってしまった。残念この上ない。
 張ったのは数少ない中の1羽だ。

090117e_0022 090117e_0040 090117e_0284  気を取り直して海上を見渡すと,いつもいる場所に,ユリカモメやカモたちが一か所に固まって浮かんでいる。カモはスズガモのようだ。せっかくの好天で光の当たり具合が良かったので,スズガモの頭の緑光沢を撮っておこう。
 コスズガモと出会うまでは気にも留めていなかったが,この頃,頭の光沢の色が気になって仕方ない。頭が紫色のスズガモを探したが,どのスズガモも頭が緑色にピカピカ光っていた。

 ここにはハジロカイツブリも10羽以上入っていた。

090117e_0015 090117e_0121 090117e_0074  ハジロカイツブリは岸に近い所で潜水を繰り返すことも多いので,至近距離くから観察・撮影できることがある。このときもそうだった。
 近くから見ると,くちばしが上に反っているのがニコニコしているふうにも見える。
 また,体をブルブルして羽を整えるときは,体全体が毛玉のようにホワホワになった。

090117e_0056 090117e_0084 090117e_0188 090117e_0117  ボケーっとしながら見ていると,羽ばたきしたり,口を開けたり,いろんなポーズを取ってくれた。羽ばたくと次列風切が白いのがよくわかる。
 繰り返し何度も潜っているが,獲物を捕える場面はなかなか見られなかった。一度小魚をくわえて浮上してきた場面を見られたが,即,それを狙ったユリカモメに襲われて,慌てて潜っていった。

 次は釣師浜漁港に移動。

090117e_0450 090117e_0437  ここもカモメがほどんどいなかった。
 いたのはオオセグロカモメが4~5羽とカモメが1羽だけ。オオセグロカモメはすっかり頭部が白くなり,目の縁が赤くなっているものもいた。この時期に「夏羽」と表現するのも変だが,カモメの世界ではごく普通に1~2月に夏羽に換わるものが多い。「冬来たりなば,夏遠からじ」ってところか。春をすっ飛ばしている。

090117e_0408 090117e_0417  大型カモメ類は幼鳥や若鳥は「こ汚く」見えるので,これまで敬遠がちだったが,これだけカモメ類が少ないと,どうってことない幼鳥にも目が行ってしまう。
 オオセグロカモメは,体全体の濃淡(コントラスト)が一様で,黒く突き出している初列風切に白っぽい縁があるようだ。ワシカモメは突き出している初列が黒くないし,カナダカモメは体が小さい上にくちばしも小さいようだ。

090117e_0390 090117e_0379 090117e_0342  港内には例年ミユビシギが冬越しする場所がある。
 ここを覗いてみると,今年も10羽程度の群れが入っていて,この1羽1羽が,首をバイブレーターのように動かして餌をついばんでいた。毎年ここのスポット,しかも,この数m四方に来ている。これって,凄いことだと思う。
 このすぐ近くでは,シロチドリがひとりぼっちで餌を探していた。こちらは浜の方から遠征してきた個体か。

 浜(海水浴場)の方にはいつもカモメ類がたくさん入って,とても良い観察ポイントになっているのだが,この日このときは1羽もいなかった。沖の方をスコープで探したが,海鳥もいない。かろうじてクロガモが見えただけ。
 通っているとこんなときもある。やむなし。

090117e_0511 090117e_0647 090117e_1110  磯浜漁港に向かう途中,前回来たときにクロガモをすぐ近くから観察できたポイントに寄ってみた。一昨年の4月に貨物船「ジェーン号」が座礁して,そのまま撤去されずにある場所の100mくらい南側の海上だ。
 こちらは期待どおり,前回同様,数多くのクロガモがすぐ近くに浮いていた。

 前回来たときも山ほど写真を撮ったのだが,こういう場に来ると,つい夢中でシャッターを押してしまう。
 県内でこれほど良い条件でクロガモの群れを観察・撮影できるところは他にないと思う。光の角度も鳥までの距離も理想に近い。鳥の種類ごとに好ポイントがあると思うが,私の知る限りでは「クロガモならば磯浜」。ここだ。

 前回はクロガモを撮るだけで嬉しくって,手当たり次第にシャッターを押していたが,この日はちょっとだけ狙ってもみた。

090117e_1013 090117e_0855 090117e_0837  まずは,群れの賑やかさがわかる写真。
 クロガモの密度が高いところや遠くの群れを狙うことで,フレームに多くの個体が入るように撮ってみた。数だけでなく,できれば動きもある方が良い。
 当然と言えば当然だが,遠くの群れより,近くに密度濃くいる方が迫力がある。

090117e_1079 090117e_1080 090117e_0860 090117e_1006  これはクロガモの波乗り。
 大きな波が来ると,背景の海が壁のようにせり上がって来て,波の頂上まで行くと,次の瞬間,波の陰に入って見えなくなる。この繰り返しだ。
 海が荒れて波が激しいときは,波頭を潜って回避するようだが,この日のようにゆったりした波のときは,大きい波でも水面にプカプカ浮いたまま波をやり過ごすようだ。

090117e_0573 090117e_0839  鳴く姿は狙ってもなかなか撮れるものではない。
 撮影が上手な人は狙って撮っているのかもしれないが,私には無理。北風が吹くような,ピューピューいう声がする方向にレンズを向け,「数打ちゃ当たる」方式で撮影するしかない。たくさんのショットの中に1枚撮れているのがあればそれで良い。

090117e_0999 090117e_0538 090117e_0768  個体ごとの姿も撮影しておきたい。
 ♂は体が真っ黒なので,目が消えてしまいがちになる。できるだけ目に光が入って,表情がわかるように撮りたい。
 きれいなので,つい♂中心にレンズを向けてしまうが♀も押さえておきたいし,それ以上に,♂若はきちんと撮影しておきたい。

090117e_0823 090117e_0827_01 090117e_0950_02 090117e_0954  観察していると,沖の方から飛んで来て,群れに混ざる個体もある。
 飛翔写真は,向こうから近付いてくるターゲットにピントを合わせるのがとてもむずかしい。ほとんどがぼけてしまったが,ここに載せるくらいのサイズであれば,何とか使えるものも何枚かは撮影できた。
 翼はまっ黒に見えないが,色が灰色なのではなく,光が透けて見えるのだろうか。

 またもやクロガモで長くなってしまった。

 次は磯浜漁港のチェックだ。

090117e_1123 090117e_1146 ここにはスズガモが数羽浮かんでおり,その他にミミカイツブリが1羽入っていた。
 潜水を繰り返しながら移動してくる先で待っていたら,かなり近い所に浮かんで来てくれた。さっきのハジロカイツブリ同様,至近距離から撮影できた。
 ハジロカイツブリはやんちゃで元気なガキンチョという感じだが,こちらの方は,ややお坊ちゃま風の匂いがする。

 ハジロカイツブリとは,「くちばしの反り」や「頭の白と黒の境界のあいまいさ」,「頭の形」などが主な識別点となっているが,至近距離からだと,他にもお楽しみの識別ポイントがある。
 それは,「くちばしの先」と「瞳孔の周囲の色」だ。

 この日に撮影したミミカイツブリ(左2枚)とハジロカイツブリ(右)のアップを,並べて比較してみる。

090117e_1146_up 090117e_1123_up 090117e_0154_up  ミミカイツブリのくちばし先の白いのは,見たとおりで,一目瞭然だ。
 瞳孔の周囲の色は良く見ないとわからないと思う。ハジロカイツブリもミミカイツブリも虹彩が赤いのは変わりないが,よく見ると,ハジロカイツブリの赤一色に対し,ミミカイツブリの方は,瞳孔の周囲が黄色に縁どられている。
 くちばしの先の色は図鑑にも書いてあるが,瞳孔の縁の色まで書いてある図鑑はあるだろうか。当然,これは剥製でもわからない部分だ。

 ただ漫然と眺めていると普通に通り過ぎてしまうが,こうした楽しみを見つけながら観察していると飽きることがない。

 次,鳥の海に移動しようと車を走らせていると,山元町と亘理町の境界付近の田んぼに鳥が入っているのが見えた。

 ここはタゲリがよく入るところなので,いつも横目で田んぼを見ながら通る所なのだが,ほとんどの場合は外れで滅多に鳥は見つからない。だから,この日のように田んぼに入っていてくれると,くじに当たったようで,得をしたような気分になる。

090117e_1246090117e_1267 090117e_1181 090117e_1204  後続車があったので一旦通過し,切り返して戻って確認すると,いたのはタゲリだけではなかった。1枚の田んぼに,タゲリ2羽とコチドリ2羽,そして,クサシギも1羽いた。
 イソシギは周年どこかで見ることができるが,クサシギは珍しい。以前も冬季に,この近くの牛橋河口付近で観察したことがあるが,この周辺で越冬しているのかもしれない。
 完全に逆光だったが,証拠写真と思ってシャッターを切った。

090117e_1279 090117e_1280 090117e_1305  逆光写真も雰囲気が良いので好きだが,タゲリは,順光でないと特有の緑光沢の美しい羽色を撮影できない。
 逃げないかと,どきどきしながら,田んぼをグルリと回り込んだが,飛ばずに待っていてくれた。傾きかけた日に照らされて,姿が浮き上がっている。
 冠羽が長く,羽色も美しい個体だった。

 さて,鳥の海だ。

 鳥の海もカモメ類がとても少ない。
 カモメに関してはハズレの日だ。

090117s_022  急いでチェックし,日があるうちに行ける所まで北上しようと思っていたら,ここでAIさんご夫婦と出会った。最近は旦那さん1人で行動していることが多かったが,この日は2人揃っていた。夫婦円満になったようで良かった,良かった。
 お聞きすると,北の方は変わり映えなくあまり良くなかったようだ。ありがたい情報だった。無駄足を踏むことなく,鳥の海で日没までゆっくりできる。

 おかげさまで,こんな場面とも出会うことができた。

090117e_1351 090117e_1370 090117e_1430  これはホオジロガモの求愛ディスプレイ。
 ホオジロガモたちは比較的早い時期からこういう行動を見せてくれるが,あまりフィールドに出ていなかったこともあり,こういうディスプレイは今季初観察だった。
 首を背中に付くくらい曲げた後,首を伸ばして天を突くようにする。こういう行動を,複数の♂たちが,♀の近くで競うように行っていた。

090117e_1463 090117e_1464  こちらはカワアイサたちだ。
 我ながら良くぞ撮影したものだと思う。凄いと思う。
 いつもだったらスコープか双眼鏡で見ているだけで,撮影まではできなかったと思うが,ファインダーを通して観察していたのが良かった。

090117e_1465 090117e_1466 090117e_1467  最初は,♂1羽が羽づくろいでもしているのだろうか,と見ていたが,♂の下から♀が出てきた。ホントかウソンコかわからないが,どうも交尾をしていたようだ。写真を良く見ると,♂が♀のボザボサ頭をくわえているようにも見える。コトを行っているときは♀の冠羽をこのようにも使うのだろうか。
 とても興味深い。

 鳥は,姿形だけでなく,こういう行動を観察するのも大きな楽しみだ。

 この後,いつもOさんが待機している場所に行くと,この日はOさんがいなくて,AIさんご夫婦が先に来て,ハイイロチュウヒのねぐら入りを待っていた。
 ここに来るまではハイイロチュウヒを待つ気持ちは全くなかったが,誰かいるとだらだらと一緒にいてしまうのが私の悪い癖だ。

 で,5時過ぎまで1時間も待っても本命は現れず。
 1度きれいなオオタカ成鳥がハイイロチュウヒがとまる枝にとまったが,これもすぐに飛んでしまい,写真は撮れなかった。
 山形のKnさんに教えていただいたのので,ハイイロチュウヒが来ているのは確実なのだが,ねぐらを変えてしまったのだろうか。

 この日はこれでお終い。翌日酒田に行くというAIさんご夫婦とお別れし,帰途についた。
 当初のイメージとは全く違う鳥見になってしまったが,充分に鳥を楽しむことができた1日となった。

【観察できた鳥】

(松川浦)
トビ,ハクセキレイ,ウミネコ,オオセグロカモメ,ユリカモメ,スズガモ,ハジロカイツブリ,ハシボソガラス,ツグミ,ヒドリガモ,ハシブトガラス,ノスリ,アオジ (13種)

(釣師浜)
ヒヨドリ,ハシブトガラス,スズガモ,ユリカモメ,コサギ,ハジロカイツブリ,ハシボソガラス,シロチドリ,ミユビシギ,オオセグロカモメ,ハクセキレイ,ホオジロガモ,ツグミ,スズメ,クロガモ (15種)

(磯浜)
クロガモ,カンムリカイツブリ,ハクセキレイ,ウミウ,オオセグロカモメ,カシラダカ,ツグミ,トビ,ミミカイツブリ,スズガモ,ユリカモメ,イソヒヨドリ,ムクドリ (13種)

(途中の田んぼ)
タゲリ,クサシギ,コチドリ (3種)

(鳥の海)
コガモ,ハシブトガラス,アオサギ,カワウ,マガモ,ハクセキレイ,カルガモ,ユリカモメ,ホオジロガモ,カンムリカイツブリ,カワアイサ,ヒドリガモ,カイツブリ,カモメ,キンクロハジロ,スズガモ,オオバン,ミサゴ,トビ,オナガガモ,シジュウカラ,エナガ,コゲラ,アオジ,ヒヨドリ,オオセグロカモメ,ツグミ,セグロセキレイ,ノスリ,オオタカ (30種)

【写真】

090117e_0223 090117e_0024 090117e_0178 090117e_0182 090117e_0183 090117e_0046 090117e_0057 090117e_0059 090117e_0104 090117e_0106 090117e_0140 090117e_0295 090117e_0305 090117e_0031 090117e_0311 090117s_007 090117e_0455 090117e_0566 090117e_0581 090117e_0514 090117e_0575 090117e_0631 090117e_0632 090117e_0696 090117e_0700 090117e_0701 090117e_0711 090117e_0762 090117e_0785 090117e_0789 090117e_0837_2 090117e_0914 090117e_0918 090117e_1005 090117e_1007 090117e_1070 090117e_1076 090117e_1081 090117e_1087 090117e_1094 090117e_1103 090117s_012 090117s_009 090117e_1331 090117e_1444

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