« 蔵王 2008/07/02 | トップページ | 朱鞠内湖‐サンル牧場 08/07/08 »

2008/07/20

大雪山旭岳 2008/07/07

06:10 曇り

 ず~っと前から来たかった大雪山旭岳。休暇をもらってようやく来ることができた。快く送り出してくれた職場の仲間に大感謝だ。
 旭岳での目的はギンザンマシコただ1つ。

080707_403080707_407_2 080707_408_2  前日の午後に仙台空港から発って,前泊は旭川市内のビジネスホテルだった。
 当日朝3時過ぎにホテルを出ると,4時過ぎには旭岳ロープウェイ駅に着いた。距離にすると70km弱だったと思う。宮城県だと,仙台~伊豆沼程度の距離感覚だろうか。旭岳までのロープウェイの始発が6時ちょうどなので,まだまだ時間があった。
 周辺を散策しながら時間を待った。残念ながら日の出は拝めない天気だった。

 時間が来て,5時半過ぎにロープウェイ駅に行くと,始発の便に乗ろうとする登山客がすでに大勢並んでいた。こりゃいかん。この列に混ざらないと始発に乗り遅れてしまう。
 何とかかんとか始発に乗りこんで,すし詰め状態で姿見駅に向かう。

080707_469080707e_0010 080707e_0047  姿見駅を降り,はやる気持ちを抑えながら,ギンザンマシコのポイントという第3展望台に向かう。登山客のほとんどは,最初の分岐点を逆の右側に行ったようで,こちら側にはあまり人が来ていなかった。旭岳に登るには右手からの方が近いようだ。
 花を見ながらゆっくり歩いている人たちを追い抜いて,どんどん先に進む。
 で,最初に出迎えてくれたのがこの子。第1展望台に届く手前だった。

080707e_0104 080707e_0152 080707e_0154  歩いていると,足元のハイマツから遊歩道に飛び出してきてビックリ。最初は遠ざかっていったが,ハイマツの実(?)を食べて人心地が付くと,今度は逆に寄って来た。カメラのフレームに全身が入らなくなってしまい,後ずさらなければいけなくなってしまった。嬉しい悲鳴だ。

 北海道に通い始めてから何度かエゾリスと出会ったことがあるが,シマリス(亜種「エゾシマリス」なのかな。)と出会ったのは初めてだった。

080707e_0192 080707e_0212_up 080707e_0185_up  エゾリスよりずいぶん小さく見えたので,ネット上で調べてみると,大きさが次のとおりだった。「頭胴長」という言葉は鳥の世界ではあまり見ないが,哺乳類のように尾のある動物では,尾の長さを除いた「頭胴長」を使うことが普通のようだ。「尾長」は文字どおり尾の長さだ。
 ※ データはここから無断拝借しました。

  頭胴長 尾 長 体 重
エゾリス 22~23cm 17~20cm 300~410g
エゾシマリス 12~15cm 11~12cm 71~116g

 体長で半分くらい,体重で4分の1くらいだった。思ったより,ず~っと小さかった。

080707e_0234 080707e_0244 080707e_0252  初めての出会いだったので,構図や背景も考えずに夢中で写真を撮ってしまったが,せっかくの良い時期だったので,チングルマやエゾツガザクラがフレーム内に入るような角度から撮影すれば良かった。興奮して心のゆとりがなかった。でも,こんな風に出会えただけでも満足するべきかな。

 うんとうんと,う~んとめんこかったので,気付かぬ間に,ここで200枚以上も撮影していた。

080707e_0265080707e_0265_up 080707e_0298 シマリスが動かずにここにずっといてくれれば,私もずっといたと思うが,他の人が歩いてきたのをきっかけに,奥の方に移動して見えなくなってしまった。私もようやく先に進むきっかけができた。ほんの数分の出会いだったかもしれないが,十分に楽しく付き合ってもらった。
 シマリスの名の由来となった背中の5本の縞がわかる写真(右端)を置いておこう。

 第3展望台に着いたのは6時半頃だっただろうか。

080707_481 080707_482 080707e_0375  展望台は第1から第5まであって,第3展望台は姿見駅からゆっくり歩いて10分弱の場所にある。重い機材を背負っても苦労しない距離だ。各展望台とも木製ベンチが置いてあって,グループが休憩するのに十分な広さを確保している。ギンザンマシコは他でも観察できるようだが,ここの展望台はハイマツ帯を一望できるので出会える確率が高いようだ。

 この日は三脚を担いでここに来たのは私だけだったが,6月の盛期には,ここに超望遠レンズの大砲がずらりと並ぶらしい。

080707e_0930 080707_432  実は,私のほかにもギンザンマシコを見るために来ている人がいるだろうと期待していたのだが,この朝は誰もいなかった。複数の目で探してもらって,自分は楽しようと能天気に構えていたのだが,そうは問屋がおろさなかった。自分で見つけなきゃいけない。寝ぼけてられなくなった。
 足元にはエゾイソツツジやメアカンキンバイなどが咲いていたが,それどころじゃない。

 待つこと30分。最初に出てくれたのは7時になるちょっと前だった。

080707e_0312 080707e_0317  はるか遠くにけし粒のように赤いものが見えたので双眼鏡で確認すると,ギンザンマシコだった。初見だ。写真撮影できる距離をはるかに超えていたが,これで見納めもあり得ると思い,証拠写真を撮影することとした。
 で,写したのがこれ。証拠にもならなかった。木の上に乗っかった梅干しのようにしか見えない。

080707e_0325 080707e_0338 080707e_0411 080707e_0430  運が良い方々もいらっしゃるもので,ちょうどギンザンマシコが出たとき,ここに到着した鳥見グループがあった。私にとっても大歓迎。これで一旦見失っても大丈夫。誰かが見ていてくれるだろう。嬉しいことこの上ない。お聞きすると九州方面からいらしているという。遥か日本の南からいらしたので,ギンザンマシコはこの方々の歓迎のために出てきてくれたのかもしれない。

 そして,まもなく,すぐ近くに寄って来てくれた。

080707e_0486 080707e_0493_up 080707e_0501_up  この日一番近かったのがこのときだった。皆が遠くのギンザンマシコを双眼鏡で見ているとき,この1羽がハイマツ帯の上を低く飛んできて,目の前の枝にポンととまってくれた。私も遠くの鳥に気を取られて近くの鳥に気付かないことはしばしばあるが,このときは,私以外誰も気付いていなかったようだった。お役に立てて何よりだった。
 せっかくの至近距離撮影だったので,さらにトリミングしてアップにしてみた。くちばしに食べカスが付いているのが何とも言えずめんこい。

080707e_0561 080707e_0565  この九州の方々は日頃の行いがとても良かったようで,時間が来て9時頃に立ち去るまで,ギンザンマシコは何度も出てくれた。効率的で,最高のギンザンマシコとの出会いだったのではないだろうか。
 お話している中で,全く知らなかった九州情報なども色々とお聞きでき,とても有意義な時間を過ごさせてもらった。九州には2~3度行ったことがあるが,お話をお聞きし,今までとは別の目的でぜひ行ってみたい所になった。
 とても良い出会いとなった。

 九州の方々が立ち去ると,入れ替わるように,神戸のKさんがやってきた。私と同じ便で登ってきたようだが,別の場所で粘っていたらしい。お話をお聞きすると,出たのは出たようだが,やはりこちらの方が良かったようだ。午前中一杯,ここでご一緒することとなった。
 偉いことに女性の一人旅で北海道を回っているようだった。

080707e_0588 080707e_0626 080707e_0643  この方も日頃の行いが良かったようで,しばらく待つと,最初に地味な♀が現れてくれた。結構近い所で,枝先にとまってしっかりと全身を見せてくれた。「真っ赤な♂も出て来ないかな。」とお話していたら,今度は,その通り♂が近くに姿を現わしてくれ,さっきの♀と同じく,ポーズを決めてくれた。「図鑑写真」撮り放題の状況だった。

080707e_0713 080707e_0741 080707e_0752  さらに,「この上にツーショットも撮りたいなんて言ったらバチが当たるよね~。」,などとお話していたら,何と,今度も,♂♀2羽が連れ立って現われてくれた。シンジラレナ~イ,だ。この2羽は,ハイマツの若芽(?)を食べながら,枝先を移動し,近くまで寄ってきてくれた。幸運なことこの上ない。

080707e_0789 080707e_0791 080707e_0835  さらにさらに,これ以上はもうないだろうな,と思っていたら,今度は♀が程近い所に現れ,さえずり始めた。さえずりを聞くこと以外にも,くちばしの形や口の中が見える貴重な機会だった。図鑑によると♀がさえずるのは稀のようだ。
 ここにはこれからも何度か来るかもしれないが,今回ほどの幸運は絶対に期待してはいけない。

 もうお腹一杯。これ以上何かあるとお腹をこわしてしまう。

 ここでKさんとお別れし,散策路を一周することとした。
 人がいると待ち時間も退屈しないで過ごすことができる。また,いろいろと教わることも多い。今回もご一緒できた方々と楽しい時間を共有できた。大感謝である。

 さて,せっかくのギンザンマシコとの出会いだったので,印象に残ったところなどを今後のためにメモしておこう。

【体色】

080707e_0610 080707e_0636  この鳥で特徴的なのは「色」だ。♀は周りの緑と同系色のくすんだ薄緑色。♂はくっきりと目立つ赤だ。どちらも頭の色が一番濃く,首やお腹にかけて薄くなっている。♂の赤はオオマシコのような鮮やかな赤ではなく,黒が混ざった鈍い赤に見えた。この色がハイマツの緑に映えてとてもきれいに見える。緑と赤は,組み合わされると不思議にきれいだ。ツバキの花やアオキの実などもそうだが,人工物でも,赤い鳥居や橋などがそうだ。

080707e_0460 080707e_0473_up2 080707e_0769_up 080707e_0541  近くで撮影する機会もあったので,背中の模様も貼っておこう。背中のうろこ状になっている羽の軸斑が黒っぽく,赤と黒のだんだら模様がとてもきれいだ。中雨覆・大雨覆の羽の先が白くなっているのが目立ち,翼帯になっている。風切の羽縁も白い。
 右端の飛んでいる写真を見ると,♀の翼の裏は一様に灰色のようだ。

【体型】

080707e_0653 080707e_0430  図鑑により記載のサイズが異なるが,体長は20~22cmということだ。スズメが14~15cm,ムクドリが24cmなので,ムクドリに近い大きさ。オオマシコの16~7cmと比べるとかなり大きい。大きめの小鳥のシメやコムクドリよりもさらに大きい鳥だ。体長だけでなく体格も良いのでずっしり感がある。特にそれを感じたのは,頭上を飛んで行ったときだ。思わず,「でかい!」と,言ってしまった。もしかすると体重はムクドリより重いかもしれない。
 寒い所に住む動物や鳥の方が体が大きい傾向を「ベルクマンの法則」というらしいが,この鳥もこれに当てはまるようだ。

【くちばし】

080707e_0473_up1080707e_0835_up 080707e_0791  曲線が基本の造形で,立体感が強く感じられるくちばしだ。上嘴の先が下に湾曲し鋭くなっており,下嘴がそれに応じた形となっている。口の中は薄い肉色のようだ。近い仲間のイスカのような食い違いは見られなかった。
 なお,くちばしがこれより小さい「亜種コバシギンザンマシコ」は,迷鳥として新潟県や石川県(舳倉島)で観察されたことがあるようだ。図鑑の掲載写真をみると顔の印象が全然違う。

【習性】

 一般的には冬鳥として北海道に飛来してくるらしい。ここでは例外的に今の時期も観察できるが,神戸のKさんによると,今回知床峠でも観察できたらしい。夏に見られるのはここだけではないようだ。
080707e_0693 080707e_0779 080707e_0548  今回は,第3展望台付近に限らず広い範囲を動き回っていた。第4展望台の方に徐々に移動して行くペアも観察できたし,第1展望台の方に飛んで行く群れもあった。いずれハイマツに付く鳥のようなので,ハイマツが多くある場所で観察できると思われた。
 また,高山の鳥でよくあるように,人をあまり恐れない鳥のようなので,静かに待っていれば至近距離まで寄ってくることもあるかもしれない。

 さて,本文に戻ろう。

080707_476 080707e_0870 080707e_0893080707e_0915   せっかく来たので,お昼頃から散策コースを回ってみた。周回コースになっており,1時間程度で歩くことができる。
 ちょうど花の盛期に当たっていたようで,チングルマやエゾツガザクラなどを中心としたお花畑が素晴らしかった。エゾイソツツジの白も清楚で良かったし,エゾコザクラの赤紫も風景に沁み入るようで印象的だった。
 ここには花の写真を張りきれないので,下に張っておくことにする。

080707_427 080707e_0991 080707e_0999  散策コースを1周し,第3展望台に戻ってからも,しばらくギンザンマシコを待っていたが,午前中ほどの出がなくなり,ときおり遠くに姿が見えるだけとなってしまった。夕方でも至近距離に出ることがあるようなので,単にタイミングのせいだと思うが,私1人の「引き」では足りなかったのだろう。すでに沢山見た後なので,ワクワク感が薄れてきたこともあったかもしれない。
 近くにやってきたノゴマを撮影してみたが,ここでノゴマを撮影してもあまり面白くない。

 出が悪くなったようなので,午後4時前には切り上げて宿に向かうこととした。

080707e_1020 080707_483 080707_489  帰り道,またシマリスと遭遇してしまった。今度も足元に出たが,すぐに藪の中に入ってしまい,写真は撮れなかった。今度の個体は尻尾がとても短く見え,最初のとは明らかに違っていた。そういえば,ギンザンマシコを待っているとき,九州の方々の一部が第3展望台の第4展望台側に行ってシマリスを見ていたようだ。この付近にも良く出るのかもしれない。
 最後に見送ってくれたのは,どこでもお馴染みのハクセキレイ君だった。

 この日はシマリスとギンザンマシコと出会うことができ,とても大きな1日となった。
 今回の北海道鳥見行はまだまだ続くが,初日で運を使い果たしたか,それとも,運の付き始めか。
 正直言って,「これでもう帰っても良い」,というくらい満足していた。

【観察できた鳥】(姿見散策コースのみ記載)

ノゴマ,カヤクグリ,カッコウ,ホシガラス,ギンザンマシコ,キジバト,ウグイス,アマツバメ,ビンズイ,カワラヒワ,ハクセキレイ (11種)

【写真】(左上から,上に沢山いたノゴマ,2度ほど出たホシガラス,満月沼,鏡池,姿見の池,姿見展望台,噴気,噴気孔,姿見駅の売店×2,アオノツガザクラ×2,ウコンウツギ×2,エゾイソツツジ×2,エゾコザクラ×2,エゾツガザクラ×4,キバナシャクナゲ×2,コガネイチゴ,コケモモ?,チングルマ×4,ミヤマリンドウ,メアカンキンバイ,温泉散策路のツマトリソウ,マイヅルソウかな?,宿×2,宿の近くにいたベニマシコ×2)

080707e_0510 080707e_0968 080707e_0371 080707e_0386 080707_479 080707_423 080707_445 080707_448 080707_438 080707e_0867 080707_487 080707_488 080707_463 080707e_0919 080707e_0912 080707e_0911 080707_429 080707e_0929 080707e_0886 080707e_0902 080707_442 080707e_0857 080707e_0864 080707e_0869 080707e_0866 080707e_0916 080707_458 080707e_928 080707_454 080707e_0852 080707_452 080707e_0859 080707_455 080707_431 080707_41 080707_414 080707_493 080707_494 080707e_0023 080707e_0031

« 蔵王 2008/07/02 | トップページ | 朱鞠内湖‐サンル牧場 08/07/08 »

0001 北海道/道北」カテゴリの記事

コメント

北海道鳥見旅第1弾。読ませていただきました。目的のギンザンマシコ、素晴らしいですねぇ。自分もぜひ会ってみたい鳥さんです。高山植物も豊富でこれまた羨ましいです。いつかは大雪山旭岳ですね。第2弾、楽しみです。こちらは、昨日新潟の瓢湖に昨年に引き続き行ってきました。

投稿: NOBU | 2008/07/21 16:38

NOBUさん,いつもありがとうございます。
ここはとても良い所でした。お勧めです。私ももっと天気が良いときにもう一度行ってみたいです。ギンザンマシコは抜きにして,今度は周辺のいるんな所を歩いてみたいと思います。やはり1人でなく何人かで行った方が楽しいかも知れません。
瓢湖のハスとヨシゴイも良いですよね~。私も8月に行きたいと思っていますが,どうなることやら。

投稿: yamame | 2008/07/21 17:56

 こんにちは。 AIさんの1日前に旭岳に参りましたが前日からの霧で寒かったです~
 3時間待ってyamameさんの梅干ポイントに♂2♀3が乱舞、♂が♀にちょっかい出してふざけあってるような仕草で楽しませてくれましたが遠すぎて あたふたしてるうちに行ってしまいました。
 見た時♀は頭の黄褐色が背までありました。
 お花もまだでしたし7月には行ってからのほうが楽しめそうですね。
 ビジターのお姉さんは第5も人知れず結構現るといってましたが私も安心ポイント第3でした。

投稿: かとぺー | 2008/07/22 14:05

おばんです。
かとぺーさんもいらっしゃったんですね~。
AIさんやかとぺーさんたちが立っていた所にたぶん私も立ったんだと思います。遠くでも意外と接近遭遇することもあるかもしれませんね。

投稿: yamame | 2008/07/22 18:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 蔵王 2008/07/02 | トップページ | 朱鞠内湖‐サンル牧場 08/07/08 »