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2008/06/23

苫小牧航路 2008/06/07

04:30 曇り

 海鳥を見る機会はあまりないので,憧れの鳥になっている。日頃はあまり考えないのだが,ちょっとの刺激で,我慢できなくなってしまった。罪な人がいるもんだ。
 仙台港のフェリー乗り場に行くと,Kさんも来ていた。犠牲者2名。

 航路の楽しみは,鳥だけではない。
 仙台発-苫小牧行きのフェリーは午後8時に出るが,乗船は午後6時半頃から可能なので,早めに乗船すると,夜はのんびりできる。船には大浴場もあるし,映画館やゲームセンター,カラオケボックスまである。やや高めになってしまうが,レストランではバイキング料理を肴にビールや日本酒を堪能できる。

080606s_108 080606s_110  まず最初のお楽しみは,乗ってすぐの入浴だ。ここの浴場は温泉並だ。大きな浴槽の隣にぶくぶくのマッサージ仕様のお風呂があり,温泉では定番の寝湯も3人分ある。私は入ったことがないが,サウナもあったようだ。船なので露天にはなっていないが,船窓から仙台港の海を見ることができる。まさに展望大浴場だ。

080606s_103 080606s_104 080606s_105  休む所は,いつもはB寝台なのだが,今回は奮発し,初めてS寝台を予約していた。広さはB寝台よりやや広い程度だが,カプセルホテル風に室内にテレビがあり,荷物を置くところもしっかりある。上段下段に分かれていないので天井も広い。B寝台より開放感がある造りだ。どうせ夜は酔っ払って寝て,翌朝早く起きるので,ここにいる時間はほとんどないのだが,たまにリッチな気分を味わってみるのも良い。何事も経験。

 この夜は,レストランで,出航前にすっかり出来上がってしまい,閉店で追い出されるまで,とても楽しい時間を過ごした。ご自身はほとんど飲めないのに,遅くまで酔っぱらいに付き合っていただいたKさんには大変申し訳なく思う。

080607s_057 080607s_040 080607s_042  さて,泥のように眠り,翌朝目が覚めたのが4時過ぎだった。身支度をしてデッキに出ると,もうKさんが甲板に三脚を立て,海を見ていた。もう周辺は十分に明るくなっていた。起きるのがちょっと遅かったかもしれない。
 しばらくして目が馴染んでくると,結構な数のミズナギドリが飛んでいた。

 デッキにいたのは,朝の4時半頃から到着する直前の10時頃までの5時間半だったが,鳥が数多く出たのは,岩手県沖と北海道沖の2回だった。その海域以外でも出るのは出たのだが,パラパラだった。炒飯のパラパラは良いが,鳥の出のパラパラはあまり宜しくない。

 鳥が結構出てくれた岩手沖と北海道沖ではミズナギドリの群れと遭遇した。
 しかし,ハシボソミズナギドリかハイイイロミズナギドリか,はたまたアカアシミズナギドリかよくわからない。8倍の双眼鏡でも見えることは見えるが,こういうときには15倍の手ぶれ防止付きが欲しくなる。レンズを手に入れてもまだ物欲が止まらない。困ったもんだ。

080607e_1116 080607e_1110 080607e_1167 080607e_1150  さて,ハイイロミズナギドリはハシボソミズバギドリに比べると,おでこがなだらかで嘴がやや太くて長いという。目立つのは翼の裏が白っぽいところだ。ただし,個体差があるので識別がむずかしい。ハイイロっぽい特徴が出ている写真を選んで張ってみるが,これはどうだろう。しかし,写真図鑑で見ると,ハイイロミズナギドリはもっと嘴が太くて長いようだ。やはりハシボソだったか。

080607e_1197 080607e_1199 080607e_1233 080607e_1447  こちらのようなハシボソミズナギドリはたくさん観察できた。翼の裏が白っぽくなく,おでこが盛り上がって,嘴がやや細く短く見える。顔の全体印象が独特だ。間違いなくハシボソの方だ。
 数をこなすとジズで瞬間的に識別できるのだろうが,残念なことに,まだそこまで経験を積んでいない。航路で経験を積むのは大変だが,もっと数をこなさないといけない。

080607e_1249 080607e_0994 080607e_1056  回数を数えていなかったので確かではないが,コアホウドリも10回は出たと思う。遠かったときもあるが,すぐ近くを飛んだときもある。ハシボソミズナギドリを見ていた目でこの鳥を見ると,とても大きく見える。巨大,と言っても良い。図鑑によると翼開長が2mもある。ミズナギドリの2倍もある。お馬鹿な私は,つい面積換算してしまったが,そうすると4倍にもなる。でかく見えるわけだ。
 右端の写真は翼が海面に付いているように見えるのが面白い。

080607e_1275 080607e_1280 080607e_1284  クロアシアホウドリは,もっと沢山出るものと思っていたが,出たのは1回だけだった。1度のチャンスをばっちり撮影したような気になっていたが,そうは甘くなかった。世の中は厳しい。
 この鳥も,サイズはコアホウドリ級だ。この個体は上尾筒・下尾筒が白いタイプだったが,これまで出会ってきたのは黒いタイプが多かったような気がする。どちらが多いんだろう。

080607s_048 080607s_039  ところで,デッキは風が強い上に気温が上がらず,とても寒かった。いつもなら,下に穿くものもしっかり準備してくるのだが,出かけるとき探しても見つからなかったので,持ってこなかった。そのため,じっとしていられないほど,体の芯から冷えてしまった。ときどき,船内で温まってから鳥見に戻るような状態だった。教訓。「準備を怠ってはいけない。」

Sp_080607e_1307 Sp_080607e_1310 080607e_1379  さて,他の海鳥だ。
 アビ類も飛んだようだが,私は確認できず。しかし,たまに小さな鳥が飛ぶのが見えた。ウミスズメやウミガラスだ。双眼鏡ではよく見えなかったので,撮影した写真をその場で拡大して確認した。左側2枚はウミガラスで右側1枚はウミスズメだ。ウミスズメは,アンパンに付いているケシ粒のように小さく見えた。

080607e_1385 080607e_1227 080607e_1218 080607e_1219  クジラやイルカも期待したが,こちらはイルカ類が背びれを見せて遠ざかって行くのを1回見ただけだった。
 しかし,あまり期待していなかったオットセイが見えたのにはびっくりだった。最初出たときはちょうどKさんが反対側を見に行っていたときだったが,2回目に出たときはKさんもいたし,他の方も居合わせていた。やはり,こういうのは複数人で見て,喜びを分かち合った方が良い。

080607s_051 080607s_054  今回の航路はいつものメンバーで「驚き」もあまりなかったが,久しぶりにミズナギドリなどの海鳥たちと会えたので,良し,としよう。オオミズナギドリがいなかったのがちょっと寂しかったかなぁ。それにしても寒かった~。
 苫小牧港に着いた後,ウトナイ湖方面に行くことになったが,ちょうど良い時間だったので,苫小牧港近くで昼食をとることとした。

 行ったのは「海の駅ぷらっとみなと市場」にある寿司屋。
 私は名前に惹かれて≪名物丼≫をお願いした。

080607s_059 080607s_062  苫小牧はホッキ貝が名物で,日本一の漁獲量らしい。
 ホッキがご飯にてんこ盛りに載っかっていた。いくらも添えられていたが,主役はホッキだった。とってもおいしくいただいた。しかし,こんな甘いホッキ貝をご飯で食べるのはもったいなかった。この甘いコリコリした貝を口の中に入れて,そこにおいしいお酒が入る…,と想像すると,たまらない。いつか,このホッキ貝を肴に,心おきなく酒を飲みたいものだ。

 昼食後,ウトナイ湖のネイチャーセンターに行くと,やけに黄色いアオジとエゾセンニュウが入口で出迎えてくれた。

 エゾセンニュウは大きな声でホトトギスのように鳴いているが,藪の中にいてなかなか出てきてくれない。「潜入」なんて名前付けるからだ,なんて思っていたが,実は元々「仙遊鳥」(せんゆうとり)と呼ばれていたらしい。「潜」ではなく「仙」だった。「仙遊」が「仙入」に転じた,ということだ。図鑑でも「仙入」と表記している場合が多かった。

 でも,やっぱりこいつらは「潜入」だよなぁ。

 遊歩道に入り,「イソシギの小径」のノゴマポイントに差しかかるが,ノゴマの姿が見えない。コヨシキリやシマセンニュウの声もするが,これも姿は見えない。

080607e_1472 080607e_1480 080607e_1488  湖のほとりまで出て,デッキでKさんと佇んでいたら,Kさんがカメラを構えて撮影し始めた。見ると,大きな白っぽい鳥が低空をゆっくりと飛んでくる。アオサギか,と一瞬思ったが,良く見ると,なんとチュウヒ若だった。近かったので,でかく見えただけだった。Kさんは飛んでくる正面顔をばっちり撮影できたようだが,私はちょうどメモを書いているところだったので,カメラを向けたときにはすでに後ろ姿になっていた。

 一生に一度あるかないかのチャンスをモノにする人とできない人がいる。私はいつもこんなだ。

080607s_063 080607s_065 080607s_067  奥の観察小屋まで行って,枝にとまるカワラヒワなどを見ながら「シマアオジいないなぁ」なんて話していたら,にぎやかな集団がやってきた。鳥見ツアーの方々だった。講師が人柄の良いNさんだったのでごあいさつすると,さっき通り過ぎたノゴマポイントで花の上にとまってノゴマがさえずっていたという。
 やはり来ていたようだ。それにしても花の上でさえずっていたとは凄い。

080607e_1515 080607e_1522  さっそく戻って,ポイントでしばらく待ってみる。
 待っている間,カワラヒワやベニマシコ,オオジュリンなどを見たり,エゾセンニュウの大きな声を楽しんだりして時間を過ごした。しかし,本命が出ないのではつまらない。
 ベニマシコは擦り切れ型の換羽をするので,冬の淡いピンクが徐々に赤くなっていく。これもだいぶ赤くなってきているが,もっと赤いのもいた。

080607e_1559 080607e_1564 080607e_1575  この後,植苗の方にKさんをご案内するが,場所を忘れてしまい,時間を無駄にさせてしまった。申し訳ない。時間が中途半端になってしまったので,ウトナイ湖畔に戻って,ここでKさんと別れることとした。これはKさんと最後に見たノゴマだ。
 Kさんはこの夜の船便で帰ることとなり,私は,息子と会うため札幌に向かった。帰りの航路の宮城県沖も見たかったが,仕方ない。

 ご一緒させていただいたKさんには大変お世話になった。これに懲りずまた付き合っていただけると幸いだ。

 さて,札幌の夜。
 息子と待ち合わせ,一緒に横断歩道を渡ろうとしたら,何とエゾセンニュウの声が大きく聞こえてきた。横断歩道では,普通「ピュウ,ピュウ」とか,「カッコウ,カッコウ」とかの電子音が聞こえるが,さすが北海道,横断歩道の誘導音がエゾセンニュウなのか。なんて,驚きながら,信号を渡ったら,なんと,鳴いていたのは本物だった。

 いたのは赤レンガ道庁の藪の中。信号を渡った歩道沿いだった。
 本当にびっくりした。そして,鳥見人の特権。とても幸福な気持ちになった。

 この夜は,ちょうど「YOSAKOIソーラン祭り」で大通り公園はとても賑やかだった。この後,賑やかさを後ろに,父子のむさい男2人はススキノの夜に消えて行ったのであった。

【観察できた鳥】(ウトナイ湖のみ記載。航路は上述)

アオジ,エゾセンニュウ,ウグイス,キビタキ,シジュウカラ,カッコウ,トビ,ヒヨドリ,ヤブサメ,メジロ,ノゴマ,シマセンニュウ,コヨシキリ,マガモ,チュウヒ,コブハクチョウ,メニマシコ,ノビタキ,オオジュリン,ハシボソガラス,アオサギ,コゲラ,メボソムシクイ (23種)

【写真】(左上から,ウトナイ湖のマガモ,お祭り×5,他…)

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コメント

フェリーの旅、すっげー興味あります。まだ、フェリーに乗ったことありません。しかも、鳥見付きなんて、最高ですね。妻に乗らない?と誘ったら、「今は、船関係は、最悪!フィリピンのフェリー事故とか、漁船の事故とかで、絶対、乗る気になれない。」と、きっぱり、断られました(笑。 ということで、yamameさん、次回、乗る時は、声を掛けてください。お願いしまーす。

投稿: KAN | 2008/06/30 23:07

嬉しいお誘いありがとうございます。今度はお声がけしますので,お付き合いいただければ嬉しいです。

船って,事故があるとか,酔うとか,イメージが悪い面もありますが,こうした大きな船が事故で沈没するとかあまり聞いたことがないです。飛行機も恐がる人が多いので,気持ちの問題なんでしょうね。こうしたことは説得するようなことでもないですし,仕方ないですね。

投稿: yamame | 2008/07/01 07:10

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