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2008/05/02

石巻 2008/04/27

10:20 晴れ

 例年ならすでにシギチモードに突入しているところなのだが,今年はやや出遅れている。この日は今季初のシギチ参りだった。
 お昼過ぎの干潮に合わせて家を出発し,現地に着いたのが10時半前になっていた。

080427e_0088 080427e_0070 080427e_0014 080427e_0090  いつものように古沼から覗いてみると,シロチドリとコチドリがいた。今季すでに何度も出会っている鳥たちだが,よく出迎えてくれた。シギチの国に来て,知り合いの出迎えを受けた感じだ。
 ありがとう。
 他にいないかと探すと,遠くにチュウシャクシギが見えた。これは今季初だ。遠かったが証拠写真をパチリ。
 そのうち,ソリハシシギも近くに2羽飛んできた。これも今季初。
 私が出遅れていても,ちゃんとここに届いていた。

 ここで地元のKさんから連絡が入った。
 この日は調査でここに来ていたらしい。向こうは私を見つけていたようだったが,こちらは気付かなかった。お聞きすると,ツバメチドリが入っているらしい。しばらく飛んでいたが,古沼の海側のガレ場に降りたという。
 まもなく,ご本人がやってきたので,一緒に探すことにした。

080427e_0099 080427e_0116  と,すぐに見つけることができた。
 これまで,不用心に歩いて足元にいる鳥を飛ばした経験が山ほどあるので,向かう先を念のため双眼鏡で覗いたら,…,そこにいた。ツバメチドリとは初めての出会いだった。今まで会うための努力をしたこともない鳥だったが,あっけなく初対面だった。こんなこともあるもんだ。
 Kさんのおかげだ。ありがたい。

 憧れて,焦がれて,会おうと努力しても会えなかったり,いる所がわかっていても遠くて会いに行けなかったりする鳥は多いが,ツバメチドリはそうした鳥たちの隙間にいた。
 出会うプロセスによっては物凄く感動したと思うが,こういう出会いもまた嬉しい。

080427e_0128 080427e_0169 080427e_0212 080427e_0218  この鳥は,思ったより大きく,見つけやすかった。
 草むらとの境目付近でじっとしており,最初は全身が見えなかったが,徐々に出てきてくれ,このように姿を現してくれた。くまどりのある顔とくちばしの赤が何ともユニークだ。地面から陽炎が立って空気が揺らいでいる状況だったが,近かったので何とか写すことができた。
 Kさんがレンズか何かを取りに車に向かったとき,向きを変え,その数秒後には飛び立った。しばらく飛んでいたが,近くに戻らず,埋立地の真ん中付近に降りたようだ。

 広い埋立地を探すのは大変だ。
 短い時間だったが,しっかり見られたし,写真も撮影できたので,これだけで大満足。これ以上望めばバチが当たる。
 さらりと諦めて,新沼の方に向かった。いなくなった鳥より待ってくれている鳥の方が気になった。

080427e_0251 080427e_0239 080427e_0245  こちらでは,さっそく2羽のオオソリハシシギが出迎えてくれた。見ていると顔を泥に突っ込んでゴカイのような虫を引っ張り出して食べている。ここは餌が豊富なようで,顔を上げるたびにゴムを引っ張るように餌をゲットしていた。
 オオソリハシシギはこのように深い所の餌を食べるので,見ていて面白い。

080427e_0591 080427e_0488   寄り道してしまったが,南側に回るとすでにKさんが陣取っているのが見えた。その前の干潟を双眼鏡で見ると,シギチがうじゃうじゃ集まっていた。これは凄い。
 飛ばさないよう,遠ざけないよう,姿勢を低くして近寄ると,メダイチドリとハマシギが山ほどいる。ほとんどが夏羽になっている。とてもきれいだ。
 この中にトウネンも3羽だけ混ざっており,内1羽は,これも夏の装いになってきていた。

080427e_0324080427e_0271 080427e_0297  シギチ好きって,たぶんこういう情景のなかにいるだけで,幸せになるのだろうと思う。今回は今季初だったが,温泉に浸かったようにじんわりと温かくなるような心地よさがあった。このシギチたちも渡りの途中で休憩し,このような気持になっているのだろうか。
 カメラの補正を失敗してしまったが,使えない状況ではなかった。デジタルってやっぱり凄い。

080427e_0354 080427e_0339 080427e_0303 080427e_0371  メダイチドリとハマシギの群れは何度か飛び立ったが,これがまだ見事だった。数百羽の群れがシンクロして,背中を向けたり,お腹側を向けたりして飛んでいる。背中を向けているときは背景に溶け込み見失いそうになるが,反転してお腹側を見せると,干潟の風景に白い色がフラッシュした。

 しばらくここで楽しんだ後,そろそろ移動しようかと北側に向かって移動していたら,ツバメチドリ探しに行っていたKさんからまた連絡があった。ツバメチドリを再発見したらしい。しかも,2羽もいて,至近距離だという。

080427e_0662  お話いただいた場所に行くとKさんがいた。はやる気持ちを抑えながら寄っていくと,1羽のツバメチドリが飛んだのが見えた。私のせいだろうか。申し訳ない。それでもまもなく同じような場所に降りてくれたので,ひと安心。場所を確認して,Kさんと合流する。
 最初気付かなかったが,飛んで降りた個体のさらに手前にもう1羽いた。うずくまっていたが,結構近い。飛んだ個体は,飛ぶ前,もっと近くにいたようだ。

080427e_0716 080427e_0682_up  うずくまっている手前の個体に動きがないので,後ろ向きになっている向こう側のを見ていると,手前のが立ち上がったという。見ると全身を見せてくれていた。おぉ。
 西に傾いた日を浴びて目に光も入っている。とてもきれいだ。
 目から嘴と喉の方に黒い線が入っており,これを境に喉側がクリーム色,外側が薄茶色になっている。全体に地味な色合いだが,この黒い縁取りと嘴の赤い色がポイントになっている。目の下の白いラインも目立っている。

080427e_0718 080427e_0729 080427e_0738  地上にいるときはほとんど歩かず,うずくまっていたり,じっと立っていることが多かった。チドリやシギのように歩きまわって餌を取る行動は全く見られなかった。「チドリ」という名前が付いているが,姿も行動もチドリっぽくない。後で調べてみたら,チドリ科でもシギ科でもなく,ツバメチドリ科と独立していた。

080427e_0925 080427e_0978 080427e_0796  この鳥は一旦飛び始めると,なかなか地上に戻ってこない。埋立地を巡回するようにゆっくりと旋回していた。ただ,「ゆっくり」と言っても,頭上や脇を通るときはかなりのスピードだ。風を切る音が聞こえてきそう。「ツバメ」と名前が付いているが,ツバメとは比較にならないほど大きい。迫力がある。
 顔の縁取りがハヤブサのようにも見える。

080427e_0949 080427e_0950 080427e_0968  地上採餌しないところを見ると,空中で虫などを食べているのだろう。飛翔写真の中に餌を取っているところがないかと探してみたが,…,あった。写真としてはボケブレで見られたもんじゃないが,開けている口や食べようとしている虫が写っている。左端の写真で虫を狙って,真中の写真で(たぶん)食べている。右端の写真では虫を口に入れようとしている。
 ツバメやヨタカと違い,意外におちょぼ口だった。

080427e_0979 080427e_1029 080427e_1035080427e_0883   全体的に見ると,翼が長く尖り,腰の白い部分が目立ってみえる。腰の白い部分は腰だけでなく,お腹側までつながって白い。翼の裏に赤褐色の部分があるのもわかる。
 尾は,ツバメという名が付いているだけあって,両脇が尖っているが,「燕尾」というほどではない。凹尾と言った方が良いだろう。図鑑にもそのように書いてあった。

080427e_0790 080427e_1014 080427e_1021 080427e_1068  最初はKさんと二人で見ていたが,嗅覚鋭くKKさんもやってきて,総勢3人でツバメチドリを堪能した。そう,「堪能した」という言葉がこれほどマッチすることがないくらい堪能した。こんなことは一生で二度とないかもしれない。後半には,私たちの至近距離に降りて羽休みまでしてくれ,大サービスだった。
 しばらくして飛び疲れたのか,いつの間にか2羽とも同じ広場に降りて佇んでいた。

 もういい。これだけ見ればお腹一杯。

 海を眺めた後,楽しい時間を何度も反芻しながら家路に着いた。

 フィールドに出続けているとこんな日もある。
 いつもながら,Kさんに大感謝だった。

【観察できた鳥】

ヒバリ,キンクロハジロ,ホシハジロ,オナガガモ,ウミネコ,コガモ,キジ,ハシブトガラス,ハクセキレイ,カワラヒワ,スズガモ,コチドリシロチドリチュウシャクシギソリハシシギ,ミサゴ,オオソリハシシギツバメチドリハマシギメダイチドリトウネン,オオセグロカモメ,カモメ,ヒドリガモ,ムナグロ,オオジュリン,トビ (27種)

【写真】(左上から,石に紛れるシロチドリ,スズガモ,新沼の方のチュウシャク,ハマシギ夏羽,翼の裏,ムナグロもいた,ヒバリ)

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