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2008/04/19

竜飛岬 2008/04/12-13

(12日)  06:30  曇り時々雨(強風)
(13日)  05:00  晴れ

 今回で竜飛岬は3回目。春は初めてだ。過去2回とも外してしまい,満を持しての再挑戦だ。前週はとんでもなく良かったようだが,今回はどうだろう。不安と期待が半分半分だ。

 仙台を夕方に発って,現地に着いたのが11日の深夜。車中泊も3回目になるので,前回までの教訓を生かして,車内に快適に眠れる空間作りができた。こういうのも小屋やテントに泊まるのに通じる楽しさがある。
 この夜は,翌朝を楽しみにしながら快眠できた。

080412s_038 080412s_039 080412s_042  ところが翌朝目が覚めて心が沈んでしまった。目が覚めたのがもう6時近かったのだが,世の中まだ暗い。こんなはずではないと,良く見ると,雨だぁ。天気予報はずれ。風もとても強い。これじゃ撮影機材を外に出せないし,鳥見も覚束ない。
 灯台の先まで行ってみたが,雨と風で,ここにいることさえ辛い状況だ。

 仕方ないので,せめて雨が止むのを待って,近くの港めぐりをすることにした。もしかすると風を避けた海鳥や珍カモメが入っているかもしれない。港めぐりであれば外に出なくても鳥見ができる。

080412s_046 080412_0027 080412_0003 080412_0010  まず最初に竜飛岬のすぐ下の港に行くと,カモメ類ではオオセグロカモメとウミネコ。セグロカモメもいた。他にヒメウとシノリガモも入っていた。しかし面白くない。燗冷ましの酒のような感じ。酒は酒でもおいしくない。竜飛まで来たのは,こんな鳥(失礼!)を見るためではない。
 三厩(「みんまや」と読む。恥ずかしながら「さんまや」だと思っていた。)まで行って,これに加わったのがウミアイサにスズガモ,カルガモ程度。

080412s_044  やや天気が回復してきたので竜飛岬に戻ったが,まだ若干の雨が残っている。間もなく止みそうなので,双眼鏡をぶら下げて階段国道や階段村道の周辺をぶらついてみた。多数のホオジロの群れに混ざってミヤマホオジロ♀が観察でき,また,頭が黒くなったノビタキ♂を観察できたのが収穫だった。この時点ではまだ撮影できるような気象条件ではなかったのが残念だった。

080412s_073 080412s_074  そのうち,雨がほとんど止んできた。雨さえなければ外に撮影機材を出せる。三脚を担いで灯台の周辺に登って行った。
 しかし,強風がひどく,風が当たる場所に長い時間留まることができない。特に西側では崖から吹き上ってくる風が強く,真っ直ぐに立っていられないほどだ。結局,西風を避けて,東側の土手下から観察することになった。

080412_0081 080412_0129 080412_0455  しばらく待って,タカたちが近くを飛び始めたのが10時半過ぎだっただろうか。その後,途切れることなくノスリを中心に観察できたが,津軽海峡を渡って行った個体は少なかったようだ。風のせいだろう。右端の写真のノスリは翼をすぼめているが,これは強風のためだ。ノスリは空に浮かんで留まっていることが多いが,この日はこんなスタイルで留まっていた。撮影しようとレンズを上に向けると風でレンズが持って行かれそうになった。

080412_0044 080412_0748 080412s_086  この日はノスリのほか観察できたタカは,トビ,ミサゴ,ハヤブサ程度だった。ハヤブサはここの居付きのこのだろう。オオタカやハイタカは見つけられなかった。
 鳥見人も,私の他には渡り鳥調査のK氏が1人いただけで,ほかに誰も来なかった。この天気では仕方ないか。
 2時半頃から晴れてきて青空も見えるようになったが,強風は止まない。手はかじかみ,体も芯から冷えてしまったので,3時半頃には引き揚げることにした。

080412s_090 080412s_105  近くの「竜飛ホテル」の日帰り温泉(500円)に浸かって生き返った後,港にある民宿に向かった。
 これが,この日の夕食。食べきれるもんじゃない。ぃや~,熱燗のうまかったこと! あわびの刺身が丸々1個分出ているのに酒を飲まないのは無理。同宿の方と民宿のおかあさんに付き合っていただき,長い長い食事時間を過ごしてしまった。
 今考えると申し訳なかった。ごめんなさい。

 それにしてもこの料理が出て1泊6,800円は安すぎる。
 宿のおかあさんにお聞きしたら,インターネットに写真が出てしまったのでレベルを下げられないという。これじゃぁ儲けってないでしょ,と,料理の質を落とすよう,強く勧めてしまった。これからここに行って期待外れだったら,私のせいかもしれない。

 人手が少ない民宿なので,混むとおかあさんが。忙しくなって気の毒だ。正直,あまり教えたくないので,民宿の名前は内緒にしておく。

080413s_011 080413e_003 080413e_006 080413e_012  翌朝は4時半に目が覚めて,5時には現場に着いた。前日と打って変わって良い天気だ。風もない。諦めかけていた日の出風景も,ほらこのとおり。
 水平線にかかる雲の縁が明るくなったと思ったら太陽が顔を覗かせ,海が金色に輝いた。言葉や写真にすると陳腐だが,澄んだ冷たい空気にあって,岬を囲む海や岬の山々が迫っている風景の中の一点に過ぎない部分だ。
 きらきら揺れ動く光の中を,漁船が通り過ぎて行った。

 この瞬間,鳥のことは全く頭になかった。

Sp_080413e_019  こんなとき,地元の鳥仲間が何となく気恥ずかしそうに現われた。お久しぶり。ネットではときどきお話していたが,久しぶりにお会いすると何となく照れくさいものだ。もっとゆっくり来るのかと思っていたが,ずいぶん早い時間に現れたものだ。
 続いて他の青森の鳥見人たちも続々とやってきて,この日は人も途切れることがなかった。

 懐かしの「お焼き」をいただいた。すっかり冷たくなっていて,皆,”チン”したいって言っていたが,とてもうまかった。甘いものはほとんど食べないので10年ぶり位かもしれない。熱いコーヒーもありがたかった。
 今度ワンバーナーも持って行ってお湯沸かそうかな。
 鳥見も良いが,遠征したときは,こんなのがとても嬉しい。

 そうそう,鳥だった。

080413e_088 080413e_192 080413e_569 080413e_262  この日は凄い数が飛んで,今季最大の渡りだったようだ。しかし,渡って行くタカたちにとって高い方が条件が良かったのか,ほとんどが空の高みを通過して行った。私は見なかったが,50羽程度の群れも高い所を飛んで行っていたようだ。それに加え,ケアシノスリが10羽以上飛び,チュウヒなども飛んだようだが,私の”ポンコツまなぐ”と8倍の双眼鏡ではしっかりと確認できなかった。

 途切れなくタカたちが渡って行くものの,この日は最後まで近くを飛んでくれるタカはいなかった。視力検査するような,遠くを飛ぶのがほとんどだった。目がとても疲れた。
 毎日渡り鳥調査をしている方々にお聞きすると,目が紫外線でやられるようで,濃い目のサングラスをかけていた。本当にご苦労さまだ。頭が下がる。

080413e_026 080413e_074080413e_064  小鳥類では,100羽位のシジュウカラの群れが朝からずっとこの周辺を飛びまわっており,また,ときどき他の鳥も観察できた。ヤマガラも確認でき,ヒガラも混ざっていたという。驚いたのがシマエナガ。ブラキストン線を越えて,こちらで越冬していたようだった。普通エナガもここに溜まっていたので,北海道に渡って行くものもあるのかもしれない。あまり聞いたことがないが,実際は竜飛と函館周辺では混ざり合っている可能性がある。カケスも可能性があるようだ。今年の秋に,息子が函館に転居する予定なので,今度反対側も観察してみたい。

080413e_030 080413e_036 080413e_071  大きめのでは,カラスの群れが2~3回渡って行った。ミヤマガラスだという。撮影した写真を後で拡大してみると,確かにそうだった。オオハクチョウと思われるハクチョウ類も渡って行った。ツバメは単独で何度か見かけたが,これも渡って行くものだったのだろうか。

080413e_154 080413e_227 080413e_320  今回もパフォーマンスを楽しませてくれたのが,ここに来るといつも迎えてくれるハヤブサだ。渡って行くタカが遥か彼方だったのに対し,ハヤブサはすぐ近くを飛んでくれ,ときには目線の高さで姿を見せてくれた。何度見てもカッコ良い。 

080413e_392 080413e_395_up 今回タカの撮影は思うようではなかったが,ハヤブサではこんなのも撮影できていた。右側のでは,空中に白いウン○が漂っているのが見える。もちろん,狙って撮影したものではない。空中で変な恰好をしたので連写したら,その1枚にこのような写真があった。
 この遠征では,渡りのタカの撮影が思うようにならなかったが,この写真があって救われた。これで竜飛にいったかいがあったというものだ。
 ハヤブサの写真は山ほどあっても,このような写真を見たことがある人はあまりいないのではないだろうか。ちょっと自慢できるかな。
 足の力の入れ具合やお尻の羽の広がり方,そして,こちらを見ている目付きがとても良い。我ながらケツサクだ。

080413e_364 080413e_366 080413e_377 080413e_380  急降下する姿も何度か観察することができた。高い崖の上から見ているので,急降下する前から落ちて行くところまでしっかりと観察できる。岬の突端にある防衛省の施設がなければもっと良く見えるのだが仕方ない。それにしても,翼をすぼめてわずかに回転しながら落ちて行くこの姿は最高。
 この4枚の写真と下の段落の左2枚の写真は,連続撮影したものから抽出した一連のものだ。

080413e_383 080413e_385 080413e_401 080413e_409  私の双眼鏡では見えなかったが,白い小さな物を掴んでいる姿も観察できたようだ。どうも沢山飛んでいたシジュウカラを捕まえたらしい。これからも多くの小鳥がここを経由して渡って行くだろうから,狩りの対象には事欠かないだろう。
 2羽がじゃれあうように飛んでいる光景も見られたが,1羽は子供のようだ。仲良さそうに見える。親子なのだろうか。

080413s_034  もう1日いる手もあったが,今回はこの日に内に帰ることとした。休憩や給油を入れると,仙台まで5時間は見た方がよい。4時前には荷物をまとめ,引き上げることとした。
 ご一緒いただいた方々のおかげで,とてもとても楽しい日を過ごさせていただいた。心から感謝申し上げたい。
 最後に張ったのは,竜飛灯台の上に見えた竜が飛ぶような雲。

 今回も心残りができたので,また来なくちゃいけない。

 帰り道,青森まで行く間,電線や田んぼでノスリたちが見送ってくれた。
 「また来いよ。」って,聞こえた。

【観察できた鳥】 ※ 自分で確認できたもののみ

ハシボソガラス,ホオジロ,ミヤマホオジロ,ノビタキ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ムクドリ,カワラヒワ,ヒメウ,ウミウ,ハクセキレイ,シノリガモ,ハシブトガラス,ウミアイサ,スズガモ,イソヒヨドリ,ハヤブサ,トビ,ミサゴ,ノスリ,
ベニマシコ,シジュウカラ,キセキレイ,ウソ,ヤマガラ,メジロ,スズメ,ジョウビタキ,アカゲラ,キジバト,ヒヨドリ,オオタカ,オオハクチョウ,エナガ(シマエナガを含む。),アオサギ,ツバメ,ケアシノスリ,ハイタカ (38種)

【写真】(左上から,ウミアイサ,1日目のノスリ×2,竜飛灯台,「竜飛崎 鷹を放って そばだてり」,竜飛郵便局,竜飛ホテルと青い海,宿,2日目の傷んでいるノスリ,ノスリのぶるぶる,ミサゴ×2,柳,水芭蕉,ヒオドシチョウ,見送ってくれたノスリ,2日目の日の出)

080412_0771 080412_0488 080412_0750 080412s_103 080412s_094 080412s_051 080412s_090 080412s_071 080413e_463_2 080413e_510 080413e_289 080413e_291 080413e_043 080412e_584 080413s_028 080413e_593 080413s_019

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コメント

まず民宿の夕ご飯にびっくりです。
今年も皆さんが集中する5月3-5日に飛島に行きます。今年は17名の大所帯になりました。
天気に恵まれれば少しくらい鳥が出なくても、食卓にヤリイカが出ますのでOKです。
今年はお会いできますか?

投稿: つな | 2008/04/19 15:32

つなさん,おばんです。
毎年同じ時期に行って同じような鳥を見ているので,今年の飛島は少しずらそうと思っていました。連休の予定はまだ立てていません。
それにしても17名とは某旅行会社並ですね。ご苦労さまです。成果大であることをお祈りしています。

竜飛も良いですよ。

投稿: yamame | 2008/04/19 18:31

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