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2008/03/16

蕪栗‐閖上 2008/03/08

(蕪栗) 09:00 曇り
(閖上) 12:30 晴れ
(鳥の海) 15:10 晴れ

 春めいてきた。もう蕪栗ではウグイスがさえずっていることだろう。久しぶりに蕪栗沼の土手を歩いてみたくなった。

080308s_072 080308e_0020  いつものコースで蕪栗沼の方に車を走らせていると,北側駐車場につながる道路が工事中で通行止めになっていた。3月25日までのようだ。これまでの期間は北側駐車場は使えない。ぐるりと南側に回るが,どうも様子がいつもと違う。ヨシ原から煙が上がり,炎も見える。ちょうど野焼きの日に当たったようだ。
 野焼きはここの環境保全のために不可欠な作業だ。

080308s_010 080308s_007 080308s_005  とりあえず南側駐車場に車を止めたが,野焼きの最中に遊歩道を歩けるのだろうか。ボランティアで出ていた係の方に尋ねてみたら,歩いても大丈夫という。言葉に甘えて,三脚担いで歩き始めた。遊歩道には消防署や消防団の方々が沢山いた。皆働いているのにお楽しみで歩いているのも何となく居心地悪い。申し訳ない。
 風が強く,ヨシ原がどんどん燃え,すでに黒い空間がぽっかりと空いていた。

080308e_0029 080308e_0121  鳥はこの騒動もあるのだろうが,そもそも風が強く,全くダメ。沼まで歩いて行く間,上空にチュウヒ,道端にアオジやツグミ程度だった。沼が見える所まで歩いて行くと,沼の中にはコガモがどっさりと入っていた。なぜかマガンが1羽混ざっていたが,すぐに飛んで行ってしまった。チョウなども内心期待していたのだが,予報とは異なり,雲もあり,また,風もあり,これではダメ。

080308s_050 080308s_035 080308e_0051  それでも,沼の北側まで歩いて行くと,タシギの群れが入っているのを見つけた。それも,うじゃうじゃ,という位たくさん。保護色で見にくかったが,ざっと数えてみると28羽だった。これだけ多いと,1羽1羽個性があるのもわかる。やけに赤っぽいのもいた。
 写真撮影にはやや遠かったが,デジスコで証拠写真を撮ってみた。写真で見るとどこにいるのかよくわからない。「何羽いる?」なんて,クイズにできそう。
 ここにはタゲリも入っていた。

 ここで,AIさんから電話が入った。広浦でハシジロアビを見つけたという。凄い。見たことがない鳥だ。しかし,蕪栗沼からでは遠すぎる。「後で行きます。」と電話を切ったものの,この強風で内水面に避難してきたのだとしたら,すぐにいなくなるかもしれない。
 すぐに向かうことにした。

 なお,ウグイスは,まだ上手ではなかったが,期待どおりさえずり始めていた。

080308s_074 080308e_0203  蕪栗沼から閖上(広浦)まで1時間半位かかっただろうか。
 現地に着いて,朝市会場付近から斎場の辺りまでを2回ほど巡回して探すが,見つけられない。やはりもういなくなったのか。AIさんに電話して確認すると,最後に見たとき斎場方面のウの集団の方に移動していた,という。そこで,車を止めて,斎場裏の土手道(堤防)を歩いて探すことにした。
 そしたら,いた。

 見つけた後,急いで車にカメラを取りに向かうとき,ちょうどAIさんご夫婦がやってきた。別の場所に移動してご夫婦で楽しんでいたのに,わざわざ戻ってきてくれた。良い人たちだ。気持ちがとても嬉しい。

080308e_0222 080308e_0236 080308e_0171  それにしても,こんな至近距離で会えるとは思っていなかったし,撮影できるとも期待していなかった。それだけに大興奮。夢中で撮影することしばらく。
 ハシジロ(嘴白)という名前のとおり,嘴が白っぽい。といっても,真っ白ではなく黄色味を帯びた象牙の印鑑のような色だ。大きくて立派な嘴。下嘴のカーブが強いので上に反っているように見える。

080308e_0158 080308e_0208  また,近かったので,虹彩が赤いのもよくわかった。ハジロカイツブリやミミカイツブリのような鮮やかな赤でなく,暗い赤だ。漆塗りのような深さがある。この日は条件が良かったので色がよくわかったが,曇っていたり遠かったりすると黒っぽく見えるかもしれない。
 足は水面下にわずかに見えたが,カイツブリやウの仲間に比べると,それほど大きくないようだ。

 図鑑写真撮り放題の状況だった。

080308e_0250 080308e_0369 080308e_0374  しかし,土手上からとは言え,私たちがややプレッシャーになったのか,徐々に細い水路を遡り始めた。この水路は広浦と名取川をつなぎ,閖上(ゆりあげ)の町の中を通っている。
 ハシジロアビの後ろ姿を見送ったところで,AIさんご夫婦とは別れたが,この鳥,何のパフォーマンスも見せてくれなかったので,私はもう少し付き合わせてもらうこととした。
 先回りして閖上の町の中で待った。

080308e_0417 080308e_0425 080308e_0486 080308e_0487  鳥はそれほど待つことなくやってきたが,さっきとは違って潜水を繰り返している。見ると早速魚を捕まえたようだ。慌ててレンズを向けたが,ピントが甘く,きちんと撮影できていなかった。残念。
 その後も潜水を繰り返しながら,車や人が頻繁に通過する町中の橋をくぐって上流(名取川側)に向かったが,ここから引き返し始めた。

080308e_0726 080308e_0727 080308e_0728  アビの仲間は英名でDiverというので,潜水に着目してみた。
 潜水はあまり水飛沫を立てたりすることなく,静かに行っていた。横から見ると,背中の感じがクジラのようにも見える。潜水時に足や尾羽,ときには翼まで見える種類もあるが,この鳥は何も見えなかった。
 水泳の飛び込み競技では水飛沫を立てないのが良いとされているが,鳥の潜りの場合は,もっと派手な方が見ていて楽しい。

080308e_0551 080308e_0565 080308e_0597 080308e_0614  しばらく観察していると,潜った後に出てくる所の予測がついたので,そこで待ち構えて撮影させてもらった。岸辺で待っていると,ほぼ目線の高さに浮かんでくるので,土手の上からの観察とは違い,臨揚感がある。大きな鳥なのでなおさらだ。図鑑(590)によると,ハシジロアビはアビ類最大で,体重7kg近くにもなるという。
 付き合っている間に私の存在にも慣れてきたようで,こちらに向かってくることもあった。

080308e_0694 080308e_0694_01 080308e_0750  今度は徐々に広浦の方に移動し,最後には元いた所に戻ってきていた。
 他にも人がいれば日が暮れるまで見ていたかもしれないが,動きがあまりないので,さすがに飽きてきた。移動することとした。
 Diverの仲間をこんなに至近距離で見たのは多分初めてで,しかも,それがハシジロアビ。情報をくださったAIさんには心から感謝する。

 2時間にも満たない短い時間だったが,この鳥と二人っきりでいた時間はとても貴重。仲間のような親近感を持つのには十分な時間だった。
 早いとこ外洋に戻って,元気で仲間に再会できることを願った。

 さて,ここから近い場所といったら,やはり鳥の海。

080308e_0823 080308e_0824 080308e_0825080308e_0833   鳥の海では,岸辺近くにハジロカイツブリがポツンポツンと入っていた。今季,数が少ないように感じていたが,久しぶりに至近距離で見たような気がする。まだ冬の装いで,ふわふわのお尻がめんこかった。この鳥は,先程のハシジロアビと異なり,潜るのを撮影するのが楽しい鳥だ。
 カモメが飛んでいたが,ままなくこれも北に帰って見られなくなるだろう。

 浜の方は,いつもいるシロチドリの他は何もいない。
 Hさんたちが海を観察していたので,お聞きすると,沖の方にクロガモの群れとウミスズメがいたようだ。

080308e_0951 080308s_105  日がだいぶ傾いてきたので,ここからすぐに行ける牛橋河口に寄ってみた。
 着いて,前回ダイゼンやハマシギが入っていた池を覗くと,足元からシギが飛び立った。腰から尾羽が白く見える。双眼鏡で追って降りた所を確認し,スコープで見てみると,クサシギだった。「いた」のか「来た」のか不明だが,この時期にクサシギを見るのは初めてだ。鳥を見ていると,驚かされることがしょっちゅうだ。油断ならない。

080308e_0896 080308e_1007_2 080308e_1045  帰り道,この時期にタゲリがよく入る田んぼを覗いてみたら,期待どおり1羽入っていた。午前中,蕪栗でも観察していたし,冬には県内各地で観察できるが,ちょうど今の時期は,よく目に付く。移動の時期に当たっているのだろう。群れに出くわすと求愛行動を観察できる時期でもある。

 この日は蕪栗沼で楽しむ予定だったが,期せずして「ハシジロアビの日」になった。
 たまたま情報をいただけたので運良く観察できたが,もうこういう機会はないかもしれない。後から振り返ったとき,貴重な時間だったと思うようになるだろう。

【観察できた鳥】

(蕪栗沼)

スズメ,ハシボソガラス,ハクセキレイ,チュウヒ,トビ,ノスリ,コガモ,ツグミ,ムクドリ,マガモ,アオジ,マガン,ダイサギ,カルガモ,カワラヒワ,シジュウカラ,タシギ,タゲリ,オナガガモ,ウグイス,エナガ,オナガ (22種)

(閖上)

ハシジロアビ,カワウ,イソシギ,コガモ,カイツブリ,ユリカモメ,ツグミ,ベニマシコ,他

(鳥の海)

ハジロカイツブリ,カンムリカイツブリ,ツグミ,ユリカモメ,トビ,ホオジロガモ,カワラヒワ,ハシブトガラス,マガモ,ホオジロ,シロチドリ,クロガモ,カワアイサ,カモメ (14種)

【写真】(左上から,蕪栗沼のタゲリ,今季見納めのマガン,野焼きの火,広浦の青い水面,カワウ×2,ハシジロアビ,背中,アップ,図鑑写真風,カワウの編隊,セグロセキレイ,飾り羽が見えるダイサギ,田んぼに写る夕日,牛橋河口付近の水面)

080308e_0064 080308e_0144 080308e_0051_2 080308s_076 080308e_0775 080308e_0776 080308e_0168 080308e_0477 080308e_0565_01 080308e_0682 Sp_080308e_0924 080308e_0885 080308e_0958 080308e_1034 080308s_115

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コメント

yamameさんこんばんは。yasです。ハシジロアビ良かったですね。私も当日AIさんから一報いただきましたがあいにく出張中で仙台にいませんでした。痛恨です。ところでその思いを拙ブログに書きましたがハシジロアビの詳細はyamameさんのブログにありますと振ってしまいましたのでよろしく御願いします

投稿: yas | 2008/03/17 23:38

yasさん,おはようございます。
ハシジロアビは残念でしたね。記事にも書きましたが,存在感のある鳥でしたよ~。
そろそろ鳥が動き出しているので,また何が出るのか楽しみです。

投稿: yamame | 2008/03/18 07:33

yamameさん、こんばんは。
今日、青葉山探鳥会に参加した時に宮城県支部の方から広浦のハシジロアビが保護されたことを聞きました。
5月6日から見れなくなったので抜けたかと思っていたところでした。
ハシジロアビは片方の足を怪我していたそうです。
他の人からも怪我してると聞きしましたが、魚を獲っていたので半信半疑でいました。
夏羽が見れるかも期待していたので残念です。

投稿: AI | 2008/06/01 23:12

そうなんですか。知りませんでした。
konpasさんと見ているとき,お腹の片側を盛んに気にしている様子が見られましたし,katokeiさんから陸によく上がっていると聞いていましたが,怪我をしていたんですか。
海鳥では良く釣り糸がからまったり油で汚れたりしてそのまま死んでしまう鳥が多いと思いますが,この鳥にとっては保護されて幸運だったんでしょうね。
ここに張った写真が遺影にならなくて良かったです。

投稿: yamame | 2008/06/02 06:25

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