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2008/03/04

養老牛 2008/02/10-11

(10日) 22:00
(11日) 05:00

 ぐっすり眠っていたら部屋の電話が鳴った。

 ここは養老牛温泉の旅館「藤や」
 予約時点では,シマフクロウを居ながらにして見れる1階の部屋は一杯だと言われていたが,行ってみると1階の部屋を用意してくれていた。この宿はシマフクロウが来る生簀をモニター撮影しており,部屋のテレビでもチェックできるシステムだが,この部屋は窓から直接見える。宿の心遣いに大感謝だった。

 にもかかわらず,前回書いたように,歯止めのない飲み方をしてしまい,そうそうに眠り込んでしまっていた。たぶん,夕食時の飲み方を見て,「あの客は寝たかもしれないから電話した方が良い。」と判断してくれたのだろう。当たり。
 電話に出た妻からの伝言。「来たってよ。」

080210_0026  電話の内容によっては,聞き流して狸寝入りしていたところだが,これは大変だ。瞬間的に目が覚めた。窓にそっと近付いて覗きこむと,いた。初めて見る鳥だった。これは「鳥」って概念にはまらないかもしれない。シマフクロウっていう生き物。子供のような大きさだ。でかくて存在感がある。生簀の端に渡している止まり木にとまってじっとしている。

 三脚とカメラはすでにセットし,撮影準備は整えていた。しかし,光量が足りないので,工夫しないと撮影はできない。「だいいち」もここもストロボ撮影は禁止となっているし,そもそもストロボ撮影するつもりもなかった。レリーズを用意していたので,カメラのブレはある程度防げる。しかし,ISO感度を最大の3600にして,露出補正をマイナス1.5にしても,シャッタースピードが1.5~2.0sec.だった。相手がじっとして動かない鳥だったので何とか止まってくれたが,動きのある画を撮影するのは望むべくもない。

 ピント合わせにもかなり苦労した。暗いのでオートフォーカスは効かないし,マニュアルフォーカスにしてもピントの山が良くわからない。カメラのモニターでピント合わせをすれば楽だっただろうが,ライブビューへの切り替え方法をまだ覚えていなかった。仕方なく,撮影してはその結果をモニターで確認する,という最も原始的な方法でピント合わせをする羽目になってしまった。
 ライブビュー切り替えは,ボタンを押すだけで良かったんだとわかったのは後でのこと。

080210_0014080210_0018_2 080210_0006080210_0437    さて,このシマフクロウ。片目に障害があるようだ。丹下左膳は右目が見えないが,この鳥は反対側の左目だ。フクロウは人間と同じく立体視するのだろうから,不便だろうと思う。餌を捕れないと死んでしまう鳥にとっては,生け簀があってなによりだった。
 何かの事故でこのようになったのであれば,「可哀そうに」と思ってお終いになるが,近親交配が結構あるようなので,その結果だとすると,この先とても心配だ。生息域が限られていて,かつ,絶対数が少ないとこんなことも心配になる。

080210_0027 080210_0034  連絡を受けて見始めたときは1羽だけだったが,まもなくもう1羽来て2羽になった。2羽ともしばらくじっと佇んでいたが,やおら1羽が動き始め,生簀から魚を捕まえた。捕まえるときに翼を広げるのだが,これがなかなかの迫力。2m近い大きさに見える。暗い中でのパフォーマンス。音がない。見ごたえがある。

080210_0283 捕まえた魚をもう1羽にプレゼントしてする行動も観察できた。繁殖行動の始まりなのだろうか。この写真は,ピントが全然合っていなくて,ブレてもいるが,雰囲気だけでもわかるだろう。右の個体が魚をプレゼントし,左の個体がそれを受け取ってくわえている。
 ストロボ撮影すればきれいに撮れたのだろうが,ルールは守らなければならないし,びっくりさせたくもない。

 ただ,残念だったのが禁止されているストロボを使っている人がいたこと。
 私たちの部屋の左側と左の上の部屋の2か所から発光していた。どこでもルールを守れない人がいる。こういう人たちは日常生活からそうなんだろう。ゴミ出しなどでも近所に迷惑かけているに違いない。
 せっかく良い気持ちで見ていたのに,イラっとしてしまった。

080210_0137 080210_0249 080210_0269  後から来て魚をプレゼントされた個体は両目とも大丈夫だった。きれいな眼をしている。全体に地味な色なので,虹彩の黄色がよく目立つ。とてもきれいなのだが,下向き加減からこの目で見られると猛獣のような怖さが出てくる。カッコ良い。
 また,お腹の羽毛が一本一本乱れたようになっており,ふわふわと暖ったかそうに見える。これもこの鳥のチャームポイントだ。

 飛び去ったのは午後11時過ぎ。1時間以上いてくれたことになる。
 興奮冷めやらぬまま眠りに就いた。

080211_0868080211_0895080211_0884  翌朝は仙台に帰る日で,午前中だけしか時間がなかったが,根室半島方面に行きたかったので朝早くに出発することとしていた。
 しかし,この鳥に足止めされてしまった。
 窓の外を大きな影が2度3度左右に動いたと思ったら,1羽がふわりと舞い降りた。この鳥を置いて出かけるわけにはいかない。時間は午前5時過ぎだった。
 ここまで書いてこなかったが,近すぎて全身が入らなかったので,縦写真が結構ある。

080211_0920 080211_0953 080211_1129 080211_1182  朝なので,だんだんと明るくなり,飛んでいなくなったのは6時を十数分過ぎた頃だった。全くの偶然なのだが前夜と同様1時間以上滞在したことになる。ここに来るシマフクロウは3羽いるようなので,前夜来た2羽とは違う個体かもしれない。
 いなくなる前にはだいぶ明るくなってきており,ISO感度800まで下げることができた。ここまで下げられたら普通の撮影も可能になってくるが,ふわっと飛び去ってしまった。

080211s_009_2 080211s_015  前夜,早く出ると言って会計を済ませていたにも関わらず,結局,出たのは6時半を過ぎていた。朝のコーヒーを強く勧められたが,出るのが遅くなってしまったので,お断りしてしまった。申し訳ない。
 前夜泊まった「だいいち」も良かったが,ここ「藤や」も鳥見人に対する心遣いが最高だった。とてもお世話になってしまった。大感謝である。

【観察できた鳥】

シマフクロウ

【写真】

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