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2008/02/02

石巻‐鳥の海 2008/01/27

(石巻) 10:00  晴れ
(鳥の海) 15:00  晴れ

 山形県の悠創の丘に行こうと思っていたが,どうも良くないらしいという情報をいただいた。山を越えると天気も良くないようだ。前日に続き,太平洋側の海沿いに行くことにした。
 まずは石巻の埋立地へ。

 三陸道の奥松島以北が無料になったので,石巻までずいぶん安く行けるようになった。仙台宮城ICから大和ICまで通勤割引で350円,大郷ICから以北は300円,計650円(軽料金)だった。これからこちら方面に来る機会が増えるかもしれない。

080127e_0014  埋立地では内側の沼はほとんどが凍っていて,何もいない。風が強いなか,風に吹き飛ばされるヒバリやオオジュリンの声がむなしく聞こえるだけだ。
 新しい方の広い干潟に行くと,数多くのカモ類がいた。ただ,数の割に種類はあまり多くない。見たところ,マガモ,オナガガモがほとんどで,若干コガモが混ざっているだけ。ここで出会ったKさんはトモエガモ♂を見つけたようだが,私は見つけられなかった。

080127e_0011 080127e_0026 080127e_0027  ここにはカモの他にハマシギも入っていて,ざっと見て100羽は下らないようだ。散らばって干潟状になった場所で餌を取っていたが,何かに驚いて飛ぶと,その群飛がきれいだった。背中側を見せているときは黒っぽく背景に溶け込むが,反転してお腹側を見せると,白く目立つ。右に左に飛びながら,時折,空中で白くフラッシュする感じ。

080127e_0099 080127e_0071 080127e_0100  寒風が強くなってきたので,カモ類の観察もそこそこに陸側の方に移動していたら,歩いている脇にサァ~っと飛んできて,降り立った。どうしたのかと思って見ていると,嘴を羽に突っ込んで休憩モードに入った。ハマシギはあまり人を恐れないので,近くから撮影させてもらった。この近くにはシロチドリの数羽の群れも休んでいた。

080127e_0256 080127e_0110 080127e_0150  さらに移動しようと歩き始めたら,足元の草むらから大きな鳥がふわりと飛び立った。コミミズクだ。以前もここでこんなことがあった。枯草色の草むらの中では全くわからない。ただ,この日は遠くには飛び去らず,すぐ近くの,今度はちゃんと見える所に止まってくれた。背景に色気がないが,贅沢は言わないようにしよう。

080127e_0210 080127e_0192 080127e_0190_up080127e_0211   よく出会う猛禽のなかでは,このコミミズクがもっとも近くで観察できるのではないだろうか。今回はデジスコでなくデジ眼で撮影していたのだが,こんな風(トリミング有)に写るだけ近くで撮影できた。背景のせいで,ジミ~な写真になっているが,目の虹彩だけに黄色い色が付いている。
 左から3番目の写真のように,初列風切羽の先端がぼさぼさになっている。これは理由があってこういう風になっているのかもしれない。
 目蓋は黒かった。

080127e_0198_up 051225_02844 060205_05144 070421a_433  このコミミズクは羽角がしっかりあって,猫の耳のようだ。以前に撮影した別個体と比べてみると,違いがわかる。左端が今回の個体だが,残りの3枚は別個体だ。耳もそうだが,顔付や顔の模様もずいぶん違う。
 人の顔がひとりひとり違うように鳥の顔も1羽1羽違うと思うのだが,通常は見分けがむずかしい。そういう意味では,コミミズクはわかりやすくって面白い鳥だと思う。
 機会があったら,これからも顔を比べて楽しみたい。

080127e_0243 080127e_0245  寄りすぎて飛ばしてしまったが,おかげで飛翔写真も撮影することができた。翼の上面が写っている写真と下面が写っている写真を記録用に貼っておく。
 このコミミズクは数十秒間空を舞っていたが,結局は最初出会った場所と同じような場所に降り立った。この周辺に居ついているようだ。次回もこの周辺で出会えるかもしれない。

080127e_0273  コミミズクがいた近くから海を眺めると,遠くにビロードキンクロが3羽とクロガモの群れが見えた。ウミスズメ類もちょこっとは期待していたが,こちらは残念。遠かったので,どの位ちゃんと写るかわからなかったが,撮影してみたら,何とか特徴が見えるようには撮れていた。遠くから見ると,♀は下半身の白い斜め線がよく目立つ。

080127e_0371  ケアシノスリはKさんに教えていただいた。
 自分一人では見つけられなかったかもしれない。いつもいる所でない場所にいるのを見つけてくれて,携帯で連絡いただいた。ありがたい。急ぎ足で向い,飛ぶ前に何とか間に合った。
 ブッシュの中にいたのでうまく撮影できなかったが,見られただけでも幸運だった。それにしてもよくこんな場所にいたのを見つけられたものだ。

080127e_0406 080127e_0413 080127e_0424080127e_0437   肝が据わっている鳥と思っていたので,徐々に寄って行ったが,背中から近寄ったせいか,思ったより遠い距離で飛んでしまった。うんちをしていたので,ちょうど飛ぶタイミングだったかもしれない。仕方ない。飛ぶ姿を見ると,尾羽に黒い線が2本あった。お腹の模様も考え合わせると,成鳥♂かな。この周辺に降りるのを待ったが,北側の方に飛び去ってしまい,こんな写真しか残らなかった。

(2008/02/05 追記)
 yanagi氏からご指摘をいただいたので,「カムチャッカケアシノスリ」の特徴(a~g)を図鑑から拾ってメモしておく。なお,野外では識別困難,とか,差異を認めない研究者もいる,という記載があったことも付記しておく。
 a 全体的に黒っぽい
 b 白黒のコントラストが強い
 c 頬と喉が黒褐色
 d 白い尾の先端に黒褐色の帯が2~4本有
 e 初列風切上面基部の白色斑がほとんどない
 f 翼のはばが広い
 g 虹彩は暗褐色
 ケアシノスリ自体そんなに多く見たことがないので,正直,私には同定が難しい。

 今季は日本海側でもケアシノスリが大当たりのようだが,こちらでも複数個体が観察されている。Kさんのお話や他の方の情報などを合わせると,少なくとも石巻とその周辺には3~4羽は居ついているようだ。今季はケアシノスリとの出会いのチャンスと思う。もう1回は出会いたいものだ。

080127e_0525 080127e_0538 080127e_0539 080127e_0555  このあと,岸に近い海を海を覗いて,ここでお約束のカンムリカイツブリたちと遊んでもらった。カンムリカイツブリは,県内の沿岸どこにでもいる印象だが,一番多いのはここではないだろうか。冬の間ずっといて,毎年夏羽に変わった姿を見せてくれてから,北に帰っていく。
 数は数えなかったが,20羽以上はいたのではないだろうか。

080127e_0587 080127e_0507 080127e_0607 080127e_0676  カンムリカイツブリを撮影していたら,目の前をハマシギの群れがサーっと飛んできた。かなりのスピードでジグザグに飛んでいる。何だ,と思ったら,ハヤブサの仕業だった。短い観察時間内に,ハヤブサは2回姿を現した。
 この海域ではミミカイツブリも観察できたが,やはりデジスコでないと距離が遠すぎた。

080127e_0693 080127e_0694  少し覗くだけのつもりで来たのだが,コミミズクやケアシノスリと出会えたりと楽しめたので長居してしまった。長居ついでに,河口方面の港も覗いてみたら,オオバンのこんな姿も撮影できた。浮きに乗っかっていたのだが,車が来たので,大慌てで水面に滑り降りるところだ。翼の羽の1枚1枚もよくわかるし,足のユニークな形もよくわかる。
 良い瞬間が撮れて満足。

 このまま良い気分で帰る手もあったが,久しぶりの探鳥なので,南下することにした。晴天なので,午後4時頃までは大丈夫だろう。

 ということで,鳥の海に着いたのは午後3時頃だった。日が暮れる前に急ぎで巡回せねば。

080127e_0703 080127e_0729  最初に,思いがけず,黄色い足のセグロカモメと出会ってしまった。背中の色が濃く,口紅をいたずらしたように,下嘴の赤い班が大きくて上嘴まで滲んでいる。近年よくいう「ホイグリンカモメ」なのだろう。日本鳥類目録(第6版)どおりに記録しているので,フィールドノートには「セグロカモメ」とメモした。

080127e_0757 080127e_0752 080127e_0753  水辺沿いの道を回ると,いつもいるカンムリカイツブリが見えない。代わりに,今季姿をなかなか見れなかったハジロカイツブリが,ポツンポツンと浮いていた。水辺近くにいた個体のところで車をとめて撮影していたら,偶然こんな良いのが撮れた。潜る瞬間のは何度も撮影しているが,今回は条件が良かったようだ。

080127e_0769 080127e_0777 080127e_0791  河口側の一番奥に行くと,ここでもハマシギの群れと出会った。ハマシギは冬に県内に居ついているシギなのだろうが,ずっと同じ所にいるわけではないようだ。多い少ないもあるし,いるいないもある。同じように見えても群れ自体が入れ替わっているのかもしれない。こういうのは,よくわからない。

080127e_0813 080127e_0863 080127e_0880 080127e_0901  海岸に出て浜辺を見ていると,これも毎年越冬しているミユビシギの群れを見つけた。相変わらず波の動きに合わせて,せわしなく走り回っている。じっとしていれば白くてきれいなシギなのだが,動きが「きれいだな~」なんて思わせる余裕を与えてくれない。とにかくせわしい。

080127s_012 080127s_018 080127s_031 080127s_032  最初は車の中から望遠レンズで狙っていたが,後ろの打ち寄せる波を背景に入れたくって,砂に座って撮影した。このどれもが普通のコンパクトデジカメで撮影したものだ。ハマシギ同様,ミユビシギも人をそれほど恐れないので,望遠レンズがなくってもこんなにしっかり撮影できる。

 そろそろ時間だな,と思い,ハイチュウポイントに行ってみたら,ここで良くお会いする福島のOさんがいた。この周辺では,9月になると「はらこ飯」,その後「ほっき飯」と名物料理が続き,ハイチュウの時期になるとOさんがいらっしゃる。こちらはもちろん食べられない。しかし,よくも飽きずに通ってくるものだ。尊敬する。

080127e_0941 080127s_053 080127s_081  Oさんに色んなことを教えていただきながら,しばらく一緒に待っていたら,いつの間にかハイイロチュウヒ♂がいつもの所に止まっていた。おしゃべりに夢中で気が付かなかった。飛んでくる姿も見たかったのに残念だった。肉眼で見ると,遠くの松にポツンと白い点のように姿が見える。デジ眼は無理と思い,デジスコで撮影していたが,Oさんはデジ眼で工夫して撮影していた。撮影する技があるようだった。

 親切にご指導いただいて要領がわかった(と思った)が,自分の勉強不足が恥ずかしかった。ライブビューなんて使ったことがなかった。せっかくデジ眼を持っているのだから,もっと有効に使わねば,と強く思った。Oさんに深く感謝する。

 この日は石巻ではKさんに,鳥の海ではOさんにとてもお世話になった。おかげさまで楽しい時間を過ごすことができた。心から感謝申し上げる。

【観察できた鳥】

(石巻)

トビ,ヒバリ,オオセグロカモメ,オオジュリン,ハクセキレイ,ウミネコ,ハマシギ,オナガガモ,コガモ,カモメ,マガモ,ウミウ,シロチドリ,コミミズク,ビロードキンクロ,スズガモ,クロガモ,カンムリカイツブリ,ノスリ,ケアシノスリ,カワラヒワ,ツグミ,タヒバリ,ヒドリガモ,ワシカモメ,ハヤブサ,スズメ,ミミカイツブリ,イソヒヨドリ,ホオジロ,カルガモ,キンクロハジロ,ホシハジロ,オオバン (34種)

(鳥の海)

オオバン,スズガモ,ユリカモメ,ウミネコ,カモメ,オオセグロカモメ,ホイグリンカモメ,ハシブトガラス,カワウ,カルガモ,コガモ,トビ,ハシボソガラス,ムクドリ,ヒドリガモ,カイツブリ,マガモ,ハクセキレイ,スズメ,ダイサギ,ハジロカイツブリ,ホオジロガモ,カワアイサ,セグロカモメ,ミユビシギ,オオジュリン,シジュウカラ,モズ,コハクチョウ,ツグミ,ハイイロチュウヒ (31種)

【写真】(左上から,スズガモの中のカンムリカイツブリ,スズガモ,ノスリ,ハマシギを追いかけているハヤブサ,ワシカモメ,カモメ,ユリカモメたち,夕暮れに舞うハイイロチュウヒ×2,じっとしているハイイロチュウヒ,マガモ,飛んできたミユビシギ×2,鳥の海の風景×3~最後のはハイイロチュウヒが来る直前)

080127e_0660 080127e_0563 080127e_0325 080127e_0630 080127e_0485 080127e_0724 080127e_0745 080127e_0988 080127e_0991 080127s_057 080127e_0768 080127e_0929 080127e_0932 080127s_005 080127s_006 080127s_036

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コメント

貴殿のホームページ見ました
石巻のケアシノスリは
カムチャッカケアシノスリの♂です

投稿: yanagi | 2008/02/04 10:45

yanagiさん,はじめまして。
おばんでございます。
よくお出でくださいました。

ノスリに「ケアシ」が付いただけで凄いのに,さらに「カムチャッカ」なんて付いたら,私の領分を超えて,別世界のことのようです。
同定された特徴は何なんでしょう? 2本より多い尾の横帯ですか?
鳥の世界って深いですね~。

投稿: yamame | 2008/02/04 21:10

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