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2007/10/12

蕪栗沼 2007/10/06

07:00 晴れ

 ガンのシーズン到来だ。シーズン盛期に備えて,下見がてら蕪栗沼周辺を巡回することにした。

071006_8289  まずは,いつも寄るセブンイレブンで,昼食用のおにぎりと朝食用のエッグマフィンを買う。温めてもらったエッグマフィンをほおばりながら蕪栗沼に向かっていると,頭上から,鳴き交わすマガンたちの声がする。見ると,マガンの大群が飛んでいくではないか。どうも右手の田んぼに降り立ったようだ。背筋しゃっきり,鳥見モードのシフトがいきなりトップに入った。エッグマフィンの卵をその辺に飛びちらかせ,わき道に急カーブした。

071006_8305 071006_8299071006_08089   いた,いた。稲刈りが終わったばかりの田んぼを埋めるマガンの群れ。息が荒くなる。田んぼを見下ろす土手で一旦車を止め,その後,様子を伺いながらじわじわ近付く。今季,伊豆沼ですでに50羽+の群れを見ていたが,その規模をはるかに超えている。久しぶりにマガンたちと共有する空気。最高だ。朝の光が向こうから差してきており,シルエットがとても美しい。

071006_8398 071006_8378 071006_8314  順光側にゆっくり回り込むと,稲刈り前の黄金色の田んぼとマガンたちの組み合わせが堪らない。今,この時期だけの贅沢だ。誰もいなかったので,この情景を独り占めだった。盛期になってから来る県外の人たちには味わえない光景だ。おもわずにんまり。性格の悪さが出てしまった。見ているうちに,どんどん飛んできて,さらに数を増してきた。

071006_08199 071006_08202 071006_08205  マガンたちのおかげで寄り道をしてしまい,白鳥地区の南側駐車場に着いたのが8時頃になってしまった。
 ラムサール条約湿地に指定されて2年目になるが,少しずつ看板などが整備されてきたようだ。この写真のように立派な木製看板もあった。真ん中の張り紙には,観察ルートが案内されており,初めての人には嬉しい情報だ。ボランティアでここを守っている方々には心から感謝したい。トイレも新たに設置したようだ。鍵がかかっていたが,時期が来れば使えるようになるのだろう。

071006_8448 071006_08232071006_8519   この周辺はホオジロがいつもいる場所だが,声も姿もない。どこかにお出かけか。その代わり,モズがあちらこちらでさかんに高鳴きをしていた。冬の餌場を確保するため,一所懸命なわばり宣言をしているのだろう。生きるのに一所懸命だ。
 ゆっくりと反時計回りに白鳥地区の周囲を歩き始めるが,ガンたちの鳴き声や上空を飛ぶ姿が気になって集中できない。

071006_8553 071006_8558 071006_8539  蕪栗沼方面へ右折する辺りでは,木々の向こうの西側から,沸き立つようにガンの大群が現れた。壮観だ。声も凄い。ガンは1羽1羽観察するのも楽しいが,大きな群れになるとその迫力に圧倒される。写真で伝えられるもんじゃない。この群れは白鳥地区内の北側に降りたようだった。
 ふと足元を見ると,朝露を乗せた紫色のツメクサがとてもきれいだった。
 ちなみに,ここを歩くときは,晴れていても,このような朝露でズボンの裾が濡れるので,登山用の足カバーなどがあった方が良い。

071006_8618 071006_8625  蕪栗沼までの道で,小鳥類はほとんど観察できなかった。ちょうど端境期なのだろうか。もしかすると,ひっきりなしに聞こえるマガンたちの声のせいで,いても気付かなかっただけかもしれない。途中,ほど近い木から,ふわりと大きな鳥が飛び立ったが,これはここのお馴染みさんのチュウヒ。お久しぶり!ゆっくりと独特の飛び方で遠ざかっていった。

071006_8770 071006_08267 071006_08481  蕪栗沼には,いつもいるサギ類のほか,カモ類も数多く入っていた。コガモとオナガガモがほとんどのようだ。沼の奥にはヒシクイたちも5羽観察できた。ヒシクイは今季初。お帰りなさい。亜種ヒシクイのようにも見えたが,やっぱり亜種オオヒシクイだったかな。水辺の植物の根っこを食べていた。ここは盛期になるとオオヒシクイが沢山集まってくる場所だ。

071006_08448 071006_08463 071006_08281 071006_08372  ヒシクイたちの右手にはツルシギ9羽の群れが休んでおり,その周辺を2羽のツルシギと2羽のオグロシギが動き回っていた。オグロシギに関しては,最初,何気なく「オオソリハシシギ」とフィールドノートに書き付けてしまったが,間違いを正すように,こちら側にお尻を向けて,黒い尾でアピールしてくれた。よく見ると,嘴も反っていなかった。

071006_8842 071006_8792 071006_8818  後ろを振り返って白鳥地区を見ると,さっき飛んできたと思われるガンたちがどっさり入っていた。カモたちが近くにいたので,まずいかな,と思いつつ,白鳥地区側の道を歩き始めたら,至近距離にいたオナガガモやコガモが飛び立ち,ガンたちも飛び始めた。一旦飛び始めると,際限なし。連鎖反応で皆飛んでしまった。あぁ,ガンは好きだけれど,これが辛い。私の他に誰もいなくって良かった。誰かが見ていたら,御免なさい,の状況だった。わかりづらいが,左端がオナガガモ,残りの2枚がマガンだ。

071006_8889 071006_9041 071006_8932  北側駐車場周辺からは,見晴らしの良い土手道にだ。ここで,またチュウヒを見かけたが,どうもきちんと撮影できない。いつかタイミングの良く撮影できるときもあるだろう。チュウヒを見ていたら,トビに追われているノスリも見つけることができた。ノスリも今季初だった。そういえば,白鳥地区の北東側の木でオオタカらしき鷹も見かけていた。

071006_8654 071006_8964 071006_8592 071006_9059  白鳥地区を一周すると,チョウやトンボにも良く出会う。トンボでは,ノシメトンボが一番多かったが,お腹が真っ赤になっても顔が青白いマイコアカネも多く飛んでいる。どちらもヤゴで越冬するらしく,今,この時期に交尾を行っていた。チョウは,キチョウが一番多かったが,この他に,モンキチョウやキタテハ,アカタテハ,キアゲハなど,多くの種類を観察できた。ここは,トンボやチョウを狙ってきても面白い所だ。左から,マイコアカネ,ノシメトンボ,キタテハ,キアゲハだ。

071006_8866 071006_8991  あちこちで立ち止まりながらゆっくり歩き,特に蕪栗沼では,ツルシギなどとじっくり遊んでもらったため,白鳥地区を一周するのに3~4時間かかってしまった。その後,いつもなら東側の野谷地地区を巡回するのだが,ちょうど稲刈り作業真っ最中のようだ。農家の方々の邪魔になるようだ。とりあえず,以前コキアシシギが出たこともあるという溜池に向かった。

071006_08611 071006_08636  この溜池は釣り人が多いところだが,稲刈りの時期は田んぼと共に水を抜いているようで,釣りをするような水位ではない。干潟風になっており,シギチにとって居心地の良い状態になっている。これは良いかも。と,ヨダレを我慢しながら覗いてみると,期待通り。いた,いた。ツルシギ2羽,アオアシシギ2羽,ダイゼン1羽だ。特にダイゼンは,海辺のチドリというイメージがあるので,こんな場所で出会うと得をしたような気持ちになる。

071006_9227 071006_9234 071006_08734  2羽のツルシギは,ずっと寝ている。ようやく顔を出したと思うと,その次の瞬間には,また嘴を翼に突っ込んでしまう。参った。アオアシシギはツルシギほどではなかったが,やはり眠たい様子。ちょうどお昼頃だったので,時間帯が悪かったかもしれない。しばらく粘ってようやく撮れたのがこの写真。

 ここでUさんと偶然会えたのだが,なんともうカリガネを観察したという。これにはビックリ。さすがだ。

071006_08788 071006_9276 071006_9251 071006_08804  野谷地地区は,田んぼの方を遠慮して,北西側の土手だけ覗いてみた。ここは小鳥類のポイントだ。この日,期待したホオジロ類は見られなかったが,ノビタキが4羽電線に止まっているのを観察できた。先週,伊豆沼でも観察した鳥だ。ちょうど今の時期通過しているようだ。4羽のうち1羽は,まだ夏羽が残っており,頭が黒っぽかった。
 すぐ近くの電柱ではノスリも観察できた。止まっている所を今季初撮り。

071006_08824 071006_08878 071006_08909  土手道に上って北側の田んぼを見ると,ガンの大きな群れが入っていた。カリガネがいた,という情報もあったので,近くまで寄ってチェックしてみた。間に1~2枚田んぼを挟む距離だったので,ちょうど良い感じ。これ以上近いと飛んでしまう。車の中からであれば大丈夫だ。
 しかし,なかなか見つからないものだ。別の群れかもしれない。実った稲とのツーショットを撮影し,そそくさと別の群れを探しに移動した。

071006_9373 071006_9371 071006_9362  その後,西側の方を巡回するも,群れ自体がない。群れを探して移動していると,北側からガンの大きな群れが沸き立ってきて,こちらにやってきた。稲刈り時期の田んぼの上空にマガンたちの声が充満した。とても良い雰囲気。ここに降りてほしかったのだが,再び北の方に戻ってしまった。

071006_08938  北側の田んぼに戻ってみると,何もなかったように,先ほどと同じようにして,同じ田んぼに群れが入っている。さっき飛んでいたのは,この群れとは違ったかもしれない。今度は車が2台とまっていた。近くに寄っていって,車の中からしばらくガンを観察していると,Kさんから電話があった。ガンに夢中で気付かなかったが,ここにいたのはKさんたちだったようだ。いつもお世話になっている方々だ。失礼してしまった。

071006_08963 071006_08979  電話は,この群れの中にカリガネがいる,というもの。群れの中から自分で探すのは,容易ではない。車を降りて,Kさん,Sさんに合流し,カリガネのいる場所を教えていただいた。おぉ,いた,いた。頭を下げていたので,やはり自分では見つけられなかっただろう。それにしてもよく見つけるものだ。もう1台の車はUさんだった。この人の鼻は,珍ガンの匂いを嗅ぎ付ける特別のものに違いない。

071006_09009 071006_09018 071006_09024  人が車を降りても飛ばない位の距離だったので,写真撮影にはやや遠い。デジスコだと何とか撮影はできるが,一旦フレームに入れても,モニターを見ているとすぐに見失ってしまう。ちゃんと撮れているかもよくわからない。ついつい倍率を高めにしてしまったが,画質との取り合いになるので,もっと低倍率で撮影しても良かったかもしれない。

071006_09149071006_09034 071006_09037  カリガネは成幼合わせて計6羽。大体は同じような場所にいて,餌を取っていた。主に落穂を食べていたのかもしれないが,青い草も口にしていた。ときどき周囲の仲間たちに突っかかっていって,気の強い所も見せてくれた。6羽が揃って顔を上げてポーズを取ってくれると嬉しいのだが,なかなかそうはいかない。

071006_09155 071006_09219 071006_09224  飛び去っていなくなるまで見ていたが,Uさんによると,飛び去った6羽以外にもまだ2羽群れの中に残っている,という。しばし探すが見つけられない。でも,シーズン初期でカリガネを6羽も見れば,もう十分。皆さんとはここで別れた。お世話様。お会いできなければ,多分カリガネを見つけることはなかっただろう。感謝。いつの間にか,もう日がだいぶ傾いてきていた。

071006_9448 071006_9429 071006_09367  帰り道,朝,マガンが多数入っていた田んぼに再び寄って見ると,朝と同じような所に同じようにしていた。1日ここにいたのではないだろうが,お気に入りの場所には違いない。赤みの増した光の中で多くのマガンと再び空気を共有した。この日の締めにふさわしい情景だった。
 ここにも首環を付けたマガンが入っていた。

 私は海沿いの生まれなので,「原風景は?」と聞かれれば,迷うことなく男鹿半島入道崎を思い浮かべるが,マガンのいる稲刈り時期の田圃風景は,とても,とても,懐かしく感じる。もしかすると,日本人共通なのかもしれない。
 この日は,とても充実した良い日となった。

【観察できた鳥】

マガン,アオサギ,ダイサギ,ハシボソガラス,ハクセキレイ,シジュウカラ,モズ,カルガモ,ウグイス,オナガガモ,コガモ,ヒヨドリ,マガモ,オオバン,カイツブリ,ハシブトガラス,カワラヒワ,チュウヒ,ヒシクイ,ツルシギ,オグロシギ,チュウサギ,トビ,オナガ,オオタカ,ノスリ,セッカ?,ハシビロガモ,ダイゼン,アオアオシシギ,ムクドリ,セグロセキレイ,コサギ,ノビタキ,カリガネ (35種)

【写真】(左上から,マガン×8,アカタテハ,ウシガエル,キタテハ,コサギ,光るススキ,ダイサギ,モンキチョウ,キチョウ,他)

071006_8724 071006_8745 071006_8984 071006_9321 071006_9403 071006_9416 071006_9420 071006_09375 071006_9187 071006_08512 071006_8585 071006_9097 071006_8580 071006_8386 071006_9073071006_8788  071006_08787 071006_08492 071006_9061

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